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2023-12-30 21:13

読書ラジオ『無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記』山本文緒

いつも聴いていただきありがとうございます。

最期の日記に出てくる「王子」は夫のことだったんですね😌

⭐︎本紹介
無人島のふたり: 120日以上生きなくちゃ日記 https://amzn.asia/d/f8gEAaw
(配信の冒頭部分は本の説明文・あらすじを読み上げています。)

⭐︎自己紹介
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#読書 #読書ラジオ #読書感想
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こんばんは、ゆうこです。このチャンネルでは、私の読書ログや日々の学びを音声配信しています。
今日は、山本文緒さんの『無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記』について話してみようと思います。
ある日、突然ガンと診断され、夫と二人無人島に流されてしまったかのような日々が始まった。
お別れの言葉は言っても言っても言い足りない。余命宣告を受け、それでも書くことを手放さなかった作家が最後まで綴った日記。
ということで、山本文緒さんの死ぬ、本当に一週間前ぐらいまで書かれていた日記が書籍化されたものになりますね。
冒頭はこんな一文で始まります。
2021年4月、私は突然水蔵ガンと診断され、その時すでにステージは4Bだった。
治療法はなく、抗がん剤で進行を遅らせることしか手立てはなかった。
昔と違って副作用は軽くなっていると聞いて挑んだ抗がん剤治療は地獄だった。
ガンで死ぬより先に抗がん剤で死んでしまうと思ったほどだ。
医師やカウンセラー、そして夫と話し合い、私は緩和ケアへ進むことを決めた。
そんな2021年5月からの日記です。ということで。
ガンで亡くなった作家の日記なので、ちょっと辛い思い出がある人とか思い出して辛くなるなぁという人は、
今日の配信はここまでにしていただければと思います。
日記は2021年5月から始まります。5月24日。
この時、文雄さんは抗がん剤の治療をやめて、緩和ケアというかですね、痛みから逃げる。
抗がん剤から逃げることを決めていた時だったんですよね。
25日、それでも抗がん剤の影響で突然髪が抜け始めるということから始まります。
朝起きてパジャマを脱ぐと、裸の背中に何か触るような感触があって、振り向くと床に大量の毛が落ちていた。
抗がん剤で髪が抜けるっていうのは、ガンサバイバーを題材にしたドラマとか映画で映像としては見ますが、
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語りで見るとやっぱり、すごい想像ができないですけど、その抜けた時の自分の気持ち、ショックが大きいと書いてありますが、ちょっと想像できない気持ちですね。
不明さんのもともとの性格なのか、あんまり悲壮感漂うような描写はなくて、吐き気がするとか、水が溜まるとか、起きられない発熱があってとか、そういうことは書いてあるんですけれども、割と淡々と書かれているような印象を受けます。
もう一人の自分が、がんの病にわずらされている自分を観察しながら書いているような、そんな描写もあったり、それでもやっぱり、病気と向き合う、死と向き合うことで自分の中にどんな感情があるのか。
夫に対して、あとは58歳という、若くして亡くなってしまう自分に対して、親に対して、何よりも作家としてこれ以上書けないんだという思い、そんなことが書いてありますね。
やっぱり作家さんだなぁと思うのは、最後、もう一冊自分の本を出して、それが出されるところを見てから死にたいという強い思いから、病気と向き合う自分の期間、死までの期間を日記に綴るという。
その、自分はそういうことになったことがないのでわかんないですけど、実際そうなってみると、どんな決断をしてどんな行動をするのかって想像つかないですけど、作家さんはそういう、一冊自分の本を最後出したいとか、自分の手で文章を起こしたいって思うもんなんですかね。
いやすごいなと思いました。ただただ。日記の中にはね、こんな本を読んだというのも何のも書いてあって、5月29日は昨日何食べたの最新刊を読んだとかね。
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文夫さんの好きな本が垣間見える部分も結構ありますね。
