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2023-10-22 18:36

読書ラジオ『星のように離れて雨のように散った』島本理生

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00:06
こんばんは、ゆうこです。このチャンネルでは、私の読書ログや日々の学びを音声配信しています。
今日は、島本理生さんの、
星のように離れて雨のように散ったという小説について話してみようと思います。
小学生の頃に失踪した父をモデルにした創作小説と宮沢賢治の銀河鉄道の夜を
終始論文に選んだ私。賢治の未完の物語に導かれるように、私は押し込めていた過去の自分と向き合っていく。
そして、結婚を前提に同棲を望む恋人との関係に息苦しさを覚え始める。
迷いや痛みを抱える全ての人に光さす傑作小説。
ということで、島本理生さんの小説ですね。
島本理生さんは、1983年生まれ、私と同い年。
レッドファーストラブ。
2020年の恋人たち。
あとは、結構私読んでますね。
週末は彼女たちのもの。もっとあるような気がする。
やっぱ本棚をちゃんとね、作家さんごとに並べるとか、そういう努力が必要だなと今思いましたが。
たくさん読んだ中でもですね、この星のように離れて雨のように散った。
結構一番好きかもしれないなと思いますね。
主人公の春。女子大生なんですけれども。
文学系の大学院生なんですよね。
彼氏がいて、年上でも働いている。
すごい彼氏なんですよ、これが。秋君って言いますが。
秋君はですね、春ちゃんの春は、
季節の春なんですけど、秋君の秋は季節の秋ではなくて、
違う字なんですよね。
一見ね、男の子なのかな、女の子なのかなってちょっとわからなくなるような、
ちょっと中性的な名前だったりするんですけど、
そんなエピソードもお互いの名前の話で、
二人のやりとりが出たりします。
03:01
春と秋ね。
この小説は夏が中心になっている物語なので、
なんかその辺もちょっと意味深いなと思うんですよね。
意味深いというか意味深なことで言うとですね、
この本いろんなところにも意味深が潜んでいてですね、
冒頭の方からちょっとこれどういうことなんだろうみたいな、
ちょこちょこ出てきたりするわけですね。
なんですけど、すごいこうふわーっとした意味深だったり、些細なことだったりするので、
まあそういうものなのかなとかって読み進めていくと、
実はもう最後の方で、
あの時のあの意味深はここに繋がってくるんだみたいな、
伏線がどんどん回収されていくという感じですね。
後半になればなるほど謎が解けていって、
いろんな些細なエピソードが一つのストーリーになっていくという感じですね。
一番最初にドキッとする場面がですね、
もうここであの春という人がどんな人なのかっていう、
一面が垣間見えるシーンなんですけれども、
秋君はですね、春のことを考えながらですね、
この冒頭の方から、
とっても大事にしていて、
すごくよくできた彼氏なんだろうなぁと思うんですよ。
二人が旅行に行っている時に、
秋君が春に言うんですね、
春一緒に暮らしたい、
春一緒に暮らしたい、
春一緒に暮らしたい、
結構その恋愛関係においてはクライマックス的なシーンだと思うんですけど、
春はですね、そう言われた瞬間スイッチが切り替わるように心が途切れた。
私を愛している、
あなたが私を愛している、
私を愛している、
私を愛している、
私を愛している、
私を愛している、
あなたが私を愛しているってどういうこと?
あなたが私を愛しているってどういうことだと思う?
そんな風に秋君を追い詰めてしまうわけですね。
これはもう、恋愛関係にある二人で見おいて、
自分が相手に愛していると言った瞬間に、
こんな詰め寄られ方をすると恐ろしいですね。
06:01
なんか狂気が垣間見えるシーンだなと思うんですよ。
で、ここで秋君も、これを読んでいる読者も、
あ、春ちゃんこれ、すごいなんかある子だなって思ってしまうんですね。
で、ここから、
春は、
自覚するわけです。
何か大事なことをたくさん忘れてしまったということを、
思い出せないけど、
忘れているということだけが深く覚えている。
そしてなぜか、手をつけ始めたばかりの論文、
創作小説と宮沢賢治の銀河鉄道の夜、
その論文がその遠い旅へと私を導いている気がした。
でも、それも忘れてしまっているから、
今は定かではなかった。
ということで、ここから春の、
自分の過去や自分自身と向き合っていく、
長く苦しい旅がスタートする、
そんなお話になります。
で、自分と向き合うっていうことは、
どんな人でも簡単なことではないし難しい、
時には辛いこともあるわけですけれども、
春は、小学生の頃に失踪した父を持つ、
その過去と向き合っていくので、
一筋縄では行かないわけですね。
そこに手を差し伸べてくれる大人が出てきます。
春が終始論文に選んだ創作小説、
自分で何か物語を書いてみるということが、
卒業の条件になっているわけなんですけれども、
それをするために、小説を書く人の気持ちを知りたいということで、
友人のつてを頼って、小説家の事務作業をバイトでやることになるんですね。
そこで出会う小説家の吉沢さんという人、
この人はですね、春のことを、
良き理解者となってくれるというか、
特に優しい言葉をかけるわけではなく、
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アドバイスをするというわけではないんだけれども、
春ができていないことかつ、春が今やらなければならないこと。
俺から見るとあなたは今こんな風に見えるよと、
そこと向き合ってみる必要があるんじゃないの、というような言葉をかけるわけですね。
