英国ドラマタイムへようこそ。この番組は、イギリスの歴史ドラマが大好きな私が、ドラマや映画のおすすめ、ロケ地の秘密、当時の暮らしまで深掘りしてご紹介しています。物語の背景を知ると、作品がもっと楽しくなります。
今回は、私の人生に影響を与え続ける映画10本をご紹介する回です。
なので、イギリス映画だけではなくて、いろんな国の作品となりますし、ジャンルもバラバラです。
でもですね、並べてみると思っていた以上に、面白い共通点も見えてきました。
ご紹介する順番は、ダントツ1位の作品から始まって、その後は順番をつけるのが難しいので、
2位になる作品3つ、そしてその後に5位になる作品を6作品、順番にご紹介していきたいと思います。
まずは、ダントツ1位の作品です。
こちらは、サウンド・オブ・ミュージックです。
公開は、1965年のジュリー・アンドリュース主演のミュージカル映画です。
この映画が公開されたのは、私の生まれる前のことなので、初めて見たきっかけとかはっきり思い出せないんですが、
多分、母に連れられて映画館に行ってみたんじゃないのかなと思うんですよね。
それ以来、不動の一番の作品です。
舞台は、1930年後半のオーストリア・ザルツブルブ。
修道院で育ったマリアは、海軍退役軍人ケオル・クフォン・トラップ大佐の家で、何も子供たちの家庭教師として働くことになります。
厳格な父親の下、規律正しく暮らしていた一家に、マリアは音楽を取り入れながら深く関わっていきます。
でも、幸せな日々は長く続かずに、オーストリアを取り巻く政治情勢は次第に緊迫していく、そういった物語でした。
この映画を改めて考えていると、これも親式ドラマなんだなと思ったんですよね。
トラップ家は、とても裕福で、大邸宅に住んでいたんですね。
この映画、本当に好きなポイントがいっぱいあるんですけれども、でもやっぱり音楽が一番なのかな。
このサウンド・オブ・ミュージックの音楽を聴いていると、本当に不思議なくらい幸せな気持ちになりますし、元気ももらえます。
それは、音楽が映画の中で人と人と繋ぐものとして描かれているからなんじゃないのかなと思ったんですね。
マリアと子どもたちを繋いだのも音楽ですし、マリアとトラップ大佐を繋いだのも音楽。
そして子どもたちがお父さんと再び家族になるというか繋がる、その中心にも音楽があります。
さらに言うと、トラップ家とオーストリアという国をふぐさと結びつけているのも音楽なんですよね。
だから私にとって、この映画の音楽は一つ一つの曲がいい曲ということだけではなくて、
人と人と繋ぎ直す力みたいな、そういった存在である。
この映画が大好きすぎて、実際にサウンド・オブ・ミュージックのロケ地も巡ったことがあります。
オーストリアでバスツアーに申し込んで参加したんですが、このバスの中でもずっとサントラが流れていて、
みんなでずっと大合唱しているんですよ、この中で。本当に楽しくて、その時間が。
この映画を好きな人がこんな世界中にたくさんいるんだということも実感して、
ここでも音楽が私たち参加者を繋いでくれているんだなと実感したんですよね。
映画の中で音楽がみんなを繋いだように、人々と、そしてその場所を繋いでくれた。
そんな体験が、映画やドラマのロケ地を巡る今の私にも繋がっているような気がしますね。
さて次は、2位になる作品3つご紹介していきます。
まず、イングリッシュ・ペイシェント、1996年の映画です。
この映画は、公開された当時、試写会があって見に行って、あまりにも衝撃を受けて、
もう一度自分でお金を払って映画館に行った作品です。
その後の原作本を読んだり、朗読CDも買って聞いたんですよね。
パンフレットももちろん買いましたし、サントラも買って何度も何度も聞くくらい、本当に深くはまった映画です。
砂漠の美しさって、この映画を見る前から好きだったんですけど、
さらにこの映画のことがきっかけで、砂漠に行ってみたいなっていうのを強く感じて、
