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2022-04-26 44:45

S1 ep9 複製技術のパラレルな未来 コロタイプ印刷がすごい!編(中編)

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3エピソード連続でお送りするコロタイプ印刷編。印刷の歴史をざーっと振り返ったところでようやく本題のコロタイプ印刷の話へ。
世界唯一のカラーコロタイプ印刷を行う京都の会社「便利堂」で岩田が見たものは!?
※いち見学者として見たり調べたりしたことを元に語っているので、誤りなどがあればご指摘いただけると嬉しいです!(岩田)

今回の話題:
オフセット印刷が今後どれほど発展してもコロタイプ印刷には敵わない?/網点によって一度分解されてしまった色はもう元には戻らない/網点は発想がデジタル/色を分解して点にして並べる発想はモニターなど映像メディアでも発展/世界唯一のコロタイプ専門印刷会社「便利堂」/便利堂のオープンファクトリーに行ってみた/コロタイプ印刷の仕組み/ゼラチンが硬化する仕組みを利用して無断階の階調を印刷できる/日本では昭和30年代頃までは卒業アルバムなどに利用されていた/便利堂が開発したコロタイプ/浮世絵のように色を塗り重ねていく/顔料の含有量が高く褪色しにくい印刷であることで文化財のレプリカ分野に強み/マルセル・デュシャンは自分の作品をコロタイプで刷っていた?/最先端の機械技術だったものが時代を経て見直すと工芸のように見える/素材の性質と現状を理解して利用する=バイオロジー/有毒なものも存在する顔料/新しく発売されたグリーンのiPhoneがなぜすごいのか/ラジウム、鉛、ヒ素、有毒性を知らずに使われてきた人工顔料の歴史/ナポレオンは緑色の壁紙の部屋で寝ていたから早死にした?/コロタイプのような色再現はありえたかもしれないもうひとつの未来?/人間の認知能力を超えて映像を記録・再現する8K技術/クリムトのレプリカに感じたアウラとはなんだったのか?/複製技術なのに唯一性(アウラ)を感じるパラドックス/再現されたものが本物を超える?/8Kで見るジャグリングとコロタイプ印刷によるレプリカは近い?/デジタル技術による感覚の拡張/ヴァルター・ベンヤミンはアウラという概念で何を言おうとしていたか?

コロタイプ印刷によるクリムトのレプリカに衝撃を受けた岩田が当時書いたnote
https://note.com/mesco/n/n85fc025165ce

株式会社便利堂
https://www.benrido.co.jp

ConCraプロジェクトの詳しいコンセプトは公式サイトへ。
https://concra.jp

そしてここに掲げているコンセプトのもと、実際にモノを作っていこう人が集まるオンラインコミュニティであり実験場 ConCra Collective(コンクラコレクティブ)が2022年3月1日にオープンしました!
興味のある方はぜひお気軽に参加してください。
https://basic.motion-gallery.net/community/concra/

#concra(twitter)で感想、質問、リクエストなどお待ちしています!

