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#23 『メソポタミアのボート三人男』最も低い場所から見上げた、最も豊かな世界
2026-07-10 37:39

#23 『メソポタミアのボート三人男』最も低い場所から見上げた、最も豊かな世界

【本日紹介の一冊】

『メソポタミアのボート三人男』(集英社、高野秀行・著)
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【エピソード概要】

人類最古の文明が生まれたティグリス=ユーフラテス川。その源流部を、4kgのゴムボートで下るおじさん三人の旅。なのに、ただの珍道中では終わらない。

道路は見下ろす。川は見下ろされる。いちばん低い場所に身を置くからこそ、ニュースや地図からの目線では見えない世界が立ち上がる。

泥と猛暑のムラト川、酒と水着の桃源郷デルスィム、サズの音色と虐殺の記憶、そして沈んだ古代都市ハサンケイフ。後半では「メソポタミアは関東にもあった?」という地図遊びから、スタジオを飛び出して荒川の上流へ。

遠い冒険記だと思っていた一冊が、自分たちの足元の川へとつながっていきます。

【チャプター】

() この著者の本が読めないと、手が震えてくる!?

() 人類最古の文明を、ゴムボートで下る三人

() めくるめく、高野秀行ワールド

() 灼熱の泥川で、人生最高のおもてなし

() 中東に「水着と酒」の桃源郷

() 清流の底に眠る、虐殺の地層

() 文明は川から生まれたのか? 欲望から生まれたのか?

() メソポタミアは、関東にもあった?

() ボクらもスタジオを飛び出し、荒川の上流へ!

() 『イラク水滸伝』と、二つのメソポタミア

() 最も低い場所から見上げた、最も豊かな世界

【出演】

プレゼンター :内藤 順

ナビゲーター :首藤 淳哉

【関連書籍】

イラク水滸伝』(文藝春秋、高野秀行・著)

ボートの三人男』(ジェローム・K・ジェローム・著)

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【収録場所】日本橋浜町 HamaHouse / 埼玉県秩父郡長瀞町・荒川河畔

感想

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サマリー

このエピソードでは、作家・高野秀行氏の著書『メソポタミアのボート三人男』を深掘りする。著者は、人類最古の文明が生まれたティグリス・ユーフラテス川の源流部をゴムボートで下る旅を記録している。この旅は、単なる冒険譚に留まらず、「最も低い場所から世界を見上げる」というユニークな視点を通して、普段見過ごされがちな世界の側面を浮き彫りにする。旅の仲間は、著者の高野氏、相棒の山田隊長、そして個性的な現地ガイドのレザン。彼らは「アナログ、アナクロ、アナーキ」を体現する「トリアーナ」と名乗り、わずか4kgのゴムボートで人類最古の文明の地を巡る。旅は、泥と猛暑のムラト川、水着と酒の桃源郷デルスィム、そして虐殺の記憶が眠るティグリス川沿いのハサン・ケイフへと続く。特に、迫害の歴史を持つ少数派アレビーの人々が暮らすデルシムの描写は、自由な空気と悲しい過去が共存する複雑な現実を示す。さらに、番組では東京の荒川をメソポタミアの川に見立てる「江戸ポタミア」という地図遊びを展開し、遠い異国の冒険が身近な川へと繋がる体験を共有する。この本は、文明の始まりと現代の欲望が交錯する様を描き出し、最も低い場所から見上げることで初めて見える豊かな世界の姿を提示している。

