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2024-09-25 20:59

【読書ラジオ】『ラブレス』桜木紫乃

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こんばんは、ゆうこです。このチャンネルでは、私の読書ログや日々の学びを音声配信しています。
今日は、桜木紫乃さんの『ラブレス』について話してみようと思います。
謎の威拝を握りしめて、百合江は死のとこについていた。
彼女の生涯はまさに波乱万丈だった。
同等の開拓村で極貧の家に育ち、中学卒業と同時に歩行に出されるが、やがては旅芸人一座に飛び込んだ。
一方、妹の里見は地元に残り、利用士の道を歩み始める。
露天する百合江と堅実な妹の60年に及ぶ絆を軸にして、
姉妹の母や娘たちを含む女三世代の壮絶な人生を描いた圧倒的長編小説ということで。
いやー、疲れましたね。
今日は3連休、9月2回目の3連休の最終日の月曜日なんですけれども、
朝から、あの千早朱音さんの、
あーもう名前も出てこない。
引き波を読んで、もうボロボロに泣きまくって、
予定していた、この桜木篠さんのラブレスを読むかと思って午後から読んで、
今夜の9時半なんですけれども、
もう一気に読んでしまって、もうぐったりですね。
それでも読み進める、目と手が止まらない、そんな本でしたね。
実はこのラブレスもですね、この2つ前に読んだ小池麻里子さんの冬のがらんをお勧めいただいた方が紹介されていた本で、
興味を持って読んだんですけれども、なんともすごい縁だなぁと思ったんですが、
小池麻里子さんを読んだ後、千早朱音さんの引き波を読む、
と決めて、その文庫解説が桜木篠さんだと、
あ、ちょうどいいからその後桜木篠さんのラブレスを読もうと思ったんですね。
で、その通り桜木篠さんのラブレスを読んだら最後、解説を書いているのは小池麻里子さんだったということで、
すごい縁だなぁと思いましたね。
実はこの3冊とも自分で選んだ本ではなくて、誰かが紹介されていたり、お勧めいただいた本だったんですよ。
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で何の気なしにまず、小池麻里子さんの冬のがらんから読み始めたんですけれども、
最後また麻里子先生に戻るというね。
なんか私は何事も自分で選択したい、自分の人生は自分で選び取っていってるというふうに思ってるんですけど、
実はなんか選ばされているのかもしれないなというね、なんかそんなふうにも思いました。
でそれは、このラブレスという小説の中に出てくる百合江さんとも少し繋がっていっていて、
この小説の舞台は北海道の九州郎なんですね。
で、すごく貧しい時代の家族の物語から、物語が描かれていて、
市のとこにいる、その恒例の百合江を取り巻きながら、
その妹の里美が百合江と里美の娘、紗友子と李恵に、自分たちの過去をね、少し伝えながらも、
百合江の視点で百合江と里美が若い時、子供の時からの生涯をたどりつつ、
現代の李恵と紗友子が母が生きた時代を追っていくという、
そういうアプローチを試みている小説なんですよね。
だから本当にね、女性の女の一生を描いた、北海道の九州郎という街を中心に生きた女性たちの生涯の物語なんですね。
大半が、特に若い頃は貧しさの中にあって、
読んでいて、壮絶な貧困の中にあって、そういう生活を描いているんだなということで、
なかなか辛い描写もありました。
やっぱりこの時代、田舎にあって、
食い口がない家では、やっぱり子供が進学するっていうことは諦めないといけなかったし、
そもそも無事生まれてくることもない、流されてしまった子供たちもたくさんいただろうし、
生まれても放行に出されたり、小さい時に親戚の家に預けられたりして、
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いわゆる家族で温かくご飯もあって、不自由なく育てられたという子がいなかったんじゃないかという時代、地域のお話なんですよね。
そんな中にあって、百合江はですね、
その貧しい一家の長女、長子だったので、中学校の卒業と同時に高校進学を夢見ていたんですけれども、放行に出されて、
その放行先で、その主人にレイプされてしまうんですね。
それでも百合江は、なんだこんなものと思いながら、その場所を飛び出して、旅芸人の一山に飛び込む。
