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2021-08-13 14:57

旅のラジオ / #015「資本主義はいつまで続くのか、それはどのようにして終わるのか」

旅への想いをまぎらわす、愉快な雑談ラジオです。
毎週金曜0時(木曜深夜24時)更新。

語り手: Satoru、岡田悠
聞き手: 石川大樹

題字&イラスト: べつやくれい
Presented by デイリーポータルZ https://dailyportalz.jp/


〈現在募集中の投稿コーナーはこちら〉

投稿コーナー①「生きて帰ろう」

旅行とは、ときにトラブルを伴うもの。
あなたの危険回避の知恵を教えてください。
(例:予備の現金をお菓子の小箱に隠す)


投稿コーナー②「あなたの旅の秘かな愉しみ」

旅行とは、自分で好きに愉しむもの。
あなたの愉しみかたを教えてください。
(例:旅行先のゴミを集めてノートに貼る)


投稿コーナー③「世界の罵倒語」

世界には、文化の数だけ罵倒語がある。
あなたが知っている罵りの言葉をください。
(例:南スーダン「ヤギ半頭の価値もない」)


投稿コーナー④「世界の音」

あなたが録った音をください。なんでもOK。
岡田さんと私が、ただそれを鑑賞します。
(例:イランの便器の音、バヌアツの料理の音)


投稿コーナー⑤「哀しい動物の鳴き声」

虚無を感じさせる動物の鳴き声をください。
作為はNG。哀しみは自然に発生するものです。
(例:たそがれの民家に沁みるヤギの声)


