2025-06-29 10:32

heldio #344. 「男らしい狼男のヴァーチャルな世界」 — 同根語4連発

#英語史 #英語教育 #英語学習 #同根語 #ラテン語 #古英語
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サマリー

今回のエピソードでは、「男らしい狼男のヴァーチャルな世界」というテーマを通じて、古英語に由来する言葉の変遷や音の変化、語源が掘り下げられます。具体的には、ウエルやヴァーチャル、ヴァイラル、狼男などの関連性について考察されます。

古英語の男の表現
おはようございます。英語の歴史を研究しています、堀田隆一です。 このチャンネル、英語の語源が身につくラジオheldioでは、英語の先生もネイティブスピーカーも、辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
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今回の話題は、「The Virtual World of a Viral Werewolf 男らしい狼男のヴァーチャルな世界 同根語4連発」という話題なんですね。
この、「The Virtual World of a Viral Werewolf 男らしい狼男のヴァーチャルな世界」というほとんど意味のない句なんですが、ここに現れる4つの語ですね。
これが実は引用語にまで遡ると、同じ語根に遡るという音なんですね。
Virtual World Viral Werewolf という一見すると関係なさそうな単語句ということになりますが、これどういうことなんでしょうか。
まずですね、話は千年ほど前の古英語に遡りたいと思うんですけれども、この古英語でですね、最も普通に男、男の人という意味を表した単語はですね、
マンというのも当時からあったんですけれども、それと同じくらいよく使うっていうのが、WERと綴られるウエルとそのまま読んだんですけれども、このウエルという単語があったんですね。
これが男という、最も普通の単語だったんです。
ところがこれ今ないですよね。古英語の単語っていうのはその後の歴史にですね、残ってないものが多いんです。
中英語期以降に死語になってですね、現代にまで伝わっていない。
ですので、現代語のみを大抵勉強している私たちにとってですね、古英語の単語って見てもですね、認識できないものがかなり多いんです。
このように基本的、日常的な単語にもかかわらず死語になってしまったものっていうのがたくさんあるんですね。
その中の一つがまさに基本語である、男の人を表すウエルという単語なんですね。
ここを基準に考えてみるといろいろわかりやすくなるんですが、まずですね、現代英語の単語にウエルというそのものの単語は残ってません。
男という意味でね。今は普通MANというわけで、ウエルは残ってないんですが、複合語の中に化石的に残っているっていうのがあって、
これが狼男を表すWEREWOLFという単語なんですね。これWEREがつくのかな。
それでWOLFっていうことでWEREWOLF。発音としてはWEREWOLFと言ったりWEREWOLFと言ったり、いくつかあるようなんですけれども、
この単語のこのWEREと書く部分ですね。これがなんと古英語の最も普通の男を表す単語ウエルに遡るというわけなんですね。
語源の探求
こういった形で複合語の中で化石的に生き残っているっていう面白い例なんですね。
それから法律の専門用語になりますが、しかも古い法律ですね。食材金。
WERGILDという単語があるんですね。WERでGILDです。これ食材金ということで、アングロサクソンとゲルマンの包帯系に継承されてきた殺害者が被害者の遺族に支払う賠償金のことで、人のお金、賠償金というような意味ですのでWERっていうわけですね。
そしてなんと最も驚くのがですね、実は我々も普段使い慣れているWERLD世界という単語なんですが、このWERの部分WORと書くこの部分がなんとこの古英語のWERに相当するんですね。
同語言ということになります。古英語ではWEROLDのように書いて、そして発音したわけなんですけれども、このWERにOLDみたいな形がついてですね。このOLDっていうのはまさにOLD年をとったの。OLDと同語言で時代って言いますかね。エイジぐらいの意味です。時代ってことなんです。
