英語史スタートアップ企画の紹介
おはようございます。英語の歴史を研究しています、堀田隆一です。 このチャンネル、英語の語源が身につくラジオ、通称heldioでは、英語の先生もネイティブスピーカーも、辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
新年度の始まりのこの時期、皆さんの英語史の学び始めを応援するために、英語史スタートアップ企画を実施中です。 このチャンネルでも、同企画に沿って、普段とはちょっと異なる風味の放送で、英語史の魅力を伝えていきます。
今回取り上げる話題は、私の部先生との対談、ボー&ケーブルの英語史解説書を語るということで、対談ですね。私の部先生、おはようございます。
おはようございます。本日はよろしくお願いいたします。よろしくお願いいたします。私の部先生は駿河大学で教鞭を取られているわけなんですけれども、実は今回が初回ではなくて、
ボイシーとしては、一度、秋に登場いただいているんですよね。その節は大変お世話になりましたけれども、11月26日、昨年の11月26日で、私の部先生との対談、バイキングの活動と英語文献作成の関係ということでお話しいただいて、
さらに2回目はその翌日、11月27日だったんですが、私の部先生との対談、バイキングと英語史というこの話題でお話しいただいたんですよね。
ということは、ここからわかると思うんですけど、私の部先生の関心事と言いますかね、バイキングとはこの辺でよろしかったっていうことですかね。
そうですね。
具体的に今、お持ちの関心というのはどのあたりにありますか。
やはり、バイキングの時代の9世紀、10世紀のあたりの、英語の文学、文化というところに興味があります。
はい。このように、ピンポイントとしては、後期のバイキングの時代ということなんですが、もちろん広くは英語史という話題ですよね。
この分野で、我々同業者ということでやってるんですけれども、たまたまですね、昨日の放送では千鋭直樹先生にご登場いただいて、この時期ですから英語史の本を読もうということで、とりわけ英語で書かれた英語史解説書としてですね、3冊あげてもらったんですね。
そのうちの、最初にあげたものなんですが、Bow & Cableの英語史と通称言い習わされているですね、非常に古典的名著とされる英語史の本がありまして、実はですね、今日ご登場の和田先生は、この最新版である6版、最新版といっても2013年に出たものなんですが、このBow & Cableの英語史についてですね、書評をお書きになったということで、
こちらを紹介していただくに、ふさわしい方だということでお呼びした次第なんですけれども、昨日からのリレーでですね、英語の本を紹介するということなんですが、昨日の千鋭直樹先生はご存知、どういう関係でしょうか。
はい、もちろん存じておりまして、たまならぬ関係でございます。
たまならぬ関係というと、新職を共にしたことがあるとか、そういう、それはちょっと微妙な関係かもしれませんが、単に私のゼミでですね、ゼミ合宿にお二人とも一緒に出ていただいたことがあるっていうようなことで、泊りがけの合宿だったりしたんですが、という関係で、今日リレーしていただくには大変ふさわしい、
私の先生にお伺いするんですが、本来のこのボー&ケイブルの英語詞、本当にこれ広く読まれているって言うんですね、昨日千鋭先生が言ってたんですけれども、シラバス検索サイトによると、世界で英語詞系では最もよく参照されていると言いますか、テキストで使われているっていうことなんですが、これどういった具合にこんなに読まれているというか、改変されてきてるわけですよね。
これ歴史と言いますかね、この本自体の歴史について簡単にお話しいただけますでしょうか。
現代英語における評価
はい。この本はですね、最初はアルバート・ボー氏によって1935年に書版が出版されました。学生向けの教科書、そして教養人のための英語詞として最も信頼できる英語詞の解説書と言われております。
なるほど。そうすると、最初は1935年ですか。そうすると、かれこれ90年弱という時間が流れていますが、まだ読まれているということですかね。この改変の過程についてはいかがでしょうか。
その後にですね、トマス・ケーブルという方との共著として、この英語詞の本が出されました。版を重ねてですね、2013年に第6版が出版されたということで、という形になっております。
なるほど。これ名調ですので、英語詞の専攻している人間では大体読んでいると思うんですが、和田先生は大学院生のときに、これ何版ぐらいのレベルで読んだことになりますかね。
第4版が1993年に出版されているんですけども、大体その辺りの半分。
なるほど。そうですね。私も第4版は割となじみが深いという感じで、第5版が2002年ですかね。出たなと思ったら、しばらくしてからですが、2013年第6版と。
多少ね、もちろん中身は変わって進化しているんですが、6版まで行っている英語詞の解説書ってなかなかなくて、それだけ見てもやはり読まれているんだろうなというところなんですが、魅力と言いますか、なんでここまで読まれているかということに関しては、和田先生はどのように考えますかね。
そうですね。伝統的にこの英語詞の本の長所として見られている点というのは、英語という言語に対して政治的、社会的、文化的な影響について、簡潔に、ながら十分な議論が行われている。そういったものを示している本だと。
昨日の千鋭先生の紹介でも、他の2つとも比較しながらだったんですが、いわゆる外面詞に比較的強いという、そういう評価が固まっていると思うんですよね。言語的事実、例えば待望品推移であるとか、いわゆる言語的な事実ももちろん十分に記載があるんですが、
それがどういう歴史的背景のもので、社会的な歴史ですけどね、社会的文化的な背景のもとに起こったかということの記述が非常に細かいので、いわゆる言語学言語学してないというイメージは非常にありますよね。なので初心者にも入りやすいですし、
私も相当読み直していますが、毎回発見があるんですね。そういう点で本当に勧められるなと思うんですけれども、他に和田先生がこの本に認める特徴と言いますかね、何かありますかね。
やはりこのボー&ケーブルの英語史の本というのは、音声、それから文法、それから語彙、この3点においてバランスよく英語の歴史の観点から述べられている、説明がされている、そういった点でとても英語史を学ぶのに良い本だと思います。
バランスがいいですよね。それから、とりわけ最近の版と言いますかね、5版、そして今ある6版ですけれども、顕著なのがやはり21世紀に出たものですので、その点の注目というのはあるかと思うんですが、これについてはいかがでしょうか。
そうですね。いわゆる最近特にトレンドとなっているワールドイングリッシュ、教授的な英語に関するセクションも加えられていて、その点に関してもうまく説明がされている英語史の本だと思います。
なるほど。その関連で言うと、このボー&ケーブルは、いわゆるバリバリの英語発祥国のイギリス人ではないっていうこと、北米経営なんですよね。
そうですね。発祥国のイギリス人ではなく北米の人なので、英語に入れ込みすぎてはいなくて、英語との距離感が多少あるところが日本人にとって意外と共感できると思います。
なるほどね。イギリスそのものではないというところが、読みやすに通じるというところは確かにあるかもしれませんね。
和田先生、本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
それではまた。