Zの使用頻度の低さ
英語史の面白さを伝え、裾野を広げるべく日々配信しています。
本日は11月22日火曜日です。リスナーの皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
英語の語源が身につくラジオheldio、本日は【Zについて語ります】です。
どうぞよろしくお願いいたします。
今日は、アルファベット最後の文字、26文字目のZですね。
日本語ではZと言ったりしますが、これイギリスの発音なんですね。
アメリカの発音ではZということになっています。
ABCの歌でですね。
大体、皆さん今はですね、XYZということでアメリカ式に発音するんじゃないかと言いますが、
イギリスではZですし、あるいは日本語の文脈ではZですらないZと言い習わせたりするわけなんですけどね。
いわゆるこのアルファベットの最後の文字ですよ。
これがですね、非常に目立たない文字なんです。
統計上も実は最も目立たない文字、英語においてですけれども、最も目立たない文字であるということは証明されていまして、
出番が少ないんですよね。
どれだけ出番が少ないかと言いますと、
British National Corpusという非常に有名な、よく使われているコーパスがあるんですけれども、
そこからですね、最も頻度の高い6,318語という単語リストを作り出します。
最もよく使われる英単語っていうことです。
上位にTHEとかですね、ANDとかそういうのが来るわけですが、これを6,318語のリストを作ります。
その中でZ、この文字を含む単語を抜き出してみると、
なんとですね、36語のみなんですよ。
改めて言いますと、母数は6,318ですよ。
6,000越えの中で、36語にしかZの文字が含まれていないっていうことです。
これ読み上げてもいいぐらいかもしれませんね。
読み上げますが、スペリングを想像しながらですね、
確かにZの文字入ってるなというふうに納得していただければと思うんですが、
ひたすら36語ですが、読み上げますね。
短いリストなんで。
Horizon, Hazard, Breeze, Characterize, Ozone, Horizontal, Enzyme, Bronze, Jazz, Bizarre, Frozen, Organizational, Citizenship, Dozen, Privatization, Puzzle, Civilization, Lazy
というこの36語です。
何とかeyesとか何とかization、この語尾が含まれているので、
それで足し算して頑張って36語ということなんで、
これがなかったら、あるいはこのeyesとかizationっていうのはひとまとめにするっていうことになると、
36語どころかですね、もっとぐんと減るわけですよ。
こう見てみると、どれだけこのZという文字は人気がないのかと言いますか、
語尾の中で文符が乏しいのかっていうのは不思議に思うくらいなんですね。
この中で最初に読み上げたのが実はsizeなんですよ。
これは確かにZ入ってるよなというふうに皆さんも気づくと思うんですけれども、
これが一番Zを含む単語の中で頻度が高い単語なんです。
size確かによく使いますよね。
これですら総合でいうと716位という低いランクなんですよ。
つまりその前の715語、英語語彙の中で一番よく使う715語までの中に
Zが含まれていないという、何ともZにとっては不名誉な結果が出てるわけですね。
最高がsizeですから。
歴史的な背景の考察
つけ足しですが、sizeは716位ということだったんですが、
上位1000位以内に入っているのはこのsizeだけなんですよ。
もうどうしちゃったのZっていう感じですよね。
この中で検討しているのは、ランキングこそ低いと思うんですけども、
jazzとかpuzzleです。
これは頑張っている。
なぜかというと、1語の中にZが2回出てくるからです。
これはものすごく貢献してますよね。
jazzとpuzzleです。
では、なぜ英語ではここまでZという文字が嫌われているというか人気がないのか。
言語によっては同じアルファベットを使う言語もですね、
例えばドイツ語なんかではもっともっと出ますし、
言語ごとに事情は違うと思うんですよ。
ですが、少なくとも英語に関する限りZという文字はかなりマイナーであるということなんですね。
では、なぜなのかという歴史的な事情を探ってみたいと思うんですけれども、
一つはですね、先ほども述べましたが、
○○eyesとかその名詞形である○○izationとか○○izationalも含めてなんですが、
これはですね、動詞を作る、あるいはさらに名詞形容詞を作る語尾もくっついてますけれども、
eyesという部分ですね、
eyeseと綴りますけれども、
これはですね、そもそもがギリシア語由来の設備字なんです。
動詞を作る設備字ということでギリシア語から借りてきたんです。
そうすると、その○○eyesの前に来る部分っていうのも、
なるべくギリシア語由来だったり、あるいは少なくともラテン語由来かな、
古典語に由来するものがだいたいハマるっていうことになって、
要するにレジスタレベルの高い単語が来るんです。
学術用語といってだいたいいいと思うんですけれども、
そうするとですね、固いんですね。
なので、たとえば上位戦語などに入ってこないっていうことです。
逆に言うと、学術用語であるとか学問の世界、技術の世界、専門的な世界では○○eyesとか○○izationっていうのは
ザラに出てきますので頻度は高くなるんでしょうけれども、