そこである男性と出会い、そのまま流れるようにして、その人の子供を産み、男と別れて、育て、働き、歌い、また男と結婚し、
でもその結婚は自分を幸せにはしてくれなくて、借金のために働き歌い、また子を産み、自分の子供と別れ、
その子供がどこに行ったのかもわからないまま、もう一人の子供を育てながら、妹である里見と、
時には助け合いながら、二人が、
高年に至ってはすれ違いをするというかですね、性格が大きく異なる姉と妹なので、
どこかこうおっとりとして、自由気ままに、何年後の生活のために働くというよりかは、その日その日を楽しく働いて、一日生きていければいいやという、おっとりした姉と、
どんな苦境にあっても、財を蓄えて、飽きないをしていくという、しっかり者の妹。
そんなゆりえと里見の間には、まあ厚励も生まれていって、ただその二人の子供ですね、さやことりえは同い年なので、
小さい時から姉妹のように、双子のように育って、その二人が大きくなっていった時に、そのゆりえの過去のある出来事を、
里見から聞いて、その事実を探りに行くという。
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その時にはゆりえはもう起き上がることもできない、まだ若いというか、何歳だったかな、70歳ぐらいだったのに、老衰と言われてしまって、
で、この人は土地の投資で詐欺に遭ってしまって、
自己破産をしているんですね。
で、貧しい中にあって、一人倒れてしまって病院にいるゆりえが語らない過去を里見に聞きながら、代わりにその娘のりえとさやこが事実を確認しに行くと。
その事実というのは、ゆりえが救急車で運ばれる時に、意識を失いながらも、ある遺骸をですね、左手にずっと握りしめたまま、意識がないにも関わらず、その指が開くことはなかったんですね。
で、その遺骸の人物が誰なのか、ゆりえとはどういう関係なのかっていうのを探っていく娘のりえとさやこという、そうやってゆりえの生涯を描いた小説なんですね。
で、こういう人の一生、特に女の一生、客観的に見れば、幸せの時間って果たしてあったんだろうかって思うぐらい、貧しさや人の裏切り、借金だとか、悲しい別れ、このタイトルに示されるようにも、
愛がどこにもないような、そういう人生を生きてきたように見えるんですけど、果たしてゆりえは幸せだったのか、愛を感じた時はあったのか、なんてことをね、思いながら、でもその答えはまあ最後まで出ないんですけれども、
それでも、じんわり胸に熱いものが込み上げたのはラストのシーン、ゆりえの病室に現れたある人の正体がわかった時に、ゆりえはただ、こう、悲しい苦しい人生を生きて、こう身育てただけの人生ではなかったと、
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この人にも、あの、判断の時代があって、愛を感じた時はやっぱりあったのかもしれない、最後も、もしかしたらそのように感じているのかもしれないというふうに、ま、少しだけこう、読者に思わせてくれるような、
ただそれも、まあ思い過ごしかもしれないし、果たしてゆりえがどう思っていたのかっていうのは、この人自身の口から語られるっていうことは、この本全体を通してもあまりないことだったので、
あの、その心情がどうだったのかっていうのは、想像するしかないんですけれども、とにかくあの、この小説の中でね、ゆりえがメイの左横に語った一言が私はとても印象的で、
女は産む人生と産まない人生、自分で選択することができるのよ、って言うんですよね。
この人は、そうやって選択の余地がないようなほど追い込まれた人生を送ってきたんだろうと、私からはそういうふうに見えるんだけど、それでも自分でどちらかの道を選び取って、そうやって自分で自分の人生を歩んできた女の人だったんだなっていうふうに思って、まあそこでもちょっとじんわりしましたね。
とにかく私が否定したいものがたくさん書いてある本なんですよね。
あの、女でなければ違う人生があったかもしれない。
女というだけで、あの、受ける苦しみ、心酸みたいなものが本当に詰まっていて、
あとは、あの、村社会というかですね、閉鎖的な田舎の街、貧困、どんどんこう選択肢を奪われていく、登場人物たち、
で、女同士の居境、姉妹でのいがみ合いというかですね、うまくいかない状況、みたいなのが書いてあって、
私が嫌だなと思っているものが、もうほとんどすべてここに書いてあるような小説で、本当に読んでいて苦しかったなと思ったんですけれども、
