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2025-01-17 10:00

heldio #181. 古ノルド語からの借用語がなかったら英語は話せない!?

#英語史 #英語学習 #英語教育 #古ノルド語
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おはようございます。英語の歴史を研究しています。英語技術大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回取り上げる話題は、古ノルド語からの借用語がなかったら英語は話せない、という話題です。
一昨日と昨日の放送では、バイキング時代のアングロサクソン、この時代の文化であるとか文学をご専門とする和田志信先生との対談の中で、この古ノルド語というキーワードも出てきたと思うんですね。
これはバイキングたちが喋っていた言葉です。バイキングたちの母語ということになりますね。
北欧のバイキングたちが話していた、このold northと英語ではいう、日本語で古い、古ノルド語と言い習わせていますが、これを話していた人々です。
この古ノルド語というのは、広い意味では英語と同じゲルマン系の言語、ゲルマン語派の言語ということなんですが、英語は西ゲルマンなんですね。
そして古ノルド語は北欧ですから、北ゲルマンというふうに、若干派閥が違うということなんですが、比べると確かに似ている部分が目立つということですね。
この両方の話者が素で話して分かり合えたかどうかというのは、いろいろと議論があって、非常に単純な文であれば、聞いてお互い分かるぐらいの鉛、
お互いに方言ぐらいに認識していたのではないかという議論もあれば、それほど近くはなかったんじゃないかとか、いろいろ議論はあるんですが、
全体として見れば、やはり同じゲルマン系の言語として似ている部分が多いというのは事実ですね。
同一の語源に遡る単語をたくさん使っているというような、そういう2つの言語なわけですが、これがバイキングのイングランド侵攻という、
昨日も話があったような、8世紀後半ぐらいから11世紀ぐらいにかけて、バイキングがイングランドを侵攻し、そしてイングランドに停住すると。
とりわけイングランドの北部、東部ですが、ここにコーノルド語話者がどんどん入ってきたということですよね。
そうした経緯がありましたので、この時期とその続く次の中英語期には、コーノルド語からの釈用語がたくさん英語の中に現れるという状態が現れるんですね。
これが非常に面白くて、しかもこのコーノルド語からの釈用語、互いにそもそも似ている言語だということは背景にあるわけなんですけれども、
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実に非近な単語、日常的な単語が英語に入ってきているんです。
そして数も多いんです。
当時、1800語ぐらいは英語の中に入ってきただろうとされています。
コーノルド語からの釈用語が英語の中にドバドバっと1800語ぐらい入ってきた。
ただ、その後、現在まで1000年近くの長い時間がありますので、そのうちに四語になったり、あるいは方言には残っているけれども、標準英語には残っていない等で目減りはしていくんですけれども、
現代の標準語ですね、我々が英語学習で学ぶ標準英語の中にも900語ぐらいは入っています。
そしてその多くが一音接語と言いますかね、単純で日常的なものなんですね。
とりわけ頻度の高いものも実は入り込んでいて、これが実は語源はコーノルド語なんだよと、英語じゃないんだよと聞くと、びっくりするというような単語が多く含まれています。
例えばですね、認証代名詞、これぐらい英語語彙のコアを構成するような語類ですよね。
まさか外から来た単語が入っていると思いにくいんですが、実は三認証複数のthey, them, theirっていう、あの辺のTHで始まる単語ですね。
これはコーノルド語からと一説には言われています。
それからこれも一説にはということなんですが、なんとshe, 彼女はという、あの代名詞ですね。
これもコーノルド語から来たんではないかとも言われています。
ただこの認証代名詞ですね、今のthey系列とsheに関しては別の説もありますので、完全にコーノルド語だとは言い切れないかもしれないということはありますが、
そこに影響を及ぼし得るというふうに考えられている、そもそも時点でですね、コーノルド語からの釈用語の日常性と言いますかね、というのが伺われるということです。
他にはですね、例えばboth、両方ののbothです。
それからthough、何やんだけれどもという接続詞ですよね。
それからtill、これも接続詞です。
こんなものもそうですし、動詞、言っていきますと非常に日常的な動詞が結構入っています。
例えばdie、死ぬがそうです。
それからget, give、こんなのもそうなんですね。
それからhit, seem, take, want、wantですよ。
これぐらい使う動詞、英語ではないと思うんですが、これは英語じゃないということになりますね。
コーノルド語から入っていた、つまりワイキングの言葉から借りた単語なんだということになります。
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その他も雑多ですけれども、例えばanger、怒りですね。
それからawkward、いこちないであるとかですね。
それからbank、土手の方の意味のbankですね。
bloomであるとかbulk、cake、callなんていうのもコーノルド語からというふうに言われていますね。
それからfellowとかですね。
gapであるとかgift、guestとか、もう挙げたらキーがないぐらいですね。
特にskで始まるものなんか結構これが多くてですね。
例えばskill、skin、skirt、skull、skyなんていうのは、いずれもですね、コーノルド語から来ているといった具合です。
さあ、我々も既に知っているような当たり前の単語、基礎的な語彙の中にもですね、
だいぶんコーノルド語からの着用語が入り込んでいるというのがわかったかと思うんですね。
この事実を指してですね、非常に有名な英語学者、英語士を専門としているデンマークの研究者ですね、
ジェスペルセンという日本でも評価の高い英語研究者がいたんですが、このジェスペルセンがですね、非常にうまいことを言っているんですね。
あのからデンマーク出身ですから、コーノルド語ですね、には当然詳しいということになりますが、
コーノルド語からの着用語がないと、英語では簡単な文すらですね、発話できない、簡単な英会話すらできないんだということをこんな風に表しています。
という表現で、今引用しましたが、こういうことですね、つまりイングランド人はですね、スカンジナリア、これ北欧のってことですね、
北欧の単語なしでは栄えることもできないし、病気になることもできないし、死ぬこともできないっていう、
このthrive、ill、dieっていう3つの単語が、この北欧語からの着用語ってことですね、コーノルド語からの着用語ってことです。
そして後半で、こうした着用語っていうのは英語という言語にとってどういうものかというと、ちょうど日常生活にとってbread and eggs、
パンとか卵がそうであるように日常的な存在なんだっていうことです。
そしてまた、このbreadとかeggというのが北欧語、コーノルド語からの着用語だということで、うまい言い回し、表現になっているわけですね。
改めて、an Englishman cannot thrive or be ill or die without Scandinavian words.
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They are to the language what bread and eggs are to the daily fareという表現です。
これ私が勝手に作った、ほとんど意味のないナンセンスな英語の文、一文なんですが、
実はコーノルド語からの着用語だけで英文が作れてしまうという例を示したいと思うんですね。
Though they are weak fellows, she gives them gifts.
ということで、彼らは弱いやつだけれども、彼女はそんな彼らにギフト、プレゼントをあげるんだという意味ですが、
これはtheyとかし、異論はあるかもしれません。
異説もありますが、一応コーノルド語からの着用語のみで成り立っている一文ということになります。
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