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2024-01-29 18:07

読書ラジオ『ベスト・エッセイ2023』前編

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ベスト・エッセイ2023 https://amzn.asia/d/1Lta7Tc
(配信の冒頭部分は本の説明文・あらすじを読み上げています。)

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#エッセイ
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こんばんは、ゆうこです。このチャンネルでは、私の読書ログや日々の学びを音声配信しています。今日は
The Best Essay 2023という本の感想について話してみようと思います。 この本はですね、日本文芸家協会から
が出している2023年の エッセイの中から80人ぐらいの作家さん
のベストエッセイを選んで掲載されたものになります。 この編参委員の堀江俊幸さんが
このベストエッセイについて コメントを寄せられていて
ああしておけばよかったと悔やむにも、こうしていこうと前を向くにも、それを人に伝えるためには言葉が必要です。
この本にはささやかで見過ごしそうな言葉のしるべが並んでいます。 目を凝らし耳を傾けてください。
繰り返される新鮮な今の力に改めて驚かせることでしょう。
エッセイの面白さでもありますよね。 どんな方のエッセイが載っているかというと、全員の名前を
挙げているとキリがないので
私が名前を間違えず読める人だけ読んでいくと、 阿川沢子さん
浅田二郎さん 内田俊樹さん
小川さとしさん 角田光雄さん
北山治さん 桐野夏夫さん
小池麻里子さん 坂井潤子さん
沢木孝太郎さん 茂山千能嬢さん
竹田佐徹さん 七尾旅人さん
林麻里子さん 藤沢秀さん
ブレイディ美加孝さん 堀江俊幸さん
町田靖さん 本村ひろしさん
松尾鈴木さん 三浦詩音さん 山内真理子さん
和田屋梨沙さん などなどみなさんご存知の方のエッセイが載っているんじゃないかなと思います。
自分でエッセイを買う時っていうのは、この人のエッセイが読みたいと思って買ったり、
あとはいつも読んでる雑誌に掲載されているエッセイを読んだりっていう
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この人のエッセイをずっと続けて読むっていう読み方だと思うんですけど、 このベストエッセイはですね、一気にいろんなエッセイストさんのエッセイを読めるので
どうしてもそこにはね、あ、こういうエッセイは私好きなんだなぁとか、
あ、こういうエッセイはあんまりピンとこないなぁとか、サーッと読んじゃってるなぁみたいなことに気づきますね。
そして付箋を貼ったエッセイがどんなものだったのかっていうのをちょっとお話しできたらなぁと思うんですけど。
まず一番最初に載ってるエッセイは北山治虫さんのあの素晴らしい愛というエッセイでした。
北山治虫さんは精神科医でもあり作詞家でもある方で、タイトルにもなっているあの素晴らしい愛をもう一度という歌を作られた方ですよね。
加藤和彦さんという方と北山治虫さんが作られた歌なんですけれども、
私ちょっと知らなかったんですけど、この加藤和彦さんという人は自殺されたのかなと思うんですよね。
今でもみんなから精神科医の北山治虫さんがそばにいながらどうしてこれを止められなかったのかと問われるということに関して思い出して書かれたエッセイになります。
後半はそういったことが書かれているんですけど、前半はですね、日本人が持つ愛に対する印象だとか、日本人が持つ愛とはどういうものなのかみたいなのを書いてあって、すごくそれがねわかりやすくてよかったなぁと思います。
何かというと、日本人の愛というのは、2人が同じ横に並んで同じ方向を向く、それが横並びの愛の発生現場だと言われると、
例えば日本で言うと、雪見とかお花見だとか花火とかもみじがりとか、私たちは昔から同じものを一緒に眺めて心を通わせて、愛というものを育んできた。
夏目漱石がアイラブユーをお互いに見つめ合うのではなく、一つの月を見て、同じものを見て横並びで月が綺麗だねって訳したのは、私たちの愛の真相真理を鋭くついているっていうことを最初に書いてあって、