いわばこの節微字としてのeyesがZの頻度を稼いでいるっていうのはさっき言った通りで、
通常の日常の語彙にはあまり出てきにくいということが全体にあります。
つまりそもそもですね、このeyesに象徴されるようなちょっと堅苦しさ、フォーマルさみたいなものがZの文字に付随しているというそのイメージですけどね、
イメージが強くなっているっていうのが一つです。
しかもですね、この○○eyesとか○○izationっていうのはアメリカ英語では間違いなくZで綴るんですけれども、
イギリス英語ではZの場合もあればSに書き換えてしまうっていう場合も多いんです。○○eyes○○izationというものですね。
なのでイギリス英語ではますますZが出ないっていうことになります。
先ほどの36語を挙げたものもBritish National Corpusというイギリス英語ベースのもので、
どちらかというとZが出にくい方言がイギリス英語なんですね。
スペリング上アメリカ英語よりもずっと出にくいので。
それで統計を取ったということも今回の場合あるわけなんですけれども、
いずれにせよZというのはちょっと堅苦しいイメージが付随してしまっているっていうのが一つですね。
一音節語におけるZ
もう一つもっと根本的な歴史的事情なんですけれども、
これは他の言語でも共有しているはずなんですけれども、
英語ではそれがそのまま受け継がれたと、より強く受け継がれたと考えていいと思うんですが、
何かと言いますと、もともとギリシャ語にはいわゆるZに対応する文字っていうのがあって、
αβγδεζっていうふうに6文字目なんですよ。
ところがこのギリシャ文字を借りたラテン語ではこの文字は必要ない。
Zという文字もとも必要ないということで切ったんですね。
なくしたんです。
ところが後からやっぱり戻そうと。
ギリシャ語から単語を釈用するときに、このギリシャ語で綴られたZですね。
この文字はあったほうがいいっていうことで、後から復活したんですが、
その入れ歯がですね、もともと6文字目に、αβ6文字目にあったんですが、
一回切ってなくしただけにですね、6文字目に戻すということをやめて、
ラテン語のαβの最後に挿入するっていう形で付け加えるっていう形で戻してやったんです。
なのでこの位置がやはり物語っているように、
ラテン語においてZっていうのは後付けの正規でない感をもらだしにしたようなですね、
文字としてラテン語で扱われていたっていうところが、
後々まで響いているっていうふうに考えて良いと思うんです。
もちろんですね、最後の文字として、αβの文字としてラテン語では加えたっていうことなんですが、
その後ですね、αβが展開した諸言語、英語、ドイツ語、フランス語では、
このZというのをどのように使うかっていうのは、
それを取り込んだ各言語での歴史っていうのもありますし、
Zを割とですね、よく使うようになったドイツ語というのもありますし、
ラテン語のマイナーナチっていうのをそのまま受け継いだような英語という言語もあります。
フランス語も多かれ少なかれ同じなんではないかと思うんですけれども、
歴史的にですね、このZが出しゃばる機会っていうのがですね、
英語では設けられなかったということなんだろうと思います。
ですから、今でも何とかアイズっていうギリシャ語を由来の設備字に関する場合には使われますし、
他にはですね、やはり固有名詞、固有名詞というの外来のものです。
大陸から入ってきたもので、例えばエリーザベスという時のエリーザベス、Z使いますよね。
こういう場合には使ったりするんですけれども、
一般の単語で英単語でZっていうのはやっぱりそんなに出ないっていうことになりますね。
ただ一つだけ一つと言いますか、例外的にですね、一音節語とは相性がいいんです。
これはその単語の起源に関わらずっていうことなんです。
これがまた珍しくてですね、面白いんですけれども、
例えばクレイズ、デイズ、レイズ、メイズ、ドウズ、アサイズ、フリーズ、フィーズなどなんですけれども、
どういうわけかですね、英語では一音節語の場合には何とかZという語尾が出る場合には、
他の場合Sだったりすることが多いんですが、
この一音節語の場合にはZを使うっていうことがよくあるんですね。
サイズとかプライズなんていうのも思い浮かべると分かる通りですね。
一音節語の末尾にZが現れるっていうのは割と一つのですね、パターン化しているっていうことで、
英語の独特な綴り字のルールと言いますか傾向なんじゃないかと思っています。
シェイクスピアとZ
最後にですね、このかわいそうなZの文字について、かのシェイクスピアも触れています。
キングリア、リア王ですね。第2幕、第2話でですね、こんなことを言ってるんです。
Zですけども、イギリスなんでZという発音なんですが、このZに対して発言がなされているっていう面白いシーンなんですけれども、
Thou whoreson Zed, thou unnecessary letterということですね。
汝、資生児のZよ。汝、不要な文字よ。というふうに、かなりディスっていると思うんですけどもね。
Thou whoresonというのは、whoreっていうのは売春婦ですよ。売春婦の息子というふうに言っていて、
執事が怪しいこの不要な文字Zよと言っていることなんで、かなりのディスり方かと思うんですけれども、
こんな歴史を背負ってZっていうのがなくならずにですね、今の今まで英語でも受け継がれてきたっていう、
むしろそっちの方を褒めてあげていいのかなと思ったりするんですね。
かなりしぶとく生き残ってきた文字なんではないかということで、今回はZあるいはZの話をお届けしました。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
