シーズン2のテーマは、ギブとアイの両立です。
こちらは長男アンソニーが主役です。
冷静で責任感の塊のような彼にも、昔の忘れられない記憶と恐れがあります。
父の突然の死と、若くして支借の借位と家を守っていくという役割を引き継いだことですね。
そこに現れるのが、聡明で元気の強い女性のケイトです。
ケイト自身も母を失って義理の母に育てられて、
そしてまた父を失った義理の母と妹を守るために、自分の幸せが後回しになっている女性です。
二人の関係は、表面では火花が散っているけれども、でも心の中はいつしか危険なほど惹かれ合うものになっていきます。
でもアンソニーが婚約したのは、ケイトの妹のエドウィナです。
でもアンソニーとケイトは誤解や障害を乗り越えて、最後は結ばれます。
シーズン3のテーマは、長年の片思いが報われる。
三男コリンと長年彼を思い続けてきた近所に住む幼馴染のペネロペの物語が、ついにこのシーズン3で動き出します。
友達以上にはなれなかった関係が、ふとした瞬間の自然や会話で少しずつ変わっていきます。
でもペネロペは社交会で自信を失って、コリンはまだその気持ちに気づかないまま、
そんな二人の距離が縮まっていく一方で、ペネロペには誰にも言えない大きな秘密があったんですね。
それは匿名のゴシップ誌、レディ・ホイスルダウンの正体が自分だということです。
恋心と秘密の間で揺れるペネロペ、そして彼女の真実を知ったコリンが下す決断。
二人は秘密とすれ違いを解消して結婚します。
さらにこのシーズン3では三女のフランチェスカの静かで深い恋の物語も始まって、静かに結婚します。
このブリザードンというのは基本的にワンシーズン、一つの社交シーズン、大体春から夏の終わる頃を描いていて、
その期間内に恋が始まって、生涯を乗り越えて結婚まで進むという、
ハッピーエンドで終わるという進行なんですけど、
そして最終話のラストに数ヶ月後か1年後の様子が出てきて、赤ちゃんが誕生したというエピソードを入れて、
その後の幸せを見せて終わるという構成になっています。
さてここからはブリザードン家の見どころを3つご紹介したいと思います。
見どころ1、現代風に華やかにした演出。
ブリザードン家は、まるでジェン・オースティンの小説の世界に、現代の感性を吹き込んだようなドラマです。
多様な恋と生き方が描かれています。
男女のカップルだけではなくて、男性同士、女性同士の愛。
生涯を抱えながらも自分らしく生きようとする人たち。
さらに結婚だけが幸せじゃない。家徳を継ぐことだけが人生じゃない。
そんな思いを胸に抱きながらも、当時の価値観の中で葛藤して、
時には傷ついて、それでも自分の道を選ぶ姿も描かれます。
さらに、現代のヒット曲がピアノやバイオリンに生まれ変わって、武道界の空気を包み込みます。
歴史の香りをまといながらも、現代的なきらめきと開放感に満ちた世界が、
私たちを社交界の真ん中へと誘ってくれます。
見どころに、歴史的忠実さとディテールの美しさ。
ブリチャートン家は、実際の建物や衣装、社交マナーをきちっと取り入れながら、
華やかに脚色されています。
当時の階級制御や結婚館が物語のシーンにあるのですが、
古道具や書座まで現代に沿って作られているので、本当に細部まで楽しめるようになっています。
実は私は最初、YouTubeの映像とか、インスタで流れてくるビジュアルを見ても、
ちょっと派手すぎるなとか、いろんな人種の人が登場しているので、
ちょっとした違和感があって、見ていなかったのです。
でも、大ヒットしている理由を探ってみようと見始めたら、夢中になってしまいましたね。
それが、現代的な演出の裏に非常に丁寧な時代交渉があることが分かったからです。
単なる話題作りとか、今流れている映画の映像とか、
見れば見るほど新しい発見があって、しっかり作られた深いドラマだなと実感したからなんです。
現実にいた人物とか、実際にあった出来事も、さりげなく物語の中に織り込まれているのも、とても嬉しいです。
そしてもう一つ、私がハマった理由は、アートへのリスナーについてです。
