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おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語史、英語語源ハンドブック、言語学ですっきり解決英語のなぜの著者の堀田隆一です。
英語の語源が身につくラジオheldio、英語史をお茶の間におもとに英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく、毎朝6時に配信しています。
本日は3月11日水曜日。 皆さんいかがお過ごしでしょうか。
3月も早くも中旬に入りまして、日本では少しずつ春の足音が聞こえてくるような、そんな季節になっているかと思います。
こちらオーストラリアも少し飽きめいてきたかなというところですね。 良い季節になってきました。
さて本日の話題は、There is a book on the table. 単数性を3回も繰り返して表示したいのはなぜ?です。
先日、質問投稿サイトmondを通じて、非常に鋭い本質的なご質問をいただきました。
先週ですね、このヘルディオで、言語における数、文法上の数、ナンバーについて2回にわたってですね、基本編と応用編ということでお話ししまして、ちょうどそのタイミングでですね、mondの方に関連する話題が寄せられまして、そちら回答いたしました。
こちらリンク貼っておりますので、お読みいただければと思うんですが、今回はそれをベースとしつつですね、ボイシーヘルディオ版ということでお伝えいたします。
言語の余剰性という一般的な話題、それから統合的一致という統合論上の問題ですね、この辺りが関わるなかなかエキサイティングな話となります。
どうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回mondでいただいたご質問をまず紹介しましょう。こちらです。
単数と複数の区別を名詞ですれば意味的にはことたりるにもかかわらず、動詞や漢詞でも区別するのはなぜなのでしょうか?という質問なんですよね。
先週の言語における数の応用編でお話ししたことかと思うんですけれども、例えばですね、there isa book on the tableという文があったとします。
この場合ですね、机の上にテーブルの上に本が一冊あるという意味になるわけなんですが、この一冊であるということはですね、
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bookという形によっても示されています。というのは複数冊であれば英語の場合booksというふうにsをつけなければいけない。
これは文法上の義務だからなんですね。bookといった段階でですね、もうすでに単数であることはわかっている。
ですがそれにあをつけるわけですよ。このあというのは不定漢詞でとあるということですが、語源的にはoneに遡りますので、これ一つの一冊のという意味ですよね。
これで単数性を二度示していることになります。そしてさらにthere is a book on thetableというis、be動詞の形ですよね。
こちらは主語が単数の時にisを使うのであって、複数の場合にはareを使うというルールがありますので、
このisによってもですね、間接的に主語の本ですね、主語の役割を果たしているこの本の部分が一冊である、単数であるということを間接的に表しているということですよね。
つまりですね、この文ではis a book、この三語各々が単数性という情報になっているということで、ちょっと無駄が多いと言いますかね。
一回でわかるからというところをですね、これでもかこれでもかと言わんばかりに単数性を三つの単語によって示しているということなんですよね。
逆にですね、複数形の場合、こんな文を考えてみましょうか。
今度はare many books、isのついたbooksですね。この三語それぞれが複数性という情報をアピールしているんですね。
どれか一つでですね、ことたりぬにもかかわらず、これでもかと言わんばかりに動詞によって、それから名詞そのものによって、そしてその名詞につく形容詞ですね。
これ、漢詞も含めて形容詞と広くとっておきますと、名詞を収束する形容詞、漢詞の類も合わせてですね、複数性なり、先ほどの文では単数性というのを駆動く表現しているということなんですね。
効率性や経済性という観点から見るとめちゃくちゃ無駄なんですよ。
どれか一つ、典型的には名詞ですね。直接数えられるのは名詞ですから、名詞の部分さえ単数形あるや複数形になっていれば、それでことたりるというのはですね、質問者さんの指摘された通りなんですね。
ところが現実には、特に人類の言語、一般で考えてもいいと思うんですけどもね、今回はとりわけ英語の文を持ってきましたけれども、こういうふうに無駄なことをするっていうのが非常に多いんですよね。
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これなぜなのかということを2つの観点から、言語の余剰性という観点ですね、1つ目を。そして2つ目は統合的一致という、この2つの観点から考えてみたいと思います。
この2つはですね、互いに関係もしていると思うんですね。ですが今回、とりわけですね、この2つに注目してですね、切り分けて考えていきたいと思います。
1つ目、言語の余剰性という話題なんですね。Redundancyというふうに英語の用語では言うんですが、これ無駄とか余剰という意味ですね。繰り返し同じものが表現されるということなんですが、これ無駄ということなんですが、言語にもですね、そして人生にも無駄っていうのが必要なんですね。
これ保険としての無駄、保険をかけておく必要があるっていう考え方なんですね。言語の余剰性Redundancyなんですけれども、人間の言語にはあえて無駄を多くして保険をかけておくという性質が備わっているんですね。これはもうですね、言語の至るところに存在します。
なぜこんな無駄なことをするかというと、情報を一箇所にギュッと集約しておくとですね、これ効率はいいんですけれども、もしそこが聞き手によって聞き取られなかったら、何らかの事故とか雑音などでですね、聞き取られなかったりした場合に、そこにある意味、情報の重要な部分をかけているということなので、それによってミスコミュニケーションが生じてしまうということになります。
今回の場合、数という情報、単数性とか複数性という問題なんですが、この情報を文の中のあちこちに散りばめておけば、どこか一箇所でも伝わりさえすればですね、話し手の意図がちゃんと聞き手に届くということなんですね。
多少の事故が起きても大丈夫なように最初から安全策を講じているっていう、これが言語なんだという考え方ですね。