高野秀行作品への中毒性と探検物の現状
シュトーさん、いきなり変なことを聞きますけど、 何件、禁断症状が出ることありますか?
禁断症状?急にですね。
え?コーヒーが切れたらとか、そういう系の話ですか?
いや、もっとヤバい話で。
もっとヤバいやつだ。
僕、ある作家さんの本をですね、しばらく読まないでいると、 本気で手が震えてくるんです。
それはもう完全に中毒ですね。
え?そこまで禁断症状が出る作家って誰ですか?
高野秀之さん。
あー、まあ分かる気しますね。
あのね、なんか、高野さん成分ってありますよね。
はい、ありますね。
それ、こう切れちゃうとね、なんかこうね、 読みたいな、読みたいなって、
そろそろ補給しないとまずいぞってありますよね。
で、しかもね、ここ数年ね、割とこの禁断症状は深刻だったんですよ。
ここ数年?
そもそもやっぱ探検物とか冒険物って、
ノンフィクションのね、花形じゃないですか。
で、誰も行かない場所に行って、 誰も見てないものを持ち帰ってくるっていう。
あのワクワク感っていうのが重要なのに、コロナですよ。
あの期間に、世界中で人が動けなくなって、
その後なんか骨太な探検物って、 ちょっと今停滞しちゃってるんじゃないかなっていうね。
そうですね。当時みんなね、行けませんでしたからね。
ちょっと現地にどっぷり使ったタイプの本っていうのは、 ごっそり減った感がありますよね。
そう、だからタイムラグで、なんかやっぱりここ最近ね、
ちょっと完全に植えてて。
手も震えてて。
で、志藤さん。
ちょうどそこに、この震えを止めるような瞬間が出たんですけど、
もう読まれました?
読みましたよ。もうね、2回ぐらい読みましたよ。
2回。
2週ぐらいしちゃいましたよ。
じゃあ、話が早いですね。今日はそれでいきましょうか。
いきましょう、いきましょう。
「最も低い場所から世界を見る」という視点
むしろ今日、語りたくてウズウズしてた。
じゃあ、マイノベリーってことでいいですね。
じゃあ、2回読んだ志藤さんに聞きたいんですけど、 この本で最初にワーってなったのはどこですか?
やっぱり、ゴムボートで川を下りながら、 一番低い場所から世界を眺めるって視点ですよね。
結構、この本の中にそれをシンプルに言わせた言葉が出てくるんですけど、
川旅は土地の一番低いところを行く旅であるっていうね。
出た。
名言がね。
いや、あの言葉ね、僕も完全に持ってかれましたよ。
痺れますよね。
この一言だけでもうね、この本の世界に 引きずり込まれるっていう感じがしますよね。
でも、ないとーさんの、まだ本のタイトル言ってないですけど、 大丈夫ですか?
なるほど。盛り上がりすぎて、番組のタイトルコーナーも変わってしまったね。
改めまして、こんにちは。ビビルジャム、 本日プレゼンターを務めます、ないとーじゅんです。
ナビゲーターの首都純也です。
この番組は話題の新刊ノンフィクションを じっくり深掘りしていくポッドキャスト番組です。
今日も日本橋浜町のブックカフェ、 ハマハウスさんをお借りしてお届けしております。
今日は僕はナビゲーターっていうよりも ダブルプレゼンターとして。
いや、お願いします。
ということで、いいですか? それぐらい面白かったもんなんで。
中毒患者の2人が語ります。
今度こそ肝心の今日の一冊なんですけども、
高野秀之さんの新刊で、 メソポタミアの冒頭3人男、主演者から出てる一冊です。
タイトルもいいですよね。
いや、いいですよね。
これ、ジェローム系ジェロームの冒頭の3人男ね。
あれのオマージュですよね。
マリア・サイチ本役。
テムズが抑えない男3人でグダグダ食らう。
古典的な名調から来てますよね。
ただね、舞台がのどかなテムズではありませんので。
人類最初の文明が生まれたティグリフ・ユーフラテフ川。
しかもその原流部なんですよ。
そうですね。文明のゆりかごをおじさんたちが群暴とで、
殺したりも笑えるんですけどね。
面白いことを確定しますよね。
さっき石戸さんが挙げてくれた、 一番低いところに来た日。
あれがこの本の背骨なんで、 もうちょっと話しておきたいですね。
そうですね。
考えてみると、この本で言われて初めて気がついたのは、
道路って実は大抵高いとこ走ってるんですよね。
そうなんですよね。
道路を走るのはやっぱり国家であり、 権力であり、軍隊であるというところで、
