コース管理の現場
田村
コース管理の現場。この番組は、トーナメントコースをはじめ、様々なコースを渡り歩いた元ピーパーの畑さんと、事務員の私、田村が現場で見えることを率直に語る番組です。
はい、よろしくお願いします。
畑
今日は何喋りますか?
田村
何喋りますか?じゃないよ。続きがあるんだよ。
畑
はい、わかりました。
田村
カップ切り、カップ切りですよ。
畑
この前ね、いろいろカップ切りの深さの概念とか、いろいろ話したけど、
良いもの切っても、その場所が悪いと、やっぱりプレイヤーが楽しくないよね。
それはね、私は全然わかんないから、教えて。
やっぱりゴルフはゲームだから、テレビゲームもそうだけど、楽しくないテレビゲームって飽きちゃうじゃん。
田村
なんかその場所が楽しくないにつながるっていうのがわからない。
畑
それもカップだけでは成り立たなくって、ゴルフ場って。
やっぱりティーグラウンドに戻っていって、ティーグラウンドのヤーデージを決めて、
今日は何ヤードの設定で、こういうカップの位置を決めましょうっていうことをトータル的に決めないとダメだよね。
カップ切りだけを考えてても成り立たないよね、ゲームとしてね。
けどティマークが置いてあるから、プレイヤーはそこからプレイしていくから成立はするんだけど、
ゲームを左右するセッティングをしてもらった方が、
ゲームを左右するセッティングっていうのは、優しいホールがあったり、難しかったり、
このホール難しかったよねって言って、次のホールをまた難しくしてしまうと、なんかまたスコアが悪くなっちゃう。
けどそこの強弱を、マークバランスをとってセッティングしていくことが、ゴルフ場として大切なことなんじゃないかなと思うんですよね。
田村
一ホール一ホールじゃなくて、18ホールとして考えるっていうね、なるほどね。
畑
その中には18ホールっていうホールが存在するよね。
一つ一つをいかに細かくセッティングしていくかで、総合的に楽しかったねって、
このゴルフ場って本当に楽しいコースだよねって、満足して帰っていただけることができるんじゃないかなって。
カップ切りのセッティング
田村
今話してるのは距離の問題。
畑
距離の問題、難易度の問題。
田村
カップきりの場所で難易度が変わるんだ。
畑
難易度が変わる。
田村
まあそうか、そうだね。
畑
例えば、ミドルホールの概念は、4回でカップインすることが、パーを取るっていうことになるよね。
そのパーをどうして取るかっていうことをプレーヤーはしのぎをけずってやるんだけど、
それをできるだけコントロールしてやる、ゴルフ場は。
じゃあ今日は一番ホールは、プレーヤーにできるだけパーを取らせてあげよう。
いうんであれば、それ何のセッティングをする?
いやバーディを取らせてあげようって言うんであれば、ちょっと距離を短くしたりしてセッティングする。
田村
手前に切るってこと?
畑
うん。まずティグラウンドを前に持っていく。
で、その上でグリーンは手前に持ってくると結構難しかったりするんで、真ん中に切ってあげる。
真ん中に切るっていうことは、右に行こうか左に行こうかだいたい似たような距離に寄ってくれるから、真ん中っていうのは結構いい。
田村
そのさ、今日は一ホール目は簡単にしてあげようとかっていうのは誰が決めるの?
畑
キーパー。
田村
あ、キーパーが決めていいんだ、それ。
畑
キーパーが決めるっていうことは経営層とつながってるから、やっぱり支配人との今日のセッティングをやっぱり話し合った結果だから。
田村
なんかさ、コンペとかあるときはさ、ここに切ろうみたいなのってある気がするんだけど、普通の一般営業の時もどう簡単めにしようとかあるんだ?
