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2023-10-23 18:49

読書ラジオ『ゴリラ裁判の日』須藤古都離

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こんばんは、ゆうこです。このチャンネルでは、私の読書ログや日々のお学びを音声配信しています。
今日は、須藤古都離さんの『ゴリラ裁判の日』という本について話してみようと思います。
いつもならここで、本のあらすじを読むんですけれど、
ちょっとやり方を変えて、私なりにこの本の説明というかですね、こんな話ですよというのをちょっと言ってみたいと思います。
主人公はローズという女性です。 ローズは
ある事件で夫を亡くしました。
ある事件というのは、 夫が小さい子供の命を
過失で奪ってしまうかもしれないという場面に 警察が遭遇して
小さい子供の命とローズの夫の命 どちらを優先するかその一瞬の判断の中で警察は
ローズの夫より小さい子供の命を
重きにおいて ローズの夫を射殺しました。
それによって小さな子供の命は救われましたが、ローズの夫は命を落としてしまった。
ローズにとってはかけがえのない夫だったので、納得がいかず
裁判を起こした。 ただ、ローズは
ゴリラであったと。
何ですかそれって感じですね。 実際にですね、ホームページでこのゴリラ裁判という本を
紹介している ホームページがあるんですけれども、そこを見るとですね
紹介動画が公開されていて、これを見ると今私が話したような本当に人間の世界であるかもしれない
夫を 失くしてしまった女性
で裁判を起こす。 最後にやっとローズがゴリラであったっていうことが明かされる
そんな動画が公開されているんですね。 この本を知っている方であれば、あとは本のタイトルから
03:01
ゴリラなのかなってちょっと勘のいい方は思われるかもしれないんですけど、 ぜひね、あの
ちょっと自分が持っている偏見 っていうものを取っ払う
そんな本であるというふうに、まず思ってみてもらうといいのかなと思います。 ここで改めて
あらすじを
読んでみます。 カメルーンで生まれたニシローランドゴリラ。名前はローズ。
女子というよりも女性と言った方がいいだろう。 ローズは人間に匹敵する知能を持ち、言葉を理解し会話もできる。
彼女は運命に導かれ、アメリカの動物園で暮らすようになる。 そこで出会ったゴリラと愛を育み、夫婦の関係となった。
だが、 その夫ゴリラが人間の子供を助けるために、という理由で銃で殺されてしまう。
どうしても許せない。ローズは夫のために、自分のために人間に対して 裁判で戦いを挑む。
正義とは何か、人間とは何か、アメリカで激しい議論を巻き起こした ハランベ事件をモチーフとして生み出された感動狂言。
ということで、実際にあのハランベ事件という事件があって、
あのー、2016年、動物園の囲いの中に落ちた子供を引きずり回したゴリラが射殺され、
その是非をめぐって論争が起きたと。まさにこのゴリラ裁判でローズの夫が射殺された場面そのものである。
まあその、そんな本当の事件を元に書かれたものです。
最初はね、あの、感情移入できるかなと思ったんですね。
んー、だ、だって、そんなこと考えたこともない。
ゴリラが、人間の正義はゴリラの正義ではない、なんて言って、
えー、裁判を起こすなんて。
ね、だから、でも読み進めていく中で、
ローズに、あの、どんどん共感している自分に気づいていくんですよね。
冒頭本の書き出しは、ローズが、あの、この裁判に負けるところから始まるんですね。
で、落胆するローズ、なぜ私はこんな状況に陥ってしまったのか。
そこからローズが生まれ育ったカメルーンのジャングルに話は戻ります。
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なぜローズが、アメリカ式の手話を使って言葉を話すことができるようになったのか。
野生のゴリラとして、保護区域で自由に暮らしながらも、どんな風に成長したのか。
ゴリラの群れというのはどういうものなのか。 そこの生態っていうのはどういうものなのか。
ゴリラにとっての、正義というかね、あの、正しいこと、習慣というのはどういうものなのか。
そして、何がきっかけでローズはアメリカに行くことになったのか。
そんなようなことが、前半部分かなと思います。
後半はですね、思わぬ展開にドドドドッと行くので、
なんかほんと、なんかちょっと本当にアメリカの映画見ているようだなっていうぐらいの、すごい展開になっていくので、
ちょっとネタバレになるかなと思いますので、話は控えたいと思います。
私が話したいのはですね、
ゴリラの群れの起きてですね、びっくりしたのは、
この野生のゴリラ、ローズはですね、ゴリラの中でも、
ニシローランドゴリラという種になるそうです。
ニシローランドゴリラはですね、群れで暮らすんですね。
その群れというのは、シルバーバッグというオスの一番強いオスが率いる集団のことを言います。
ゴリラは一夫多妻制なので、シルバーバッグのオスにはたくさんの奥さんがいて、それぞれ子供を産んで、それが集団として暮らしていきます。
やがて成長するとゴリラは群れから離れて自分の集団を作ったり、またそのオスと交尾をして子を成していく、そんな成長の仕方をします。
ただ、自分の集団の中に子供を作る魔能力に乏しいメスしかいないとか、
メスがいないという場合は、そのオスは自分の子供を残すために、別の集団のシルバーバッグからメスを奪い取らなければならない。
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その中で、英字殺しというかですね、小さな赤ちゃんを殺してでもその母親を奪い取る、そんなようなこともするそうです。
オス同士、シルバーバッグ同士は同じ群れに2匹共存することはできないので、戦って強い方がその群れの王者になる。
メスは強いオスについていく。そういう点でメスには自由がある、そんなゴリラの生態があるそうです。
