2026-03-10 22:30

【再】#598. メタファーとは何か? 卒業生の藤平さんとの対談

#heldio #英語史 #英語教育 #英語学習 #hel活 #英語史をお茶の間に #対談
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本日は1月19日、木曜日です。いかがお過ごしでしょうか。
本日お届けする話題は、【メタファーとは何か】卒業生の藤平さんとの対談です。どうぞよろしくお願いいたします。
おはようございます。
今日はゲストをお迎えしてですね、メタファーについて議論したい、紹介したいということなんですけれども、卒業生の藤平恵子さんです。
よろしくお願いいたします。
藤平さんは卒業論文でね、ついこの間出された卒業論文で、今日お話しするメタファーについてですね、英語のメタファーについて
調べて、論文を完成させたということなんですけれども、実はね、昨日だけじゃないんですけど、数日前から英語紙新聞ね、この英語紙新聞というのを
KO英語紙フォーラムの方で出しまして、既に皆さんにもご案内の通りなんですが、1月11日に出たんですね。
その中で第4号が出たんですけれども、第4号の第4面、最後のところでですね、時間とは何かというタイトルで執筆記事されたのが藤平さんなんです。
新聞の中ではイニシャルなんですけど、実際には今日お越しいただいた藤平さんが書いていて、これいろいろね、今反響はあるんですけど、なかなかこれはですね、時間とは何か受けてるんですよ。
これについてまず感想を。
ありがとうございます。
いろいろとね、今回目玉企画もあったりするんですけれども、やはりタイトルとしてもね、時間とは何かっていうのを、なんか哲学的な話題かなみたいな見せかけて、実はメタファーなんだっていう。
しかもわかりやすくなるわけですよね、メタファーっていうのは。
この辺りのお話をですね、紙砕いて、もちろん読んでいただくとわかるんですが、さらにですね、そこにわかりやすくという付加価値をつけて、今日はお話をいただきたいと思ってるんですけれども。
まず、メタファーって我々、知ってると言えば知ってると思うんですよ、皆さんも。何のことかっていうのは、日本語でもね、国語の授業なんかでもやって、いわゆる比喩ってことでしょというのは知っているんですけれども。
この辺りからも、本当にいろはのEからいきたいと思うんですけれども、何なんですか、メタファーっていうのは。
先生が今おっしゃってくださったように比喩ですね、例え言葉の一種で、まるで何々とか何々のようなっていう直接的な言葉を使わずに例える表現方法です。
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なるほど、まるで何々のようなみたいな言い方は、いわゆる名言とか直言とか名言っていう言い方をしますけどね。それではなくて、むしろズバリ言ってしまうという陰言の方ですね。陰言とか暗言という風の方ですね。
日本語では陰言とも呼ばれていて、比喩の方法っていうのにはいろいろな種類があるんですが、中でもメタファーは代表的なものとして、ことわざや勧誘句なんかによく見られます。
ありそうですね。例えば。
一番わかりやすい形は、A is Bという形式で、例えばTime is Moneyがメタファーです。
これが新聞でもフィーチャーしている、今日の話の中心にもなってくると思うんですが、Time isMoneyですね。
客観的には時間とお金は全く別物ですが、理解しやすくするために時間という目に見えないものを、私たちにとってより身近なお金に見立てています。
メタファーの特徴は、AとBの2つの物事の中の類似した点を見つけて、その類似性を利用することで、新しい理解の視点を生み出す創造性にあるといえますね。
だいたいの場合、Time is Moneyもそうですけど、抽象的でわかりやすいものを具体的に例えるので、Time is MoneyのTimeに当たる方が、こっちは抽象度が高くて、A is BのAですよね。
Bが、我々にとって身近で理解しやすいものという構造があるということですかね。
はい。
Time is Moneyは皆さんご存知の通り、文字通り時は金なりですが、この言葉を聞くと、時間は限りある資源で貴重なものだというイメージが思い浮かぶのではないでしょうかね。
そうですね。
このTime is Moneyが示す価値観というのは、日常会話の中にも結構現れています。
例えば何ですかね。
オックスフォード・コロケーションディクショナリーという連語辞典、これはある単語がどの単語と一緒に使われるかがわかる辞典なんですけれども、これでTimeとともに使用されている動詞を調べてみました。
そうすると、Have、Give、Need、Spend、あとWaste、マニーに使われるような動詞と同じようなものが見つかります。
一緒ですね。
ということで、You wasted too much time などの言い回しには、Time isMoneyが作り出す価値観がさりげなく溶け込んでいて、無意識のうちに使われているのがわかります。
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何とも感じなかったですけど、You wasted too much time という言い方は、そもそもメタファーなんだってことですよね。
私たちは身の回りのことを文字通り表現している気がするかもしれませんが、改めて日常の言葉遣いに注目をしてみると、意外と文字通りではないんですよね。
メタファーというと、レトリックの詩とか、レトリックのことを思い浮かべますが、日常の言葉遣いの中に潜んじゃっているという、そこがポイントだということですよね。
時間にまつわるメタファーとしてよく知られている言葉には、他にもTime flies というのがありますね。
講演屋のこと知っているやつですよね。
ここでは時間が動く物質のイメージになっています。
時間イコールこの動く物質の概念というのは、さらに空間のイメージと結びついて、多様な表現を生み出します。
例えば、日本語の先立、後立という表現は、空間における前後の方向性と関連が見られますし、英語でも同じような感覚が言語に現れています。
時間は、本来は空間の中を動くものではないわけなんだけれども、空間の動きになぞらえられているという感じですかね。
例えば英語の例というのは?
