1. Cra出しRADIO 工芸とカルチャー
  2. S1 ep8 印刷の歴史を振り返る..

『柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年』の話題を軸に民藝とは何かを考えてきた前回。その話もちょっと引き継ぎつつ今回から3エピソード連続でお送りするテーマは「印刷」
機械的に全く同じものを複製することを目指す印刷技術と工芸にどんな繋がりが見出せるのか?シリーズ初回は印刷の歴史とその仕組みを駆け足で追っていきます。

今回の話題:
岩田が2019年1月『世紀末ウィーンのグラフィック デザインそして生活の刷新にむけて』@京都国立近代美術館で出会った絵画のレプリカに衝撃を受ける/コロタイプ印刷によるグスタフ・クリムトの絵画/19世紀末のウィーン分離派/オーストリア王政のオーセンティシティに対するカウンター的な運動/岩田の職業は印刷業/和紙印刷/3枚の和紙を合紙した扇子用和紙の特殊性/繊維が長い和紙は湿度の影響を受けやすい/印刷方式の大分類:凸版印刷、凹版印刷、平板印刷、孔版印刷、無版印刷/現在主流のオフセット印刷は平板印刷/18世紀末〜20世紀初頭に多くの印刷技術が登場/15世紀のグーテンベルクの活版印刷発明/産業革命と写真の発明の影響で19世紀前後に複製技術が発達/オフセットの先祖はリトグラフ(石板印刷)/オフセット印刷よりも50年早く発明されたコロタイプ印刷/CMYKの原理/パラダイムシフトとしての網点の発明/複製技術は再現のクオリティよりも生産性を選んだ/RGBに対応して生まれたCMYKどちらも人間の可視光線を効率良く再現するための技術/網点をデフォルメして表現したロイ・リキテンスタイン/3色の点を並べて疑似的にカラー再現する仕組みは印刷もモニターも同じ/線数(lpi)が上がっていくことで解像度を高める印刷、映像メディアも点を細かくすることでフルHD→4K→8Kに/今後どれだけオフセット印刷が進化しても辿り着けない地平に100年以上前のコロタイプ印刷は到達していた?

コロタイプ印刷によるクリムトのレプリカに衝撃を受けた岩田が当時書いたnote
https://note.com/mesco/n/n85fc025165ce

Wikipedia | ウィーン分離派
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%B3%E5%88%86%E9%9B%A2%E6%B4%BE

ポップアート作家 ロイ・リキテンスタインの代表作を解説
https://media.and-art.jp/art-studies/popart/about-roy-lichtenstein/

ConCraプロジェクトの詳しいコンセプトは公式サイトへ。
https://concra.jp

そしてここに掲げているコンセプトのもと、実際にモノを作っていこう人が集まるオンラインコミュニティであり実験場 ConCra Collective(コンクラコレクティブ)が2022年3月1日にオープンしました!
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パーソナリティ:岩田篤 蔡海 福原志保

00:01
CRA出しRADIOは、使わなくなった大切なものを、さまざまな工芸技術で生まれ変わらせるコレクティブ、コンクラのメンバーが、
分かりたいけど勉強しにくい工芸について、見たり、調べたり、作り手のお話を聞いて、時に脱線しながら、みんなと一緒に考えていく番組です。
コンクラのしほです。
岩田です。
海です。
お願いします。
前回は、国立近代美術館の民芸100年展に行ってきた感想という内容だったんですけれども、
今回は満を持して岩田さんが、謎の会社員というバックグラウンドというのを脱ぐかもしれない。
別にそういう会をやりましょうという話ではないですけど。
一番最初での自己紹介で、ただの会社員です。
それも結構、ある意味謎めいた自己紹介。
謎でしかない。
職業の話をせざるを得ないなっていうことなんですけどね。
