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2024-09-14 10:00

heldio #56. 聖なる日でなくとも holiday ー 偽装複合語

#英語史 #英語教育 #英語学習 #偽装複合語 #語形成 #語源
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おはようございます。英語の歴史を研究しています、慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも、辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回の話題は、聖なる日でなくとも holiday ー 偽装複合語、という話題です。
この holiday っていう単語ですね。これは、休日ということで日常的な単語として使われていますが、これは実際にはですね、複合語から始まったものなんですね。
holy day 言われてみれば当然という感じなんですが、聖なる日っていうことです。
成人の日ですね。それが、西洋の文化、社会では、これが休日っていうことになって、世俗化して、特に聖なる日でなくてもですね、休日であれば holiday というようになったっていうことですよね。
なので、実際には holy day という複合語が元になっているんですが、それが少し縮まってですね、そしてすずり字状もですね、一語のように表されて holiday となっているので、必ずしもその語源がですね、意識されなくなっているかもしれませんが、もともとは二語からなる複合語だったっていうことなんですね。
holy day それが包まって、発音上もですね、すずり字状も包まって holiday っていうふうに今なっている。
このように一見するとですね、一語分解できない、あるいは普通に考えたら分解して捉えていない一語がですね、よくよく考えると語源的には二語からなっていたというような複合語がありますね。
これを教授的な立場から、今見るとすぐに分からない、ただ説明されて指摘されると確かに複合語だったというようなものですね。偽装複合語というふうに呼んでいます。
これは disguised compound っていうふうに、偽装された複合語というふうに表現しています。
実はですね、英単語の中にこの手の偽装複合語っていうのは非常によくあるんですね。
この最たる例が holiday っていうことでこれを扱いましたが、実はいろいろあります。
いくつか紹介していきたいと思いますね。
まず我々の日常語でもある christmas 行ってみましょう。
これは christmas のように綴りますよね。
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そこから分かる通りこれは複合語なんです。
christ plus mass っていうことで、つまりキリストのミサっていうことです。
これが christmas というふうに、あたかも一語のようにですね、包まって、実際に一語になっているわけですが、実際には christmas という二語からなる複合語、それが一語になっているってことなんですね。
キリストのミサってことです。
これはまだ分かりやすい方なんですね。
他に行きます。
daisy ですね。
ひなぎくということですが、これはまあ、daisy ってひなぎくなんじゃないかと思ってたかもしれませんが、
後英語ではですね、これは daisy と言いまして、前半要素が day です。
そして後半要素が eye なんです。
つまり day's eye っていうことなんですね。
つまり日の、お日様の目ということで、
daisy ひなぎくの形状と言いますかね、を表現した day's eye という表現が元々なんです。
これが包まって daisy と言ってますが、これ実際には複合語ということで、擬声複合語なんですね。
次です。
gossip これ噂話ということで、日本語でも gossip と言ってますが、
これは実はですね、 god save という二語からなる合成語なんです。
複合語なんですね。
これ god save っていうことなんです。
もともとは名付け、親である神ですね。
神との関係において同じように名付けられている間柄というところから発達して、
かなり意味の変化を得ましたけれども、最終的に噂話というふうに、かなり意味の変化を経た語なんですね。
さあ、それからですね、
lord 主ですね。
神のことも主というふうに言いますが、この lord 主人ということなんですが、
これ明らかにですね、lord ということなので、一語のように思い込んでいますよね。
ですがこれは、古英語の段階では、これ歴史とした複合語なんです。
二語からなる複合語なんですね。
じゃあ、何の二語からなるかというと、
flavold という、これが包まって flavold となって lord というふうに、
結果的に lord となりましたが、実はまさに偽装されてますよね。
二語とは信じられないところが、これが語源的には偽装複合語ということになります。
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この flav というのはですね、これ現代語の loaf にあたります。
L-O-A-F つまり、パンの一斤のパンということですね。
old の部分は、古英語の world に相当しまして、
これは守る人、看守、守衛ということですね。
つまり、パンを守る人ということなんですね。
これが家庭内での男性の役割ということで、これ主人ということなんですね。
lord っていうのは、今では一語というふうに認識されていますが、
これが実は偽装複合語で、古英語段階では flavold、loafward、パンを守る人という意味だったんですね。
同じように lord の対応語として、女性版はこれは実は lady なんですね。
lady も今では全く分解していません。
これで一つの宿所、女性という意味で捉えていると思うんですが、
古英語段階ではですね、これが flavdie と言います。
flavdie という二語からなる、それを合わせた複合語だったんですね。
この flav というのは、先ほどの実は lord と同じで、の第一要素と同じでですね。
flav つまりパンという意味です。
らの部分ですね。
そして die というのが、こねる人。
これ女性系で実はこねる女という意味でなんですね。
これ語源的にはドーナツのドー、こねるですね。
これと同じ語源です。
つまりパンをこねる人というのが、かっこ女ですね。
これが lady の語源なんです。
つまり lord に対して lady っていうのは完全に対応語で、男性版女性版ということです。
両方に共通しているのは flav というパンの部分で、パンを守る人が家の主人であり、そしてパンをこねる人が家の女性であるという形で
lord and lady っていうのは、小英語の段階ではもう明らかにですね、これは二語からなっている複合語で、
そしてそれぞれ男性系、女性系ということが認知されている。
ところが現代ではですね、最初の語頭の l しか共通語がありませんし、別にこれを2つを繋げて考えるということはなかったかと思いますが、
これは実は偽装、複合語ということで、元が何かというのがわからなくなってしまっているということなんですね。
このような単語は英語には本当にたくさんあります。例えば window なんてのも最後に挙げたいと思いますが、これ窓っていうことですよね。
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これ wind の部分は明らかにこれ風ですよね。で、o は何かというと、これは実は eye なんです。
目です。つまり風が入ってくる目というか窓ですよね。入り口ということで wind eye っていうのが
wind ということなんです。このようにあたかも一語のように現代英語としてはですね、認識しているものが実は2語に分解されて、
小英語としては非常に分かりやすく、一語一語をはっきりと形態が wind eye のように、あるいは low world だから lord なんだというふうに、意味がストレートに分かるような形になっていたんですが、
現在までに形が包まってしまってですね、まさか複合語とは思えないというような形になっているものが多いという。
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