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2025-10-18 20:29

第3回|6mmの決断。コアリングに見る現場の哲学

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畑
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ゴルフ場「コース管理の現場」第3回は、田村のゴルフ場で秋に実施された「6mmのコアリング」を題材に、グリーン管理における判断の背景を掘り下げます。

  • コアリングが必要とされる理由
  • 6mmで穴をあけることによるメリットと弊害
  • 決断の裏にあるグリーンキーパーの想いを考察。

「なぜその選択をしたのか」を考えることで、芝生管理の奥深さや、現場で求められる判断力に触れていただけます。コース管理を学ぶ方や、現場の哲学に興味がある方におすすめのエピソードです。

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サマリー

ゴルフのコース管理におけるコアリングの重要性と実施方法が解説されています。特に、6mmのサイズで行うコアリングの影響や、異なる季節における植物の成長が考察されています。6mmサイズのコアリングに関する議論を通じて、芝生管理における様々な技術的選択肢やその影響が考察されています。また、グリーンの質を保つための最適な方法やプロセスの重要性についても触れられています。

コース管理の現場
田村
畑善文のコース管理の現場。
別にまだ入れんでいいって。
田村
コース管理の現場。
この番組は、トーナメントコースをはじめ、様々なコースを渡り歩いた元キーパーの畑さんと、現場を支える事務員の私、田村が、
管理の現場で起きていることを率直に語り合い、コース管理の基礎から課題への向き合い方や改善へのヒントを共有する番組です。
これいつかサラサラ言えるようになりたい。
昔からあまり朗読得意じゃないんだよね。
大丈夫だ。
今日さ、こちらの宮崎の気温は昨日より2℃低い。
ようやく秋めいて、最高気温が安定してきたかなと思って。
今日28℃ぐらい予報なんだよね。
昨日まで30℃やっぱり超えてて。
とはいうもののね、だいぶ秋の暑さだから、湿度もちょっと低くなってきてる。
ちょっとカラッとしてる。
田村
肌が乾燥してきた。
そろそろそんな時期になってくるね。
秋の運動会の時ってものすごく夏のような真夏日になる時があったりするけど、
なんかカラッとしてるから、なんかそうでもないのね。
体力消耗しないっていうか。
そんな時期になったなと思って。
コアリングの過程
いよいよ芝生も動いてくるなって感じ。
田村
うちのグループでもコアリング終わったよ。
今、宮崎はコアリングをしてる最中。
九州は私も初めてだから、なかなかわからないところが多いんだけど、
田村
こういう探り探りで今やってますよ。
いきなりこれ本題に入っちゃうみたいな感じになるけど、
今回ね、うちのゴルフ場6ミリだったの。
ゴルフは何ミリでやったのかな?12かな?
でやって、今回は6ミリでダブルでやるって言ってた。
ちょっと私いまいちダブルの意味はわかんないんだけど、
多分想像するに1回開けて、もう1回開けてみたいな2回開けるみたいなのか、
それかこの本数をたくさんつけて、
とにかく細くたくさんやるみたいな感じだと思うんだけど、
USGA方式、年間の更新率を20%とか言われてて、
それだったらもっと太いのでいっちゃえばいいのにとか、
私は大雑把な性格だから思うんだけど、
見てないからわかんないと思うけど、その判断って何だと思う?
何で太さとか本数とかって決めるんだろう?
まずよく言われるUSGA方式でグリーンセクションの方が言ってることっていうのは、
グリーンをいい状態に保っていくには、
だいたい年間20%取る必要がありますよねっていうこと言われてるね。
その20%を取らないと何らかの障害がやはり起こるのがグリーンですよと。
ところが、例えば年間1万人のところと3万人のところと5万人のところって、