パーソナリティ:岩田篤 蔡海 福原志保

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CRA出しRADIOは、使わなくなった大切なものを、さまざまな工芸技術で生まれ変わらせるコレクティブ、
ConCRAのメンバーが、分かりたいけど勉強しにくい工芸について、見たり調べたり、作り手のお話を聞いて、
時に脱線しながら、皆さんと一緒に考えていく番組です。
ConCRAのウミです。
ヤッタです。
シホです。
今回もよろしくお願いします。
この印刷技術を振り返りながら、コロタイプ印刷に迫っていく、
行きつつ岩田さんのサラリーマンとしての正体が徐々に暴かれていくかもしれないお話の続編になっております。
この後は別に暴かれないですよ。
そうです。
なので、シリーズっぽくそのまま話を続ける感じになりますが、また脱線しちゃうんでね。
気を緩めると。
ここまで印刷技術の歴史を振り返りつつ、今主流のオフセットっていうのが、ある程度その時代の流れの中で精度を高めていってるっていうものはあるんですけど、
それがどれだけこの後発展してもおそらく叶わないであろうという精度をコロタイプ印刷っていう100年前の印刷技術がすでにその高みに到達していたっていうことに衝撃を受けた岩田っていうところ。
やばい、100年前とかでそんな高みに行ってしまって、でもなんでなくなったのかがすごい聞きたいです。
僕のど素人のちょっとおさらいなんですけど、まずオフセット印刷がすごく普及していながら、そこの技術的なポイントになるのが、
まず前回のお話だとCMYKっていうところで人間の目で認識するものをものすごく4色に抽象化して、その4色によって再現性を確立したっていうと、
アミテンの発明っていうことによって、それの掛け合わせでいかに簡単に大量にそれが再現しやすくなったかっていうことであってますかね。
03:01
おっしゃる通りです。
アミテンの解像度に印刷の上がりが依存してしまうので、それが例えば時代に応じて同じ考え方で紙からモニターとかに展開していくわけなんですけど、
そもそも4つに分けていることで、解像度化したところでアミテン的な1回分解されたものが元通りにならないっていうことが、僕のど素人なりの岩田さんの理解なんです。
いやいや、ありがとうございます。うまく整理していただいて。
なんでおっしゃる通り、やっぱりどこまでいても点の集合なんですよね。
で、それをやった理由としては、今海さんがまとめていただいた通り、再現性というか生産性を高めてる方向に向いたからなんですよね。
だからこそ、そこから100年してこれだけ世界で普及しているのがオセット印刷であり、その原理であるアミテンであり、それと同じ原理を使ってる僕たちが毎日見てるパソコンとかスマートフォンのモニターでありっていうことなんですけど。
だから逆に言うと、アミテンって1882年とかなんですけど、この時点でもう考え方はデジタルなんですよね。
0か1かに分けて、かつCMYKっていう数値化できるものに分割させて、それの配合によって色を決めるっていう発想がここで生まれているので、もう完全に発想がデジタルなんですよ。
なのでそのままモニターにもそれが流用されてるっていうことだと思うんですけど。だからここまでの流れで察しがつくかと思いますけど、コロタイプ印刷っていうのはデジタル以前なんですよね。
その技術の考え方が完全に文字通りにアナログなんです。だからその離散データではないんですよね。ここに刷られているものって。
だからCMYKに分解されていないということですね。
CMYKに分解されていないのもそうなんですけど、重要なのが階調、階段の階に調べ調子の調で階調っていうやつなんですけど、階調表現の全く段階のない階調表現っていうことがコロタイプ印刷っていうのができて。
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僕がまずクリムトのコロタイプ印刷を見てからの僕の行動はですね、まず衝撃を受けてその時ノートを書きました。それまた概要欄に貼っておきますけど。
これが僕も別に誰に向けてもなく細々とノートやってたんですけど、そこそこ僕が書いたものの中では一番ビュー数が高くて、いまだに参照され続けてるんですけど、あんまり僕の適当に書いたことを参照するのは社会のために良くないと思う。
いやいやいや、僕もこれ読んで結構えーって思ったところがありますからね。
タイトルは何ていう?
タイトルがね、コロタイプ印刷とデジタルが用えないAURAっていうタイトルで書いたんですけど、ちょっとAURAの話とか後でしますね。
この記事書いて、コロタイプ印刷、僕名前だけは印刷仕事にしてることもあって知ってて、それを京都の便利堂っていう印刷会社がやってるってことも知ってたんです。
厳密に言うと、今世界で一社だけです、コロタイプ印刷してるの。便利堂さんだけです。
便利?