畑
あのね、どちらかと言えば組数で操作して。
田村
あ、組数ね。ちょっと多かったら簡単にしようとか、なるほどね。
畑
やっぱり一日の流れを作らないとダメだから、プレイヤー個人を見てしまうと成り立たなくなってくるから、全体の流れをつかむためにはやっぱり組数で大体大まかに判断するっていうのが一つのやり方になってくるかな。
だからまずプレイヤーに飽きささないセッティングをするっていうのはゴルフ場の使命なんじゃないかなと思うんだよね。
じゃあカップってどういう概念のもとで切ればいいのか、場所を決めればいいのかっていったときに、手前、真ん中、グリーンのね、奥、右、真ん中、左、この辺の概念があるのね。
田村
例えば1番ホールを手前に切りました。2番ホールも手前に切りました。3番ホールも手前に切りました。では単調になってくるのね。
畑
グリーンの手前に切ってあるっていうことは、グリーンの手前はアプローチになってくるので、日本で言えばベントグラスから甲来の方が近いところに来る。
ということは結構プレイヤーはプレッシャーがかって奥に打つようになってくるよね。ピンハイに打っていく。ということは下りのラインを打つことになってくるのよ。
2番ホールも同じ。また下りのラインを打ってくる。3番ホールも同じ。また下りのラインを打ってくる。では単調になってくるから。
田村
確かに。
畑
1番を手前にしたら、2番は奥に切りましょうと。上りのパッドを出してあげようみたいな。だからその一応概念を知った上で、基本的なものは抑えなあかんと思う。
田村
それさ、どのぐらいのレベルのゴルファーの人がそういうのを感じるようになるの?私みたいにさ、188とか叩く人はさ。
畑
いやいや、これは打てる打てないは別の話で、手前か嫌だな、手前か好きだなっていうプレイヤーはいる絶対に。
例えば手前が好きな人にしても嫌いな人にしても、打てるか打てないかは別として、また手前か、心理的なものがある。
田村
なるほど。
畑
だからその辺の心理的なものの方が大きいから、ちょっと柔らげてあげる。っていうのがセッティングの技術かな。
ティーグラウンドの重要性
田村
なんかあの、設計の話とかちょっと聞いてるとさ、9番ホールとか18番ホールとか、終わりのホールはなんか気持ちよく描いていただくとかさ、
なんかそういうのが決まってるよね、なんとなく。ここはちょっと挑戦してほしい。でもその後はちょっと休んでほしいみたいなさ、そういう。
畑
どういうのかね、大体1番は振らそうかとか、1番をちょっと難易度を上げて2番で抜いてやろうかとか、いろいろあるよね。
2番でミスを誘うために1番のティショットは振らそうと。その代わり2番も振ってくれるはずだから、ボールは右に流れるだろうとか。
それを全部計算して、トーナメントなんか特にね。
田村
そのカップ切る人がゴルフをすごく知ってればベストだと思うけど、私みたいな人とかがカップ切ることになりましたってなったときに、概念とか教わったとしてもなかなかわからないと思うんだよね。
そういう人はカップ切りにしなきゃいい話なんだけど、そういうわけにもいかない場合っていうのは何かできるようになる工夫とかってあるの?
畑
まずそういったケースが今の時代って往々にしてあり得るんで、どうするかっていうとパターン化する。
田村
パターン化。
畑
カップのエリア化、例えば1週間ローテーションを決めてしまう。
今日は1のパターンでいきます。1番ボールは右上に切ってあるけど、2番に行ったら左下に表示してます。
けど切る人は1番のその中で自分で選んで切ってください。
そうなると先の前後左右のバランスは考えなくてもゴルフを知らない素人でも切れるようになってくる。
田村
でもさ、いつもグリーンがピッカピカなところだったらいいけどさ、ちょっと痛みがあるグリーンとかが点在してる場合、1のパターンのところに切りたくても切れる場所がなかったりしたりしたらどうするの?
