2025-04-17 09:59

heldio #271. ウクライナ(語)について

#英語史 #英語教育 #英語学習 #スラヴ語派 #ロシア語
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サマリー

このエピソードでは、ウクライナ語とその背景について深く掘り下げ、ウクライナとロシアの言語的、文化的な関係がどのように影響しているかを探ります。また、東スラブ語群におけるウクライナ語の重要性や、他のスラブ諸語との関連についても言及します。

ウクライナ語の背景
おはようございます。英語の歴史を研究しています。慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも、辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回取り上げる話題は、ウクライナ語について、です。
もっか、ウクライナ情勢が金箔というレベルを超えて、ついに一線を超えてしまいました。
ウクライナとヨーロッパ、そして世界の平和を祈るばかりです。
今回のこの情勢は、ウクライナとロシアという両スラブ国ですね。
そして言語学的に言いましても、ウクライナ語とロシア語、非常に似通ったスラブ語の仲間ということなんですが、
この言語の立場から、今、世界中の注目が集まっているウクライナ、そしてウクライナ語について、
言語学あるいは英語史の立場から学ぶという趣旨で、通信で今回は関連する話題をお届けしたいと思います。
ウクライナ、そしてウクライナ語について、です。
さてスラブとかスラブ語という言い方がすでに出てきましたが、これはインドヨーロッパ言語学ですね。
スラブ語群の詳細
インドヨーロッパ語族の中ではですね、広くバルトスラブ語派という派閥に属するものです。
この派閥の内部では、バルト系とスラブ系というふうにさらに分割され、そしてこのスラブ系の中でもですね、
地理的な位置に応じて東系、西系、南系というふうに3区分されます。
このスラブ諸語というべきグループですけれどもね、
起源、7、8世紀くらいまではこの語群の諸言語はですね、およそ一様だったと想定されています。
多少なりとも方言はあったにしてもおよそ一様だったと。
それがだんだんと分化していくということですね。
その結果のイースト、ウエスト、サウフというふうに3区分に分かれてですね、現在に至るということです。
そしてイースト語からいきますか、このイーストスラービック、東スラブ語群、
ここに含まれるのが今回問題になっているロシアのロシア語であるとか、それからウクライナのウクライナ語、
そして現在ロシア軍も展開しているベラルーシですね、そのベラルラシアンと呼ばれるベラルーシ語という言語です。
この辺りが東スラブですね。
この東スラブというのは非常に重要で、というのは属している人々の数、人口ですね、つまりその話者が多いということです。
ロシア語というのは言わずと知れた大言語で1億7500万人ぐらいに話されていますね。
ベラルーシのベララシアンという言語はですね、これはベラルーシ本国であるとか隣接するポーランドで約900万人によって話されています。
そしてウクライナ語、これはウクライナ国内で約5000万人によって話されている大言語ということです。
つまり数で言うとですね、これロシア語に次ぐスラブ系の大言語ということになりますね、5000万人ということですね。
ただウクライナ国内の国語ではありますが、このウクライナ国内では歴史的な経緯もあってロシア語を喋る人も多い。
しかもお互いに部分的には通じるというぐらいの近い方言関係ということですね。
この辺りが今回の近兆にも関係してきているということです。
ウクライナ語の現状
さあ、ちらっとですが他の西スラブと南スラブについても触れておきたいんですが、
西の方はですね、主要な言語として4つぐらいあります。
いわゆるポーランドですね、これ3600万人の人口がいますので大言語です。
それからチェコとスロバキアのそれぞれチェコ語、スロバキア語ということですね。
それからソービアンという言語、ソルブ語ということですが、
ドイツのドレスデンの北東部という限られた地方で10万人ほどによって話されている小さい言語です。
これも西スラブに属するんですね。
そして地域的には多少離れているんですが、南スラブ、ここも非常に重要な言語はいくつかあります。
ブルガリアのブルガリア語、それからセルビア語、クロアチア語、スロベニア語、マケドニア語というふうに
各国の国語の名前が挙がってくるということです。
それではウクライナ語とロシア語の話に戻りたいと思うんですけれども、
この母国ですね、ウクライナという国とロシアという国ですね、
これ互いにスラブということで、しかも東スラブということで言語的、民族的、文化的、
そしてもちろん歴史的な共通点が非常に濃いであるがゆえに、
様々な問題を抱える隣国同士であるということなんですね。
そしてウクライナ国内でもですね、実はウクライナ語が国語なわけですけれども、
実はかなり多くの人々がロシア語を喋っている。
そしてお互いに通じるということだけあってですね、部分的に、この関係というのは複雑なわけです。
例えば首都のキエフであるとか、それからポーランドと国境を接している近くのリビューという町ですね。
それからイワノフランコフスクなんかの中部、西部の諸州では確かにウクライナ語が圧倒しているんですけれども、
南部のオデッサ州ですね、では実はハンハンなんですね、ボコワシャが。
それから東部の今まさに問題となっているところですが、ドネツク州やクリミアなんかではロシア語の方が圧倒している。
ウクライナの国全体としてみますと、ウクライナ語が約3分の2ということですので上回っているということでありますが、
なにせですね、ロシア語というのは大言語です。
圧倒的な大言語ということもあって、常に脅威にさらされてきたという背景があります。
さあこのウクライナという国はですね、日本にしても、それから英米ですね。
英語芯の話なので英米ということを考えますけれども、にしてもどちらからもですね、とてもよく馴染んでいるという感じの国ではないわけですね。
あまり歴史的にも直接的な交流というのはそれほどなかったかと思うんですね。
この英語芯のラジオとしてですね、英語にではウクライナ語から入った釈用語があるのかというとですね、あまりないんですね調べてみると。
ただゼロではありません。非常に専門的な用語が多くて、3つぐらいヒットするぐらいなんですね。
一つ目はですね、パルゴルスカイト、パルゴルスカイトという、これ専門用語です。
鉱物ですね、鉱山の鉱です。鉱物の名前でヤマコルクとかパルゴルスカイト。
石面の一種のことを指すようですね。これがウラル山中の鉱山で見つかったということで、その鉱山の名前にちなむということのようです。
それから2つ目はですね、グレイっていう単語です。G-L-E-Y、グレイという英語での発音ですね。
これ地質学の用語のようで、日本ではグライと言っているようなんですが、湿地に見られる青みがかった、目の詰まった粘着性のある土のことのようで、
実はこれ語源としてはですね、英語本来このクレイ、粘土、土、土クレっていうクレイですね。
であるとか、ラテン語由来のニカワ、接着剤のことグルーって言いますね。G-L-U-E、これなんかと究極的には語源がつながるっていうことです。
3つ目、ゴーパック、ゴーパックということで、これゴパーク、高い彫薬を特徴とするウクライナ地方の民族舞踊ということで、ウクライナの文化用語っていうことですね。
これゴップとかホップというような、いわゆる擬態語ですかね。擬態語みたいなものが起源となって作られた用語なんではないかと言われています。
ゴーパックですね。3つ挙げましたが、いずれにせよちょっと知らない単語かなというのが本当のところかと思いますね。
そしてもう一つ、ウクライナといえばですね、実はインオーソ語の故郷としてウクライナ南部というのが有力視されているっていうことがありますね。
それではまた。
09:59

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