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こんばんは、ゆうこです。このチャンネルでは、私の読書録や日々の学びを音声配信しています。
今日は、千早茜さんの短編集、正しい女たちという本の話をしてみようと思います。
不倫に悩む親友に私がしたこと。
温室の友情。
同じマンションに住む女に惹きつけられる男。
偽物のセックス。
残り少ない日を過ごす夫婦の姿。
幸福な離婚。
偏見や差別、セックス、結婚、プライド、老いなど。
口にせずとも誰もが気になる最大の関心事を正しさをモチーフに鮮やかに描く短編集。
心をざわつかせヒリヒリさせる。
千早茜の小説は狂おしいほど面白い。
ということで、正しい女たちという本の中に6編の短編が収録されていて、
主人公というか登場人物は全部繋がりがあるので連作という形になっています。
それぞれが温室の友情、海辺の先生、偽物のセックス、幸福な離婚、桃のプライド、描かれた若さということで、
正しさがモチーフって言ってますけど、この書く短編のタイトルからするとどこか偽物っていうかね、
疑問に満ちたというか、うさんくさい、信じがたいみたいな、ちょっと不穏なタイトルだったりしますね。
その中でちょっと異質なのは海辺の先生っていう短編でしたね。
私これはすごい好きだなと思って読みました。なぜならあんまりドロドロしてないからですね。
それ以外はですね、温室の友情はこの正しい女たちの短編集の根幹をなすような最初の物語になります。
出てくるのは4人の女の子。学生の時から友達で、普通の女の子。
痩せてもないし太ってもないし、学校のヒエラルキーの頂点にいる人たちではないが、
テヘにいる人たちもないと。普通の女の子の集まりの4人。
4人が大人になっていってそれぞれの物語。
主人公はその女の子自身だったり、その周りの人だったりしますね。
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そうですね。その三部の先生以外はですね、やっぱりこう、この短編集っていうのは正しさをモチーフにされているっていうだけあってですね。
この人、登場人物が考える正しさ、正義を実行していくんだけれども、
それって本当に正しいことなの?とどこか疑ってしまうような、一方からすると正しいことなのかもしれないけれども、
違う視点から見るとそれって正しいのかなとか、そういうふうに思えて、やっぱりヒリヒリするというかね、
なんか心が痛むような、そういうのもありましたね。
で、誰もがその、人は仮面をかぶっているみたいなことをよく言いますけれども、
本当のことをね、全面に出して本音と建前なく本音だけで生きている人ってなかなかいないと思うんですよね。
で、この小説に出てくる4人の女の子とその周辺の人たちもやっぱりそうで、
本音と建前、建前を全面に押し出して生活しているんですけれども、
それがどこかうさんくさいというか偽物感がある。
で、その偽物を見破る部分が正しさの執行だったり、
それっていわゆる罰を下すじゃないですけど、痛みを見るみたいな、そういうことなのかなと思います。
で、その仮面が剥がれていくとき、痛みを見るときの登場人物たちの心境だったり、
それを執行する側の気持ちみたいなものがすごいこう、ひりつくっていうかね、心ざわつかせる部分だなと思いました。
この本を読んでいてね、トランプのダウトっていうゲームを思い出しましたね。
ここに出てくる4人の女の子の友情ってどこかトランプのダウトに似てるなと思って、
あれってゲームに参加している人が出したカードが嘘かどうか見破る。
見破れたら嘘をついた側が場に出たカードを全部手札に持たないといけないし、
正しかったらダウトって言った人が罰を受けないといけないみたいなんですけれど、
あれってなかなか終わんないんですよね、あのゲーム。
なので、時間が経ってくるとみんな気づくんですよ。これダウトって言ったら終わんないなぁみたいな。
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全員勝ち上がれないっていう地獄の時間になっていくので、そうすると妙な連帯感が生まれるんですよ。
つまりお互いダウトって言わないっていう。
嘘だとわかっていてもダウトって言わない。
言わないことで自分もダウトって言われないみたいな。
そうやってその参加している人全員が圧倒的な勝ちはなくても、
痛い目を見ずに全員終わることができるみたいな。
ダウトってそういうところあるかなと思いますけど、
ここに出てくる女の子たちもお互いの言葉だったり行動がダウトってわかってるんですよね。
でもそれを言わない。
それはきっと自分も言われたくないから。
っていうところあるかなと思います。
でもそうじゃない人には思い切ってダウトっていう。
それによって、いわゆる罰を与えるというか、痛い目を見させるみたいな。
それを意識的にやるシーンもあれば、無意識でやるシーンもあったのかなと思います。
なので正しい女たちって、
人間の仮面の下にある本物の顔を剥がれた時、
そういう痛々しさとかね。
ヒリヒリしたことが書かれていて、
やっぱり自分に身の覚えのある感情だったり場面だったりするので、
どこかね。
なのでやっぱり心が痛むというか、
他人事ではない。
どこか自分にも身の覚えのあるような感情だったり、
そういうシーンが描かれているなぁと思いつつ、
なんかそのトランプのダウトゲームを連想するっていうところで、
なんかちょっとそういう面白さもありましたね。
面白さっていうか、ちょっと滑稽だなぁと思いながら見ていましたね。
ゴールデンウィークのこんな天気の良い日に読む本ではなかったかもしれないなと思いますが、
やっぱり千早茜さんっていうのは面白い小説を書かれる方で、
白金の葉では直木賞を取られましたが、
やっぱり人間の本質を暴き立てるじゃないですけどね。
暴き立てるじゃないですけど、えぐり出すというかね。
でもそこで終わりじゃなくて、
それでも続いていく人生というかね、生活も含めて書くっていうところ、
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すごい、それでも生きていくっていうことなんだよなぁとか思いますね。
すごい経験をされている方なのかなぁ。
すごい小説のための取材をいっぱいされている方なのかなぁ。
すごい引き出しがたくさんある人なんだろうなと思いますね。
いや千早茜さんの本もっと読みたいなってやっぱりなりましたね。
2冊目でしたけどもっともっと読みたいなと思いました。
ということで今日は千早茜さんの正しい女たちという本の話をしてみました。
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ゴルデンウィークちょうど真ん中あたりですが、皆さん楽しく過ごされてるんでしょうか。
天気が持つといいなぁと思います。
ということで今日も最後まで聞いていただいてありがとうございました。
ではでは。