2024-06-12 08:17

【番外編#5】文法性は男性・女性・中性名詞だけじゃない~性を20個もつ言語も存在する~【RADIO Kitsch】

英単語genderはラテン語のgenusに由来する単語です。ラテン語genusは「種類・種族」の意味です。実はgenusは英単語kindの語源でもあります。genderはその後sexと意味が交錯し、現代に至ります。これは、人類史上の致命的なバグなのかも?




【参考文献】

川鍋直彦「「姉妹都市」、なぜ兄弟都市とは呼ばないのか?」〈https://www.nikkei.com/article/DGXNASDB27001_X20C13A6000000/?df=2〉(2024年5月23日確認)

東京外国語大学「ドイツ語 文法 010: 名詞の性:解説」〈https://www.crimsonjapan.co.jp/blog/grammatical_gender_influence/〉(2024年5月23日確認)

堀田隆一「#4039. 言語における性とはフェチである」『hellog~英語史ブログ』〈https://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2020-05-18-1.html〉(2024年5月25日確認)

Wikipedia「性 (文法)」〈https://ja.wikipedia.org/wiki/性_(文法)〉(2024年5月23日)




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00:02
はい、番外編前回からの続きです。
これまで、男性名詞・女性名詞・女性名詞とか言ってきたんですけど、
さっき言ったように、ロシア語は男性名詞・女性名詞・女性名詞という性が3つあったんですけど、
さっき見たアファル語は、男性名詞・女性名詞という2つだけなんですよ。
言語によって、文法性がいくつあるのかって、全然違うんですよね。
今まで話したやつだと、2つのやつとか3つのやつとかしか紹介してないんですけど、
コーベットっていう有名な言語学系の研究者の人がいるんですけど、外国人ですけどね。
このコーベットっていう人が調査したやつで、
世界のあらゆる言語について、性がいくつかあるか調査したっていう。
そういうのがあって、これネットで見れるんで、面白いから見てみてほしいんですけど。
で、これ面白くて、この人257個の言語を見たんですよ。
257個の言語を見たんですよ。
257個のうち、性別がない言語が大体半分くらいで145個。
これが半分くらい。
で、性別を2つ持つものが20%くらい。
で、性別を3つ持つものが10%。
で、性別を4つ持つのが5%。
で、性別を5つ以上持ってるのが9.3%だったと。
まだ2つとか3つは分かるですよ。
男性女性女性とか男性女性中性とかなら分かるんですけど。
世界の言語の中には性が4つあったり5つ以上あったりする言語があるんですよね。
これ地理的に見てみると、アフリカ南部とか中西部とかの言語っていうのはほとんど性を持ってます。
で、同じように中東とかの言語には大体性があります。
で、さっき紹介したようなヨーロッパの言語、インドヨーロッパ祖国から分配した言語。
だから今のヨーロッパ言語ですね。
性別が大体あります。ないものもあるんですけどね。
元々あったけど今はなくなったとか。
英語がその咲いてる例だと思います。
一方なんですけど、太平洋に分布する言語とか、
アジアのチベット系の言語とかシベリアとかの言語、ウラル語とかあそこらへんっていうのは性がほとんどないらしいんですよね。
こういう地図的にも分かれてたりするんですよ。
03:05
性の数の話に戻ると、ないやつがほとんど半分ぐらいが性がない。
性を2つ持つやつとか3つ持つやつとかがあるよと。
他に4つあったり5つ以上あったりするとか。
そういう言語もあるって話をしましたけど、
多いやつだから5つ以上の性を持つ言語っていうのはニジエルコンゴ語族に多い。
つまりアフリカのところですね。
に多いアフリカ南部とか中西部に広がるのがニジエルコンゴ語族なんですけど、
ここは5個以上あったりするし、
あとナイジェリアのフラ語。
これは例外的に性がめちゃめちゃ多くて、
その数なんと20個。
20個の性を持つやつなんですね。
もはや何なんだろうね20個って。
男性、女性、中性。
あと何なんだろうね。
分かんないけど。
20個以上もあると何なんでしょうね。
気になりますね。
そういう風に性の数っていうのが、
いろんな数の性があるよということでした。
文法性ね本当沼だと思いますよ。
だって面白いんだもん。
基本的に文法性って、
もちろん性別が対象だったら、
例えば人間が対象の言葉だったら、
女教師なのか男教師なのかによって、
その名詞の性別分かれてくるのは当たり前のことなんですけど、
非生物にも性別がついてるんですよね。
非生物についての文法性って、
にわかには理解しがたいものですよね。
特に僕ら日本人にとっては。
あらかじめ忠告というか、
前置きみたいな感じで言いますけど、
非生物についた文法性っていうのは、
男らしさとか女らしさとかとは、
一切無関係の状態でつくんですよ。
例えば、
ドイツ語の大学っていう言葉は、
Universityって、
Universityは女性名詞なんですけど、
だから大学が女性らしいものだとか、
そういう風に考えられているかといったら、
別にそういうわけじゃないんですよね。
そういう女らしさをもとに、
同じ程度という言葉に、
女性名詞っていうのが文法性がついたっていうわけではないんですよ。
たまにこれをごっちゃにする人がいるんですけど、
あんまり意味ないと思うんで、
あんまり意味ないのでやめたほうがいいと思うんですけど、
非生物についた文法性っていうのは、
現実の男らしさ女らしさとかのジェンダーとは、
一切無関係のジェンダーであると。
そういうことですね。
06:00
この話は、携帯論による分類って、
だいたい説明がつくことが多いんですけど、
例えばドイツ語の少女という言葉は、
メテヒェンって言うんですけど、
メテヒェンは少女っていう意味なのに、
これ中性名詞なんですよ。
ここには携帯論的な話が関わってきていて、
ドイツ語のヒェンで終わる言葉って、
何でも中性名詞なんですよね。
ヒェンっていうのは、
小さいっていう意味を表す言葉で、
ヒェンが語尾につくと、
全部中性名詞になるんですよ。
メテヒェンっていう言葉は、
元々の古い言葉の、
マークトっていうのかな?
M-A-G-D
マークトっていう読むのかわかんないけど、
ドイツ語の語尾のDはTの音で発音するので、
たぶん、たぶんマークト
っていう言葉があるらしいんですけど、
このマークトっていう言葉にヒェンがついて、
メテヒェンっていう言葉になったらしいんですけど、
ヒェンがついているので、
これは中性名詞に分類されるよという風に、
形態的に分類されたりするので、
結構文法性って面白いんですよ、本当に。
調べてみると本当に面白いと思います。
でもあとは、言語によって性が異なる名詞があったりするんですよね。
これ有名な話なんですけど、
フランス語の太陽っていうのは男性名詞で、
月は女性名詞なんですよ。
けどドイツ語とかのゲルマン語系の言語では、
これ逆なんですよね。
月が男性名詞で、太陽が女性名詞になるんですよ。
ちなみにスラブ語系の言語においては、
太陽が中性名詞になります。
で、あと周りにこの文法性と性別覚的な性が
一致しないことがあるんですよね。
周りにあるんですよ。
っていうね、本当に面白いんです、文法性って。
ちょっと少し喋りすぎたので、
これぐらいにして終わりたいと思います。
私の元気があったら、またいつか続きを話したいと思います。
ということで、今回の番外は以上です。
08:17

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