畑
その時は応急処置で、3のパターンをそこの部分で適応するとか。
田村
キーパーの人がその時の状態を見て、3番ホールは3のところ切ってみたいな指示を与える。
畑
普段痛みの激しくない場所を選定して仮1として設定する。
とにかくそうやってパターン化してルールを決めて、元はキーパーが決めていればね、ゴルフの素人でもカップがちゃんと切れる人であれば考えなくても切れる。
そんなね、理屈はこうやっていろいろ言うけど、そんな人は少ない。
田村
そうだよね、だってゴルフ。でもゴルフの人口は増えてるとこの前なんかで読んだ。
でもね、コース管理する人でゴルフしない人っていうのも絶対増えてるもんね。
畑
逆に増えてるね。だからその辺はね、やっぱりパターン化するのが一番ミスも少ないし、みんながハッピーに終わるんじゃないかなっていうことですよ。
で、あともう一つはね、カップの位置の考え方だけど、例えばね、一番ホールのグリーンがあります。
グリーンの手前にバンカーが口を開けて待ってます。その上にカップが切ってます。
これは一つの事実としてまず一つセッティングします。じゃあ次、ティーに戻ります。
だからティーグラウンドからティーでもいろんなバリエーションのティーがあって、例えば一番前のティーに置きます。
そうするとグリーンにちょっと近づくわけよね。そこでティーショットをします。
ナイショットしたと想定した場合に残り100ヤード残りました。
そうするとショートアイアンで短い距離を上からボールを打つんで、バンカーをあまり気にせずに打てますよねと。
ところがティーグラウンドを一番後ろに置きました。そうするとナイショットしました。
そうすると残りが150ヤード残りましたってなってきた時に持つバンテがミドルアイアンであったりロングアイアンになってくる。
そうなると上にあげてのすっていうよりも直線的に打っていってバンカー越えをしてなだらかな狙い方をしていかないとダメ。
真上から落としてこないから奥に確率が出てくる。
奥には行きたくないけど手前にはバンカーがある。ものすごくプレッシャーがあって。
だから同じカップの位置を決めたとしてもその場のシチュエーションっていうのかあり方によってティーグラウンドの置き方でいかようにでも人間の心理を変えることができる。
田村
面白い。
私あまりにもゴルフわからなすぎるんだけどティーグラウンドって四角とか丸とかもあるのかもしれないけどあるでしょ?
後ろに置くってのはどういうこと?
その一つのティーグラウンド、ティーイングエリア、四角の中で前とか後ろとかってこと?
畑
ティーイングエリアっていうのはティマークとティマークを横につないだ後方2クラブレングス以内っていうのがティーインググラウンドって言われるもの。
その他はジェネラルエリアって言われる。
ティーグラウンドの後ろに置いてもそんなに差ほど変わらないから。
田村
そうだよね。だからそんなに100ヤードも変わらないよな。
畑
で、ティとしてセッティングされてるのが1番ホールで1枚だけっていうことではないのよね。
ないよね。
ティーショットする場所っていうのが1つ2つ3つ4つ5つぐらい大体設けられている。
田村
でもそれはさレディースとかシニアとかそういう分かれ方でしょ?
ティーとカップの配置
畑
そうそうそうそう。
田村
その例えば一般男性とかが打つエリアを後ろに置くってことはその四角の中じゃなくてトーナメントとかで使うようなバックティーみたいなとこに置く?
畑
またその前のレギュラーティーに置いたり。
そうして強弱をつけて次のホールとのバランスをとっていく。
田村
じゃあそのさカップキリのパターン化の中にそれを考えるときにティーのパターン化も考えなきゃいけないってこと?
畑
そういうことです。
田村
なるほど。
畑
ティーの置く位置も考えた上でカップの位置も決めていかないとバランスが取れない。
田村
チグハグになっちゃうもんね。
畑
チグハグになっちゃう。
だから何を持って難しいのかっていうのはカップの位置だけでは一概に言えないっていうことだね。
セカンドの打つ場所によるから。
田村
なるほどね。
畑
それと打つ場所と心理的なものが大きいから。
どう心理作戦でプレイヤーに訴えるかによって随分違うから。
だからそこは設計思想にのっとってるよね。
例えばカップだけじゃなくてティーに立った時にサイドバンカーとかフェアウェイバンカーとか必ずコースってティーに立った時にセカンドあたりにハザードが設けてあったりするよね。
だからティーグラウンドに置く位置によってはハザードが超えるような位置に設けるしハザードに入る位置に設けるし全く届かない位置に設ける。
それはプレイヤー次第なんだけど置く位置が決められる。
そこから始まるよね。第一プレッシャーで第一関門クリアしたんだけど今度は第二のプレッシャーがあるみたいな。
田村
面白いね。
畑
心理的なものが大きいよね。
だからカップを切る人、ティーマークを変える人っていうのは本来同じ人がやって前日までに入場者数とかいろんなことを加味した上でセッティングを決めなあかん。
田村
ゴルファーの人はティーマークのところに立った時にああそういうことねって思ったりする?