ベネディクトが、学科を目指すエピソードでは、ロイヤルアカデミー美術学校への入学や授業風景なども登場していました。
さらに、皇爵夫妻が肖像画を描いてもらう場面とか、皇爵が寄贈した絵画を美術館に見に行ってもらう場面もありました。
有名な絵を思わせる舞台セットが出てきたり、実在する美術品が小道具として登場することもあって、美術ファンにはたまらない細やかな演出でした。
見どころ3、ドラマならではの広がりと、たまらない美術感を表現することもありました。
ブリーチャー・トンケの魅力の一つは、原作小説にはない新しい設定や人物を加えて、世界観をさらに豊かにしているところです。
その代表が、シャーロット・オヒです。
シャーロット・オヒは原作本には登場していないんですよね。
ドラマに彼女が加わったことで、王宮のきらめやかな舞踏会や、社交会のトップを決める女王の視線といった原作では見られない緊張感や豪華さが物語に加わりました。
他にも、公爵の友人で、女王の姿を見ることもありました。
独立したドラマとしても、楽しめるほど丁寧に描かれて、ドラマの世界観に厚みを持たせているんですよね。
人種や文化背景の異なるキャラクターたちが、同じような世界観を見ることができるようになっています。
最後に、ここからは私なりに、今後の展開を予想してみたいと思います。
ドラマの原作本は、シーズンごとに主人公が変わる構成ですが、
この作品は、主人公が変わる構成の中で、女王の姿を見ることができるようになっています。
この作品の中で、女王の姿を見ることができるようになっています。
最後に、ここからは私なりに、今後の展開を予想してみたいと思います。
ドラマの原作本は、シーズンごとに主人公が変わる構成ですが、
ドラマ版では順番が少し入れ替わっているんですよね。
シーズン1と2は、長女ダフネ、長男アンソニーの物語として、
こちらは原作と一緒だったんですが、大きな変化があったのがシーズン3で、
原作では次男、ペネディクトの番ですが、
ドラマでは三男コリンと、おっさまなじみペネロペの恋が描かれました。
さらに、三女フランチェスカにもスポットが立って、彼女も結婚まで描かれましたね。
原作のフランチェスカは、最初のご主人と私別して、
そのご主人のいとこと恋に落ちるという設定です。
最初のご主人との出来事は、さらっと触れられる程度だったんですが、
それをシーズン3では描いていたわけですね。
シーズン3のラストでは、ご主人の故郷スコットランドへ旅立って、
そこに登場したのが、ご主人のいとこの女性、ニカエラが登場します。
ということは、シーズン4では、フランチェスカとこのニカエラの恋が描かれるのかもしれません。
そして、私もずっと待っていたベネディクトが、いよいよシーズン4の主役です。
仮面武道会で出会った女性に恋をして、彼女を探し続けるという設定なんですが、
まさに身分を超えた禁断の恋がテーマになりそうです。
プリザートン家は既にシーズン5、シーズン6の制作も決定しています。
このまま行くと、ダウントンアビーのように長期に渡って続く壮大なシリーズになりそうですね。
さて、今日はプリザートン家についてたっぷりと語ってきました。
豪華さとスキャンダル、恋の駆け引きが全部盛られたドラマ、
今から全シーズン見ようとすると、全24話なのでおよそ24時間ですね。
まだ見たことがない人は、休日を丸ごと奪われてもいい覚悟で見始めてください。
この放送を気に入っていただけましたら、星5つの評価で応援していただけたらとっても励みになります。
また、コメントで感想やこんなドラマを取り上げてほしいというリクエストも大歓迎です。
それから、映画やドラマを見る前にこの講座を受けてよかったというお声もいただいている
私の旅するイギリス文化講座についてもご紹介します。
ストアカというサイトで、英国のカントリーハウスやロケ庁をテーマに開催中です。
ダントンアビーやブリジャートン家など、映像で見るイギリスの背景がもっと楽しくなる内容です。
詳しくは概要欄のリンクからぜひチェックしてみてください。
さて、次回はブリジャートン家のロケ庁をご紹介します。お楽しみに。