彼らは物理的にも心理的にも、 こっちを見下ろすっていう立場になって、
それを地元の人が警戒するという構図がありますよね。
そうですね。
その一方で川はこっちの一番低いところを流れてて、
橋からも岸辺からも常に見下ろされる 宿命にあるんですよね。
でも、だからこそ誰にも警戒されない というところがあるんですね。
そうなんですよね。
だから世間のしがらみから解放された、 無政府的な国家になるんですよね。
要するに土地を管理する側と、 流れに身を委ねる側の対比ですよね。
道路はコントロールするけれども、 川はただ委ねるっていう。
この軸が本の最後までずっと効いてくるっていうのが 見事だなと思いますね。
そうですよね。
道路は見下ろす、川は見下ろされる。
だから車とか電車では絶対に見えない世界が、 川からなら見えるっていうね。
本書ではこれをパラレルワールドって呼んでて。
そうですね。
つまりこの本は最初から最後まで一番低い目線から 世界を眺める探検記なんですよね。
旅の仲間「トリアーナ」とゴムボートの魅力
はい。
で、この3人の男、これが誰なのか。
これがまず最高ですよね。
そうですね。
この3人の関係性だけで飲んで語れるって感じがしますけど。
1人目は著者の高野さん本人ですよね。
2人目が相棒の山田隊長ですよね。
この山田隊長っていうのはレジェンド探検家なんですけども、 出発前はなんか体調がイマイチだったみたいな。
ところが川に入った途端、水を得た魚みたいに復活するんですね。
ダジャレが止まらなくなったりして。
体調が川に入るとどんどん元気になっていくぐらいが本当に僕は好きで。
川が病人をダジャレように変えるみたいな表現があって最高ですよね。
あと3人目が問題のガイド、レザン。
いや、こいつが。こいつかなって言っちゃうけど。
なかなかのキャラですよね。
マナスなのに全身黒づくみで。
眉毛がマジックで描いたみたいに。
極太の眉毛を持つという。
しかもこのレザン、1ヶ月の旅の仕事を引き受けたのに旅の中身をほとんど聞かされない。
そのまま来てるんですよね。
びっくりですよね。ガイドが行き先知らないってどういうことっていう。
もう序盤から不穏な雰囲気が立ち上がるんですけど。
レザンがやっぱりことあるごとに若い女性に見とれて打ち合わせが裏のそれになるっていうね。
本当にもうどうしようもない奴だったよね。
あそこ腹抱いて笑いますよね。
この3人が自分たちにつけた呼び名がまたいいじゃないですか。
トリアーナっていうんですけど。
アナログ、アナクロ、アナーキ。
この3つのアナを体現する者たちっていうね。そういう意味なんですよね。
そうですね。電波も届かない辺境の地なんでデジタルに頼れないと。
エチズを頼りにね。グーグルマップとかじゃなくて。
エチズを頼りに積んで連絡は大声に叫ぶっていう。
記録は手書きだし、徹底してアナログですよね。
誰もが車を使う時代にあえて顔を下るっていうこのアナクロ。
カーベで好きにテント張って好きに寝起きするっていう。
スケジュールも誰の許可もいらないっていうね。
こちらがアナーキという感じですね。
この3文字に旅の思想が全部詰まってるんですよね。
そのトリアーナが乗る船の話をぜひしたいんですけどね。
見た目はもう最高ですよね。
パックラフトっていう折り畳めばリュックに収まるような
わずか4kgぐらいの重さのゴミボートなんですけど
水に浮かべると完全に幼児用プールのおもちゃにしか見えないですけどね。
しかも膨らませ方が45リットルのゴミ袋みたいな
袋で風をすくって口を閉じてボートに空気を押し込むっていう
逆ゴミ出しって呼ばれるスタイルが絵面でも最高ですよね。
だから人類最古の文明を幼児用プールのおもちゃでたどるんですよね。
この時点で単なる探検機とは一味二味も違うんですよね。
高野作品の中毒性の構造:計画された偶然性と少数派への接近
ただ内藤さん、高野さんの本って何であんなに中毒性があるんですかね。
読み終わると絶対誰かに語りたくて仕方なくなるっていうね。
ずっとダジャレ交じりの脱力ユーモアのせいかなとか思ったんですけどね。
ユーモアももちろんあると思うんですけど、それだけじゃないと思うんですよね。
笑わせるだけだったら上手い書きって他にもいろいろいるんだろうと。
