事業撤退の基本理解
OASIS RADIO、ポッドキャッターの伊藤です。
この番組は、ペライチ創業者で、OASISファンドの橋田一秀さんと、
スタートアップを立ち上げる上での疑問や、
企業に関するトピックを取り上げ、
SEED 企業家や、企業界部の方に役立つ手法をお届けします。
おはようございます。
おはようございます。
久々の対面収録ですね。
そうですね、めっちゃ久々です。
これ久しぶりだよね。
はい。
伊藤さん、日本にいるのに、オンラインが多かったですね。
ということで今日は、OASISの会議室に収録していますが、
あんまり時間がないので、いきなり本題にいきたいと思います。
今日のテーマは、事業撤退についてなんですけど、
撤退するタイミングだったりとか、どういう考え方で撤退すれば、
についてお聞きしたいなと思っていて、
僕自身、今ピボット中なので、
これからまた新しく事業をやっていく中で、
ちゃんと撤退基準を決めてやりたいなと思っているので、
そこら辺を伺いたいなと思っています。
はい。
撤退基準という話って、
やっぱり事業をやる中では、
いろんなシーンで出てくると思うんですね。
しかも、別にこれ、
全ての事業の撤退基準を一言で説明できないと思っていて、
これは非常にケースバイケースであると思っています。
なので、いくつかのケースに沿ってお話できたらいいなと思っていて、
例えば、フェーズで分けると、
伊藤さんみたいにいわゆるプレシードの創業初期、
まだプロダクトも作ってないみたいな状態の撤退基準。
次が、事業ができて、
例えばPMFするまでの撤退基準。
もうちょっとその後の話。
あとは、その中でポイントになるのが、
例えば資本イコール時間があるかみたいな話だと思っていて、
そこが結構分かれ目になるのかなと思うので、
その話をしていきたいと思っています。
プレシードフェーズの撤退判断
まず、伊藤さんみたいにプレシードで、
これからまた事業を聞こうとしながら、
次の事業を考えようみたいなやつで言うと、
大体テーマを出すじゃないですか。
ちょっとこれ良さそうだからチャレンジしてみようって言って、
数週間、長くて1ヶ月くらいですかね。
ユーザーヒアリングしたり、
もちろんトップリサーチとかはどんどんやればいいけど、
ユーザーに会うとか、悩みを聞くとか、
あとよくやるのが類似サービスを触ってみるとか、
触ってみたけど全然UX良くないなとか、
逆にむしろめっちゃ良いから自分たちの参入のうちないかもとか、
そういうような期間を経て、
長くて1ヶ月くらいでこの授業、
もうちょっと進めてみようかなみたいなのを
判断していくで良いと思ってて、
別にそれってもっと短くイテレーションを切っても良くて、
1,2週間とかのセットで、
開発じゃないけど1,2週間のセットで
そういう繰り返しをしてみて、
前進むか、豪華の豪華を判断するみたいなので、
多分良いと思います。
次例えば2ヶ月目、
プロダクトのモックアップを作ってみて、
それをユーザーに見つけて、
ソリューションフィットするかみたいなのを確かめていくと、
っていう感じでいくつかやってみます。
最長3ヶ月くらいじゃないのか、
ソリューションの前のテーマも3ヶ月くらいやったと思うんだけど、
そんな感じかなと思ってて、
このテーマでどうするってなったら
プロダクトを作り始めるか、
資金が必要なら資金調達するとか、
って感じなんじゃないのかな。
なるほど。
3ヶ月くらいできて、
その中でもさらにそのまま1ヶ月ごとに。
創業期特にお金とかもあんまないし、
創業者の時間っていうリソースが
唯一のリソースだと思うんで、
その意味でいうと早めに、
別にこれ無理だなって思ったら
やっぱり撤退するんじゃないすぐ。
次のテーマを考えれば、
いくつか多分同時並行で考えるくらいでもいいんですけど、
1個ずつチャレンジしていくんであれば、
1、2週間のインテレーションサイクルを切りながら、
これ全然、
数字とか多分あんま出ないかな。
定量というよりかは定性かな。
これ全然ユーザーに手応えないなとか、
思ってた仮説が全然ないなとか。
そういうので最初の方はもう
ちょっと入らないからちょっと次とか、
ちょっと角度変えてみようとかっていうのを、
それこそ1、2週間サイクルくらいでやってみてもいいんじゃないかな。
PMFと撤退の判断基準
そうですね。
細かくちゃんと設定して、
その度にはやれからないかってことですよね。
そうだと思うよ。
そうですよね。
じゃないとやり続けてると
参加コストもかかっちゃって、
やめるにやめれないみたいな。
結構それはあって、
なので、
あとは参加コストとどう対処、
対処というかどう向き合うかみたいな話で言うと、
それは客観的な誰かに見てもらうとかでもいいかもしれない。