便利、普通に便利。
なんか都合よさそうな名前ですけど、めちゃくちゃ尖ったことをやってるってことですね。
マジですごいことやってるんです、便利堂さん。
へー、マジですか。
で、便利堂さんは京都なんでもちろん名前も知ってたし、コロタイプ印刷やってるっていうのも知ってたけど、
僕コロタイプ印刷っていうのがよくわかってなかったからふーんと思ってたんですけど、これはちょっと話聞きに行かなあかんなと思って、
そしたらちょうどですね、これ2019年の1月だったんですけど、その年の2月にデザインウィーク京都っていうイベントで、
僕らコンクラも縁のあるイベントですけど、ここで便利堂さんのオープンファクトリーが毎年参加されてるんで、
よかったら次の2月、この話で興味が出た方は見に行けるんですけど、便利堂さんの現場を。
で、その行ったんですね。2月のオープンファクトリーに。
なんで、ちょっとそこで見たことも含めて、コロタイプ印刷っていう印刷の技法の話をすると、
前回お話しした、その平板、突版、横版、平版、後半、無版はちょっと除いておいて、
この4つの版のタイプのうち、コロタイプ印刷も平版なんですね。オフセット印刷と同じなんです。
水と油の反発を利用した印刷方法っていうところでは変わらないんですね。
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で、オフセット印刷で僕らが仕事で使ってる版っていうのは、アルミ製の版を使ってます。
アルミ製の版に、表面に印刷用の薬剤が塗布されていて、そこに濾光して絵柄をそこに出していくっていうことをやってるんですけど、
コロタイプ印刷で版に使うのはすりガラスです。割と厚みのある、何ミリやったかな。割と厚みのあるすりガラス。
そのすりガラスを何回も再利用するんですけど、すりガラスにゼラチンを均等に塗布するんですね。
そのゼラチンにネガフィルムを当てて乾燥して版を作るんですけど、ゼラチンの性質として乾燥した部分だけがゼラチンが固まるんです。
で、乾燥していないところは固まっていない。
で、そのネガフィルムって、それこそフィルムは光をそのまま撮像したものなんで、
アミテンとかそういう変な細工はされてない、完全に綺麗なグラデーションが出てる画像なんですけど、それをそのままゼラチンに乾燥するんですね。
で、乾燥して固まったゼラチンに水を含めると、乾燥していないところは固まっていないので膨張するんです。
で、乾燥したところは硬化している、固まっているので膨張しないんですね。
ただ、今言ったように、固まるか膨らむか膨らまないかっていう2つじゃなくて、乾燥の度合いによって膨らみ方が違うので、それによって階調表現、グラデーションが出るわけですよね。
で、そのゼラチンの表面が膨らむと、膨らむとっていうか、ゼラチン表面にもともと細かい皺があるので、膨張するとその皺が膨らむとほら、皺なくなっていくじゃないですか。
で、硬化したところはより皺が深い。で、その皺に印記が入り込むわけです。
だから、これってちょっと振り返ってもらうと、黄藩印刷っぽいんですよ。黄藩印刷って、へこんだところに印記が入って、それが転写するっていうのが黄藩印刷なんですけど、でもこのタイプの印刷は平板印刷なんです。
だから、まったいらの藩なんですけど、その中にわずかなその皺の深さっていう凹凸がある。それによって階調を表現するっていう。
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それってのはそのゼラチンの膨張した厚みっていうものが関係してるんですかね。
膨張と膨張してない部分の皺の深さですね。
顕微鏡で見てみたいですね。
その皺が深いと何がどうなるんですか?
深いと、そこに入る印記の量が多いんです。で、皺が少ない方が印記の量が少ない。
これ詳細一回見てみて。
もう完全に想像ですけど、その印記が多いのと少ないのっていうのでどういう効果が出るんですか。
紙に転写されるときにその色となって現れる。グラデーションとなる。
だから多分あれですよね。印記の量が多く含まれているところは真っ黒になる。
まあまあそうです。黒であればそういうことです。
少なければグレーに。
グレーから白に近い中間色という感じになるんですかね。
だから前回、写真の歴史とも連動してるっていう岩さんがおっしゃってましたけど、
タケレオタイプの次の、出版印刷って言われてるんですかね。
コロジオンなんとかっていう。僕も全然詳しくないんですけど。
あれも坂本龍馬の写真とかで言わないやつですね。
あれがいわゆるタケレオタイプ?