どっちかというと、前回前々回までの民芸展の話を受けて、
結構そこからの、一つは割と時代的に接点があるなっていうのと、
柳宗義の民芸運動の時代と、
もう少し前の話なんですけど、
それもやっぱり展示会で、これもまた国立近代美術館なんですけど、京都の。
きぐですね。
3年前なんですけど、2019年の1月に見に行った展示会で、
すっごい衝撃を受けた展示があって、
それの話をしたいなっていうのが、ちょっと今日投げたい話なんですけどね。
一つは前回までの話とのちょっと時代的な接点とかがありそうだなっていうことと、
あと、いわゆる工芸の話じゃないんですけど、
結構工芸と工芸と言われるものと、そうは言われないもの。
何かものを作る技術の中でも。
そこの分けられるポイントみたいなのが、なんとなく見えそうな話のような気もしてて。
03:01
その辺は、僕もあんまりつかみきれてないので、
お二人にちょっといろいろツッコミを入れてもらって、
その辺を探っていけたらなと思うんですけど。
ちょっと前段そんなところにしてですね。
2019年の京都国立近代美術館で見に行った展示っていうのが、
世紀末ウィーンのグラフィックデザインそして生活の刷新に向けてっていうタイトルの展示なんですけどね。
そこで、コロタイプ印刷っていう印刷技法で印刷された絵画のレプリカがあったんですよ。
レプリカなんですよね。原画じゃなくて。
なんですけど、僕そのレプリカにすっごい衝撃を受けたわけですよ。
多分、でもこれは僕の予想ですけど、
やっぱその反したがあって、それが印刷で擦り上がったものをずっと岩井さんが仕事上見てる中で、
これが印刷で出たものなのかっていう職業的ななんか視点も。
っていうので、岩井さんからフライングで僕が印刷業に携わっているっていうことが。
本人が言う前に言うてもんだと思って消えた。
一枚一回ダメな感じ。
ネタバレしよった。
普段からね、それは別に。お二人に隠してるわけじゃないし。
そう、印刷のお仕事してます。印刷会社で働いてます。サラリーマンです。
サラリーマンってとこは言いづらないね。
っていう背景があって、印刷物って聞くと、そういう目で見るんですけど、やっぱり職業柄。
そのコロタイプ印刷っていう印刷技法で、印刷されてたクリムト、グスタフ・クリムトの、海外のタイトルとか忘れましたけど、
なんかもはやクリムトかどうかはどうでもよくないけど、そのコロタイプ印刷っていう方に衝撃を受けたんですけどね。
でも展示のメインはそれじゃないですよね。展示のメインは別にそのコロタイプ印刷についてとか。
ではない。
ではないですよね。
一応そうですよね。この世紀末ウィーンのグラフィックデザインっていう展示の趣旨としては、何年くらいだったかな。
20世紀の初頭にウィーンを中心にしたグラフィックデザインの運動があって、ウィーン分離派っていう。
僕、美術史のことが全然さっぱり詳しくないので、その辺分かんないんですけど、クリムトとかがそれこそ中心になってあった。
06:05
それより前のアール・ヌーボーとか、わりと自然派的なものから、もっと近代デザインみたいな方に向かっていく時代の運動。
それの中心的な作品を集めた展示だったんですよ。
多分ウィーンの分離派の美術館がウィーンにあるんです。ウィーンの本当にど真ん中に。
そこにクリムトの壁画が地下にありますね。直接彼が描いたやつが。
ショウさん行かれたことあるんですか。
何度も行ってます。
金の王冠みたいなのが建造物の上に乗ってて、結構デコラティブといえばデコラティブだし、花とか鶴とかそういうのが結構箇所箇所に使われている感じですね。
オーストリアといえば、ハプスブロック風景の頃から、わりと芸術家を囲ってきたような王立のオーセンティシティみたいなのがあって。
今言ったアールヌーボーもありつつ、クリムトは一応歴史を俯瞰すると、どっちかというとそのカウンターカルチャーという息づけだったっていうことでいいんですかね。
だからわりと芸術の民主化みたいな動きの一つっていう感じなんですかね。
本当に世紀末っていうよりは、変わる変革の時っていう意味の世紀末っていう。