僕が思うのはもう少し構造的な話でね。
まず何か計画された偶然性っていうのがそこにあると思うんですよ。
計画された偶然性。
普通の探検家ってまず資料集めて仮説立てて
ある程度頭の中で構成立てて現地に行くじゃないですか。
でも高野さんが行くのってそもそも資料が存在しないような場所ばっかり。
とにかくまず行っちゃうじゃないですか。
でもただのうんまかせじゃないんですよね。
だから本書の中でも川旅のコツみたいなところでちょっと印象的な言葉があって
歓迎されるためには自分から行かないんだと。
近くを通り過ぎて向こうからこっち来いって言われるのを待つみたいなね。
そうね。だから川に面した方っていうのは
その辺りに住んでる人にとってはプライベート空間でもあるから
勝手に行かないっていうね。呼ばれるまで待つっていう。
まちの姿勢でいるってことですね。
だからこれまさに高野作品の偶然の呼び込み方だと思うんですよね。
だから川下りって一番低いところを流れに身を任せて進むっていう
受け身の旅じゃないですか。
だから向こうから何やってるんだこいつらって人が寄ってくるわけですよね。
自分を低い場所において偶然が向こうからやってくるのを待ち構えてるという。
だから出会いがことごとく予測不能で目が離せない感じ。
そうかそうか。わかりますね。
歓迎されるだけじゃなくて石投げられたりすることって出てきますもんね。
今回の本でも船が忽然と消えて大騒ぎになるくらいが
あれ完全に読んでて巻き込まれた。先が全く読めないですよね。
妖精が船を担いで現れるんですよね。びっくりする本当に。
もう一つこれが一番高野さんらしいんですけども
いつもよそ者のままその土地の少数派のところに
ダイレクトに飛び込んでいくんですよね。
そうですね。毎回そうですよね。
よそ者のくせにいきなり少数派の懐に飛び込んでいくっていう見事ですよね。
だからどこ行っても利害も子でもない全くのよそ者。
その足で出会うのが大抵少数派の人たち。
少数民族の場合もあるし独特な信仰の人とか
または社会からはみ出した人とか
ここが結構なポイントだなと思っていて
普通外国人の人がその国のことを知ろうと思うと
まず政府とか大学とか正面玄関から行って
その国の多数派の目線っていうのを通していくじゃないですか。
確かにガイドブックとかニュースとか大体多数派の側から書かれてますもんね。
だけど高野さんはその多数派をすっ飛ばして
いきなり少数派と相まみえるっていうところで
多数派の色眼鏡っていうのが一切かからない状態で
フラットにそのままを見れてるっていうことだと思います。
そうか。だから我々がニュースで知ってる姿とは全然違う顔が見えるってことですよね。
だから見下ろされた側にしか見えない景色って確かにあると思うんですよね。
高野さんの作品を読むたびにやっぱりそう思うし
そういう景色っていうのをリアリティーを持って伝えられるっていう
基本な作家さんなんじゃないかなと思いますね。
でもそれ今日の本の最も低い場所から見る川下りにも通じる話じゃないですかね。
そうですね。だから今回の本でいうと出会うのがクルドジンだったりとか
あとアレビ。
アレビ独特の信仰なんですね。
あとは湿地民。前の本のね。
湿地民とか。みんなマイノリティなんですよね。
それをマジョリティ的なフィルターを通さずにフラットに見てると。
だからああいう反転するようなパラレルワールドっていうのが見えてくるんじゃないですか。
そうか。構造がもう今日のテーマと完全に一致してるわけですね。
さらにそこから話が深くなっていきますね。
そうそう。油断してみてると何かいつの間にかすごく真剣になっていくまでたどり着いてるじゃないですか。
ふざけて書いてるように見えてね。
深いとこ行くんですよね。
急に背筋伸びるみたいなね。
そうですよね。
だからそもそも高野さんってアカデミックの世界ではきちんと記録されてなかったようなことを
見つけてくるのが抜群にやっぱりうまいんですよね。
あの切り欠けた船の作り方の話とか、滅びかけた信仰の話とか、
それを後世に残る資料的な価値のあるものに変えてるじゃないですか。
そうですね。エンタメとして爆笑させながら、実は後世に残るような記録をしっかりと作ってるっていうね。
だから研究の枠からはこぼれ落ちちゃうものを探究手目線で拾い上げて価値化するっていう。