〈投稿フォームはこちら〉
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00:03
Satoruと岡田悠の旅のラジオ
岡田さん。
何ですか、Satoruさん。
資本主義、キャピタリズムについて、岡田さんはどう思いますか?
嫌いではないですね。
嫌いではない。いきなり話しかけられたら、そういう感じでお互いの距離を探る答弁になるだろうが、今更ですけど、資本主義ってすごいなって思うんですよね。
そうなんですよね。結構、資本主義は批判されがちですけど、やっぱりよくできた仕組みですし、ベストではないけど、ベターかなとは思ってますね。
お互いの思想性が難しいことをとりあえず確認した上で、今回のラジオは殴り合いにならないということを分かってますね。
僕はもともと大学時代とか小学部だったんで、経済とか会計とか学んでて、世の中が資本主義で動いてるんで、その最先端というかフロンティアを見たいと思って、アメリカの金融機関に入社して、投資銀行みたいなところで働いてたんで、
極北ですね。
資本主義の極北に行ってみることで、全体感が見えるんじゃないかなと思って、資本主義の極北で働いてたんですけど、これはさすがに行き過ぎだというのは思いまして、ちょっと今はバランスの取れた位置にいますね。
当時は倒水してましたね。
倒水してからのオモコロのライターっていうのはいいバランスな感じですよね。
オモコロのライターだって、デイリポーターだって、やっぱりある価値をお金っていうこの共通の概念で変えないと、組織としてビジネスとして存続できないっていうんじゃないですか。
そういうある無形の価値、あるいは手に触って取れるタンジブルな価値、これをお金っていう概念で測ることができるっていう、その前提を我々社会に生きてるみんなが了解してるっていうのは、私はこの資本主義、すげえなと思うんですよね。
でももちろん中には、俺は資本主義なんか認めないとか、過平主義から脱却するぞみたいな、なかなか頑張ってる人とかもいるかもしれないし、私も個人的には結構そういう方向、どこまで行くのかなって興味はあるんですけれども。
でもそういうアプローチを長期的に今の世界を全部ひっくり返すぐらいの規模で、じゃあ資本主義に抵抗できた人がいるかって言ったら、世界をひっくり返すくらいの規模っていうのはいないって思うんですよね。
で、岡田さんみたいにね、一回じゃあ突っ走ってみるかって突っ走って、それから揺り戻すって、そういうのも個人の揺れ動きみたいなのがあるけれども、社会全体ではなかなかこの資本主義がなくなってですね、次の新しい何とか主義みたいなのに取って変わるような未来が来るかって言ったら、僕はほとんどイメージが湧かないんですよね。
それも怖いしすごいなって思うんですよ。この資本主義っていうのが僕らが死んだ後もですね、何百年も続いて、じゃあこの人類が滅亡する瞬間まで続くかもしれないなって思うとですね、この資本主義の強靭性というかロバストネスっていうか、これはとんでもないなってね、なかに僕はね。
03:06
で、そう考えるようになったのはね、僕はまあ経済学の本とかもう嫌いじゃないけれども、やっぱりなんかいろんなところを旅したことがですね、大きかったなって思うんですよ。で、例えばそのクレジットカードって、今日日もアフリカでも中東でも中南米でもだいたい使えるじゃないですか。で、そこでお金払うときとかって、まさに資本主義的行為なんですけども、暗証番号をピッピッピッピってこう4桁入力するときあるじゃないですか。
あれで、僕あのときこっそり店員さんの視線をですね、観察をするんですけれども、ほぼ例外なくですね、ちゃんとどの店員さんもこの僕の手元から目を背けるんですよね。
見ちゃいけないな、ずーっとこう私の手元をグングングンってこう見てくるやつって、いそうでやっぱり僕の知る限りいなかったんですよ。で、あれ何かって言ったら、そのビザとかねマスターカードとかのその会社の人がわざわざ現地の店員さんとかを教育してるかって言ったら多分教育してなくて、マニュアルとかもあるのかもしれないけれども、そういうの多分なくてですね。
で、それなのに宗教とか人種とかみんな文化を乗り越えてですね、みんなそのマナーっていうかその作法をちゃんと心得てるっていうのはね、これはその資本主義が人間の行動パターンに影響を与えてるね。なんかものすごい大きな証拠だと思うんですよね。
これどう思いますか?
まあやっぱりそうですね、そこでこうなんかスキミングとかやっちゃうと一発でトラッキングされて。
スキミングをしてくるやつは時々いるんですよ。でもねスキミングしてくるやつのマナーとして目は逸らすんですよ。グングングン目を近づけて暗証番号を見ながらスキミングするやつはいないんですよ多分。
それはね、やっぱりなんか見ちゃいけないんだなって。教えられるともなくね、お金とかクレジットの価値みたいなものを認める中でね、なんか自然にみんなが得られた、もう世界何十億人の人がですよ。これは怖いなってね、思いましたね。