出版印刷、そうですね。近いですよね多分。
ちょっと名前の連想で言ってるぐらいの話かもしれないですけど。
ガラスの板に薬品を貼って、その間に録音させるっていう風なことらしいんで。
構造的にはちょっと近いのかなと。ちょっと詳しい人に教わりたいんですけど。
そうですね。この印刷が、まずなんで今、便利堂っていう会社しか残ってないかですよね。
なぜ淘汰されてしまったのか。
まずこの階調表現のコロタイプ印刷の特徴って、
僕がクリムトの絵を見て、全くレプリカとは思えない階調表現が表現されてたっており、
ものすごく精度の高い印刷なんですけど、便利堂一社を残してなくなっちゃったんですよね。
いつまで残ってたかっていうと、日本でいうと昭和30年代ぐらいまでは、結構会社が日本にも何件もあったそうですよね。
ということは、もう戦後10年ぐらいは普通にやられとったってことですよね。
何に使われたかというと、卒業アルバム。
なんでそこに特化してるかっていうと、このゼラチン製の版がだいたい1000部ぐらいまでしか持たないそうなんですよ。
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だから数万冊とかっていうふうな単位でするような雑誌とか広告メディアみたいなものには向かなかったんですね。
当時のオフセット印刷ってそれこそまだ精度が低かったので、
卒業アルバムって集合写真やからめっちゃ顔とか細かいじゃないですか。
あれオフセット、当時のオフセットでやろうと思うと多分網点しか見えないみたいな。
なっちゃうんですよ多分。
それがコロタイプであればもう細かい顔まで全部見れると。
っていうので、ある時期までは卒業アルバムとかにコロタイプ印刷っていうのが普通に使われてたみたいなんですけど。
めっちゃ面白いトリビアですね。
卒悪が主戦場っていうコロタイプであった。
まずちょっとイメージしていただきたいのはそれモノクロなんですよ。
そうかそうか。
基本的にコロタイプ印刷その時に普及してたものは全部モノクロです。
カラーのコロタイプ印刷っていうのは日本では弁理堂さんが独自に開発した技術。
だから僕そこがちょっと謎なのが1905年とかのクリムトのレプリカがコロタイプ印刷だったんですけど。
その当時のカラーコロタイプの技術っていうのが多分継承されていないのかわかんないんですけど。
多分少なくとも一般的に普及したような技術では明らかにないわけですよ。
相当お金もかかるだろうし。
そうですよね。CMYKの頭に僕潜在的にやっぱりなっちゃってますから。
色の再現というと。
じゃあどういう風に混色してるのかっていうのは今の話聞く限りでも1ミリも想像できない。
そこで出てくるのが浮世絵の色の作り方なんですよね。
だからもうCMYKでほぼ半自動的に色を分解するっていうことじゃなくて。
それはもう職人がその原画を見てここは半を分けてこの色を使おうとか。
ここはこの半でこの色を使おうっていうのを必要なところまで分解して。
職人がもう細かく半を作り分けていくっていうことをするんですよ。
だから下手をすると十何半とかってなるわけですね。平気で。
で、そのやり方だと一つ全くオフセットと考え方が違うのが
ちょっと前回で網点の説明をしたときに
網点っていうのは細かい点になるんですけどCMYKって4つの色が重なることはないんですよね。
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並んでるけど。重なったら濁っちゃうから。
でもこのタイプ印刷のカラーの場合はこれ色重ねてるんですよ。
だから重ねるってことは色は強い色の方が上に出ちゃうので
薄い色から順番に吸っていってだんだん濃い色になっていくようにっていうことも
計算してカラーの半を作っていくっていうことをするんですけど。
なるほど。
オフセットと一番大きく違うのが顔料の顔油量で
印記に対して90%以上顔料が入ってるんですね。このタイプの印記って。
お金かかりそう。
で、ちなみにオフセットだとだいたい20%とかそのくらいです顔料。ほとんど透明です。
メジウムって呼ばれる透明の印記に顔料を2,30%入れたやつがCMIKの基本的に使われる印記なんで