そういう作家さんなんですよね。
だから計画された偶然性ってことと、よそ者のまま少数派に直接飛び込む目線ってことと、
深淵なテーマへの跳躍というこの重ね合ってるポイントがあるから、
高野さんの本ってやっぱり中毒性があるんじゃないかなと。
なるほどね。深いですね。ちょっと出し荒れ所の話じゃないっていうね。
その魅力が今回の本で全部炸裂してるわけですよね。
ムラト川:泥と猛暑、そして人生最高のおもてなし
そうですね。
で、その魅力が炸裂する舞台が今回の旅なんですけども、実際どこを下るのか。
先に全体図を出しておくと、この旅は大きく3つの川に分かれるんですね。
3つの川旅ですね。
1つ目がユーフラテス川の源流のムラト川。泥と猛暑と緊張の川。
2つ目が同じユーフラテスの支流でムンズル川。これが後で話す奇跡の清流のね。
こんな綺麗な川があるんだっていう。
デルシムを流れる川ですね。
そして3つ目がティグリス川。これは大峡谷を下って水没を目前にしていた遺跡のハサンケーフへ向かう旅ということになります。
同じ1本の水形なんですけど、源流から本流までその3つがそれぞれ全然違う川をね、見せるんですよね。
そうなんですね。じゃあその1つ目からいきますけど、これがもういきなり地獄で。
そうですね。ユーフラテスの最長源流ムラト川ですね。
あれ、この本ではこやし汁とかって呼ばれる川ですよね。
だから清流のイメージで呼び始めると、いきなり裏切られますよね。
気温は日陰で46度とか言ってたし、水は牛糞混じりの泥水だし、しかも浅くてしょっちゅう船が座礁してね。
そうですね。そのたんびに4キロの群暴と降りて泥の中をズブズブ引っ張っていくんですよね。
あれ、この本の中で田植えみたいっていう表現が出てきますけどね。文明の源流を田植えの体制で引きずって歩くって、何やってんのって感じだよね。
しかもこの一帯って政治的には結構緊張してる領域で、クルドジンの武装組織PKKの拠点があって、
政府軍とか村の自警団が睨み合ってるようなところだから、村に一泊するだけでも神経をすり減らすっていうね。
そうですね。読んでてね、こっちまで肩に力入るとかあるんですけど。
なんだけどここからがね、この本の真骨頂と言える部分でね。
あのトトロに似たね、男の一家ね。
あの羊飼いの一家のくだりなんですけど、僕結構一番好きかな。
体重150キロぐらいありそうな巨大のお父さんがね。
写真も出てきますけどね、本の中ではトトロお父さんって呼ばれてるんですけど。
てかタカノさん呼んでるだけなんですけど。
緊張地帯のはずなんだけど、懐に入った瞬間もう温かさがね、爆発するっていうかね。
いやあそこいいですよね。長さ50センチから1メートルまでの自家製の巨大な薄焼きパン。
あとはハーブ入りチーズ。
ハーブ入りチーズ本当においしそうね。
あとはグラスが開くたびに注がれる無限チャイ。
そう、無限チャイ。
川辺で女性たちが飼ったばかりの羊毛とか、羊毛の塊とかね、小麦を浅瀬で洗ってるんですよね。
だから川が暮らしのバックヤードになってるけど、ああいう描写がもうなかなか領上をそそるというか。
そうそうそうそう。だから、小屋し汁みたいなね。
人生最高クラスのもてなしにある。
緊張と優しさが同じ場所に同居してるっていう。
腹壊すんじゃないかと思うんだよなあ。
これ上から地図で見下ろしてたら、紛争地帯の一角ってことで終わってた場所なんですよね。
低いところに降りて懐に入ったからこそ見えた優しさですよね。
ここから山を一つ越えると、さらにまたとんでもない世界に出るんですよね。
デルシム:水着と酒の桃源郷とアレビーの信仰
そうでした。
来ましたね。デルシム。
本の中でも一際強烈な水着と酒の世界っていうね。
だから山を越えてムンズル川の領域に入った瞬間、
タカラさんは本当に異次元にワープしたみたいになっちゃうんですね。
そうですよね。なんかイスラムの世界だから酒ないんじゃないかと思ってからっていう。
これ僕も読みながら何度も米国に戻りましたけど、
さっきまで女性は全員ベールで、お酒はゴハットの世界だったんですけど、
このデルシムに入った途端にノンスリーブにホットパンツで水着で川遊びしてるっていう。
スーパーにはすごく酒が並んでいて、犬が店先でものんびり昼寝してる。
だからイスラムで不条件される犬ですからね。