わりとネガティブな風に取られがちですけど、世紀末って言うと終わり、本当終わっちゃうみたいな。
でもそういうことじゃなかったっていうのが私の理解です。
なのでどっちかというと反抗、反発してたような芸術だけど、今オーストリアがもうリプレゼントするための出しにクリムトを使っているっていうような。
3年前ですよね。ちょうどパリでクリムト展っていうのがやってて、それすごい大大人気展で。
コロナの前だからやっぱりちょうど何ですかね、きっとクリムトの何周年記念とか何か案件あるんですかね。
パリのやつはしかもクリムトのやつの高解像度プロジェクターによるプロジェクションマッピングとかそういうことも絡めた展示だったような。
一応パリを川切りかどっかから来たのかで回る開古店みたいな、だったらしいですね。
09:01
なので古典の新解釈的な空間だったような気もしますね。
クリムトだけでこんだけ脱線してるんで。
やばいですね。ちょっと脱線注意報が出てる。
全然ありです。とにかく展示の趣旨は印刷技術のすごさを見せるよっていうことでは全然なくて、
たまたまだったんですけど、たまたまというか僕が注目したのが本当に3枚ぐらいしかなかった頃タイプの展示だったんですけど、
もうちょっとその僕の背景を改めてお話しておくと、
印刷会社に勤めてます。いわゆる営業マンと言われる職業ではあるんですけど、
商業印刷って言われる分野の仕事をしてて、いわゆる反則のためのパンフレットとかポスターとかっていうものが一番多いです。
もう一つ和紙の印刷っていうのをやっていて、
初回からその仕事で工芸に絡むことがあってみたいなことをちらっと言ったりはしてるのがこれなんですね。和紙の印刷をやってることで、
京都の老舗のセンス屋さんとか打ち屋さんとかの線面の印刷、当然一定ものとかであれば手書きの絵とかが入るわけですけど、
ある程度のロットの大量生産品になると線面を印刷でするっていう。
センスとかの和紙は合紙されてて特殊だったりするので、
普通の全く経験のない印刷現場では擦れなかったりするので、その辺の特殊性でそういうお仕事もやってるというのがあるんですけど。
合紙っていうのはどういうことなんですか?
紙のセンスって骨の両方に紙が貼られてるじゃないですか。
理解しました。
あれって別に後から貼り合わせてるんじゃなくて、
皮紙っていうちょっと厚めの和紙と芯紙っていう薄い紙と、もう片方の皮紙っていう3枚の合紙になってて、
それに絵付けをしてから折りをして、折りをしたところの骨が刺さる部分にちょっと芯紙の部分に空気を入れて、
穴を開けてその芯紙をバリバリって割るような形で骨を刺すっていう。
そういう作り方をしてる。
いや、壊れそう。
なんでそんな作り方になったんだろう。
平安時代とか平安時代もっと室町ぐらいまでは片張りのセンスしかなかった。
12:03
だから能とかで持ってるセンスとかは片張りのはず。今はそうでもないな。
でも基本的にはその時代は片張りのセンスだったはずなんですけど、江戸時代にその辺の技術の高度化が進んだみたいです。
そうなんですね。
それすごい思いつきですよね。後から刺せばいいじゃんみたいな。
紙って、特に和紙、和紙と洋紙、西洋の洋の洋紙の違いって結構曖昧なんですけど、
いわゆる和紙って言われるものの特徴としては、厳密に言うと甲状とか三股とか頑皮とかっていう植物由来の紙っていうのが厳密には和紙と言われるんですけど、
実は結構そうじゃないパルプが入ってるものも和紙って言われたりしてて、特徴としては繊維が長いんですよね。
超繊維。
繊維が長いから、破れたりとかっていうのに強い。だからお札とかにも頑皮とか三股が使われたりするんですけど、
その分、湿度の影響を受けやすいんで、3枚とか合資されてると、その3枚の紙ごとに湿度の影響が違うから紙が反ったりするっていうことが起きるんで、
その辺をノウハウがあるよっていうのが、僕がやってる仕事の一側面としてはそういうことをやってると。
面白い。
っていうのが僕の仕事です。
なるほどですね。
ただの会社員ではない言葉だな。
ただの会社員ですけど。