2021年はあの、何でしたっけ、100日後に死ぬカバみたいな、そんな4コマが、カバじゃなかったっけな。
そんな漫画が流行りましたけど、そのパロディで120日後に死ぬ文夫って出したら人気出るかななんて言ってて、そんな冗談が言えるのかなとかね。
あとは金原ひとみさんのアンソーシャルディスタンスを読んで、死ぬことを忘れるほど面白い。
余命宣告されて、あなたは4ヶ月ないしは半年後にはもう死にますよって言われている人の死ぬことを忘れるほど面白い本。
わかっててそれを言うっていう。文夫さんがすごいのか、作家はそういうものなのか、どっちなんだろうと思ってドキドキしますね。
あとは吉川とり子さんの余命1年男を買うを読んだとかね。
平野圭一郎さんの本心も余命を扱ったテーマだったな、余命ブームなのかなとかね。
そんなことも日記に書いてあります。
あとはもう一度村上はるきさんのノルウェイの森を再読したくなったとかね。
いくえみりょうさんのおやすみカラスまた来てね、最新刊を読んで、大好きないくえみさんの本を見心地で読ませていただいた。
でもカラスの次の刊は2022年の6月予定。でも大丈夫です。私の心の中でカラスは続くのです。
自分も書きたいし、面白い本は読みたい。
それがずっと続いた、病に侵された最後の6ヶ月半年だったようですね。
タイトルにもなっている無人島っていうのがどういうことなのかというと、余命宣告を受けて、文夫さんは軽井沢に別荘というか移住をしてね、旦那さんと二人で住まれていたそうなんですけれども、
二人の生活で夫からしてみれば、自分の友人知人のほとんど誰にも文夫さんの病状について話すことができず、きっと心に溜まっていることがいっぱいあるはずだった。
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自分の妻が余命4ヶ月でもうできる治療もないと聞かされたら、夫の友達困ると思うのでと。
突然20フィート超えの大波に襲われ、二人で無人島に流されてしまったような世の中の流れから離れてしまったような我々も、これから少しずつ無人島に親しい人を招待して、お別れの挨拶を心の中でしようと思っている。
余命宣告をされて軽井沢にいる私たちは、自分たちの病のことも公明性大に話すことができず、知っている人とちゃんとしたお別れをしたり、知らない人とは心の中でだけごめんなさいと言いながらお別れをしたり、
二人で孤独な病との生活を迎えていく、そんな状況を無人島に流された二人というふうに表現されているんだと思います。
実際、文夫さんは、根幹剤の治療を諦めて、緩和ケアに進まれて、それを専門にしている病院だとか、デイケアの施設のサポートを受けながら最後の時間を過ごされるわけですけれども、
それでも隣でずっと寄り添って看病されていた旦那さんのことを思わない日はない。きっと自分のことを一日でも長く生きてほしいと思う反面で負担は大きく溜まっているだろうと。
そんなアンバランスの中で保っていた二人の生活、それが無人島である。そんなふうにおっしゃるんですよね。ただ繰り返し言うんですけど、やっぱり悲しいわけですよね。
確実に何日後かに死ぬことがわかっていて、自分の病状がどんどんそれに向かって悪くなっていく。最後、もう終単位で覚悟をしてくださいと言われる自分自身もそれを聞いている夫も、どれだけの悲しみ、悲壮か、絶望があったかなと思うんですけれども、
それでもそういった日々の出来事や自分の内面を淡々と語られている。最後の方はですね、変な例えだけど、野宮の一時会がそろそろ終わりに近づいているというか、この日記もこの辺りで中締めさせてもらえたらと思っています。
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残りがあとどれくらいかわかりませんが、まだ結構あるかもしれないが、いつまで書けるかどうかはわからない。辛い話をここまで読んでくださり、お礼を言いたいということでありがとうございました。ということで途中ですね、9月の中旬でこの日記の一時締めがされるわけです。
では明日またお会いしましょう。ということで、ただ二次会も続きます。中締めその後ということで。
ただこの中締めの後の二次会はそんなに長くなくて、今まですごく短くね、スッキリとした文章を書かれる文夫さんなんですけれども、
中締めの後、二次会の文章はちょっとこう、つらつらと、だらだらと、頭に浮かんだことをそのまま書かれているような印象でした。
で実際ご自分でもこの文章も何が言いたいのか、自分でもよくわからないと言いながら、カップラーメンを最後に食べたかった話をね、すごく書かれていて、そこがすごくリアルなんですよね。