お客さんの等圧も違うし、等圧で踏まれる率も違うし、
それから朝のスタート時間も違うし、夕方の上がる時間も違うし、
そういったことを全て考えていくと、その20%って可能な数字なんだよね。
田村
2グリーンあればできる?
2グリーンあると可能性は出てくる。
片側のグリーンを更新作業してるときはもう片側のグリーンを使う。
うまく計画すれば20%取れる状況には思っていけるだろうと思う。
これにしても、2グリーンあったとしても、
片側使ってないからコアリングしますって客さんに迷惑かかっちゃう。できなくて。
それが大きな一つの考えないとダメなところになってくるよね。
あとは植物をいい状態を保って育てていくっていうのが大条件になってくるから、
絶対に20%は無理にしても、やはり穴を開けていかないとダメだっていう現状はある。
そこで植物学的に言えば、成長の度合いって春と秋では全く違う。
集中してコアリングをする時期っていうのはやはり春先から冬までにかけての、
この何ヶ月?2、3ヶ月がキーポイントになってくる。
当然、梅雨とか夏っていうのはコアリングができない時期になるんで、
夏が終わった秋口にもう1回する。
で、この何回できるかによって20%に到達するには、
どのぐらいの大きさで抜かなければ20に到達しないかっていうのが単純計算で分かる。
比較的、春は太いものを使っても容易に穴を塞ぐことができる。
秋は成長期っていうより、どちらかといえば充実期なのかな。
これから冬に向かっていくにあたって栄養も蓄えながら、
体をちょっとボテッと脂肪分をつけていくみたいな時期。
だから頻繁に子供が生まれて分血が起こるっていう時期ではない時期に、
太い穴を開けてしまうと、回復を促せない状況になってしまう。
それは何を意味するかっていうと、お客様にものすごく悪影響を及ぶし、
クレームのもとになるんで、じゃあ適当な太さに小さくする必要があるよねと。
っていうのがやっぱり1年間の流れの中のセッティングだろうなと思う。
田村
だから春がやっぱり太くて、秋は細くなる傾向だよね。
6mmのコアリングの課題
田村
コアリングしなかったら、根とかがいっぱいあって、
新しい根が伸びるスペースがなかったりとかして、よくないっていうことだよね。
ゴルジョを全て言えることだけど、野菜の畑に例えるなら、
究極の連作障害だと思うね。
畑は幸運期で耕したりして、1年目は例えばさつまいもを植えていたら、
2年目は人参に変えるとか。
それはさつまいもばっかりを植えていると、さつまいもを好む菌が増えたり、
害虫が増えたり、いろいろする。
そうすると年々収穫量が減っていくっていう現象。
これを育てる障害、簡単に言えばね。
じゃあゴルフ場って天地買いができるのかって言ったら、耕せますかって言ったら耕せないよね。
同じ稲花の植物をずっと育てていこうと思ってる。
しかも過酷な状況においてる。
だからある意味究極の連作なのかなって思うね。
その中でコアリングの大切さっていうのは、そこにあるね。
天地買いができて、空気とか液物を攪拌させて、
微生物の動きを活性化させて分解してもらうっていうことが、
連作障害の起こったグリーンがあるとするなら、
やっぱり微生物も住めない環境になる。
還元状態に中が置かれてしまう。
流化水素が発生する。
いろんな障害が中で発生してしまう状況。
田村
それを解決するのはコアリングでしかない。
じゃあ秋はあんまり回復しないから細いのでやります。
でも6ミリって相当細いと思うね。
6ミリをたくさん穴開けるのと、
例えば10ミリをシングルっていうのはわかんないけど、
ポツポツって開けるのとどう違う?
まずどういう目的で6ミリを使ってるのかっていうのが問題かな。
問題って悪いっていうんじゃなくて、
どういう人でそれをやられてるのかっていう、
このキーパーの頭の中が知りたい。
それが重要だと思うね。
何も絶対悪いとは言わないし、
そういう機会があるんだから、
6ミリ単位が存在するんだから絶対悪くはない。
ただどういう考えでそれを使ったかっていうのが問題だって。
私が思うのは、やはりコアリング作業っていうのは、
有機物をまず除去をして、
根っこの芯なものとか新しい根も全て含めて、