領外やとかね、我々外科領外とかで現地に行ったら大体行きますけども、ああいうのもレートがどこが一番いいかっていうのも結構国によって違うじゃないですか。
うん。
あれもね、私はねすごい面白いなと思うんですよね。それを観察して、なんでその国はこの領外手法が一番いいのかっていうのをね、考えるのが好きなんですよ。
そうですね。まさにイランとか政府の公表してるレートと、実際の市場でのレートが著しく乖離してるっていう感じがしますもんね。
あれも多分経済がすごい不安定だから、闇領外の人が介入し得るっていうのがね、多分あると思うんですよね。
うん。
だから闇領外って何かって言ったら、あれも転売ですよね。お金の転売ですよね。
そうですね。
だから政府が不安定だから間に入って安くして高く売れるってね。
政府が不当な価格で取引をしているから、そこの市場の歪みをとたすために闇領外がいるっていう。
市場の歪みをとたすためっていう、なんかステレオ的な理由が出てくるのは面白いけどね。なんかね、そういうのありますよね。
06:05
なんかね、闇領外がいると一気にマーケットが豊かになるっていうね。豊かって言っちゃいけないのかもしれない。そういうのなんかありますね。
あとね、私はね、その領外屋で言うと、そのジョージア、グルジア、ジョージアとトルコの間のですね、国境の領外屋っていうのがあったんですよ。
そこはなんか、いわゆるスプレッドっていうんですかね、バイとセルの間がめちゃめちゃでかくて。
で、なんかすごいでかいなと思って私、メモったんですけども、それでその隣町に、ジョージアの方の隣町に行くと、そのスプレッドが一気にグーッと沈んでいるんですよ。
で、あれって思ってみると、その国境から遠い方の町で一回領外をして、それを国境に持っていくと、どう考えても儲かるんですよね。
で、それで買えたやつをもう一回その国境から遠い方の町に持って行って、また買えると、多分またそこで儲かるんですよ。
トルコはリラで、ジョージアはラリーってすごいなんかわかりにくいんですけど、リラとラリーの間をずっとロンダリングっていうか、ずっとクルクル回ってるだけで、これ無限に儲かると思ってね。
ちょっとドキドキしてね。で、たぶんね3回目ぐらいでね、お前また来たなみたいな感じでね、多分その領外屋さんもそんなに元気持ってないから、どっかでバレちゃうと思うんですけどね。
この間そのイベントをやった時に、すべてブツブツ交換するってやったじゃないですか。
そうでしたね。
貨幣主義からの脱却を目指して、ポストカードを販売したんですけど、貨幣では買えなくて、何かしら同じ価値と思うものを持ってきてくださいという。
あれはまさにデイリーポータルZのいらないものガチャとか、ああいう先進事例がありますよね。今もなんですか、お中元の交換とか石川さんなんかやられてましたよね。
やってますね、編集部石川です。
だからなんかデイリーポータルZって前からああいう巨大ガチャとか、ああいうなんかいらないもの交換をなんか面白くやるってずっとやってるわけだから、貨幣経済からの脱却の先駆者みたいなところはあるのかもしれないですね。
脱却というか退化してるだけですけどね。
原初の経済に。
ワラシベ長者っていうか。
でも確かに、ああいうブツブツ交換だけで何か旅ができるかっていうことなんか、まあ多分初手から無理なんだろうけど、この航空券を僕のTシャツを買えてくださいって。
初手が無理ですね。
ちょうど航空券いらなかったんだよとか言って、ちょうどTシャツ欲しかったんだよって半裸の男性がいて、その人に。そんなことはないか。
そういう意味ではそうですね。資本主義とかはすごく強靭で、なんかめちゃくちゃよくできて効率的な仕組みなんですけど、まあそんなに面白くないみたいなのもありますよね。
そうなんですよ。欲望が強いよちは勝つ。
面白くなさっていうのがね、ちょっと弱点というか良くないとかなって。僕もその資本主義の極致で働いてて思いましたね。これはなんかできた仕組みだけど、まあ面白くはないかなみたいな。
若い時に気づいたんですね。かっこいいですね。確かに笑いとかは入ってこないですよね、あんまりね。
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まあ容赦ないですよね。だから自然の弱肉強食とか、ああいうところもユーモアとかないですもんね。
その辺りもいなかった。
そうですね。
直面するにめちゃめちゃシビアな現実とかですよね。だからあれか。シビアな現実を受け止めるだけだとやっぱりしんどいので、ちょっとずらすってのが人間に与えられた笑いというものだから。
資本主義の話から笑いの話に変わってきました。それはありますよね。
まあだからでも所詮こう資本主義という大きな土台の上に乗ってちょっとずらして楽しんでるっていう。