素晴らしい解説だなぁと思って、一番最初に載っていた北山治虫さんの素晴らしい愛というエッセイ、いいなぁと思って、まず付箋をつけましたね。
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そこからですね、続いては沢木孝太郎さんのただそれだけでというエッセイです。
沢木孝太郎さんは深夜特急で描かれた方になりますけれども、旅をするのが好きな方というか、そうやって小説を書いたりされてた方なんだと思うんですけど、このエッセイの舞台は、東北のある都市を訪れたというお話ですね。
何が良かったかというと、沢木孝太郎さんのエッセイは、一つ一つの文章がすごく短くて、すごくシンプルなんですよね。
わかりやすいし、読みやすい。それでいて、その時の沢木孝太郎さんの体験した東北のある都市の出来事っていうのは、まるでこうありありと浮かんでくるように、情景がそこに見えるかのような写実的な説明をされるんですよね。
こういったところのテクニックというか、素晴らしいなと思います。思いました。
何が言いたかったかというと、旅先で、例えばネット上のグルメサイトで、おいしいお店を見つけて、そこにある台パの精神ですよね。
っていうのもいいかもしれないけど、せっかくなんだったら、旅に出て、旅先に行って、歩き回ったり、自分の直感とか経験を総動員して、時には偶然地元の人に聞いたりなんかして、
そうやって助けられて一軒のお店にたどり着き、繁華町かわかんないけれども、とりあえず入ってみて、そこでもし大当たりのお店だったら、グルメサイトで見つけて入った時の感動よりもすごく上回るだろうと。
その感動体験ってすごく上回るはずだから、旅に出た時ぐらいグルメサイトに頼るのではなく、時間をかけて自分の直感だとか、出会いに時間を費やしてみるのはどうかというのを話されていたということですね。
さっき小太郎さんの価値観がね、すごく投影されているエッセイでもあるんじゃないかなと思いました。
続いて小川さとしさんの僕らの第二次世界大戦という、このタイトルでビビビッと来た人いるかもしれないですけど、僕らのシリーズってありましたよね。
私はね、僕らのシリーズで育った世代なので、まずこのタイトルすごく好きでした。
僕らの第二次世界大戦というのはね、僕らのシリーズではこんなタイトルの話ないんですけれども、この小川さとしさんが第二次世界大戦を初めて学んだ時、小学生で学校の授業を受けていたという時だったそうなんですけれども、
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なぜ勝ち目もないのにアメリカと戦って、戦争を仕掛けてしまったのか、みたいなことを疑問に持っていて、それを、戦争っていうのは、ありえないことが起きるのが戦争である。
戦争は他人事ではなく自分の身にも起こり得ること。あとは小学生の時自分が抱いた、なんで勝ち目のない戦争を仕掛けたんだという疑問に答えることが、地図と拳を執筆しようと思った根本的な動機である。
そんな風に書かれているんですよね。有名な小説を書くに至った動機が書かれているエッセイだということで、これはすごいな、ちょっと読んでみたくなるなと思って付箋を貼りました。
続いて、付箋と回収。これは細間博光さんという方かな。細間博光さん、行動学者の方が書かれているんですけれど、付箋がしっかり回収されている。付箋回収が見事という表現を物語の関数でよく見かける苦手だという一文から始まっていて、
そもそも付箋というのは、滝沢馬琴の南宗さとみ八犬伝の付言で、中国の様々な長編小説に見られる法則の一つをこんな風に解説しているということで、付箋って長い物語を書く上で重要な技術の一つであった。
それは古来からのものであるということから始まっているんですけど、一方その付箋を回収するの部分はそんなに古くないんですよという話。本当にこれは1990年代の末から2000年代に入ってから回収するというものが流行ってきた。
例えば進撃の巨人とか鬼滅の刃ゴールデンカムイとか、さらにドラマで言うとあなたの番ですとかね、こういったドラマとか漫画が付箋回収で人気を博したってことで、付箋と回収がセットでね、
いろんな長編のアニメとか小説に、ドラマに求められるようになってきたんだろうと。でも、付箋を回収と呼ぶ感覚がわからないっていうんですよね。
そもそも存在があちらこちらに潜伏していて、それが見え隠れしている状態を付箋。
