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2025-12-25 11:37

#76 映画「理想の結婚」 会話だけでドキドキする大人の心理戦

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🎙️ ようこそ、英国ドラマタイムへ!
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今回ご紹介するのは、1999年公開『理想の結婚』(An Ideal Husband) 

「理想の夫婦」と呼ばれる政治家夫妻の前に、 過去の秘密を握る女性が現れたら──? 

19世紀末ヴィクトリア朝ロンドンを舞台に、社交界の華やかさとその裏に潜む人間の弱さを 鋭いウィットで描いた大人のロマンティック・コメディ。

 

 原作はオスカー・ワイルド。 自身もスキャンダルで破滅した作家だからこそ描けた、「理想」の裏側。 

 

出演:ジェレミー・ノーサム、ケイト・ブランシェット、 ルパート・エヴェレット、ジュリアン・ムーア他

 

このエピソードでは
 ✓ 二つの「理想の結婚」の対比
 ✓ ブリジャートン家との共通点
 ✓ 会話だけで緊張が高まる心理戦の妙 

派手なアクションはなくても、 人間ドラマでこんなにドキドキできる。 そんな映画の魅力をお届けします。

 

 

【お知らせ】

1月17日(土)
英国ドラマや映画が好きな方と語るオンライン会を開催します。

ドラマに登場するお屋敷や暮らしがどうしてあんなに「本物みたい」に見えるのか。

 

イギリスで撮影した写真なども交えながら、舞台裏のお話を少しだけ。

後半は「もしも、あのお屋敷に行けるなら?」という“もしもトーク”でゆったり語る時間です。

 

お申し込みはこちらから。
気軽にご参加いただけたら嬉しいです。

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サマリー

映画『理想の結婚』は、19世紀末のヴィクトリア町ロンドンを舞台に、完璧な夫婦とされる政治家ロバートと妻ガートルードの関係に秘められた過去の秘密が暴かれ、心理戦が展開される。オスカー・ワイルドの原作によるこの物語は、理想的な結婚の真実を問いかけ、社交界における人間関係の複雑さを浮き彫りにしている。