今あったのは、よく使われてるところと工芸的な特殊な印刷を岩井さんがお仕事上取り扱ってるっていうお話がありつつ。
僕もその一人なんですけど、印刷って今世の中に出回ってる一般的なものと、種類みたいなものを。
そうですね。
うちの会社で僕が仕事で使うものは9割型オフセット印刷って言われるやつです。
例えば、皆さんの手に取る本とか雑誌とか新聞とか、大抵の紙メディアは今オフセットが9割ぐらい。
商品のパッケージとかでグラビア印刷が使われたりとか、それはものによって色々印刷方法が変わるんですけど、
少なくとも紙メディアとして流通しているものとしてはオフセット印刷がほとんどっていう状況なんですけど。
15:05
そうそう、だからこのタイプ印刷の話までいかないといけないんで、ざっと説明をすると、印刷の方式って大きく分類すると、
5つあって、聞いたことのあるものないものがあると思うんですけど、突販印刷。
聞いたことある。
突ですね。
会社名じゃない。
会社名じゃないやつ。
会社名じゃない。
知ってるのかもしれない。
手法としての突販印刷の方ですね。
大判印刷、突の反対の大判。
平板印刷、黄板印刷、無判印刷っていう、大体5つに分かれるんですけど。
全部分かんなかった。結局。
突販、大判は文字通りなんで分かりやすいんですけど、突販は木版画とかイメージしてもらうと一番いいんですけど、
木を彫って、彫ってない部分に、学校の図工の時間とかにもありましたけど、ローラーで墨を引いて、それで版画にするっていう。
だから、反の膨らんでる方に印記が載って印刷されるのが突販印刷。
大判っていうのは、エッチングとか、絵画の技法としてありますけど、銅板に傷をつけて、腐食させて、凹んだところに印記を入れて、それを転写するっていう。
今使われてるものでいくとグラビア印刷とか大判印刷なんですけど、オフセット印刷は平板印刷です。
平らな版と書いて平板印刷。これは基本的に水と油の反発の力を利用してるんですけど、浸水性の板に浸水性の部分と浸油性の部分があって、
絵柄が載る部分は浸油性になってて、絵柄が載らない部分は浸水性になってる。その版に水をつけると浸水性のところには全部水がついて、浸油性のところ、印記は油なんで浸油性のところだけに印記がついて、それを一回ゴムに転写させたやつを紙に転写させる。それがオフセット印刷なんですけど。
あと全部言っておくと、交番印刷っていうのは、北斗の県の飛行のコードですね。説明しようと思った。交番印刷はシルクスクリーンですね。一番わかりやすいやつ。穴が開いてて、そこから印記が落ちて転写されるっていうのが交番印刷。
プリントごっことかですね。交番印刷ですね。
で、無版印刷っていうのは文字通り版がないので、プリンターですね。レーザープリンターとかインクジェットとか。
18:03
いやー、初めて知りましたね。エッチングが無版印刷に入るっていうのも全然、言われてみればそうだなっていうのと。
で、その辺の今挙げたうちの無版っていうのは、どちらかというとかなりデジタル機器の、一番確かレーザープリンターの最初が1950年代とかだと思うんですけど、20世紀後半からの技術なんで、
一番奥としても、この大版、平版、後半、この辺の印刷技術の発展っていうのが、ちょっと僕も今回改めていろいろ手元にある本とか読み直してみると、ほとんど18世紀の後半から20世紀の頭ぐらいにめちゃくちゃ出てるんですよ。
いろんな方法が。で、その中で今オフセットが一番生き残って使われてるっていう感じなんですけど。
なぜその18世紀にバーって出てきたって理由って何なんですか?
えっとね、純王っていうとまず一番歴史的な事件っていうか事実として有名なのが、グーテンベルクの活版印刷の発明っていうのが、これが15世紀、
なんですよね。この時点で起きたことは、やっぱりそれによってみんなが聖書を読めるようになったとか、識字率が上がったとか、情報が早く届くようになったとか、それこそその宗教革命とか第5回時代とかそういうものにつながる。
これはこれでかなり大きい事件なんですけど、技術的にはその突版印刷なんですね。