基本的には半透明なんですけど吸っても。
このタイプ印刷はほとんどその色がガツンと出るっていう。
かつでも8割か9割ぐらいなんですけどその顔料の顔油量が。
はい。90%とか。
なおかつそれだけだと絵の具に例えるとオフセットがいわゆる透明水彩みたいな下のが透けるようなイメージなんだけど
油絵の絵の具とかグリルガッシュみたいなのに近いのが。
このタイプの印記って考えた時に普通に絵を描くように考えると下のものをどう透けさすかっていうのはもう9割も顔料が入ってると
計算のしようもないようなイメージが普通に聞くと湧いちゃいますよね。
もうそこはちょっと本当に職人技って言っちゃうとすごいざっくりした言い方ですけど
常人にはというか長年やってないと無理ですよねそんな。
全然想像すらしろとはもう全然想像つかないですね。
弁理堂さんがなぜ一社だけ残ってるかっていうとやっぱりここがすごく強みなんですよ。
顔料が90%以上あるってことは早々退職しないんですよね。紫外線とかでも。
だからお寺とかの重要文化財でなかなか火の下には晒せないようなものを撮影してレプリカを作って
それを展示場に出すみたいな時にこういうコロタイプ印刷のそういう退職がないっていうことと
当然高制裁であるっていうことの強みが発揮されると。
21:01
そういう美術分野で生き残ってる。
コロタイプ印刷最初に開発されたのがフランスなんですけど
なのでヨーロッパのアーティストとかであったらコロタイプ印刷っていうのが印刷技術として優れていることは知ってるので
ヨーロッパのアーティストとかが便利堂を指定して印刷を依頼するとか写真集依頼するとか
っていうので世界中から注文を受けてやってるっていうのが。
ドッキンフォーに引っかかるくらいの勢いだということですね。アメリカでいうと。やばいですね。
それでドッキンフォーとか言ったらひどいですけどね。
すごいちょっと聞いただけでもなんか気が遠くなるような話のオンパレードで。
今日のことで色々調べている中でちょっとちらっと見たのとかで言うと
マルセル・デュシャンが自分でコロタイプで自分の作品を吸ってたとかっていう話があるらしくて
自分で版作って塗り重ねてみたいなそれで何年かかけて一つ完成させるみたいなことをやってたみたいな。
そうなんだ便器だけじゃなかったんですね。
実際にこれ便器だ僕も便器しか知らない。
便器のイメージですよねデュシャンのイメージが。
その辺全然詳しくないから便器の人ってことで。
大方の人にとってそうですよね。あの便器野郎はコロタイプやっとったんか。
便器野郎とか言わないで。
すいません。
僕もその弁理堂さん現場行かして色々その一通りの流れを見させてもらって
僕もその印刷の仕事してるから印刷現場にはしょっちゅう行ってるから
その印刷の工程っていうのは間近にいつも見てるわけですけど
やっぱり現場に当然印刷機は機械ですから
それは機械が回ってるわけですけど
版を作る工程とか裸にゴムのエプロンだけつけて
すりガラスにゼラチンを塗布する時に均等に塗布するために
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ホコリとかが入ったらあかんのから
できるだけ全裸に近い状態で部屋に入ってやったりするんですけど
暗室みたいなところに。
そういう近代的なっていうとちょっと違うけど
今の一般的な印刷現場で見る工程とは全く違うものはそこにあったりとか
精密機械のチップ作るところみたい
もう一つダメみたいな
クリーンルームみたいなね
ウルシのやってる人の現場とか
だからデュシャンが自分の作品を自分でコロタイプで捨てたみたいなのを聞いたりすると
リトグラフとかって僕らがどちらかというと
印刷技法とかっていうよりは何か絵画のようなものとしてイメージしてたみたいなところもそうですけど
機械生産化されきったものが当然のものとして見てると
開発された時には明らかに機械生産なんで
工芸とかの話でいくと工芸的なものではなかったはずなんですけど
リトグラフもコロタイプ印刷もその当時の技術で言えば最先端の機械技術だったはずなんですけど
