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こんばんは、ゆうこです。このチャンネルでは、私の読書ログや日々の学びを音声配信しています。
今日は、葉真中顕さんの『ロスト・ケア』という小説について話をしてみようと思います。
これはですね、映画化されていて、3月24日に公開されている映画の、映画『ロスト・ケア』の原作の小説です。
映画では松山健一さんと長澤雅美さんが主役を演じられてますね。
ロスト・ケア
ということで、かなり衝撃的な解説だし、
全選考委員絶賛の下、放たれた日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
彼はなぜ、四十二人を殺したのか。
ということで、かなり衝撃的な解説だし、四十二人を殺したということで、
どんなサイコパスな殺人鬼なのか、猟奇殺人なのか、
全く理解できない犯人なんだろうなという想像をしながら読んだんですけれども、
書かれているのは、やっぱり介護という社会課題ですよね。
この介護について、私は実体験がないんですね。
なので、このロスト・ケアという小説の中で指摘されている、いわゆる安全地帯にいる人には、
介護に直面された人の苦しみとか悲鳴みたいなものは、やっぱり理解できない。
ということは、そのまま私に刺さるものだなと思いながら読んでいました。
直面している人の悲痛な叫びというか、苦しい実態というのは、私は本当に理解していないので、
そういうものに少し触れる機会にもなったのかなと思います。
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ただ、分かっていないということは大前提で、私の課題として、やっぱりこういう事実を知らずにいるんだなということに直面させられましたね。
もう一つは、絆ということですよね。
人は一人では生きていけない時がありますから、やっぱり誰かと絆を結びたい、
誰かとの深い絆を求めてしまうということは自然なことなのかなと思います。
ただ一方で、それがこの介護という文脈の中では、かつての絆が今はその人の任せになってしまう部分があると。
それだからこそ、介護って簡単には解決できない。
そこから、なかなか救われないというか、言葉が正しいのかわからないですけれど、
抜け出せないというのか、逃れられないというのかということですよね。
やっぱり自分の両親だったり、夫や妻、もしかしたら子供かもしれないし、兄弟かもしれないし、
そういう絆、憎しんとか家族とか愛する人という絆で結ばれているからこそ、
そこから抜け出せないということはきっと正しくないんだろうな。
そこで追い詰められてしまうというシステムになっているんだろうなと思いました。
結構こういう発言すると軽はずみになっちゃうなと思ったので、もうここまでにしておこうかなと思いますけれども。
そういう介護というものを扱っている。なので、社会派なんですよね。
なんですけれども、このロストケアのすごいところは、小説としてミステリーの要素もある。
エンターテインメントにもなっているというところが、このロストケアという小説のすごい面白いところだなと思います。
この小説の最後に解説をつけられている人が、まさにそれをピタリと言い当てられているんですけれども、
社会派の社会課題だとか、社会派本格ミステリーみたいなものを扱おうとした時に、
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本格ミステリーは人間性というのが欠けないという問題があるそうなんですよね。
両立できないということだと思うんですけれども、
しっかり社会の闇をえぐり出しつつ、一方で人間を深く描く。
ミステリーの面白さもしっかり兼ね備えているっていう、そういう両立させた小説っていうのは本当に難しくて、他に例を見ない。
だけれども、このロストケアはそういった点でかなり傑作だということで、
日本ミステリー文学大賞新人賞を満場一致で受賞したと、そういう経緯がこの小説にはあるそうです。
やっぱり読んでいてもですね、
あれ、その彼はなぜ42人を殺したのか、彼は一体誰なんだっけっていうのが最後の最後まで、
あれって思うようなやっぱりミステリーの面白さというかエンターテインメントみたいなところもありますし、
この中で彼を暴き立てる、賢治と事務次官の人、
人間性をしっかり描きつつも、どこか非現実的な、ちょっと天才的な要素を入れてみたりとか、
エンターテインメントとしての構成の面白さみたいなところもしっかり入っていて、
なのですごい引き込まれる小説ですね。
重苦しいテーマを扱っているんだけれども、面白いからどんどん読んじゃうっていうところですよね。
今日の夕方から読み始めて、今10時過ぎなので、
3、4時間ぐらいで一気に読んじゃいましたね。
長澤正美さんって、マザーっていう映画にも出られてますよね。
その母親が、毒親と言われる類の母親なのかな。
息子に殺人を指示してしまうっていうすごい悲痛な映画なんですけれども、
ロストケアもそういう類のものじゃないかなと思ったんですよね。
ただ、マザーってやっぱり、どこまで行ってももう、
どんよりとした後味の悪い、救われない、
本当に社会派の映画だなっていう感覚しかなかったんですけど、
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ロストケアは、映画で見ても、映画として面白いエンターテイメントの部分がある映画なんだろうなと思います。
小説でもそうなので、きっと映画も面白いんだろうなと思います。
この小説と映画とでは少し違う部分もあるのかなと思うんですよね。
おそらくこのケンジを演じられているのが長澤雅美さんなんだと思うんですけれども、小説ではそれは男性なんですよね。
そのケンジの家族の話とかもこの小説で描かれているので、
映画よりもさらに人間性を深く描いているという部分では、小説で楽しめるところが多分にあるのかなと思います。
天中昭さんっていう方はすごい方ですね。
他にも絶叫とか、そういう小説出されているそうなので、早速2作目も読んでみたいなと思いました。
もうとにかくね、読んでて、ちょっと邪魔しないでくれるって感じです。
もうこの小説に集中したいから、本当にトイレ行くのもちょっと嫌になっちゃうぐらい、
ずっと集中して読み続けたい、一気に読みたい小説でした。
なかなかこういうテーマで小説として面白いって、ちょっと不謹慎だなって私思っちゃうんですけれども、
それでもやっぱり小説として面白いと思っている自分がやっぱりいるんですよね。
そこはちょっと否定できないぐらい面白かったなと思います。
圧倒的リアリティと緻密な構成力で迫る。
その通りだなと思いますね。
根幹にあるのはキリスト教の教えだったりするんですよね。
そういったところも、この構成の骨格の倫理感というかね、
正義とは何なのかとか、罪とは何なのか、みたいなところは、
イエスの教えみたいなのが深く影響しているのかなと思って。
そういったところも、鎮黙とかね、そういう部分とちょっと違って、
鎮黙とかね、そういう部分とちょっと通ずるところもあるのかなーなんて思いましたね。
いやー面白い。面白かった。面白かったって言っちゃいけない話なんだけど、
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小説として本当に楽しんで読みました。
映画も見てみたいと思いますね。
きっとこの松山健一さん、長澤正美さんの演技力がすごいんでしょうね。迫力が。
きっと寝れなくなっちゃうなと思いました。
いやーホント、ゴールデンウィーク中ね、少し時間があって、
本読み、なんか読みたいなと思っている人、このロストケア絶対おすすめです。
本当に、本当に読んでよかったって思うと思いますね。
みんなに読んでほしいと思いました。
ということで今日は、浜中亜紀さんのロストケアという小説について話してみました。
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本日も最後まで聞いていただいてありがとうございました。ではでは。