それからグリーン表面のシワも含めて捨ててしまいった。
その空いた穴に砂柱を作ることが主目的だ。
それはその部分を作り変えることができる。
その作り変えたところって、
糖水性もあるし酸素も入るし、
植物にとってはものすごく好環境になるんじゃないかなって思う。
ただ6ミリの単位になると、
どうしてもその穴の大きさが小さい。
そうすると砂を踏まえてもその穴に砂が入りづらくって、
ということは査定ができずに空洞化が起こると私は思う。
田村
空洞化ね。
それがある程度時間が経って、
周りから潰れながら中も塞がってくれればいいんだけど、
だいたいかかわらず隙間が空いた状況で、上が塞がっちゃう。
そうなると中に空洞ができる。
6ミリの空洞だからそんなに太くはないけど、
空洞の部分というのは根が刺さない。
田村
そうだよね。刺す場所がない。
直根がサイドを伝わって下に降りるような現象。
だからよくサンプラーで断面を見ると、
横に張るんではなくて縦に降りていくんだね。
ずっと下に下ろすんだね。
そこの下からモーサイコンが張って土をグリップしてる。
だからどちらかと言えば表面がプワになる。
モーサイコンが張りづらくなって表面が柔らかくなる。
田村
柔らかくなる。なるほど。
でもね、私今回コアリングお手伝いに参加しなかったんだけど、
そんな6ミリで入らないでしょうとか聞いたら入ってるよって言ってた。
それはどこまでを見て入ってる?
田村
そうだね。作業してるおじさんに聞いただけだから分かんないけど。
入るんだとか言って。
難しいよね。入らないよね。
田村
なんかね、想像する6ミリだからと思って。
入らない。今回この九州でも8ミリでやったんだね。
本当は14ミリでやる予定だったんだけど。
やっぱりいろんな関係でちょっとできなくて。
8ミリのサイドオープンでやった。
ところが砂が入らない。しかも焼き砂を使ってるんだけど。
やっぱりね、中は抜けてるんだけど表面に残るんだよね。コア。
田村
ああ、あるね。
意外に清掃できない。
田村
だからそういう現象が起こって、ほぼほぼ中に入れられない状況が生まれてる。
だから8ミリですらそれだから。
上を完全に清掃して穴の小口を開けてしまえば入るんだろうね。
みんなでほじくり出したりしたよね。
けど6ミリとなるとなお入らない。
そうだろうね。
コアリングの選択とその影響
私が昔いろいろなテストをしたときに、
やっぱり6ミリっていうのはある程度空洞化を起こしてしまう。
どうしてもコンパクションが上がりづらくなったり、
表面の芝生がちょっと暴れたりする現象が起こってくる。
田村
4ミリっていう単位があって、ずっと調べてるとだいたい中は塞がってくる。
十字無垢でやるのと4ミリでやるのどっちがいい?
十字無垢は十字無垢で用途が違うんだな。
要は突き刺すだけだから。
十字無垢っていうのはコアを抜かなかったら。
突き刺して抜いたら元に戻るよね。
一時的に酸素を送り込んだり、表面を柔らかくしたりすることができるよね。
けどもコアリングっていうのは完全に4ミリであろうが6ミリであろうが、
中の有機物を取り出してしまうから、除去ができる。
田村
けど無垢は除去はできない。
6ミリダブルでやって、砂がもしかしたら入らないかもしれないというリスクを取るんだったら、
12ミリシングルでやった方がいいんじゃない?って素人的には思うんだけど。
ただグリーンの表面の芝生をどのぐらい炭溶で作ってるかによるんだよね。
田村
炭溶?
炭溶。小さいミニチュアを作ってる。
田村
炭素の炭に葉っぱの葉?
そうそう。炭溶法をすると、盆栽の世界でよく言われるけど、ミニチュアの松のようにできる。
開放しておけば大きい松になるんだけど、利用によっては小さくなる。
もう本当にミニチュアになっちゃう。
それの究極がグリーンの作り方だと思うよね、私は。
大きな株の場合は太いので、秋にある程度詰まるっていうのがわからなくなる。
周りの芝生が隠してくれる。
けども小さい芽の場合、12ミリ取ってしまうと、そこが完全になくなる状態になるんで、塞ぎようがない。
なるほど。
そうなると塞ぎたいから比例をやると芝生が、芽が大きくなってしまってコントロール不能になってしまう。