映画『理想の結婚』の背景
英国ドラマタイムへようこそ。この番組は、イギリスの歴史ドラマが大好きな私が、ドラマや映画のおすすめ、無欠の秘密、当時の暮らしまで深掘りしてご紹介しています。物語の背景を知ると、作品がもっと楽しくなります。
今日ご紹介するのは、1999年公開の理想の結婚。オリジナルタイトルは、An Ideal Husband。理想の結婚って聞くと、どんな結婚を思い浮かべますか?完璧な夫婦、誠実なパートナー、何の曇りもない関係、そんなイメージでしょうか?
今日の映画の舞台は、19世紀末のヴィクトリア町ロンドンの社交会です。とっても華やかでオシャレなロマンチックコメディですが、ただの甘い声の物語ではありません。その理由は、この物語を書いた原作者にあります。原作を書いたのは、鋭い皮肉とウィットで知られる作家、オスカー・ワイルドです。
彼は社交会の中で生きてきた人でした。華やかな世界を送りながらも、後に自分自身がスキャンダルで破滅することになります。つまり、社交会の表と裏、両方を知っていた人だったんですね。
だから、理想的とか立派だって言われている人たちが、実はどれだけ裏で色々なものを抱えているのか、誰よりもよく分かっていたんですね。だから、この映画でも、華やかな会話の奥で、本当に理想的な結婚って何なんだろうという問いを美しく仰れていながら、どこかチクリと刺さる、そんな感じで描いているんです。これがね、とっても上手いですね。
この大人のためのロマンチックコメディーを見ているうちに、私は、あれ、こういうところ、ブリチャートン家と通じているところがあるなと感じる部分もあったんですよね。今日はそのあたりも含めて、この映画の面白さをお話ししていきたいと思います。
では、どんな物語なのかご紹介します。
物語の中心にいるのは、ロンドン社交会で理想の夫婦と呼ばれている政治家ロバート・チルタンと、その妻ガートルードです。
ジェレミー・ノーサの演じるロバートは、誠実で道徳的な政治家と知られていて、議会でも社交会でも高い評価を受けている人物です。
ケイト・ブランシェットが演じる妻のガートルードも、正しさや理想を強く信じる女性で、ロバートのことを心から愛していて尊敬しています。
そんな二人の下に、ミセス・チーブリーという女性が現れます。
彼女はロバートの若い頃のある不正を知っている人物なんですね。
チーブリーはその秘密を使って、ロバートにある政治的な行動を取るように迫るところから物語が進んでいきます。
ロバートは、秘密を守るためにチーブリーの要求に従うか、それとも今の立場を失う覚悟で挑むのか、苦しい選択を迫られることになります。
一方で、このやりとりを少し距離のある場所から見ているのが、ロバートの友人で、独身の紳士、アーサー・ゴーリングです。
アーサーは表向きはオシャレで、契約、結婚にも仕事にもあまり真剣でないように見えます。
でも実は、社交界の中を自由に行き来できて、多くの人の本音や事情を知っている人物でもあります。
アーサーには、実は密かに思い寄せている女性もいて、それがロバートの妹メイベルです。
メイベルは、兄と違って完璧主義ではないんですね。
アーサーの軽薄そうな外見の裏に、誠実さや思いやりがあることをちゃんと見抜いているんですね。
この物語が大きく動くのは、ミセス・チーブリーがロバートの家を訪ねた時です。
スカートルードに向かって、この豪華な家がどんなお金で建てられたのか知っているの?と衝撃な事実を教えます。
夫のことを誰よりも尊敬して、理想の人だと信じていたスカートルードは、その事実を知った時に、とても大きな衝撃を受けます。
彼女はロバートに、家を出て行ってほしいと告げるんですね。
あわれな感じで行き場を失ったロバートが向かうのは、友人アーサーの家です。
ところが、ここで事態が一気にこじれていきます。
というのも、その少し前にスカートルードからアーサー宛てに、お会いしたいという手紙が届いていたんですね。
スカートルードはアーサーに頼ろうと思ったわけなんですが、
そしてアーサーはその方を待っていたんですね。
名前を聞かされていなかった執事は、彼女を大切な女性だと思い込み、そのまま家の中へ通してしまいます。
現れたのが異設チーブリーでした。
その直後に本当に訪ねてきたスカートルードは、なぜか家に入れてもらえず、返されてしまいます。
家の中に入れてもらえず、返されてしまいます。
その直後に本当に訪ねてきたスカートルードは、なぜか家に入れてもらえず、返されてしまいます。
家の中ではアーサーとロバートが話していて、そのすぐそばにチーブリーがいる。
ロバートはそこで、なぜ彼女がここにいるのかに気がつき、疑念と怒りが一気に吹き出します。
味方だと思っていたアーサーは本当に味方なのか。
この場面で人間関係が一気に絡まっていき、誰が何を守ろうとしているのかがわからなくなっていきます。
理想の結婚の問い
この映画の面白さがまさにここにあるんですね。
何か派手な大きな事件が起きるわけではないのに、会話と行き違いだけで緊張がどんどん高まっていきます。
そしてこの駆け引きの中で、アーサー自身もまた自分の結婚とか責任と無関係でいられなくなっていきます。
この後、物語がどう収束していくのか、誰がどんな選択をするのかは、ぜひ映画で確かめてほしいんですが、
少なくとも言えるのは、この作品が社交会という舞台で起きる大人同士の心理戦を最高に面白く見せる映画だということです。
この映画を見ていて、ブリチャードン家と重なるなと思ったところがいくつかあったというのを最初にご紹介したんですけど、
それはこの2つの物語の世界の仕組みがとてもよく似ているからなんですね。
まず1つ目、社交会が人生を決める世界だということです。
華やかな舞踏会や夜会で交わされる噂や評判が、結婚も立場もその後の人生まで左右してしまいます。
2つ目は女性が置かれている立場、結婚しないと生きにくい、評判が全てで一度のスキャンダルで簡単に終わってしまいます。
そして3つ目、ゴシップが力になる世界。
ブリチャードン家ではレディ・ホイスルダンが、理想の結婚ではミセス・チーブリーが、
どちらも表舞台には立たないのですが、秘密と噂を握ることで社交会のそのものを揺らしていく存在だったんですね。
こうした社交会の仕組みを背景にしながら、この映画が本当に描こうとしたのは、理想の結婚とは何かという問いです。
映画の中では2つの理想が出てきます。
1つ目はロバートの妻、ガートルードが信じていた理想です。
完璧で道徳的で過去に一切ぬくもりもない夫、これは人に求めた理想ですね。
だからロバートの過去を知った瞬間に結婚は崩れかけてしまいます。
そしてもう1つがアーサーとメイベルの理想です。
この2人は人は完璧じゃないことを最初から分かっています。
弱さも決定も含めてそれでも一緒にいようとする。
だからこの映画が言っているのは、理想を信じるなということではなくて、理想を疑った後で選べということなんだと思うんですね。
ロバートたちが理想だと思い込んでいた結婚なら、アーサーとメイベルは分かった上で選んだ結婚。
だから最後にこの2人が出てくることで、この物語はちゃんと理想の結婚に着地するんです。
いかがでしたか?
今日は理想の結婚をご紹介しました。
最後に1つお知らせがあります。
最後に1つお知らせがあります。
英国ドラマの裏側の世界観をもっと深く楽しむためのオンライン会を開催することになりました。
イベントのタイトルは、「英国ドラマのあの世界観はどこから来るの?カントリーハウスの裏側をめぐるオンライン会」です。
ダウントンアビーやポリチャートン家など、あなたが見てきたあの美しい邸宅たちはどうしてあんなに暮らしている感じがするんだろう。
そんなふうに思ったことはありませんか?
このオンライン会では、実際に露出として使われたお屋敷の秘密や建物の歴史、ドラマで描かれる世界との違いや、
現地を訪れたときにしかわからない驚きや発見、そういったものを私が撮ってきた写真をご紹介しながらゆっくりとお話ししたいと思います。
難しい専門知識とかは一切必要ありません。
そして後半には参加者の皆さんとおしゃべりする時間も取りたいと思います。
もしドラマに登場したあの部屋に1日いられるなら、どこに行きたい?そして何をしたい?というそんなお仕事をみんなで楽しめたらなと思っています。
第1回目の開催は来年1月17日土曜日夜8時から9時です。
申し込みの締め切りは1月10日です。
土曜日の夜にお紅茶でも入れてゆっくりとご参加いただけたら嬉しいです。
概要欄にお申し込みフォームへのリンクも貼っています。
あなたとお会いできるのを楽しみにしています。
次回は今日ご紹介した理想の結婚のロケ地をめぐる回をお届けします。
あの美しい邸宅や舞踏会の場面は実際どこで撮影されたのか。
どうぞお楽しみに。
11:37

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