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2023-03-04 11:09

"恋、と書いたら、あと、書けなくなった"

いつも聴いていただきありがとうございます。
太宰治『斜陽』の感想を話しています。『斜陽日記』も読みたくなりました。

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斜陽 (角川文庫) https://amzn.asia/d/6iYXX01

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こんばんは、ゆうこです。このチャンネルでは、私の読書ログや、日々の学びを、音声配信しています。
今日は、太宰治の写用について話してみようと思います。
これは、人間は恋と革命のために生まれてきた。
古い道徳とどこまでも争い、太陽のように生きるべく、道ならぬ恋に突き進んでいく、29歳の和子。
最後の貴婦人の誇りを胸に、結核で死んでいった母。 自分の体に流れる貴族の血に、抗いながらも、麻薬に溺れ、破滅していく弟、直治。
古いな生活を送る、小説家植原。 戦後の動乱の時代を生きる、四人、四葉の滅びの美しさを描き、戦後ベストセラーになった、太宰の代表作。
ということで、この小説で多分一番有名で、美しい言葉なんですけど、
恋と書いたら、あと書けなくなった。
というのが最初の方に出てくるんですね。 これは和子が自分の、
和子の一人称でこの小説は進んでいくんですけど、たまに日記っぽいところもあって、そこに書いた一言なんですけど、
恋と書いたら、あと書けなくなっちゃうぐらい、その29歳なのに恋のことも知らない。
好きな人のことを考えると、あと書けなくなっちゃうぐらい、まだ何も知らない、和子さん。
ただ、
一度結婚はしていて、資産をしていて、戻ってきて、お母さんと二人住んでいたところに、戦争から戻ってきた弟の直二と合流して、そこから大敗的な
生活が始まって、お母さんを亡くし、直二も自殺してしまうっていう話なんですけれど、
その過程の中で和子さんだけが泥臭く、人間臭く生きていくってことにこう執着し始めるんですよね。
それが結構コントラストがはっきりしていて、
太宰治からすると女性って強い、強いイメージ、生きていくっていうイメージなのかなぁというふうに思いました。
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この小説の中には蛇が所々に出てきて、
メタファーだと思うんですよね。 いろんなものを食べてどんどん太っていく、マムシのような、
マムシのようになっていく私、みたいなふうに和子さんは自分のことを言っていて、
周りでどんどんこう、 痩せ細って病気になっていくお母さんだったり、
麻薬とかお酒に溺れていく弟を横目に見ながら、どんどんたくましく太っていく和子を、
蛇に例えている。 最後ですね、
最後というか途中からどんどん和子さんがですね、
小説家上原に対して、
すごい恋焦がれた手紙を送り始めて、
どんどんも、なんか家族がいる人なのに、あなたの子供が産みたいわ、みたいな手紙を書き始めてですね、
いやなんかすごいこう、 熱病にうなされたかのような感じでこう、
暴走していくんですけれど、 その
中でお母さんが亡くなったことをきっかけに、 人間は恋と革命のために生まれてきたんだ。
慕う恋ゆえに破壊しなければならない。 革命を起こさなければならない。
っていうこう、破壊思想に取り憑かれていてですね、 そのきっかけが弟直子が持っていた経済入門っていう本。
勉強をすると、勉強してその、 革命思想に取り憑かれた、みたいな表現をされていて、
行動に出始めるんですよね。 小説家上原のところに押しかけていって、
あの本当に子供を作っちゃうっていうのをやるんですけど、 なんかそこの書き方がですね、太宰治の女性に対するすごい悪意がなんかあるんじゃないかなと思って。
なんかね、女の人勉強しちゃうと変な行動しちゃうよみたいな、 暴走しちゃうよみたいなことを案に書きたいのかなぁみたいな。
ちょっと女性からするとなんか嫌な感じでしたね。
これ実はその太宰治の愛人の一人だった方が書いた写用日記っていうものを、 太宰治が付け加えて小説にしたものらしいですね。
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なので最初の方を読んでてその、 恋と書いたらあと書けなくなったっていうぐらいうぶな女の子が、
そのもうマムシのように周りの精気とか、 どんどん吸い取って、
で破滅思想に取り憑かれていくみたいな、変わっていくところがすごい違和感があったんですけど、
もしそこを太宰治が付け加えたとするんであれば、 なるほどなぁと思いました。
でまぁそこまで言うと私がすごいこう、 太宰治のことケチョンケチョンに言ってるようになっちゃうんですけど、
すごい面白いなぁと思ったのは、 最後カズ子が小説家上原に会いに行くんですね。
で、恋焦がれた人なわけですよ。お母さんも亡くなってもう後戻りはできない。
この人の子供を産むしかないと思って、好きな人のところに会いに行くんですけど、
6年ぶりに会った上原を見て、カズ子はスンってなっちゃうんですよ。
もう100年の恋も冷めたみたいな。でも私の恋はない、ここにはないみたいなことを思いながら、
6年ぶりの再会を果たすんですけど、でも結局流れで、一晩を共にする流れになっちゃって、
それでも家族は1時間くらいは拒否するんですね、上原のことをね。
でもまぁ最後は受け入れるみたいな。 その恋の一方通行みたいなのを冷静に太宰が書いてるっていうところはすごい面白いなぁと思いました。
もし太宰治が単なるナルシストのロマンチストだったとしたら、
家族が6年ぶりに会いに行った時に、もう好きで好きでどうしようもないっていう女の人を書いたと思うんですよね。
でもそうじゃなくて、
人と人とは双方向に思いやることはない、恋っていうのは一方通行なんだっていうような太宰治の
リアルな視点を最後に載せてくるあたりはすごい、私は面白いなと思いましたね。
でも、ちょっと悪意があるかな。
でもこういう、太宰的な戦後の
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道覧の中で、太宰的な、社養族っていう言葉も生まれたんでしたっけね。
こういうのに
美しさを覚えるというか、憧れるみたいな時代があったんですね。
太宰治っていうのは、何度も自殺未遂をして、最後は愛人の山崎豊さんと玉川浄水で
自殺、
心中するのかな。 5度目だったらしいですね。
年齢としては39歳。 今の私と同じ年なのか。
すごい魅力があった人なんでしょうね。 そういう人だから書けた本なのかな。社養だったり。
人間資格っていうのは。
名作
名作は感想を話すの難しいですね。
まあでも正解はないんだろうな。 私はこういうふうに読んだよっていうことを話してみました。
ということで、今日はここまでにします。
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ではでは。
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