伊藤さんと僕たまにそういう話するじゃないですか。
そういう時に、
それってみたいな、
横から突っ込んでもらうみたいな第三者に。
そういう人1人か2人くらいいると、
確かに気づきを得られる可能性が高いなと思った。
なるほど。
株主がいればそれでもいいんだけど、
そういう第三者的な人に定期的に相談して、
それはすごい。
企業側はやってると、
いい意味でも悪い意味でもバイアスがめちゃくちゃかかるんで、
しかも正常化バイアス。
自分がいいと思う情報が入ってきやすいし、
損切りしにくくなる。
これは別に、
たまに言ってるかもしれないけど、
正常化バイアスが悪いってことじゃないし、
企業側って妄想力すごい重要なんで、
いい意味で思い込みね。
この課題はある、
これはちゃんといけそうだっていう、
自分の頭の中でビジョンが描けることは、
割と大事だと思っている。
一方で、
特に事業探索期においては、
思い込みによる本当はニーズがないことに、
時間を使っちゃうみたいなことが起こりがちなんで、
そこは注意したほうがいい。
それをチェックするためには、
外部の人に、
たまに見てもらう、
かぶってしまうとかのほうが、
いいんじゃないかなって思ってます。
なるほど。
撤退基準っていうか、
初期においては定量ができないし、ほとんど。
撤退基準なるものを設定するのがなかなか難しいんで、
2週間とか。
マイルストーンごとに。
2週間やって、
もうちょっといけそうなんで、
もうちょっと深掘りします。
次の2週間、1ヶ月。
っていう感じで、
一定期間を区切りながら、
都度判断するだと思います。
こっから先がいわゆる、
事業の撤退基準みたいな話になるんですけど、
例えば次にプロダクトを、
プレシード機を乗り越えて、
プロダクトを作ります。
プロダクトを作って、
大きいマイルストーンってPMFする?しない?
みたいな話だと思ってて、
たまに聞くのが、
PMFしそうだけど、
辞める?みたいなケースも聞くんですよね。
これって何かっていうと、
結局企業家やチームが目指しているものが
何であるかっていうものによるんですよね。
例えば、SaaSの会社を作って、
SaaSの基準でT2、D3ってあるじゃないですか。
だいたい売上を日本円で1億円超えた段階から、
年間トリプルが3回、T2は2回か。
3倍、3倍、2倍、2倍、2倍みたいな。
っていうSaaSのすごい良い基準っていうのがあって、
T2、D3に乗りそう。
そこを目指してるんだったら、
PMFしそうな段階で、
このままいけば最初のトリプルは達成できそうだ。
だから続ける。
でも、例えばそこまでPMFし、
ユーザーの課題捉えてて、
PMFしそうだけどそこまでいかなそう。
じゃあやめるみたいなのも全然ある話。
つまりこれは基準がどこであるかっていうところによって
かなり変わってきちゃいますよね。
確かに。
なのでそれはもうケースバイケースです。
自分たちが別にT2、D3が絶対いいって話じゃないし、
そこまでいかなくても別に続けた方がいいと思うんであれば
続けるしっていう話です。
一般的な事業の撤退基準みたいな話で言うと、
例えばPMFするかしないかみたいな話で言うと、
例えばよく言うPMFするタイミングでシリーズAの資金調達とかをするんですけど、
その時にいわゆるLTVとCACが何となく見えているみたいな。
これはシリーズAを超えてないんで、
お金をたくさん投下してやってる状況ではないものの、
オーマニックとか、それから多少のコストとかをかけてみた時に、
ちゃんとユーザー獲得できるね。
これが多少CAC獲得コストが上がったとしても、
ユニットエコノミクスがある確率が高いんで、
どうしましょうみたいな話をよくしますね。
ENICAの撤退理由
一言で言うとユニットエコノミクスちょっと合わないね。
だから撤退みたいな話とかってあると思います。
分かりやすいですね。
こういう情報って別に何で撤退したかみたいな話って、
スタートアップだとたまに誰かがエモいノートを書いたりするんですけど、
そういうのを見てくださいって言うと、
もうちょっと数字みたいな話で、
例えばもうちょっとでかい会社がこの事業を辞めますみたいな話で、
結構気になるじゃないですか。
なのでそういうのもよく見てほしい。
例えば、
ENICAっていうサービスがあったんですけど、
DNAのカーシアサービス。
僕ユーザーだったんですけど、
個人間が書いてある。
ENICAってタイトルなんですけど、
このノートで。
あ、ENICAの終わりと個人間カーシアの未来。
そういう感じで、
これはユーザーの人が書いてる。
いろんな車乗れて楽しいっていう。
僕もテスラとか借りたことあります。
普通のレンタカーよりもユーザー間のシェアリングなんで。
結構何年くらいやってたのこれ?