分かんないよね。
畑
まずそれを気づく人はいない。キーパーでも気づかない。
田村
絶対分かった方が面白いね。ああそういう風に考えてるわけねみたいな。
畑
自分たちは何考えて今日セッティングしてるかなって思って立つから想像するけど
田村
そこのゴルフ場は置いてる人が何も考えなくて置いてる可能性もある。
畑
考えておいてくれてあるところを考えたらより面白いけど全く考えておいてないところのゴルフ場の方が多いと思うから
これ決めつけられないけど多いと思うから
田村
経験としてね経験としてそういう感じがする。
多いと感じるからそこに何を考えておいたのかなって思うことはちょっとハテナなのかなとか
畑
けど本当に本来設計者の意図を組んでセッティングっていうものはするべきだと
フェアウェイの高さにしても全てするべきだと思うから
もう現代ではやってないかもしれないけど私が訴えたいのはそこから考えてほしい。
その上で最後きれいなカップがきってあったらもう最高ですよねと。
田村
一つのティー面に二つティーマークがあるってこともあるんでしょ?その場合。
畑
4つあるときもあるし。
アメリカなんかでもイギリスなんかもそうだけど
一面のティーで成り立たしてるとこがあったりする。
田村
ああそうなんだ。それは大きいんだ。
その方が管理しやすそうじゃん。
畑
管理しやすいよね。
田村
ティーマークばばって抜いてガーって一気に枯ればいいわけだから。
畑
日本は平坦な土地が少なかったから縦長が作れない。
だから枚数を増やすの。
このコースは5万人入れるコースなら200平米ぐらいの大きさのものを6面作りましょうねとか言ってきれいに作る。
とにかく変化を生むセッティングで機械値のコース管理をすれば
プレイヤーは本当に喜んで帰ってくる。
田村
ピーターさんも増えそうだね。
畑
セッティングする人が最低でも自分のコースの成り立ちとかね
ゴルフコースの設計
畑
設計コンセプトっていうのは知った方がより楽しませてあげられるんじゃないかね。
プレイヤーとは思いますね。
田村
設計家の人がパターンを作るっていうのはないの?
あまりないかな。
そこまでやってくれたらいいの?
畑
まあそうなんだけどそれは委ねるのかな。
基本的には設計家がまず基本設計するのはフルバックティ
一番後方のティを基本にパーだコーダーって言いながらバンカーの位置を決めたり
一番後ろの概念っていうのはパワープレイヤーだから
そのホールパー4のコースであれば後ろから回る人は4点で上がれる人なんですよ。
けども例えばハンデキャップが20を持ってる人が
パワープレイヤーのティから回ったら20オーバーするっていうことですよ。
だから20個もらわなあかんのよ。
だからそれがハンデキャップとして成り立ってるんだけど
1枚のティでそんなことして回ると営業できないから
ティグランドでハンデキャップを作ってやる。
ハンデキャップ20の人はこのティがいいですよと
ハンデキャップ10の人はこのティがいいですよっていうのを
そのティが大体セッティングされてる。
田村
でもなんか設計する時にゴルフ場はさ
お客さんがパワープレイヤーばっかりじゃないっていうのは分かってるんだから
だからそのティを手前にも作るんだと思うけど
その人たちが試しめるようにこのカップを使う時は
このティをこういう風にしてねまで考えてくれたら
何にも頭悩ませることなくできるの。
畑
そうやね。
基本的にはセカンドにあるバンカーでも
バックティから必要なバンカー。
私たちが打ったら全然届かない。
でも何割かのハンデキャップを設けられたティから
私が打てばバックティからやってる人と同じように
そこが効いてくるっていうセッティングをしていくんだよね全部。
だからティブランドを適正なところからプレイヤーがプレイしてくれたら
そのコースを一番楽しめるっていうことなんだよね。
田村
そうやね。
分かりました。そろそろお時間になります。
畑
なんか取り留めもない話をしたけど。
田村
まあでも面白かった。なんかそのティとの関係性とか
なんかゴルフの面白さは私あんまほんと分かんないんだけど
そういうのを聞くのは楽しい。
じゃあとりあえず今日はそんな感じで。
この番組は秦さんの経験をもとにお話ししています。
芝草学的には誤りや異なる解釈があるかもしれませんが
一つの現場の声として聞いていただけたら嬉しいです。
感想や質問はXやインスタグラムで
ハッシュタグコース管理の現場をつけて投稿してください。
概要欄のお問い合わせフォームからも送っていただけます。
もし番組を気に入っていただけたら
ぜひフォローやレビューもよろしくお願いします。
次の配信の励みになります。
また秦さんは現在コース管理のアドバイザーとして活動しています。
番組を聞いて一度話を聞いてみたい
うちのコースも見てもらいたいと感じた方は
概要欄のお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
畑
ありがとうございました。
田村
次回もお楽しみに。