リトグラフはちょっと違うかもしれないけど
それが今のこの技術がある状態で振り返ってコロタイプ印刷を見るとすごく工芸に見えるんですよ
完全にそういう連想で見てますよね
製鉄技術とか機械加工がある中で
タタラ製鉄で作った鉄を小族着で叩いてる刀かじに見えますよね
もう一つ自然科学の理解がなければ考えつかないかったと思うから
そこもやっぱりその素材とかの性質をちゃんと理解して
現象を研究してってところも工芸に近いなって思って聞いてました
サイエンティフィックに言うと視覚とは何かっていうところもありながら
バイオに近いよね
デジタルとアナログっていうかデジタルとバイオロジカルっていう
植物の機構とか現象とかがメカニズムの一つとしてまとまっている複雑な構造っていうのをバイオだとしたら
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そっちに近いなと思って
そうですしただの複製技術というよりは
僕聞いてて複製するときに複製画家を雇うかコロタイプ印刷を頑張ってやるかみたいなところで考えたときに
結局岩田さんの言ってたのはおそらく何十版にもなるであろうっていうものの
インクの選び方だったり量だったりみたいなものの工程みたいなのを想像すると
なんか画家がやってるのとあんまり大差ない作業なんだよね
労力としてですよね
そういう感じは印象として
しかも人が作った色だからどう分解するどういう色なんだっけ実際本当にこれって
やっぱりちゃんとそれが分かる目を持ってないと再現できないと思う
だからジュブリのなんかよくドキュメンタリーとかであそこのスタジオで
例えば草とか木とかの色とか自然物の色とかにはめっちゃ厳しいスタジオだから
緑だけでも何十色も色見本作ってそれをこうやっているのがあるんですけど
ああいう感じを想像しちゃいますね
どっちかっていうとこのタイプの反応
でもそのくらいの細かさで色を見ていかないと無理ですよね
そうですよね
あと体張ってんなと思ったのは
善良でとかいうのとかとまた別で
顔料90パーって下手すると顔料って毒素も持ってる顔料があるから
それを思いっきりやっぱり触れてるって考えるとすごい体張った技術やなと思ったりとか
最近これ聞いた話なんですけど
のびさんっていうアップルの携帯でたらのびさんすぐ記事一番最初に書くんじゃないかっていう方のジャーナリストなんですけど
あの緑の携帯出たじゃないですか
この前iPhoneで出たんですよ
緑の携帯?
iPhoneのグリーンが出たんですよ
グリーン出ましたって広告して何が緑出してすごいねんって
正直ちょっと私心の中で思ってたんですけど
緑って毒素がすごく強い顔料だったから
その顔料を日本のどっかの工場と共同で開発として作って
その環境と人に優しい顔料の緑っていうことで
めっちゃそんなハイコンテクストだったんですね
そうなんですね
30:00
CM見る限りなんかサイバーバキバキの
緑出たぜみたいなバキバキの感じでしたけど
緑出たぜなんですよ
やっと今出せるってことはもう昔なんてそんなのなかったわけだから
結構なんか色々やっぱり確かに緑って何にできてるのかなと思ったら
ラジウムとかあとは白とかオレンジとかも結構なんかすごい危ないらしくて
白だと鉛とかだからなんかフェルメールとかが結構なんか
その白とか使って体張って書いてたっていう記事を見つけて
あるほど
釉薬のフルタシゲナイフルタオリベとかがオリベっていう緑を出すために
どうやって使って六章というか腐食させてその緑を出すかって
でもまあ六章って今はそうでもないですけど毒ですからね
あとね緑に他にもラジウムの他にもなんか18世紀頃に出た
記事見てるんですけど18世紀頃に出たシェレーグリーンとパリスグリーンっていうので
これ合成された人工含量なんですけど
すごい綺麗な緑だからすごく人気が出たんだけど
結局何でできたかっていうと皮素
皮素触ったらまじ多分手がブツブツできてしまう
なんとか華麗事件とかの記事
それが結局わかるまでもう誰もわからず洋服のテキスタイルとかも使われててっていう
なんとナポレオンは緑色の壁紙の部屋で眠っていたため