なのでWERLDっていうのは、もともとは人の時代、人の世っていうことなんですね。現世であるとか人の世。もともとですから時代ですから時間を表す概念だったんですが、それがむしろですね、今では空間、世界という意味ですね、を表す用法になってきましたが、本来は人の世というのが意味でそのWERの部分がなんとWERだったということなんですね。
このようにWERLDなどは一語のように見えるわけですよ。まさか2つの要素からなっているなんて思わないわけなんですけれども、実は複合語なんですね。こういうのを偽装複合語というふうに呼ぶことがあります。つまり今となってはひっついて一語のように見えるので、まさか複合語とは思わない。だけれども語源をたどっていくと、古英語の時代ではきっちりと複合語だったんだのような、こういう例です。
さて、古英語のWERというところから話を解き起こしていったんですけれども、さらに遡ってみましょう。引用祖語の段階では、この古英語WERに相当するものですね。それをさらに遡っていくと、究極にはウィーロという形だったと考えられます。これが男って意味ですね。このウィーロというのが古英語系列に来るのではなくて、ラテン語系列に入ったものですね。
ラテン語ではこれがWILLとなります。VIRと綴って、これでWILLと呼ばせるんですけどね。ラテン語のWILL。これまさに男って意味でラテン語で使われてるんですね。このWILLというラテン語の普通の単語ですね。これが基本となってですね、その後直接英語に入ったり、あるいはフランス語を経由して入ってきた系列があります。
これが現代の英語ではつまり綴り辞書ですね。だいたいVIRで始まるというものになっていくんですね。そこでVIRILという単語があります。VIRILいいですか。VIRILとかVIRILなんていう発音になりますけれども、これ男らしいという意味になりますね。まさにWILLの形容詞と言ってもいいと思うんですね。
それをさらに名詞化するとVIRILITYになりますね。これは男らしさということになります。そして面白い単語はですね、VILAGOという単語がありまして、これはですねWILLの部分が男なんですが、AGOの部分はむしろ女なんですね。
これ男のような女っていうのが原理で、ガミガミ言う女とか口やかましい女というような少し古めかしい言い方ですけれども、もともとは男のような女という意味から始まったこのVILAGOなんていう面白い単語もあります。
そしてもう少し短かなと思われるところではVIRTUEというのがありますね。これ長所とか美徳というふうに今訳す単語ですけれども、もともとはそのような道徳的な意味はなくてですね、単にVIRTUEというのはWILLですね。WILLにCHUという中小名詞をつける語尾をつけただけですので、
これやはり男らしさであるとか、男の持つ特徴であるいわゆる力という意味ですね。功能、功力、力というのが基本的な意味だったんですね。今ではそれが発展して美徳とか長所という意味で使われることが多いんですが、原理である力というのもですね、実はこれも熟語の中に残っています。
皆さんも暗記していると思いますが、BY VIRTUE OFでありますよね。あれ何々の理由でっていうことで何々の効力で何々の力でという、ある意味原理が残っているんですね。決して美徳とか長所という意味ではあの場合はありません。BY VIRTUE OFっていうと単に何々の力でぐらいの意味で。
例えば、SHE BECAME A JAPANESE CITIZEN BY VIRTUE OF HER MARRIAGEのように使いますよね。何々のために何々の効果によってぐらいの使い方ですね。本来の力という意味が残っています。さらに遡るとこれは男の持っている特徴である力というそういうことになるわけですね。
ヴァーチャルな世界の意味
そしてこれを形容詞化するとVIRTUALになります。これも現在日本語でもバーチャルなという言い方をするのでわかるかと思いますね。これはもともとは効能のあるということで実効性のあるで実質的なという意味になって、現代の仮想のという意味ですね。
これはつまり本当はそうじゃないんだけど実質的にはそうだというぐらいの意味でのVIRTUALですね。これコンピューターの仮想の仮想状のとそういうことになるわけですね。ということでまさかまさかの意味変化であるとか派生、そして音の変化によって最初に読み上げた4つの語を含む句ですね。
The Virtual World of a Viral Werewolf。男らしい狼男のバーチャルな世界。これ映画ですね。いずれも同婚を絡まっている。そういう話でした。それではまた。
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