例えばですと、In the weeks ahead birth、何々数週間先のように未来に関する言い回しに前を示すaheadが使われています。
そういうことね。私、前に未来の数週間があるというイメージありますもんね。
That's all behind us. もう過ぎてしまったことだ。
後ろね。あるあるこのイメージ。
現在を起点として、未来は前方からやってきて、過去は通り過ぎて後ろに残るというように、時間は前から後ろへ直線的に進む物質のイメージです。
そういうことですね。前から来て、自分の中を通り抜けて、後ろに抜けていくみたいな。
この場合、人間は静止して、時間が通り過ぎていく感じです。
もう一つ時間の方向の捉え方として、We are approaching the end of theyear.
これは文字通りの意味では、我々は年の終わりに近づいている。
つまり、年末が近づいてきたという意味ですが、こちらの場合では時間は静止して、人が主体的に未来に進んでいくという見立てになります。
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日本語の年末が近づいてきたっていうのは、むしろ時が向こうからやってくるって感じですね。自分は止まってきて。
だけど英語ではこれをWe are approaching the end of the yearだから、むしろ自分が向かっていくっていう感じで、向きが違うっていうか、方向が違う感じがしますね。
この辺で次のチャプターに行きたいと思います。
前後の空間的な位置関係は、私たちが感じることができる具体的で直接的な感覚の一つで、空間の位置を利用した方向性のメタファーには、
上下などいろいろなタイプがあります。
例えば気持ちを表すメタファーは、一部で上下の方向感覚とつながりがあります。
日本語ですと、気分が上がる、落ち込むと言いますし、英語でもI'm feeling upとかI'mfeeling downとほぼ同じ感じです。
これすごく常識的というか、気分が上がった時って上がるですよね。
ネガティブな感情の時は下っていうのは、日本語でも英語でも一致しているっていうのはすごく分かりやすいというか、そうでしょうねって感じはありますよね。
この上下と感情の楽しい悲しいといった結びつきは、私たちが実際に嬉しい時には飛び上がったりとか、落ち込んでいる時には顔を下に向けてしまうような体の反応から生まれたようなメタファーですね。
そうするとユニバーサルでしょうね。きっとね。人類にというか、日本語に限らないっていうのは、この感覚は逆っていう言語あるんですかね。
それぐらい自然で、ポイントは多分この自然さ、言われるまでもないみたいな常識的なものの中にも、実はこれもメタファーなんですよみたいな。
一見気がつかないんですけど。
あまりに当たり前すぎて、メタファー自体も当たり前のものとしても認識しちゃってる。メタファーと思いづらい逆に。そういうことなんですかね。
なるほど。
このメタファーっていうのは、西洋では古代ギリシャの哲学者アリストテレスの時代から研究されてきた長い歴史を持っている。
これですよ。レトリックとかね。
そうですね。言葉を美しく飾る文学的技法とか、あるいはスピーチのためのいわゆる修辞法としての伝統がありますよね。
一般的にはそう認識されることが多いのではないでしょうか。
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一方で、1980年代以降は、認知科学の諸分野の研究の発展に伴って、メタファーの捉え方に新しい視点が加わりました。
それは、メタファーは言葉を飾る技法ではなくて、人の思考や認識と深く結びついて、日常的な言葉の中に無意識に現れる認知の構造であるという考え方です。
ここね、今のすごくポイントだと思うんですけど、メタファーってね、やっぱりレトリックで使われる文学的技法だということで、そういう認識なんですけれども、そうじゃなく、いわゆる一般人、物書きでなくても一般人の思考回路の中にかなり深く入り込んでいるので、
先ほども述べたように、気づかないくらい埋め込まれちゃってるみたいな。気づく方がかえって難しいというかね、気分が上がるがなんで上の方向なんだっていうのは当たり前すぎて考えたことも普通にないじゃないですか。
そのレベルで実は働いているってメタファー?ということなんですかね。
先生おっしゃったように、タイムイズマニーとかタイムライズのこういったメタファーの概念っていうのは、私たちにも当たり前のような感じがするかもしれませんよね。
一方で、異なる文化とか異なる言語、また同じ言語でも時代が違うことによって異なるイメージが存在する可能性はあります。
可能性はあるっていうことですね。先ほどの気分が沈んでいるときに上の方向性を示すみたいのは考えにくそうですけど、あるかもしれない。
他のいろいろなメタファーの事例とかを見てみると、そういう可能性もあるかもしれないですよね。
文化によってね、言語によって違うかもしれないっていうのはあるかもしれないですね、確かに。
最初のタイムイズマニーのところからずっと考えてたんですけど、日本語にも英語にも共通する表現ということで、
さっき、動詞として、have, give, need, spend, waste みたいなところを出してもらいましたけど、
他に、日本語ベースで考えますと、時間を確保するって言い方しますよね。
お金を確保するっていうか、合わせて、蓄えるという言い方で、英語でね、セーブタイムって言うじゃないですか。
時間を節約するとか、セーブですからもともと蓄えるとかね。
お金の貯金ももちろん蓄えるっていうことだし、これが当たり前のようにイコールであるかのように使ってる表現で、