ここで発明されたのは。活字が鉛で作られたやつを並べて、それで文字を組んでいくみたいなことをするんですけど、18世紀後半にいろいろ固まっているのはもう明らかに産業革命の影響です。
常期期間でいろいろ機械化するっていうことがあったのと、あともう一つは写真の発明。写真がね、写真も僕あんま詳しくないけど、ダゲレオタイプっていう写真の技術が、一番最初でもないのかな。
最初期っていう。
で言うとこれが1839年とかなんで、それに結構前後していろんな印刷技法出てるんですけど、オフセットの一番の先祖で言うとリトグラフってやつなんですよね。石板印刷。
結局やってることは同じというか、水と油の反発を利用してるんですよ。だから、反を凸凹させて、それによって印記が乗るとこ乗らないとこを作るんじゃなくて、まったいらない板やけど、そこに浸油性のとこと浸水性のとこがあるから、それを利用して印記を転写させるっていう。
21:25
だから、たぶん今リトグラフとかエッジングとかって絵画の技法として認識してる方は認識してるものだと思うんですけど。
美術館とか行くとエッジングとかリトグラフとかって書いてあるから、印刷と言われると確かに印刷だったなって。
だから、リトグラフの仕組みで言うと、反に直接油油分を持ったもので書くんですよね。それをそのまま反にして複製できるようにするんで。
半分は実際に書いてるんで、絵画と言えばそうですよね。ただ、それがそのまま複製できるっていうことがリトグラフの最大の発明だったわけですけど。
で、それがどんどん機械化していって、一番今のところ、今のところっていうか、印刷技術っていうのがね、印刷産業そのものが基本的には社用産業なんで、もう長年。
これからどういうふうに残っていくのかわかんないですけど、少なくとも今その一番コストとか生産性とかの上で、世界的に残ってるのがオフセット印刷っていう状況なんですけど。
それが元をたどるとリトグラフっていう、これもだから18世紀の終わりに発明されたものがご先祖様なんですけど、ようやくその冒頭のコロタイプ印刷の話がここで出てくるんですけど、
コロタイプ印刷が発明されたのが1855年とかで、オフセット印刷が20世紀入ってから1904年とかなんで、だからリトグラフから50年でコロタイプ、それから50年でオフセットぐらいの感じなんですよね。
だいぶ間が空いてる。
ちなみにこういう歴史観とともに印刷技法とかをしゃべれるっていうのは、印刷に携わっている人は結構必須科目なんですよ。
ちなみになんですけど。
いや多分違うと思う。
全然違うんですね。
僕も今日はしゃべるために結構復習したとこがあって。
24:02
そうなんですね。
会社の方の特派印刷がやってる印刷博物館っていうのが渋谷だったかな?にあるんですよ。僕行ったことないけど。
知らない。会ったことすら知らない。
僕本社ビルの1階にある印刷ミュージアム的なのは行ったことあるかもしれない。
ここがやっぱりそういう歴史資料をすごくたくさん持ってて。
今話したような、いつに何が発明されたみたいな話とかも、僕の手元にあるやつ読んでるとやっぱり出元はその印刷博物館とかだ。
そうなんだ。渋谷に職場あるのに全然知らなかった。
1回かなと思って。僕前東京行った時にたまたま改装中で行けんかったんですよね。
そうなんですね。
いつか行こうとは思ってたんですけど。
確かに。行った中ではオフセットの祖先と言われている石版印刷とか。
確かにジョアン・ミロとかああいう画家の作品とかによくキャプションでリトグラフって書いてあったんで。
版画って言われてたんですけど、それが何のことを言ってるか昔は分かんなかったですね。
大体ね、美術展行くとリトグラフかエッジングかシュルプスクリーンかってキャプションに書いてますもんね。
そうなんですよね。
石版の話は分かりつつ、オフセットは本当にどういう風にすられてるのかっていうのは、
話で聞くとああそうなんだと思いながら、それでどういうアドビで作ったようなソフトが一回オフセットの印刷になるのかっていうのが、
頭の中ではまだ想像ついてないんで、そういうもんだなんだなんだという感じで一回聞いてはいますが。