実際にローズのいた集団でも、そういった今言ったようなことが起きて、ローズの父親のシルバーバッグがオサであった集団というのが崩壊していくことが書かれているんですけれども、非常にドライなんですよね。
自分の子供が目の前で殺されても、そのオスについていく。
自分の夫や父親が戦いで負けて死んでしまっても、その悲しみを表現する術がない。
生きていくためにはまた強いオスに従っていくしか方法を選択する。
まあ当たり前っちゃ当たり前なのかは知れないんですけど、この本冒頭でローズが夫を亡くして裁判を起こすというのは非常に人間性あふれるところからスタートしているので、ローズがもうゴリラと思ってないんですね、私はね。
そこから過去を遡ってローズがゴリラの集団の中で生きてきた時の話が始まるので、非常に混乱します。
ゴリラの集団の話なのに、これをなぜか人間社会に置き換えてみると残酷だなと思ってしまう。
もうこの辺で作者の須藤さんの思惑にはまってるんだろうなと思うんですけれども、そこからやっぱりローズに共感してしまう場面あります。
ローズが言葉を覚えるのは、ローズの母親の影響なんですね。
まずローズの母親がゴリラの研究をしている人たちからアメリカ直下式の宗教を習って、その影響で娘であるローズも習い始めたわけです。
そんなローズたちの下に、あるテック企業のエンジニアがやってくるわけですね。
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ある特殊なグローブを開発したと。
その人自身は声が出せない、耳が聞こえないエンジニアで、そんな老和者でも会話ができるようにと開発したグローブ。
このグローブで手話をすると、その言葉を音声に変換して伝えてくれると。
そういうものを開発していたわけです。
それをローズに試してみるとどうなるかということでやってきたんですけれども、
そのグローブをローズの手に合うように少し改良してローズがはめてみて、
ローズはアメリカ式の手話で言葉を理解して伝えることが元々できたので、
今までグローブなしで手話で伝えていたものをグローブをはめて手話をしてみると、
それが音声に変換されて、私はローズですと。
あたかもローズが喋っているかのように音声が流れていく。
その後ですね、ローズが自分の母親も同じように自分と同じようなアメリカ式の手話ができるので、
自分がそのグローブをつけて、このグローブをつけたことでアメリカに行ってジャングルを出て外の世界を見ることができる。
そんな状況にすごくワクワクして、ローズの好奇心がもう収まらない。
そんな状況の中、ローズの母親はそういったことには積極的に関与しようとせず、
割とネガティブな対応をするんですね。
そこでローズは落ち込みます。
ここはすごく共感してしまってですね。
私もすごい好奇心がある方だったりするので、
社内でも常に何か変わらないといけないというような正義を持っているんですね、私自身がね。
でもそうじゃない人たちの方が多いわけです。
今までこういうやり方でやってきたから、安定したやり方を捨てないっていう、それもそれなりの正義なんだけど、
私からすると、新しいものに触れた時、変わらないといけないっていう状況に気づいた時、
すごい自分の好奇心が刺激されて、自分的にはもうすごい興奮するわけですね。
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今がチャンスだ、変われる好奇だ、みたいな風に思うんですけど、それをわかってもらえない時、すごく落ち込むんですね。
この気持ちが共有できないっていう、同じチームなのに、同じ組織にいるのに、共有できないっていう悲しさ。
ローズが感じているものと同じなのかもしれないな。
本当にね、本当に巧みな書き方だなと思いますね。
ここまで、なぜかローズに共感してしまう自分を感じるということですね。
でも、そういう読者は私だけではないと思います。
この本は実はですね、男性性だとか女性性だとか、それ以外のジェンダーですね、あとは人種、いろんな問題を内包しているというかですね、
人とゴリラの話なんですけれども、それをいろんなジェンダーや人種に当てはめて置き換えて、自分ごとにして考えることができるような書き方表現をされています。
なので、ここに出てくるのはゴリラと人だけではなく、人の中にも男性もいれば女性もいて、
黄色人種もいればアフリカ系の人もいる、黒人の人もいる、そんな登場人物が出てくるので、
必ず自分の置かれた境遇だったり、一度は経験したことがあるような自分と他人との正義の違い、
そんなことで残念な思いをした、そんな経験と重ね合わせて読み進めることができてしまう本かなと思います。
なので、ゴリラのローズの話ではあるんですけれども、これは私たち人の話でもある、
そんなふうに思わせられる、すごい強い引力を持った本だなと思います。
正義を取り戻せっていうふうに本の帯には書いてあってですね、
ゴリラの正義と人間の正義とどちらが正しいのか、そんな二項対立のように途中までは思えるんですけれども、
ある人の登場によって、その二項対立が崩されていきます。
そこでローズもその二項対立で戦ってたつもりが、自分にとって本当に今必要なのはこういうことだったんだということに気付かされます。
そのある登場人物というのは、後半の超意外な展開の中で出てくる、すごい意外な人なんですけれども、
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それは話してしまうとネタバレになるので、ぜひ気になった方はこの本を読んでみていただけたらなと思います。
きっと映像化されるんじゃないのかな、なんて思う本でした。
ということで今日は、須藤小鳥さんのゴリラ裁判の日という本を話してみました。
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今日も最後まで聞いていただいてありがとうございました。
ではでは。
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