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2025-02-25 10:00

heldio #220. hear - heard - heard の活用のナゾ

#英語史 #英語学習 #英語教育 #動詞 #不規則動詞 #英語史に関する素朴な疑問
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サマリー

今回のエピソードでは、英語の動詞「hear」の活用について、'in'や'ed'の使い方における不規則性とその歴史的背景が探求されています。特に、小英語から現代英語への移り変わりを通じて、発音や形態の変化が詳しく解説されています。

hearの活用方法
おはようございます。英語の歴史を研究しています。 慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも、 辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、 英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、 新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回取り上げる話題は、 hear-heard-heard の活用のナゾ、という話題です。
聞く、hearという、非常に日常的、高頻度の語ですけれども、 これはedを付けるのではなくて、ただdだけを付けるんですね。
そして、h-e-a-r-dという綴りになりますが、 これが過去形、過去分子形として、発音はheardではなくて、heard-heardとなるわけです。
つまり、hear-heard-heard。 この発音はどうなっているのか、というのが今回の話題です。
一般的には、現代の英語では、これは規則動詞ではなくて、 不規則動詞だと言われ方をします。
edを付けるわけではないからですね。 しかも発音も少し不規則になって、heardとならないということから、 不規則と呼ばれるわけなんですけれども、
ただ、規則形に準ずるという言い方が、おそらく正しいと思うんですね。
明らかに、eがないだけで、dが付いていますし、 これは、広く規則形の仲間だという捉え方もできると思うんですね。
その中でも、少しイレギュラーな感じだという、 そんな捉え方なんじゃないかと思うんですね、本来はね。
なので、go, went, gone のように、完全暗記というところまでは必要ないかもしれませんが、
それでも、バリバリの規則形ではないという意味で、 やはりある程度暗記しなければいけない。
発音なんかも別立てで覚えなければいけないという意味では、 確かに不規則よりでもあるというような、規則的でもあり、
ちょっとその中でも不規則的であるというような、 中途半端な位置付けですよね。
語源の探求
この謎を語源的に探っていきたいと思います。
この動詞は、英語の本来語で、小英語からあります。 ゲルマン系の単語なんですね。
小英語では、「ひいえらん」というのが、 この動詞の不定形といわれる見出しの形ですね。
小英語の形は、「ひいえらん」という形でした。
このうち、最後の「あん」の部分は不定詞語尾ということで、 原形につく語尾だと思ってください。
その五感部分、その前の本体の部分は、「ひいえらん」というふうに、「いいえ」という長い母音がきます。
ただ長いではなくて、二重母音でかつ長いということなので、 かなり長いですね。
ひいえらんという発音なんですね。
語感部分がやたらと長いというのが、ここではポイントになります。
さて、現代英語の規則動詞の過去形・過去分詞形につくEDですね。
これは小英語においては、EDとかODという形で表れたんですが、 いずれにせよ母音Dという形なんですね。
過去形の場合は、母音Dというのが基本の形なんです。
ところがですね、このひいえらんというタイプ、 つまり語感部分がやたらと長い、二重母音でかつ長母音。
この場合にはですね、EDのような語尾ですね、過去形の語尾が、 本来母音DというEDという形なんですが、
その直前が長すぎるあまりですね。
このEDのエの部分が消えることで長さを調整すると言いますかね。
つまりそのままDがつくというタイプの動詞だったんです。
これは実は小英語での新しい現象というよりは、 さらに遡った時代に起こっていた現象なんですね。
なので小英語の時にはもうすっかりですね、ひいえるでという形で、 直接ひいえるとRの後に、直接もうDがついていた。
EDとか他の単語にはよくあったODとかいうタイプではなくてですね、 つまり母音Dの形ではなくて、母音がそもそも落ちてしまった状態で、
Dが直接語感につくという単語だったんですね。
これはもともとひいえらんというEの部分が長すぎたからだというふうに考えて結構です。
このように語感部分が非常に長い場合ですね、 直接Dがついたということになりますが、
そうでない単語の方が多かったんですね。 語感部分がそれほど長くない。
そういう時には余裕を持ってEDとかODというのを語尾につけたということで、
それがいわゆる現代のほとんどの動詞の規則形、 規則的な過去形、過去分詞形になっているということなんですね。
ところがHEREの場合は、たまたまひいえらんという長い母音を持っていたということがポイントなんですね。
長すぎるあまり、そのまま直接ですね、EDでなくてDをつけてしまう。
発音の変化
ひいえるDという形です。 これが過去形、そして過去分詞形の元の形になったということです。
さて、このように語感が長いということが一つのポイントとなって、 D単体がついたということなんですね。
現形あるいは現在形はDなんかつきませんので、 そのままひいえらんということで、
Rが語感の末尾のシーンということになって、シーン一つ。 その後、あんがついたり、別の語尾がついたりするということなんですけれども、
過去形、過去分詞形だと、このRの後に直接Dが来ることになりますよね。
そうすると、つながりとしては2シーンになるわけです。
もともと語感が十分に長かった、長すぎた。 だからDが直接Rに接続したんだという言い方しましたが、
結局は接続しちゃったわけなんで、RDというふうに2シーンになりますよね。
その前には長い母音があり、 そしてその後には2つのシーンが連続して続いてしまうということなんで、
やはり全体としてどうしても長くなるということなんですね。
そこで、今度は小英語から中英語にかけての時期に、 また別に独立して起こったんですが、
いわゆるハードの形ですね。
ヒーエルドゥという過去形、あるいは過去分詞形の形は、 母音としても長すぎるし、その後2つのシーンが続いてしまう。
なので、単語全体としてやっぱり長いじゃないかという話になって、
何が起こったかというと、母音を短くしようということになったんですね。
そこでヒーエルドゥだったのが、 ヒエルドゥ、ヒエルドゥ、ヒエルドゥ、ヒエルドゥとなったわけです。
つまり原形とか現在形はあくまでヒーエランというふうにDが付くわけではないので、
十分にゆったりと発音できるということで、 二重母音、長母音が現在形では残った。
これがヒアという形ですね。
ところが過去形、過去分詞形では、後ろに直接Dが来ることによって、
二重母音、長母音プラス二支音という長い連鎖になってしまいまして、
これを避けるために五感の母音の方を短くするということで、
ヒエルドゥ、ヒエルドゥという形に短くなったということになります。
そしてこのIRDと綴られるイルドの部分ですね。
この部分が例えばバードなんかと一緒です。
鳥のバードですね、B-I-R-Dですが、IRDの部分はもともとはイルドと読まれていました。
つまりヒエルドゥでありビルドゥだったんですが、
今度はこれが16世紀、近代英語の時代の話なんですが、
以降に、ウーという曖昧母音に変わっていくわけですね。
イルドゥがウードゥ、ウードゥのような発音になります。
そしてヒエルドゥ、過去形、過去分詞形がヘードゥ、ヘードゥとなって今に至るということです。
つまりすべて大元はこのひいえらん 聞くという単語の語幹が異常に
長い二重母音であり長母音である というひいえらんといういいえ
というこの長い母音を持っていた ということがすべてのホッター
です その後dが付くことになった
つまりedではなくdが付くことになった というのがまず第一ポイントですね
その後直接dが付いたんだけども やっぱりそれでも長いっていうこと
で今度は語幹の母音を縮めることで 長さを調整したこれがヒルドになった
ということです そしてこのヒルドがビルドバード
なんかと同じような形で16世紀以降 近代語気になってうーどという
発音になったということです ちゃんと理由があるということ
なんですね ではまた
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