だからオフセットの機械的な原理のことをお話しするとちょっと無駄に話長くなるんで、そこはちょっとすっ飛ばすんですけど、
それよりもむしろ重要なポイントというか、今の僕たちがこれだけ、自分でも例えばラクスルとかに自分で作ったデータ入稿したら、
それなりにちゃんと思ってるような色で上がってくるみたいなことができてるので、CMYKっていう原理が発案されたからなんですよね。
それいつぐらいだったんですか。
これがですね、1882年にアミテンっていうものが発明されて、特許が取られてるんですよ。
これがものすごく重要な分岐点なんですけど、
27:01
つまり複製技術がクオリティの方に触れるのか、生産性の方に触れるのかっていうところのすごく重要なポイントが、
オフセット印刷動向よりもこのアミテンっていうのが発明されたことが重要で、
カラー印刷を、当然昔の印刷モノクロだったわけですよね。
モノクロというか木版とかやったら浮世絵なんかがそうですけど、細かく技師が色を判断して細かい色版を作って、
それを何十本も塗り重ねてカラーの浮世絵とかを刷ってましたよね。
擦り紙が。
コロタイプ印刷とか、リトグラフが発明されて以降も基本的にはカラーをやろうと思ったそういうやり方なんですよ。
この色が欲しいっていうものを頭の中でなのか、イメージしたものを版として書き分けて、
それに固有の色をつけて擦り重ねていくっていうやり方なんですけど、
このアミテンが発明されたことで、それがもうかなりのパラダイムシフトなんですけど、
この18世紀の終わりから20世紀の頭ぐらいにかけてこれが進んだっていうのもすごくがてんがいくんですけど、
これって自然をどういうふうに分離して考えれば原理が見つかるかみたいな、
科学の発展の影響があって、CMIKの前に先にあったのがRGBなんですよね。
光の三原色って言われるやつ。レッドとグリーンとブルーですけど、
これって別に自然現象じゃないんですよね、突き詰めて言うと。
あくまで人間の可視光線の中で、可視光線って鳥はもっと人間よりも広い敷地を見てるとか言うじゃないですか。
あくまで人間の可視光線の中にあるデータを数値化しようと思ったら一番やりやすいやり方がRGBに分ける。
これはだから印刷技術の前に先にカメラの技術があるわけですけど、
赤と緑と青のフィルターに照射した光を重ね合わせるとカラー写真ができるっていう原理が先にあって、
それを複製しようと思った時にどうしようってなった時に、
複製するためには写真の現像じゃない複製しようと思った物理的な印記に落とし込まないといけない。
でも印記でRGBでは表現ができないって時に、RGBの反対色、それぞれCMYっていうのは、
30:05
Rのフィルターをかけて点射すると、どの半だ。
グリーンなのかな。
ちょっと適当なこと言って間違えるようにしようと思って。
とにかくCMYとRGBっていうのはそれぞれ反対色になってるんですけど、
だからその写真技術が先にあってそれを印記っていう物理的なものにしようと思った時にCMYに展示させて、
それをただ重ね合わせても色濁るだけなんで、そこで発明されたのがアミテンってやつなんですね。
アミテンってどういう、それ日本語なんですか?アミテンって。
日本語です。アミの点です。アミアミの点。
これがドット、細かいドット、目にギリギリ見えるか見えへんぐらい。
見えるんですけど実際よく見れば。
その点が1%から100%までがメッシュ状にすごい拡大してみた時に、
例えば1ミリ四方の中にメッシュが10個もあります。
その中で1%のところはそのメッシュの中の真ん中に点がちょっとあるだけ。
それが50%になるとそのメッシュの半分ぐらいが色が埋まってる。
100%だと真っ黒。真っ黒というか全部色が入るみたいな風に、
一つの絵柄をものすごく細かいメッシュ状のところに、
どれだけの人気が乗るかっていうことをパーセンテージで出るようにしたっていうのがアミテンっていうものなんですけど。
これだけで説明するのめっちゃ難しいですね。
ちょっと今想像力をフル回転させているけれど。
だから拡大してみるとドットになってるってこと?