明日また書けましたら、明日ということで、二期も進んでいきます。
で、あの作家仲間のね、ゆいかさんがお見舞いに来てくださるという会があって、
で、そんなお見舞い、最後のねお見舞いだと二人でもわかっていたんじゃないかなと思いますが、
梅尾さんとしては、ゆいかさんとの距離が以前より近づいた気がして、私は今とても嬉しいという、そんなね、感想されていたり。
であの、この日記は10月4日で終わるんですけれども、あの、もう意識が割と朦朧としていてね、
自分が起きているのか寝ているのかもちょっとわからない日々が行ったり来たりしている中で、
この日記の二次会もおしまいになる気がしているという文章で、この日記は終わっています。
で、あのお医者さんや看護師さんが大きな声で私に話しかけてくれるのだけど、それに答えるのが精一杯で、その向こう側にある王子の声がよく聞こえない。
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今日はここまでとさせてください。
明日また書けましたら、明日でこの日記は終わっていて、最後本当にもう意識が戻ろうとする中での最後の日記。
それでも二次会をちゃんと締めて、作家として筆を置かれていったんだなということが、想像できるような日記の終わり方です。
2021年10月13日、山本文夫さんは自宅で入眠されましたということで、コロナ禍だったので、おつや葬儀は限られた人数で取り行われて、
翌年の2022年4月22日にホテルで忍舞会が開かれましたと最後終わっています。
山本文夫さんは恋愛中毒、プラナリア、あと直近ですごく有名なのは自転しながら肯定するということで、今ドラマにもなっているかなと思いますけれども、
明るいけれども心の中に潜む闇というかね、モヤモヤみたいなものをしっかり描ききる作家さんという印象があったりして、
でもこの日記を見ている限りはですね、すごくほがらかな女性、旦那さんと最後の時間を大切に過ごされた人なのかなというふうに思いました。
120日以上生きなくちゃっていうのはやっぱり自分のためというかね、旦那さんのためでもあったんでしょうね。
自分が死んでしまうと寂しい思いをさせてしまうという、そういった思いが生きなくちゃと、余命宣告された最短の期間までは生きなくちゃっていうことだったのかなと思います。
私は今一人なので、この本を読んで、もし自分がこの文夫さんの立場だったら、考えることがあまりできないわけですね。
やっぱり離婚する時に、死ぬ時は一人なのかっていうことはやっぱり思ったりとかして、それでもそのためだけに結婚生活を続けていくっていうのは変だよなと思ったり、逆だったらすごく耐えられないだろうなとか思ったんですよね。
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だから、死ぬその時まで夫婦という関係を、夫婦でなくてもパートナーとの関係を続けて、最愛の人を最後まで見とる、そういったことができる人っていうのはとても幸せなんだろうなと。
それだけではなくて、そこに至るまでの二人の関係をしっかり保っていく、しっかり構築していくっていう、絶え間ない努力みたいなものが確実にあるんだろうなと思って、悲しいことではあるんですけれども、それは素晴らしいなと思いながら読んだ本でした。
もしできればね、自分の子供だったら、一人で寂しく死ぬんじゃなくて、誰か愛する人に見とってもらいながら死んでほしいって子供には思うんだけど、自分のことだとそうは思えない。
あんまりリアルに考えられてないっていうのが事実なのかもしれないですけど、自分はどうやって死ぬのかなとかね、逆に誰かの死をここまで最後まで生きてほしいと強く願いながら見とるようなことがこの後あるのかななんて思いましたね。
2023年の年末、大切な人と年末年始を過ごされる人もいると思うんですよね。
一緒に過ごせなくても、こういった一年の終わりと始まりは、どうしても大切な人のことを思う時間っていうのは、いつも以上にあるのかなと思うんですよね。
もしそんな時に、この山本文夫さんの無人島の二人の話をちょっと思い出していただいて、永遠にこの時間が続くわけではない、だからこそ今を大事にしていきたいとか、話すことを話していきたい、そんな風に思わせてくれる本だったのかなと思います。
ということで今日は山本文夫さんの無人島の二人について話してみました。この配信が気に入っていただけたら、いいねやコメントフォローお願いします。励みになります。今日も最後まで聞いていただいてありがとうございました。ではでは。
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