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で、受け手が回収というのは、その付箋を常に読みながら、これが付箋だ、これが付箋だ、あれが付箋かもしれないみたいに、回収の瞬間を待っているかのように自分が推理して目を張り巡らされて物語を読んでいる状態を言うので、
それがね、この人にとってはどうも居心地が悪いという話をしているんですよね。
で、良いドラマとか小説だったら、回収っていう意図もないほど、こちらを思いがけなく不意打ちするだろうと。
そういうことを付箋回収という、最近流行りに対してちょっとアンチテーゼのように言っているエッセイなんですけれども、
確かにね、私もね、この付箋回収はね、ちょっとわかるんですよね。
付箋回収系だと、それを集中しすぎていて、本編の構成の美しさだったり、文章の美しさとかね、
一つ一つのセリフへの語感を研ぎ澄まして、それを味わうという部分がどうも薄れていてですね、
左脳の解き明かしてやろうという頭脳だけで読んでしまう気もしてしまうので、
そういう読み方も確かに楽しいんだけど、直感の部分でね、味わうという読み方をないがしろにしてしまっているとすごくもったいないので、
ほどほどにしたいなと思ったりしていて、なるほどなと思ったので付箋を張りました。
こんな感じで話していると、もう14分も話してしまっているので、2回に分けたいと思っていましたね。
ということで前半の最後、坂井潤子さんのオンラインアグネス登場という。
このタイトルから内容が想像できた人はね、すごいですね。
オンラインアグネスというのはですね、1980年代の末にアグネスちゃんさんが仕事の現場にお子さんを連れて行ったことの是非が問われたアグネス論争というものがあったそうですね。
時は流れて、20年、40年後かの今、同じ部署の男性がオンライン会議に赤ちゃんを抱っこして参加したと。
これをオンラインアグネス論争と言っているわけですね。
それが微笑ましいというエピソードではなく、それを見た友人は、私の時代は子育ては母親がするのが当然だった。
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でも今はコロナによって働き方自体も変わっているし、男女の役割認識というものも変わっている。
育休の制度も男性が取りやすいように、この近年すごく改良されている状況で、
男性が在宅勤務をして、子育てを引き受けている。
そういう時代の変化に対して、当時自分が全部仕事を休んで子育てを引き受けていたという女性からすると、
このオンラインアグネスというのはどうもイラッとしてしまうと。
ズルい。納得いかない。私の時はそんなことできなかったのにって思っちゃったらしいんですよね。
そういう現代のオンラインアグネスが登場したことについて、友人の話を聞いて、
どうしても頭では理解しようと思っていても、自分の時代はこうだったのにとか、自分はすごく我慢をさせられたのに今の人は恵まれている。
そういった疑問を抱いてしまう、世代間の分断がそこにあるよね、というのがこのエッセイのお話です。
これから、男女問わずオンラインアグネスというのは増えるだろうし、今の時点ですごくたくさんいると思うんですよね。
私も会議していても、子供が後ろからわざとひょっこり画面に入ってくることもあるし、
もっと小さなお子さんを育児されている方は、男女問わずお子さんの声が聞こえてきたり、画面に見えたりするオンラインアグネスって本当にいると思うんですよね。
でも、私の世代はそういうことを自然と受け入れられる人が多いような気がするけど、そうじゃない世代の人もいるんだということを、
変化の最中にいる中で、そういう世代間の分断もあるというのを教えてくれるエッセイでした。
そういう点で付箋を貼りましたね。
ということで、残り6つのエッセイに付箋を貼っているので、残りは後半の会でお話ししようと思います。
ということで今日は、ザベストエッセイ2023の中から、私が付箋を貼ったエッセイのお話をしてみました。
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今日も最後まで聞いていただいてありがとうございました。
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ではでは。
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