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2024-08-12 09:37

heldio #23. -ant なのか -ent なのかハッキリせい!


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おはようございます。英語の歴史を研究しています、慶應義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも、辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回の話題は、-ant なのか-ent なのかハッキリせい、という話題です。
これは何のことかと言いますと、英語には-ant で終わる単語、そして-ent というつづりで終わる単語、これたくさんありますね。
ところがですね、この部分は語尾で弱い発音なので、事実上発音は曖昧母音-u-u-ですね、-nt になってしまいます。
つまり、つづり字上はあたかも-ant-ent というふうに区別されて発音されるかのようなつづり字になっていますが、実際の発音は弱まってしまって-nt-nt と区別がなくなってしまうということなんですね。
これからいくつか単語を挙げてみますが、この語尾、どちらの語尾か、スペリングで書くときには-ant なのか-ent なのかというのが判断できるでしょうか、ということですね。
これはスペリングの問題なんですが、いくつか言ってみますね。
今、12個の単語を読み上げたんですが、わかったでしょうか。
実は最初の6つは-ant で、最後の後半の6つが-ent なんですね。
これ、多くの人が混乱する、少なくとも何語かについて混乱して覚えていた、あるいは覚えていなかったのではないかと思うんですね。
改めて言いますと、-ant のものは6つですね。
abundant, constant, important, attendant, descendant, servant です。
それに対して-ent で終わるものが apparent, convenient, diligent, correspondent, president, solvent ということですね。
これは混乱するのも無理はないというところかと思いますね。
さあ、語源を見てみましょう。
この-ant にしろ-ent にしろですね、大元の語源はラテン語にあります。
これはラテン語の動詞のお尻につく現在分詞語尾なんですね。
つまり英語でいう ing に相当するものなんですね。
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これがつくと、英語でもそうですけれども形容詞化するわけです、動詞が。
そしてラテン語では形容詞と名詞の形状の区別っていうのはあまりありませんので、
そのまま-ant,-ent がついた形で英語に入ってきた時には形容詞ということもあるし名詞ということもある。
両方を持っている場合もあるんですね。
ですので-ant,-ent は英語においては形容詞語尾あるいは名詞語尾というふうになっていますね。
さて問題はこの語尾の母音字ですよね。
-ant なのか-ent なのかっていうことですが何が違うのかと言いますと、
ラテン語の動詞につく現在分詞の語尾になったわけですよね。
これがラテン語では動詞の種類活用パターンによって、実は現在分詞が-ant となるか-ent となるかが決まっていたんです。
ラテン語を勉強するとですね、大体この動詞の活用ってのを覚えさせられるわけですが、
第1活用と言われているものですね、この動詞につくのが-ant です。
そして第2、第3、第4活用として分類されている動詞があるんですが、ここにつくのが-ent ということなんですね。
そしてこのラテン語の現在分詞どっちを取るかっていうのが、その母音字がどっちなのかっていうのが、そのまま英語に受け継がれているっていうことなんです。
ところが英語ではこの部分に発音のアクセントは落ちませんので、冒頭に述べたようにすべて-ent という弱い曖昧母音で発音されることになってしまって、
耳で聞いた限りではですね、どっちの綴りなのかっていうのが分からないっていうことになってしまいます。
これラテン語を勉強すれば、じゃあですね、はっきりと分かるのかといえば、大体分かるんですが、ただここにも落とし穴があるんですね。
およそは確かにラテン語の-ant、-ent がそのまま引き継がれているという理解でいいんですが、
少し厄介なことにですね、ラテン語の-ant なり-ent なりですね、形がそのまま娘言語であるフランス語に入っていったときにですね、
フランス語ではこの-ant と-ent の違いが丸まってしまうんですね。そしていずれも-ant で綴られるようになったんです。
そのフランス語を経由して英語に入ってきた単語っていうのがありまして、これはつまりフランス語から入った場合には全て-ant に丸まった形で入ってきてますので、
大元はラテン語の-ent であっても、フランス語で-ant に丸められて、それが英語にやはり-ant で入ってきたというケースがあります。
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一方でラテン語の-ent が直接入ってきたというものもあったり、ラテン語の-ant が直接入ってきた英語にですね、というものもあって、この辺が混乱しているわけですね。
例えばですね、一つ具体例を挙げますと、もともと同語言、一つの語言の単語なんですが、crescent ってありますね。これ三日月です。crescent、c-r-e-s-c-e-n-t、これ-ent ですよね。
これはラテン語の-ent 語尾をそのまま英語にも持ち込んだ、直接取り入れたもので-crescent-e-n-t で語源に忠実なわけなんですが、この-crescent のラテン語の単語がですね、フランス語化した形で、これ-croissant-c-r-o-a-s-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c
-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-c-r-o-a-s-
これは必ずしもラテン語の語源を知っているからといってですね
どっちの語尾が使われるかが完全に言い当てられるというわけではないんです
この辺のですね混乱があって
例えばですね他にもパーシスタントとレジスタント
これパーシスタントはENTでレジスタントはENTです
単語は違うっていうことを言えばそうなんですが
シストの部分はラテン語の同語源なんですね語幹なんですね
なので同じ異様な語尾が後ろにつくはず同じ活用パターンなんでラテン語では
同じENTかANTどっちかに揃ってなければおかしいのにこういうことが起こっている
同じようにスーパーインテンデントっていう時はENTなんですが
アテンデントっていう時はANT
これもテンドゥっていう部分が共通でラテン語では同じ活用したはずなのに
英語に入ってきた時にはですねいろいろ経路入ってきた経路に従ってENTになったり
ANTになったりっていうふうに非常に厄介なことになっているっていうことですね
これは我々にとってですね学習者中世であることは確かなんですが
実は英語母語話者ネイティブのほうがこれつらいんですね
なぜかというと先に発音を覚えてるからですねつまり
ANTっていう発音共通の発音ANTという発音がまずで習得し
その後にスペリングということに進むとどっちなのっていうことになる
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我々は日本人典型的には耳で聞いて覚えるってもありますが
スペリングでいきなり覚えるっていうことも多くて
その場合最初から意識をしてスペリングを覚えるのでENTかENT厄介ですが
実はネイティブスピーカーよりは混乱が少ないという言い方もできるかもしれないんですね
ただいずれにしても非常に厄介なことになってしまったということですね
ではまた
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