実際に北アフリカの上の方にある小さな国、チュニジアなんですけど、
そこにも旅をして、サハラ砂漠の玄関口になっている町があるので、そこに行き、
砂漠ツアーなんかも参加して体験しましたね、砂漠を。
この映画にももちろん好きなポイントが本当にたくさんあるんですけれども、
一つ挙げるとすれば、ある絵を見る場面なんです。
この物語の中で、看護師の花が城外の壁画を見る場面があるんですね。
ピエロ・デラ・フランチェスカっていうイタリアのルネサンスの時代の画家の絵を見るんですが、
大好きな人がその絵を見るために紐で彼女を釣り上げてくれます。
彼女は陶器を持って、絵のすぐ前まで行って見るんですよね。
実際のところ、そんな絵の見方をしたら絵を損傷させてしまうので絶対ダメなんですけれども、
あんな風に絵を見ることはできないんですが、究極の絵の見方だなと思ったんですよね。
大切なものを大切な人に見せようとする時間、そしてその2人の親密な時間、絵を見る時間、
この2人の絵を見る行為、本当に素敵だなと思って絵を見るという体験の幸せな形を教えてくれた作品でもあります。
この映画は第二次世界大戦末期のイタリアです。
飛行機事故で全身に大火傷を負ったレイフ・ファインズ演じる見事不明の男が廃墟となった修道院で
一人の看護師に世話をされています。
この男性は会話の中で、戦争前の北アフリカの砂漠で行われていた探検隊の出来事をずっと思い出しながら語り始めるんですね。
物語は戦争中のイタリアとアフリカの砂漠での話が男性の記憶の中で行ったり来たりしながら進んでいくという
そういう物語でした。
次の作品はプライドと偏見2005年の映画です。
この作品はこのポッドキャストの中でも何度も何度も名前をご紹介しているので
今さらに内容を語る必要はあまりないのかなと思うんですが
ただ一つだけ言うとすれば、この作品は私が今やっているポッドキャストとか
SNSやブログでの発信に大きな言動力になっている映画でもあります。
小屋敷に惹かれることも、イギリスの映画やドラマを見続けることも
ロケ地を巡ってそのことを誰かに伝えたいと思うことも
全部この作品がなかったら生まれてなかったかもしれないなというぐらい大切な作品です。
この映画の物語は19世紀初めのイングランドが舞台
地方に暮らすベネット家には結婚適齢期の娘5人がいます。
近くに越してきた裕福の独身男性たちとの交流をきっかけに
主人公である次女エリザベスはダーシーという男性に出会います。
この2人の恋が中心に物語が進んでいく、そういった物語です。
さて、2位の作品の最後ですね。
007シリーズのカジノロワイヤルです。
2006年の映画ですね。
私はショーン・コネリーの時代からこの007シリーズがずっと好きなんですけれども
一番好きなのはやっぱりこのダニエル・クレイグ版の007です。
それまでのジェームス・ボンドというのはとてもかっこいいんですけれども
どこか感情のない完璧なヒーローとして描かれてきたと思うんですが
このカジノロワイヤルではボンドが自分の弱さをさらけ出して
誰かを本気で愛してしまう。
それは仕事を捨てようとするほどの出会いであって
そして裏切られてしまう。
その傷はこの作品のあと4作品続くんですが
その全てにずっと影響し続けているんですよね。
このカジノロワイヤルの音楽、主題歌も大好きですし
何度も見ている映画ですし
この映画に登場する街の景色も本当に美しいんですよね。
でも私がこの作品がとても特別なのは
その前にもちょっとお話ししましたけど
やはりダニエル・クレイグのボンドが
強さと弱さが入り乱れていて
完璧なヒーローではないというところなんだと思います。
私が初めてジェームス・ボンドを人間として好きになった
そういった作品ということで
007シリーズそのものを大切な存在にしてくれた
そういった映画でもあります。
カジノロワイヤルの物語は
2人を殺害したことで007の資格を得たジェームス・ボンドが