そうですそうです。
それがCMYKって4色のドットが微妙に重ならないぐらいにずれながら、
点がいっぱい集合してるっていうのを、僕たちはカラーの画像として見てるんですよね。
なるほどね。
これ音声…
混ざってなかったんだ。
全然わかんない。音声メディアでわかんないと思うんですけど。
ロイ・リキッド・エンスタインとかっていう現代の画家がいますけど、
こういう人、アニメっぽいものをドットで描いたりとかすると思うんですけど、
例えば女性の肌の色とかを赤いドットと背景の白とかだけで
ドットの粒の大きさだけで濃淡をわざとつけたりとかしてる。
デフォルメするとこういうことですよね。
こういうことに。
33:01
むしろリキッド・エンスタインはそういう近代的な印刷技術を絵画っていうところに
逆にデコードしたみたいなところはあるのかなと思いつつ。
わかりやすい説明かどうかわからないですけど、
塩子さんとかのイメージ的には伝わるもんですかね。
網店の話。
モニターの解像度とか。
そうそう、モニターも基本的には原理一緒ですよ。
あとLEDとかも結局そうなんだなと思って聞いてました。
基本的には色をRGBなりCMIKに分けるということは
それそのものはあくまでRとGBとBだしCとMとYだから
それを細かい点にして重ね合わせることでしか色は表現できないっていうのが
この網店の発明の以降起きた
基本的にそのメディアの中で色を表現する原理なんですよね。
僕はこれの世界でずっとやってきたので
しかもオフセット印刷の網店っていうのも
またより細かい話を言うと
これも言い出すと難しい表現になるんですけど
網店の点のサイズのことを線っていう単位で言うんですよ。
ラインの線。
一般的なオフセット印刷の線数は175線なんですけど
スルーしてください。
1インチの中にどれだけ点が並ぶことでできている線があるかっていうので
数えていくので175線っていうのが一般的な印刷です。
新聞とかだと紙質が悪いので100線とかなんですよ。
175線だとすごく色が潰れてしまうので。
うちの会社で基本的にやってるのが240線っていう線数で
細かいんですよね。
それを強みにして化粧品メーカーのパンフレットとか
綺麗に出ますよみたいなことで
割と売ってる会社なんですよね。
テレビのモニターでいくと
日本系じゃなくて8系なんですみたいなことですよね。
もうメタファーとしては完全にそれです。
だから僕はそういう線数が時代によって
オフセット印刷の線数も上がっていくっていう中で
この仕事をやってきたので
時代が進んでいけばどんどんそれが
36:00
より細密化していくっていう
リニアにっていう風な考え方で思ってたんですね。
実際モニターとかってそういう風に進んでるじゃないですか。
フルハイビジョンが4系になって8系になってっていう。
だからその技術が発展すれば
そこの精度は上がっていくっていう風に考えてたんですけど
コロタイプ印刷に何故衝撃を受けたかっていうところでいくと
ようやくそこにたどり着くとですね
圧倒的にオフセット印刷がどれだけ
これ今後進化しても絶対にたどり着けない品質が
出てたんですよねコロタイプ印刷。
どういうこと?
そのレプリカが1900
それも多分5年とかそのくらいにすられたものって
キャプションでは書いてたんですけど
僕そのルーペ
20倍ぐらいで見れるルーペとかを
普段持ってたりするんですけど
それが普通じゃない。
さすがに美術館で飾ってるものをルーペで見るわけにはいかないですけど
でも肉眼で編み点ないかなって見ようとするんですけど
全くそのとっかかりもないんですよ。
編み点の一つも全く見えない。
僕はそのコロタイプ印刷名前だけは知ってたけど
その時全くそのコロタイプ印刷の原理とかも知らなかったんで
これ印刷ですよねってどういうことですかって
その編み点がないとかっていうことだけじゃなくて
すごいね色の発色が
何ていうかな量感があるっていうか
印刷でこんなボリュームのある色って出るのっていう感じ
だから多分どの原色じゃないどの混色の色にしても
これ今温泉コンテストではありながら
岩井さんのノートを共有しながらなんですけど
そこでちょっと説明されてるのは本当に拡大したら
もうこういうドットがあるばかりですよというようなところで
どれだけだから目を凝らしてもそれが見えないっていう
なんていうかそこにすごい高豪しさを感じちゃったんですよね
まるで各色が絵の具みたいに混ぜられてて乗せられてる
そこに実際ペイントしたみたいな感じに見えるってことですか
クリムトの絵なんでいかにもクリムトな感じなんですけど
やっぱり金時代の絵なんで
僕もどうやって印刷でこれをするのかっていう想像が
39:00
未だにつかないんですけどやっぱりあれ
記憶の中にしかないんですけどね
ここまで喋ってもう30分とか経っちゃってるんですよ
そうですねコロタイプ印刷は何ぞやっていうところが
前半と中半と後半で3部にしたらいいんじゃない
ということでちょっと今回はここで切って
次回はコロタイプ印刷についてちゃんと話します
コロタイプ印刷の謎について解明したいと思います
そうですね今回は岩田さんがどんなサラリーマンであったかという話
でもやっぱ分かんないよ
それはなんかエピソードとして弱いな
そんな感じで
印刷の歴史をざっと振り返るみたいな回ですかね
ではまた
またハッシュタグCONCRAコンクラで感想とかつぶやいてください
つぶやいていただきつつ面白いと思ったらフォローしてねというところで
今日もありがとうございました
ありがとうございました
40:25

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