でもやっぱり、こういう人生を生きた人もいたのかもしれないと思うと、やっぱり、なんかこう、
目をそらすわけにはいかなくて、最後まで一気に読まされた小説だったなと思います。
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で、文庫解説はね、小池麻里子さんが書かれていて、小池麻里子さんと桜木篠さんとの出会いはですね、
桜木さんが雪虫という読み方であったのかな?という作品で、新人賞を受賞された時の先行委員が小池麻里子さんだったと。
で、その時の作品の印象をずっと覚えていて、で、このラブレスが、また小池麻里子さんが先行に関わっている島瀬恋愛文学賞、
受賞することに決まったということで、またここで再会があったわけですね。
そんなふうに交流のあるお二人なんですけれども、小池麻里子さん曰く、このラブレスという時期と同じ時期に書かれた短編集ホテルロイヤル、
で、桜木篠さんが直記賞を受賞された時、直前にこの作者は、ラブレスを読んだ時にこの作者は、
凡庸な読み手が想像もつかない宇宙を、その頭脳の中に広げているに違いないと思ったと。
この人はいずれ花を咲かせるどころか、大輪な打ち上げ花火を連続して打ち上げてみせる時が来るだろうというふうに直感されていたということだったので、
その言葉の通りね、その後ホテルロイヤルで直記賞を受賞されて、
で、その受賞会見の時に桜木篠さんは、自分の身に起こることには何一つ無駄がないと、
涼やかに気をいなく、てらうこともなく語られたということで、
小説を書く者にとって人生の無駄などは何一つない。
歩くような不幸のどん底も、絶望も、虚無の嵐も、喪失も、経験したこと、味わったことはすべて作品に消化することができるのだという意味だというふうに小池麻里子さんが解説されていて、
そういう言葉が出てくるというところも、この桜木篠さんという作家のたくましさが感じられるところだと、
それはこの主人公の百合江の中に根付いていた不屈の精神そのものでもあると言っているし、
さらにこの自分が経験したこと、何一つ無駄がないと言っているのは、この中に出てくる百合江の娘で小説を書いている梨江のことでもありそうだなと思いました。
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この九四路というところは、桜木篠さんの出身地でもあるということなので、自分が育った町を見聞きした自分の親や祖母世代の話を、この小説に書かれたのかもしれないなというふうに想像しました。
あとですね、私あの、本当に勉強不足で恥ずかしいんですけど、今までね、島瀬恋愛文学賞をね、島清志って呼んでたっていうことに今回気づいて、
いや過去の配信で何度島清志と言ったか、わからないぐらい言っているので、これからはね、ちゃんと島瀬文学、島瀬恋愛文学賞って言えるようになろうと思いました。
いろんなことに気づかせてくれた小説だったなと思います。
あの今回この三連休の前半2日間はね、私は妹と戸山旅行に行っていて、これをあと20年は続けようねなんてことを言っていたところだったんですよね。
で私と妹は距離も離れているし、学生の時はすごい近い親友のような時期もあったけれども、それぞれが結婚して、私が家を出てからは、使う離れずというか、良い距離感が保てているなと思う。
だからこの小説に出てくるゆりえとさとみのように、お互いのこの、杭縁というかですね、仕事をせわしあったようなこともないし、それぐらい近づいたこともないし、かといっていがみ合ったこともない、良い距離感が保てている姉妹なんじゃないかなと、自分としては思っているんですよね。
だからこれを、あと20年、自分たちが死ぬまで、こういう関係性を大事にしていこうということを改めて思ったなぁと、この小説を読んでね、そんなことも思いましたね。
はい、これから桜木篠さんの小説、あと2冊ぐらいね、読もうと思っているので、めちゃくちゃ楽しみ。最初に読んでよかったなぁと思う小説でした。
ということで、今日はラブレス、桜木篠さんの小説について話してみました。この配信が気に入っていただけたら、いいねやコメント、フォローお願いします。励みになります。
今日も最後まで聞いていただいてありがとうございました。ではでは。
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