春はその吉沢のことを、
ある意味では父のように、そんな理想というかを重ね合わせて見てしまったり、
わりとその精神的に吉沢のことを頼るようになり、
ただ、結構きっちり線を吉沢の方が引くので、
吉沢さんのことを、
ある程度の緊張感を保った良い関係性の中で、
春が影響を受けて成長していくと。
そんな流れがあってですね、
読めば読むほど春の置かれた境遇だったり、
そこから簡単に予想できる今の春を作ってしまったり、
影響というか、こんなことがあったらそうなっちゃうよねって、
結構その読んでいる方も、
共感というか、ある種の同情を覚えてしまうような、
辛い境遇で育った春なんですけれども、
そんな春を、
自分らしい春を取り戻す、自分自身を取り戻す、
いわゆる正しい方向に春が進んでいくために、
吉沢という人はとても重要なキーパーソンだったのかなと思いますね。
わりと少し、
自分らしい春を取り戻す、自分自身を取り戻す、
いわゆる正しい方向に、
自分らしい春を取り戻す、自分自身を取り戻す、
いわゆる正しい方向に春が進むようになったなと思いますね。
わりと救いになったなという部分でした。
あとはですね、春の友人に篠田くんという友達だったり、
もう一人関西弁のですね、
何ちゃうんだっけな、
そういう考えなんだな、
何でそういう風に考えるんだろうなとか、
そういう自分のことを知る中で、人のことをより知っていく、
そういう風にしながら春は、
一つ一つ自分と向き合っていくわけですね。
12:02
私はですね、
すごい共感したのは秋くんでしたね。
共感というか、そうですね、
春のことが心配なわけですよ、自分の彼女が。
普通だったら、愛してるって言ったら喜ぶじゃないですか。
喜んでくれるだろうと思うじゃないですか。
だそうじゃない。
それに恐怖を覚えるわけですね。
うわっ、どういうこと?
なんかあれ、ダメなのかな?
でも、会っている時間は、いつも通りの春だったりするわけです。
で、どんどん春のいろんなところが気になるわけですね、秋くんからすると。
もしかしたら自分のことを好きじゃないのかもしれないなとか、
自分の元からどっかに行っちゃうんじゃないかなとか、
春のお父さんのことを聞いてしまうと、どうなってしまうんだろうな、みたいな。
すごいもう、晴れ物に触るかのような対応になっていってしまう自分に気づきつつ、
それをもう春は見透かしてるんじゃないかという、また恐怖ですよね。
この関係をどうやって、今までの状態に戻していけばいいんだ。
愛してるという前の状態に戻していけばいいんだろう。
でもそもそも、その前からもしかしたらもう、
二人の歯車はもう狂っていたんじゃないだろうか。
噛み合ってなかったんじゃないだろうか。
そんな風に、春のことを考えつつ、
春のことを考えつつ、じゃあ自分はどうなんだと。
自分は春に対して精神正義、隠し事なくありのままの自分でいているのか。
そんなことを向き合いつつ、春がいつ、
この前のように、私愛してるってどういうことなの?みたいな。
心理に切り込んでくるかという、時々と
隣り合わせになりながらでも、それでもやっぱり春から離れられない。
こんな描写は出てこないんですけれども、
私は秋くんに共感してしまったので、
秋くんの視点で読んでしまったなというところが大きかったですね。
で、やっぱり秋くんにも過去があって、トラウマがあって、
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それが今の秋を作っているわけです。
それは春と秋だけじゃなくて、ここに出てくるみんなが、
過去に何かを抱えていて、それと向き合って今の自分がある。
人を知るということは、今この時間、その人そのものを知るというだけではなく、
その言葉や考えがどこから来ているのかということを思いやる、
思わかることでもあるんだなというようなことをしみじみ実感するような小説でした。
島本里夫さんのお話で出てくる登場人物の男性に共感して読む、
というのは私この本が初めてかもしれないですね。
だいたいね、あんまり、なんていうんですか、関西弁でいうと、
しょうもないみたいな男性が出てくることが多いんですけれども、
今回私は秋くんにすごく共感して、
ある種、応援しながら読んだ本でした。
きっと読む人によって、春ちゃんにめちゃくちゃ共感する人もいるだろうし、
そんな読み手によって視点が変わる本でもあるのかなと思いますね。
あとは最大の読み手は、
私は銀河鉄道の夜をちゃんと読んだことがきっとないと思うんですよね。
なので、ここでピンとくる部分があんまりなかったという点ではとっても残念でした。
銀河鉄道の夜、宮沢賢治を引いているところですね。
私はあの銀河鉄道の夜をちゃんと読んだことがきっとないと思うんですよね。
残念でした。銀河鉄道の夜、宮沢賢治のことがお好きな方にとっては、
また別の面白さがある小説でもあるのかなというふうに思います。
帯にはですね、傷つき悩む人に届けたい、今を生きる私たちのための物語というふうに書いてある。
人の痛み、自分の痛み、それぞれある。
そんな当たり前のことがより実感してしみじみくる、そんなお話だったかなと思います。
島本里夫さんの新たな魅力、発見という感じですかね。
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ということで今日は、星のように離れて雨のように散った島本里夫さんの小説について話してみました。
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今日も最後まで聞いていただいてありがとうございました。ではでは。
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