世界英語の歴史
おはようございます。英語の歴史を研究しています。堀田隆一です。本日は、立教大学の教授、唐澤一友先生にお越しいただいて、世界英語、ワールドイングリッシュについてお話したいと思うんですが、唐澤さんおはようございます。
どうもおはようございます。
どうぞよろしくお願いします。唐澤さんとは長い付き合いで、だいぶいろいろとお世話になっているんですけれども、今日は唐澤さんはいろいろ本を書いていまして、私も英語史の授業なんかでよく本を紹介させてもらうんですけれども、英語史という観点からいくつか挙げると、
まず2008年に、他民族の国イギリス4つの切り口から英国史を知るという本ですね。これは春風社から出ています。それから英語のルーツですね。まさにズバリのタイトルなんですけれども、こちらも春風社、2011年ですかね。
こちらの授業なんかでもかなりお勧めしている、さまざまな切り口から英語史を見ているということで、ただこれ先ほどちょっと伺ったんですが、もう品切れですか。古本屋とか。
古本屋にはあるだろうし、図書館には結構入っているところが多いと思います。
これはぜひ推したいと思うんですが、残念ながら品切れということで、また出してほしいんですけどね。そうもいかない。
そうですね。もし同じものを出してもらえないんだったら、それの出版みたいなものを書いてから出そうかと思います。
それから2016年に世界の英語ができるまでという本ですね。これは秋初望で、こちらはまだ売れ続けている書店にも出続けているということかと思うんですが、
こちらは最近英語史の研究とか近辺を見ても、なかなか流行ってきている分野でワールドイングリッシーズということですね。
これをどちらかというと歴史的な立場を重視しながら、どうして世界英語がさまざまな地域に英語が拡散し、そこで新たな変種として生まれてきたかということで、
さまざまな切り口でワールドイングリッシーズもできると思うんですが、深く歴史的な観点からやっているという意味では、しかも読みやすいという本としては、私もよくお勧めしているんですけれども、
こちら、最近のワールドイングリッシーズの流行りっていうんですかね。これについて、唐澤さんはどう考えていますかね。それで引っ掛けてというか、ある意味、この本も書かれたと思うんですけれども。
ワールドイングリッシーズみたいなものが結構注目を集めているのは、一つには今まであんまり注目されてきていなくて、
なので未開拓の分野とか、完全には当たり前のようになっている分野ではないということも、興味を惹かれる原因の一つかと思います。
もう一つはもちろん、いろいろなメディアが発達して、学校の教室でネイティブスピーカーのアメリカ人とかイギリス人とかが使う英語を売ってるだけじゃなくて、
インターネットでも見たら、あるいはテレビでも何でも、いくらでもいろんな英語を喋る人が登場して、
そうすると、英語を学校の教室で習うような、あるいは教材で聞くような英語とは違う英語がいっぱいあるんだなということにみんなが気づいて、
この違うのはなんだろう。しかも、はじめはもしかするとネイティブスピーカーでない人が喋るからそうなるのかと思う人もいるかもしれないけど、
しかし、よくよく喋るとネイティブスピーカーの人にもいろんな喋り方の人が聞こえたり、英語の聞こえ方が違ったりということは、
メディアと英語教育の変化
多分、市場的にそういう体験をする人がますます増えてきて、そこでそうすると、これは何なのだろうかとか、今まで学校で習った英語はなんだったのかとか、そういうところに目が向くようになった。
なるほどね。そうすると、メディアの発達で直接、今まで聞き知ることもなかったものに、直接知ることができるようになって関心が湧いたということですかね。
1点目のこれまでは関心がなかったというのは、もちろん2つは結びついていると思うんですけれども、やはり日本の英語教育とか英語学習なんかを見ても、どうしても英米の英語編長といいますか、
それが最もスタンダードな英語だということでターゲットにしてきたところもあって、他の英語が方言であるとかなんとかかんとか英語っていうのは存在するというのは、例えば耳したことがあっても、実際触れないし、関心の対象外でしたよね。
やっぱりマスターすべきは英米の綺麗なスタンダードな英語というところが、一つの言い方をすると崩れてきたというか、少しずつですけれどもね、英米振興というのは未だに日本ではものすごく強いと思うんですけど、少しずつ崩れ始めてきたというような見方もなり立ちますかね。
そうですね。そういう英語の教育とかリスニングのセクションって必ずしも、標準的な発音の人ばかりじゃなくて、その種類の英語を使う。そういう人がしゃべっているリスニング問題とかも混ざって入ってくるので、そういったところにもそういう傾向が現れています。
そうですよね。実際、例えばビジネスでも何でも、実際世界に出て聞く英語、話す英語は我々標準を目指すとしても、聞く英語なんていうと、いわゆるきれいなアメリカ英語とかきれいなイギリス英語以外のものに触れる機会の方が状況によっては多いということもあり得るという現実感を反映しているということもあるのかなという気がしますけどね。
なので、より現実的な方に夢が向いてきた。今まではちょっと理想というか、高みを目指す日本な感じが、必ずしもみんなが高みにいるわけではないということがだんだんわかってきたということですね。
実際のところ、唐沢さんもイギリスに留学されて、私も行きましたけど、現地でイギリスのバリバリのきれいな英語を聞くかというと、周りに話すような人々って、そういう人もいるけれども、世界からの留学生だったり、交わると、それこそワールドイングリッシュズの世界が周りにありますよね。イギリスの中ですらというか。
そうです。特に留学の大学なんかに行くと、他にも別のいろんな国から留学生が来ていて、そうするとその中にもネイティブスピーカーの人もいれば、そうでない人もいて、とにかく非常にインターナショナルだというか、いろんな種類の意味がここに使われていて、実感はすごくあってますね。
このワールドイングリッシュズとか、さまざまな英語ということなんですけれども、よく考えてみると、アメリカ内部でも、さらにはイギリス内部でも、昔から方言というものがあって、どっちにしろ一枚岩ではなかったということは、歴史上変わってないと思うんですよね。
この舞台がイギリスという国から、あるいはアメリカという国から、本当にワールドワイルドになったという点では、もちろん規模は違うんですけれども、この昔からある方言ということと世界英語の話っていうのは、やはり量的の違いはあれ、質的にはどこまで違っているのか、あれ違うとすればどんなのかっていうことをよく考えるんですけど。
このあたりの問題についても、時間があったらまた話したいところかと思うんですが、本当に昨今、大学生の関心を見ているとワールドイングリッシュズって、ものすごくみんな興味を抱くんですよね。
そういう趣旨で、寺沢さんもこの本を書かれたと思うんですが、この本の最大の特徴っていうことは、著者から一言。
特徴は、やっぱり英語の歴史を最先端から現在、一番最新まで、歴史的に講じたワールドイングリッシュズを含めた、そこが最大の特徴と。
私もそう思いますね。歴史の立場から世界英語を見たという点では、読みやすい、本当に一級の本だと思います。
唐沢和友著、世界の英語ができるまで、秋処分2016年、こちらの本を読んでいただければと思います。
本日は唐沢さんありがとうございました。
どうもありがとうございました。