考えだすと、いろいろあるなっていう。
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ありそうですね。
あとね、思いついたのが、時間泥棒って言うじゃないですか。
これ、お金とか少なくとも価値あるものということだったり。
だからこれも、比喩は比喩なんだけれども、別になんか比喩というレトリックの言い方っていうか、
思考回路を経由してその理解にたどり着いているっていう実感はないですよね。実感は。
そうですね。
あまりにも普通で。だけど、構造を比べてみると、やっぱりこれは比喩なんだということ、メタファーなんだということになるっていう。
意味の拡張の元になるというか、
メタファーが。
そうです。タイム・イズ・マネーという概念があって、そこからいろいろな
次々に表現が生み出されていく、ある種の装置みたいな、そんな風に捉えることができるということですね。
これね、難しいのが、お金使う、時間使うって言うじゃないですか。
これが、今の説明だと比喩ってメタファーになると思うんですよ。
だけど、全く感じないもんね。
時間を使うって言った時に、今の説明に乗せてよくよく考えると、
メタファーなんだなというのは分かったりするんですけど、お金使う、時間使うか。
だから、全くメタファー感感じないっていうのは何でなんですかね。
当たり前すぎますよね。
やっぱりそこなんですかね。
だから、認識とか認知の深いところに、タイム・イズ・マネーみたいな装置があって、
こういう風に今日みたいに説明されないと、そんなもんあったの?みたいな話になるっていうことでいいですかね、理解としては。
今日は、新聞記事、英語新聞第4号の4ページにあたる時間とは何かを聞こうしてくれました藤井さんにお話を伺ったんですが、
この執筆から、編集なんかにも関わっていただいたり、後、広報なんかも実は関わっていただいてるんですけど、
何か裏話っていうか、今回の第4号に関して、何かありますかね藤井さん。
自分の記事としては、何度か書き直しをしたので。
これだけど、みなさんバンバン書き直して、最後に仕上がってきてるって。
みなさんそうだと思うんですね。
とても勉強させていただきました。
インプルーブはしましたかね、かなり。
ありがとうございました。
しました?
良かった。
良いんですけど。
かなり人気の記事でわかりやすく。
今日のお話ししたようなことを、何文字ぐらいですけど、ものすごくぎゅうぎゅう詰めにしてるんで。
これ誰がやってもこの要約は難しいと思うんですけどね。
結果的に要約ですよね。
もっと何倍にも情報量あるところを新聞に合わせてというところで。
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最後にその新聞でもレファレンスと言いますか、この分野での必須の参考文献ということで紹介されてるんですけれども。
ここでもせっかくなので口で言っておきたいと思うんですけれども。
石井さんが参照されたのは何でしたでしょうか、本としては。
Metaphors We Live Byですね。
これはいわゆる原点っていうやつですね。
ジョージ・レイコフとマーク・ジョンソンによるMetaphors We Live Byという本で1980年に出たんですが。
これがですね、ロングセラーっていうんですか。
かなり言語の常識を変えたっていうことで。
実はその紹介の今日は話だったんですよ。
実はね。
これ訳というか、日本語版も出ていて、これについてもちょっと紹介いただけますかね。
こちらはレトリックと人生という日本語のタイトルで出ているものになります。
小渡辺翔一先生ですけれどもね。
が訳されて、大週刊書店より1986年に出て。
こちらもですね、この訳も本も含めて非常に読まれている。
実は革命的な言語学上本ということで、その紹介ということになったわけです。
藤田さん今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
エンディングです。
今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
ケルフ発行の英語紙新聞第4号。
1月11日にウェブ発行されたものなんですけれども、その第4面の記事ですね。
時間とは何かと一見すると哲学的な話題かと思いきや、これは実は言語の話題なんですね。
そして対談の中では実は一言も出さなかったんですが、専門用語ですね。
概念メタファーというものを今日は紹介したということになるんです。
この用語を使わずに、メタファーというですね、一般的に通用している用語のみを用いて、実は概念メタファーなるですね。
非常に革命的な、本編の最後に述べましたが、言語学でも革新的な考え方なんですね。
レトリックとしてのメタファーということではなく、人間の認知のメカニズムとしてのメタファーということですね。
非常に深く埋め込まれた思考の中のメタファーということです。
これを紹介することになりました。
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今回お話しした内容が凝縮されたのが、英語史新聞第4号の記事ということになりますので、
まだお読みでない方はこちらにリンクを貼っておきますので、ぜひぜひご一読いただければと思います。
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それでは、今日も皆さんにとって良い1日になりますように、ほったり市がお届けしました。
また明日。
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