2019年からやっぱり。
5年くらい。
で撤退してるんですよね。
結構ちゃんともちろん、
ポット電話サービスじゃなくて5年くらい運営してて、
すごいちゃんと、
だってカーシアリングのサービスなんで、
とにかく貸してくれる人めっちゃマッチングなんで、
めっちゃ貸してくれる人いろんな場所で、
しかも物理で近いところマッチングしなきゃいけないし、
結構お金使ってたと思うんですよね。
どうやらこれ撤退理由が、
一言で言うとコンピューターエコノミクス合わない
になるはずなんですけど、
保険。
なんとか損保。
DNA損保オイリティと一緒に。
オーナー側のリスク。
おそらくこれ保険。
2015年サービス開始ですね。
本当だ、15年だ。
だって8年か9年やったんですけど、
おそらく聞いた話だと、
保険の使われる率がおそらく高くて、
保険料高くかかっちゃって、
獲得コストや運用コストに合ってない
っていう判断だったらしくて、
ここまで大きくなると、
これやった結果改善できるかもしれないと思って続けていたが、
結果改善できず、
撤退。事業としては採算が合わない、撤退。
大手企業の撤退基準
他の撤退基準は何があったかな。
ちょっと僕忘れちゃったんで調べてほしいんですけど、
サイバーエージェントの新規事業とかって、
昔よくサイバーエージェントは
新卒社長とかでよくあったんですけど、
小会社を作って、
新卒の人に社長をやらせるみたいなのを
いっぱいやってたんですよね。
サイバーエージェントも新規事業で
いっぱい内政する会社なんで、
撤退基準っていうのを明確に作ってたらしくて、
ググったら出てくると思うんで、
調べてみてください。
ありぐらいのサイズになると、
売上と、
例えば1年間で売上、
もしくはあらりがこれくらい出るみたいなところとかで
基準をよく設定してやる。
これは一般的な企業の話ですね。
やっぱりそうですね、撤退基準。
あとは、
ちょっと余談なんですけど、
大きい会社の話、
普通あんまりできないみたいな話で言うと、
見てねっていうサービスあるじゃないですか。
子どもの写真共有アプリ。
これとかも狂気的に続けられてるのって、
やっぱりミクシーっていう大きい会社で、
しかも売上がいっぱいあって、
しかも創業者の人が、
創業者の笠原さんが、
最初はプロダクトをやって、
狂気的にやり続けるっていう。
創業者長が、
リソースをかなり使える状態で、
狂気的にやり続けた結果、
2000万ユーザーくらいでしたっけ?
2500万。
2500万ユーザー。
10年間やって。
売上が何十億円?
そうですね。
200億円弱くらいはあるはずなんですけど、
だからね、
これ普通に考えたら、
普通の事業会社だとやり続けられなくて、
撤退するんですよ。
めちゃくちゃ舵掘りながら。
でも創業者で、
創業者長、創業者が、
やり続けるって決めているからこそ、
できる話であり、
サイバーエージェントでいう、
アベマTVみたいなものなんですよね。
大きさ違いますけど。
こういうのって別に、
今みたいな話で結局、
1個前に話した、
撤退基準みたいなの作っても、
無駄だしないですよね。
そういうケースも稀にあるんですけど、
スタートアップでいうと、
リソースの限りがありますと。
調達できる限りにおいて、
別にやればいいと思うんですよ。
特にコンシューマー向けで、
見てるのはアベマもそうなんですけど、
コンシューマー向けで、
ずっと赤字本なきゃいけない、
みたいなモデルを、
スタートアップをやるとしたら、
やっぱりそれだけ、
調達できる何かが必要で、
分かりやすく言うと、
ユーザーグロースしてるかとか、
C2Cとかだったら、
トランザクションがむちゃくちゃ、
GNVめっちゃ埋めてるかとか、
でも最終的に数量ゼロでやってるから、
売上ゼロですみたいな。
そういうハイパーグロースを、
初期に作れることによって、
投資家がつくっていう感じなんで、
もしくは、
経歴がやっぱり、
2回目の企業とか3回目の企業、
前回大きく成果を出した人がやるから、
お金が集まるとか、
そういう状況じゃないと、
やっぱり掘り切れないと思うんですよね。
ちょっと撤退基準の話から、
少しずれましたけど、
なかなかこう、
そういうのもあるよっていう話で、
でも、
伊藤さんみたいな人に向けてであれば、
やっぱりリテレーションを、
時間軸で区切って、
時間で短く区切って、
この判断を
週次や月次でするみたいな話だと思っています。
そうですね。
勉強になりました。
ありがとうございます。
はい。
オーストラリアディオは、
新しいテーマを募集しています。
番組概要欄にあるお便りから、
ぜひ送信してください。
そして、この番組がいいなと思ってくださった方は、
番組のフォローとシェアを
よろしくお願いします。
それではまた次回の放送でお会いしましょう。
さよなら。