Zという1文字をとってもですね、背景には歴史がありまして、結構ですね、面白い話、そしてZにとっては寂しい話だったかもしれませんけれども、
各言語でZの話ってあり得ると思うんですよ。
英語ではあまり出ない。フランス語ではどうかっていうとやっぱりあんまり出ないですね。
ドイツ語ではガンガン出ますねとかですね。
いずれもラテン語のいわゆるローマ字から受け継いだ文字なので、いわば余ってたわけですよ。
ラテン語では存在感薄い文字だったんで、これをどうやって使うか、そのままほっぽっておくか、あるいは再利用して利活用するかっていうことですね。
このあたりはですね、各言語に任されていますので、これを活かすも殺すもですね、いろいろだったと思うんですよ、言語ごとに。
今回は英語についてどうだったのかということでお話ししました。
この文字の対象言語詞なんかもですね、やってみると結構面白いのかなっていう気がしますけれどもね。
生放送のお知らせ
皆さんが学んでいる外国語、アルファベットを使うような言語ではいかがでしょうか。
考えて比較してみると面白いことがわかってくるのではないかと思います。
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それでは、今日も皆さんにとって良い1日になりますように。
ホッタリウイチがお届けしました。また明日。
すみません。最後にお知らせをさせてください。
このVoicyヘルディオで生放送を行います。
11月26日土曜日、今週の土曜日ですね、の午前10時から11時に生放送を行います。
内容は立命館大学の岡本博紀先生との対談ということなんですけれども、
岡本博紀先生はこの11月25日、金曜日ですね、今週の金曜日に全国労働省となりますグリーンナイト、映画グリーンナイトの字幕監修を担当されています。
この作品は中英語ロマンスサーガウェイン&グリーンナイト、ガウェイン卿と緑の騎士が原作となっていまして、
それがですね、翻案されたもの、映画作品なんですけれども、これがですね、いよいよ11月25日から全国労働省ということで、
このタイミングに合わせまして、岡本博紀先生とその翌日ですね、労働省開始の翌日26日土曜日の朝10時から11時に対談という形で生放送でお届けする予定です。
内容はもちろんグリーンナイトに関係する話であるとか、その原作のガウェイン卿と緑の騎士、14世紀後半にイングランド北西方言で書かれたテキストなんですけれども、このあたりについてですね、いろいろたっぷりと1時間お話ししたいと思っています。
できればですね、皆さんに生放送で聞いていただきまして、そしてその時間、都合がつかないという方はですね、アーカイブという形で翌日27日日曜日の朝のレギュラー放送に変えるという形でアーカイブに残し配信する予定ですので、もちろんそちらで聞いていただくことも可能です。
25日に映画公開ということで、その翌日26日の対談ということでですね、ほとんどの方がまだ日本での上映を見ていないという形でお話しすることになったりしてですね、ちょっとネタバレのお話も聞かせていただけるといいますか、聞いてしまうんではないかと思うんですが、
私もですね、25日には見に行くことはちょっとできないので、26日の対談の後に来週あたりですかね、見に行こうと予定しているんですけれども、とにかくですね、このロードショーに合わせての岡本先生登場ということでお楽しみにしていただければと思います。
11月26日土曜日の午前10時からスタートということで、1時間生放送たっぷりお届けしたいと思っています。
ちなみにですね、岡本先生とは私、これまでもですね、このVoicy Heldioで3回対談していますので、今度の土曜日の生放送の予習というんですかね、あるいは復習というべきかというところなんですが、こちらも聞いていただけますと、
おそらくですね、連続性があるんですよ。ですので、過去の放送を聞いていただいた上で、今度の土曜日の生放送なりアーカイブをですね、お楽しみいただけると、いろいろとつながってきて面白いはずだというふうに思っています。
関心がある方はですね、過去の放送回番号で述べますけれども、173回、そして386回、そして478回、こちらの3つ聞いていただければと思います。
173回は、立命館大学、岡本弘貴先生との対談、国際英語とは何かということで、ちょうど1年ほど前にですね、対談を行った回でした。
それから2つ目は386回、岡本弘貴先生との対談、サイモン・ホロビンの英語史本について語るという回なんですが、このタイトルとは裏腹にですね、今回の話題につながるようなことのほうが多分多く話しています。
ですので、この386回もぜひお聞きいただければと思います。そして最後ですが、478回、これは今年の9月ですので、2ヶ月ほど前のことなんですけれども、英語バナキュラー談義、岡本弘貴&堀田隆一ということで対談させていただきました。
これが最も今回の映画の字幕監視を務められました、岡本弘貴先生のガウェイン感と言いますかね、この原作に対する思いなども詰まっている回で、その時もですね、いろいろ話したんですけれども、まだ足りないということもありまして、今回の改めての対談となった次第です。
今週の土曜日午前10時からということで念頭においていただければと思います。そして映画グリーンナイトそのものもですね、今週金曜日風切りということですけれども、ぜひこのヘルディをお聞きの皆さんには見に行っていただきたいなと思っています。ということで宣伝でした。よろしくお願いいたします。