皮素中毒で死んでしまったのではないでしょうかとかそんなことが
そんなことこんな話があるんでしょう
ヤバいね
それは知りませんでした
っていうようなところの緑がありつつ
音声コンテンツなんでわからないんですけど
しほさんも今日緑のところに来ています
今年緑流行ってるんで
大丈夫かなこの服
皮素でそのうちナポレオンのようにっていうことがないといいんですけど
そうなんですよそうなんですよってこのタイプ印刷の話をそろそろ整理すると
だから僕は色を表現するっていうことの
33:03
複製技術で色を表現するっていうことがどういうことかっていうことが
ある程度分かったつもりでいたというかこういうことでしょって思ってたのが
全然違ったなっていう
ある歴史の編み点が発明されたときにこっちねって言って
そこから進んだ方向の先で僕は暮らしてただけで
それがもちろん利便性の面とか再現性の面でそれが一番
少なくとも今の時点では最デッカイと思われているものではあるんですけど
そこがちょっと分岐すると全然違うものがもう党の昔200年も前に
とっくに超高精度のものができてたよっていうのが
そこが衝撃だったっていう
知ってると知らないとでは全然違いますよね
ちょうど前の話あれなんですけど近くにNHK議権ってのがあって
そこで北京オリンピックの陶器のやつを8Kで放送してたんですね
フィギュアスケート見ててスローモーションまで言ったら超高解像度の映像で
スピンしてるときとかね
スピンしてるときの顔の歪みがやべえっていう
初めてそこに気づいた
スケーターがこういう顔見られたくないだろうなっていうくらいクッキー見えるぐらいの感じなんですけど
8Kでジャグラーの人のパフォーマンスとか見てると
その弾とか4つとかを投げて回してるんだけど
普通のテレビとか4Kぐらいだったら弾が早く回ってるからちょっと霞んで見えるみたいな
でも8Kで見ると全部見えるんですよボールが一個一個
動いててそれがぬめっとして見えるんですよ
時間軸がちょっとおかしい感じがする見えすぎてて
なので普段自分が生で見えてるより見えちゃってるっていうような気持ち悪い感覚ができるんですよね
みたいなところが一般生活者にとっての高解像度ってすげえねっていうのは頭なんですよね
それがもうすでにCMIKなりRGBに分かれていて
でも世の中には複製技術ではパラレルワールド化してしまった
もう一つの世界に分解される前のこのタイプっていうのがあって
っていうところが人間の頭で知ってるか知ってないかでも
複製技術に対しての視点がおそらく僕も岩田さんの話聞いた以降変わってくるだろう
36:05
そういう感じですね今回のコロタイプの話を
コロタイプモニターみたいなコロタイプ的なモニターみたいにできないのかな
でも有機ELとか近いのかなもしかしたら
どうなんですかね結局でもそこで
撮像される映像のデータの作り方がRGBで作られている限りは
RGBで作られたデータの域を超えることはないと思うんですけど
色調の分解の仕方も別にRGBっていう一つしか仕様がないだけじゃなくて
HSBとかLABとかって他の色相の単位もあったりするんですけど
そうですね
あと今写真が結局デジタル写真になっちゃってて
ってことはもうそれコロタイプにできない
そこがすごくやっぱり時代に抗えないところで
5年ぐらい前に見た記事ではまだ弁理堂さんもでっかい写真の原造機使って
遠倍で撮った写真をそのまま版に起こすっていうために
アナログのフィルムからアナログの版に落とすというところまで全部アナログでやってたんですけど
やっぱりそこの写真の原造っていうところはもう今は動かしてないみたいです
僕が2019年に見学に行った時にはもうその機械はちゃんと残してはあるけど
今は現役では使ってないという話されてたんで
だから今のコロタイプ印刷は少なくとも写真がベースのものに関して言うと
写真そのものはデジタル
そこから製版するっていうところにはデジタルの技術が使われてます
ただそこもコロタイプ印刷の味がちゃんと消されないように
どういう技術を使うかってことはかなり吟味されてるみたいですけど
だから一番まだ威力を発揮するのは絵画の複製っていう意味では