秋にその作り方をすると、春先にもしトーナメントをするんであれば、均一なグリーンを選手に提供することは難しくなる。
田村
それかもしれない。
だからできるだけ細いものにするとかね。
グリーン表面が不安な状態になったときに、空洞があるっていうことは、例えばコアリングの後にローラーで転圧をすると、そのときに押しつぶすことになるんで、グリーンが下がるよね。
横の柱がない状態で、上から重たいものをのすんで下がるよね。
で、ないところとあるところがデコボコできる、微妙な振り子ができる。
やり方としては、ダブルでやる6ミリを一回やった後に一度転圧をかける。
田村
それはかけてると思う。
かけた後にもう一回やる。で、やった後にもう一回転圧する。
っていうセンスを崩さない状況をできるだけ保ってやると多少マシかもしれない。
田村
なるほどね。
なんかキーパーにもなんで6ミリにしたのって聞いたんだけど、いまいちちょっとわからなかった。理解できなかった。
そこが重要なとこなんじゃない。キーパーがどういう意図でやったかっていうのは重要であって、
周りから何か答えようとするとこういう話になるんだけど、やっぱりいろんな考えがあるんで。
田村
そう、なんか一生懸命説明してくれたから、ちゃんと考えた上でそれを選択したんだなっていうのはわかったんだけど、
キーパーがもっと遠い先を見てるから、私にはそこまではわかんないなと思って。
想像力のある方がいろんなことを考えた更新作業とか作業計画って面白いから。
そんな考え方なんだみたいな。面白いよね。
田村
ああいうのを更新作業する前に、せめて社員の人にでも説明してあげたらいいのになって思う。
たぶんすごい考えた上で6ミリダブルっていう選択なんだと思うんだよね。
私みたいに興味がある人は聞くから教えてくれるけど、結局理解できなかったんだけど、
みんな忙しく作業してるとそういう話もできなかったりするから、
ミーティング開いて、こういう考えのもとで今回これを選びましたとかっていうのを、
せめて社員でもできればみんなに説明してあげるといいなと思った。
そうだよね。もったいないよね、黙ってやるのはね。
情報共有の重要性
それから喋ることによって、これからキーパーをやりたいとか、
コース管理をこんなに楽しくキーパー喋るんだというのをやってもらえると、
後継者が出てきそうな気もするしね。
それをただキーパーだけの頭の中でいろいろ考えて、それも一つなんだけど、
やっぱり全員管理をやる中で知ってほしい。
田村
やる方も、例えば今回14ミリでコア抜きしますって言われたら大変じゃん。
だから嫌だなという気もしなくなっちゃうけど、
でもそれが何につながってるのかとかが分かれば、
それが普通だと思う。
田村
普通はやってるのかな、ミーティング。
それが普通だと思うけど、やってない方が多いんじゃないかなと。
来週からコアリングやりますから、皆さん協力お願いしますぐらいがせいぜいの話じゃないかな。
そうじゃないかもしれない。
田村
もしこの番組を聞いてるキーパーの方とかいらっしゃったら、ぜひ。
いろいろ想像してるあれを聞きたい。
田村
聞きたい、聞きたい。
私は知りたがりだから絶対楽しいと思う。
なんか私がコース管理に興味持ったのとかも、
知りたがりで畑さんに聞くといろいろ教えてくれるから、面白いなと思って。
じゃあ今日はそんな感じで終わりにします。
ありがとうございます。
田村
ちょっと待って、最後のお知らせ読まなきゃいけない。
この番組は元キーパーの畑さんの経験をもとにお話ししています。
そのため芝草学的には誤りや異なる解釈があるかもしれませんが、
こういう考えもあるんだなという視点で聞いていただければ幸いです。
質問や感想は、Xやインスタグラムでハッシュタグ
コース管理の現場をつけて投稿していただければ探して読ませてもらいます。
概要欄にはお問い合わせフォームも用意しておりますので、
ぜひそちらもご活用ください。
はい、終わり。
ありがとうございました。
田村
ありがとうございました。
20:29

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