そうですね。ちょっとだけずらしてね。
そうですね。っていうところではあるんですけど。
そこをめちゃくちゃみんな退屈になってつまんねえってなった時に資本主義が崩れるかもしれないですね。
その人が全人口の1%を超えるのも厳しい気がしますけどね。
レイリーポータルの6億人が見るようになったら資本主義が崩れるかもしれない。
6億PVは。サーバーがぶっ飛びますね。
資本主義に飽きるっていうことなんですかね。
そうですね。飽きるってことですよね。
やっぱり人類が病気とか暴力とかそういうものから身を守って発展していくための協力の手段としてあったわけなんで。
それを覆すとか上回るようなテクノロジーの発展があれば別にそんなのに頼らなくたって普通に生きていけるよってなって。
もっと面白い方がいいよってなるかもしれませんね。
なるほどね。ディストピアの逆っていうかユートピアだ。
でもお金もいらないよってなるわけですから。
お金いらないよってなるかなと思うんだけど。
上手いシステムでなんかお金いっぱい持ってるとちょっとより楽しいことができるとか。
そういうシステムって人間のあれをつくじゃないですか。
あいつよりちょっといい服を着たいとかね。難しいですよね。
でも競技本当にお金がない国とか地域とかに行くっていうのは本当に難しいなと思うんですよね。
結構な奥地までとかでもやっぱりガイドの人がいてそこにガイド料払わなきゃいけないとかね。
やっぱりお金がないような貨幣経済と関係ないようなフリをしてても
多分そこに行くところでは多分どっかで経済そこ繋がってる人がいて
それでトマトとか肉とかと交換してそれで暮らしてる。
コミュニティのほとんどの人はお金使ってないかもしれないけどそこを滑る人はね。
多分対象核みたいな人は多分資本主義と接点があるわけだから。
これは結構難しいですよね。
いやほとんどないですよね。
ほとんどないですよね。
私西アフリカ行った時とかも小安貝っていう小さな貝が完全に貨幣の代わりになってやってましたけども
あれは洗練された結局貨幣経済、資本主義なわけだから。
そういうのがやっぱ必ずあるわけですね。
そもそもなんか何でしたっけNHKでやってたアマゾンの奥地にいる最後の
イゾラドだ。知ってます?
いや知らない。
NHKの最後のイゾラドっていう番組があるんですけど
12:05
めちゃくちゃ面白くて
本当に地球最後の未接触の人たちがそこにいて
そこに近くの村の人が接触したっていう映像が
それをドキュメンタリーにしたってやつなんですけど
それでもまずこっちが敵意がないってことを示すために
いろんなバナナとか食べ物を船に乗せて向こうに流して
それを何度も何度も繰り返しているうちに
向こうが警戒しなくなってきて
接触ができるみたいなんですけど
やっぱり最初の接触は価値の提供というか
結局マーケットに足を一歩踏み入れてしまってるなっていう感じがしましたね。
確かにね。
未接触の世界最後の未接触の部族が次に見つかったらまたその人が世界最後
人になろうしながらドミノ直しみたいな感じで
ずっと使えるフェーズですね
もういないだろうな
それこそ衛星技術とかが発展してて
そうですよね
ほぼないと言われてるらしいですけどね
もう地底民族とかいないわけですからね
地底にいたらまだ分かんないですけどね
分かんないけどたぶんちょっと日光浴もできないし
しんどいですよね
物々交換しかない時代は
貨幣がない時代は人間はどうやって旅してたかっていうと
もう旅ってより生き延びるためにここじゃないところに
行くっていうそういうもう命がかかったわけですからね
娯楽としての旅なんて考えたら歴史は浅いわけですよねたぶんね
巡礼ですよね一番昔の辺りとか
そうですね
イエルサレブンで行くとかでもあれも旅ってより
僕らの言うようなハランチャランポランしてない人は
だいぶ覚悟が違いますよね
でもあれもあれですよね
なんかの本で読みましたけどやっぱり止めてくれるところに
帰省っていうか少しやっぱり修道院とかに少し何か
やっぱり古代ローマの効果とかを上げてたっていう話があるわけだから
そうですねその道沿いの宿とかはすごい栄えたというか
そこでも先立つお足がない人はたぶん泊まれないから
野宿とか厳しい状況になってたわけだから
やっぱお金が欲しいよねとか
そういう時代にもたぶんお金から脱却したよねとか
行って頑張って旅行ったけどやっぱお金いる必要だったね
そういう風になるやつがいるのかもしれないですね
はい旅のラジオ第15回このあたりお別れしたいと思います
本日はマラーティ語
マラーティ語インドの言葉らしいですね
マラーティ語でさよならアラビダ
アラビダ
アラビダ
なるほど
インドは言葉が多いですね本当に
インドはめちゃくちゃ多いですね
めちゃくちゃ多いですよね
言葉だけで全部できますね
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