これも無数に例がありましてね、言語は無駄の集まりと言ってもいいぐらいなんですよ。
例えばですね、日本語の敬語、考えると分かりやすいんですが、敬語もですね、ある一単語、目上の人に話しかけているときにですね、
その文、あるいは文章全体のですね、どこか一箇所で、典型的には冒頭部分で経緯を示しさえすれば、もうそれで経緯は伝わっているはずなんですが、その後の発する文、全部ですね、敬語、形態になるのが一般的ですよね。
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つまり目上の人に話しかける以上、すべて敬語が適用され得る言語項目がすべて形態、敬語にしていくという、繰り返すわけですよ。
これによって、経緯を常に表現し続けるっていうことなんですね。
一箇所だけでも経緯は伝わるといえば確かにそうなんです。
効率を考えればそうなんですけれども、実際にはこれでもかこれでもかと、最後の最後まで形態で通すということが多いと思うんですよね。
このように、相手への経緯を一貫して伝えたい、あるいは間違いなく伝えたい。
どこかが聞き取られなくてもですね、全体として経緯があることを伝われば、目的達するということで、これはですね、無駄を承知でこのように保険をかけ続けてですね、連続して敬語、形態を使い続けるということなんですね。
他にもですね、例えば、過去形と過去の一点を表す副詞。
昨日、私はどこどこに行きましたという時ですね。
どこどこに行きました、あるいは昨日といった時点で過去であることはわかるわけなんですが、重複して過去性というものを表現しているところですね。
いろいろと安全策を講じるのだということで、無駄が多いんですよ、言語というのはそもそも。
この言語における大原則ですね、人類言語における大原則を言語の余剰性というふうに呼んでいます。
2つ目の統合的一致という観点なんですけれども、言語学で一致、concordとかagreementなんていう用語なんですけれども、これはですね、
この文で考えてみますと、
この3語のそれぞれが単数性の情報を持っているということですね。
表面的には無駄が多い、redundantな感じがするんですが、この3語が統合的に密接な関係にあるということを示している。
これが一致なんですね。
具体的には就職語と非就職語、この場合就職語がaですね、そして非就職語がbookということで、aとbookというのが両方とも単数性を示す。
aは意味的に単数を示しますね。
これはbookというのは語尾にsがないということ、裸の形であるということで単数性を表しています。
この単数性という点でですね、このaとbookが密接につながっているという考え方になります。
就職語と非就職語の関係だよっていうことですね。
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さらにこの合わさったabookという名詞句ですね、これは主語になるわけなんですが、述語であるb動詞のisとも数の観点から一致しているというふうに考えます。
abookは全体として単数である。
そしてisという動詞も単数である。
ということでこれは主述の関係、主語と述語の関係にあるということがですね、単数性という共通のラベルによってですね、表示されている、確実なものとされているということです。
つまりですね、この場合の数の役割っていうのは、1であること、単数であることを積極的に表したいというよりも、むしろ目標、目的ではなく手段なんですよ。
数、単数性という手段を用いて、この3つががっちりと統合的に結びついているんだという、この英文の構造をしっかりと保っている、そのつなぎ役、軸として単数性っていうのが利用されているっていうふうな考え方になります。
そうするとですね、これ単数性を3回も表すのは無駄だという考え方、これ一方であるんですね。
一つ目に挙げたredundancy、余剰性ということなんですが、逆に考えるとむしろですね、この単数で全て一致しているっていうこと、これを利用してこの3語の統合的関係をがっちりとですね、密なものにきっちり保っているというような考え方。
手段としての単数表示というような見方になります。英語は語順に依存する力が強い言語なので、このような語順になればですね、例えば就職と非就職はこの順に並ぶのが普通ですと。
さらにゼアイズ公文はちょっと特殊でありますが、頭にゼアがある場合には、術語、動詞、術語、死語ですね、すいません、VSの順になるんだというこの公文においてはそういったルールがあるので、それだけでもですね、手術の関係というのはどれが死語、どれが術語ってのが分かるわけですし、就職と非就職の関係も分かる。
語順に依存する言語なので、語順だけでも分かるっていうことなんですが、それでもですね、数という文法カテゴリー、今回の場合、単数性という共通ラベルを利用して文の構造がバラバラにならないようにしっかりと保全しているっていうことなんですね。
これもある意味保険です。なので1つ目の言語の余剰性みたいな問題と関わってくるポイントではあるんですが、少し違う観点ということで今回分けて説明いたしました。
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ということですね。実際にはですね、この一致という問題は今回取り上げた数という文法カテゴリー、単数性複数形だけでなく、他にも格とか認証とか辞世といったいろいろなカテゴリーが組み合わさって一致が成り立っているっていうところで、今回はですね、数だけ取り出して説明しましたが、
実はですね、こういった文法カテゴリーというのはそれ自体に意味があるということもそうなんですけれども、それを利用して文構造を保全するっていう役割、これがあるんだっていうのが一致という概念ですね。言語学上の概念のポイントとなるわけなんですね。
今回は言語の余剰性、それから統合的一致、この2つの観点からなぜThere is a book onthe tableで3回も駆読単数性を表そうとしているのか、この問題に迫ってみました。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
今回は、単数や複数の情報が重複して、ある意味で無駄に示されるのは、コミュニケーション上の事故を防ぐ保険としての役割、余剰性ですね。
それから、語と語の結びつきを示す統合的一致という言語構造を安定させるための仕組みがあるからという、そういう考え方ですね。
他にも、この質問に対する答え方というのは、考えるとあるんではないかと思いますね。
今回は私が思いついたと言いますが、この2つの観点から質問に回答をしてみました。
皆さん、新たな考え方、見方があれば、ぜひコメント欄にてお知らせいただければと思います。
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