やっぱりアーティストがすごい重宝するように
写真ではないものは引き続き威力を発揮し続けるんだろうなという
岩田さんが最初にそのコロタイプの印刷見た時に
どういう質感っていうか細かく言ったら網が見えないとかそういうんじゃなくて
39:02
ものの重量感っていうんですか
見えてくるものどんなイメージで見えたんですか
当時僕が書いた記事を今見てるんですけどね
ここで言ってるのは原画と並べて展示してあったわけではないので
例えば色の再現性がどれほど高かったのかを知る余地もありませんが
原画化と見間がうほどのディテール表現と色彩の良感があって
そこには複製品とは思えないものとしての一回性のようなもの
アウラが確かにありましたって書いてるんです
って書いてるんですけど
この記事書いた時点でアウラっていう言葉
もうあんまりよくわかってなかったっていうか
バルター・ベンヤミンって人が言い出した言葉っていうこととかも全然知らずに
柳宗義知らずに民芸って言ってるみたいな感じで使ってるんですけど
普通に出てきた言葉がそうだったってことですね
だからもうこれしか存在せんだろうっていう感じ
だから複製技術によった再現にもかかわらず
なんかある感じたアウラとそのものに対しては
唯一性を感じるっていうような
パラドックスですよね
だってアウラってその作品のその唯一性が持つオーラだっていう
簡単に言うとだからその複製がそれ持ってしまったら
その元はじゃあ何なんだってことになっちゃうじゃん
すごい何だろう
例えばだけど再現したものが本物を超えるとかってどういう状況なんだっけとか
見てみたい見てみないとわかんないけど
たださっきの8Kのぬめっとしたようなのに近いのかなと思ってて
生でジャグラー見たらボールは霞んで見えるのに
8Kモニターで見ると全部見え方が変わっちゃうから
だから自分の目で見ているものと違う何かを見ていて
何か気持ち悪いとか何かこれはすごいぞとか
すごい感覚を思い起こさせるというか
近いのかなっていうこれが
近いのかな
近いかわかんないけど僕はそれもありそうですけど
感覚として例えば8Kのぬめっとしたものとかって
より感じるものって実際僕たちが感じているスピード感ではない
42:04
早回しだったり特にスローモーションの時にぬめっとしたのを感じるんだけど
僕らは普段動くものを見ていた時にスローモーションでは見れないので
どっちかというとCMYKに分解されそれが高解像度化し
それが擬似的に僕たちに映像体験をするということでいうと
どっちかというと人間の持っている感覚を拡張するためにそれは多分発展していきつつ
どっちかというともっと自然科学的な
ものとしてこのタイプに役割がもしあるとしたら
ちょっと並行した世界が今後あるのかなっていうのはちょっと思ったんですけどね
デジタルの技術はもう感覚拡張っていう
今の海さんの論点でいくともうちょいお二人と話したいことあるんですけど
もうお時間だね
今回はこのタイプは何かというところに迫るお話ではございましたということで
一応予告しとくとベンヤミンのAURAのことを今回の話でいろいろ掘り下げた時に
なんかそれこそ前回までの民芸の話とか
あとコンクラでやろうとしていることとかとのちょっと接点がいろいろ
なんか見つかりそうだったのでちょっとそれは話したいなと
そうですねその何かたまたま8Kとこのタイプの何か比較みたいな話があった中で
そのデジタルが何かインフラ化したところで
工芸の美識って何なるんだろうかっていうところの何か話のブリッジみたいなところが
何か次回話されるであろうという
じゃあちょっとまた次回に続くということで
今日はこんなところでまた締めさせていただきたいと思います
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あとコンクラコレクティブもよろしくお願いします
よろしくお願いします
面白いと思ったらどっちにも進めてください
それではありがとうございました
ありがとうございました
44:45

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