極めつけが政治。
そうですね。これがすごくて。
デルシムって本書で描かれてる当時はトルコでかなり珍しく共産党系の市町はいた土地みたいですね。
チェーゲバスの焦燥があちこちにあったりとか。
あれ知った時にちょっと頭バグりましたよね。
中東のど真ん中になんでそんな峠橋みたいなのがあんだっていうね。
そのなぜの答えがこの土地の人たちのアイデンティティにあるんじゃないかなって。
彼らはアレビーっていうイスラムの中の少数派。しかも民族的にはクルド人っていう。
そうですね。つまり二重のマイノリティですよね。クルド人でありかつアレビーである。
だから多数派の寸人派のトルコ人からは迫害されてきたような側面っていうのもあって。
だから彼らっていうのは生き延びるために全ての人間は平等だっていう理念を求めて
世俗主義とかサハの方向に引かれていったっていう切り身ですね。
それが共産党の主張だったりとか自由な空気感に繋がってるんじゃないかと。
そうですね。だからあの峠橋はただのユートピアじゃないんですよね。
迫害の歴史の裏返しっていうか、笑ってる場合じゃないっていうところもあるんですよね。
だから彼らの信仰の中心にはものすごく美しいものがありますよね。
あれはグッときますね。
で、デルセミオ流れるムンズル川。
本書でパタゴニア級だって評価されるほどの奇跡の透明度なんですよね。
さっきのコヤシ汁と同じ水景とは思えないですよね。
これも写真とか出てますけど、
あの透明度の謎を知識学で解き明かすところがあって、
あれは知的にすごく興奮しましたよ。
だから原流のムンズル山脈、3000メートル級の山で、
その雪解け水が氷河を削ってできたモレンっていうね、
天然の土砂のダムみたいなものに染み込んで、
それで完全に地下でろ過されていく。
そうするとキーンと冷えた水が岩肌から湧き出す。
だから自然が作った巨大な浄水器みたいなもんですよね。
その原流がアレビーの人たちの聖地ムンズルババっていうね、
湧き水にロウソクを灯して祈るっていうね。
ここでハットスリー説出てくるじゃないですか、
自然が豊かだと一神教にはならない。
水と木と火を敬う八百頭の神になる。
虐殺の記憶と歴史の地層
そうですね。
あそこね、不全がありましたよ。
トルコの山奥の聖地が完全に、
日本のアニミズムと同じことを言ってるっていうね、
ちょっと鳥肌もんでしたね。
なんか共鳴できるとこありますよね。
彼らはモスクにも行かないし、
ラマダンの断食もしないし、巡礼もしないと。
その代わりに信仰を伝えているのが、
サズですよね、原楽器ね。
長いネックのリュートみたいな楽器で、
モスクを持たない彼らにとっては、
銀融詩人がつま弾くサズの音色こそが、
信仰を伝えてコミュニティをつなぐ、
祈りそのものであると。
デデっていう聖職者が、
その演奏を父から子へ、
信仰ごと受け継いでいるんですよね。
楽器がお経でもあり、お寺でもあるんですよね。
この章、ただ美しいだけじゃ終わらないですよね。
そうなんですよね。
この聖なる楽器には、
すごく重い歴史も刻まれているんですよね。
1937年から38年の、
デルスイム大虐殺というのが、
実はありまして、
トルコ号の弾圧で、
数万人が犠牲になったと言われています。
自由な桃源郷って、
その記憶の真上にあるんですよね。
しかも、お話は過去だけでは終わらない。
そうですね。
1993年には、
トルコの街で、
アレビーの知識人や、
サズストー社が泊まっていたホテルが、
放火されて、
37人が亡くなっているという。
あの下りは、
さっきまでの多幸感から、
一気に背筋が冷たくなっているような、
結構ここは考えさせられましたね。
分かります。
あの美しい川底には、
人の歴史がね、
地層みたいに積み重なっているということですよね。
一番上には、
今の透き通った清流があって、
その一枚下には、
虐殺の記憶があって、
そのさらに下には、
何百年もの迫害の歴史があるっていうね。
だから川を下るって、
その地層を一枚ずつめくっていくようなね。
そういうことなんじゃないかなっていう。
低いところまで降りて、
人の中に入っていかないと、
その地層って絶対に見えてこないですよね。
そうなんですよね。
ティグリス川とハサン・ケイフ:文明と欲望の交錯
さて、ここまでで2つの川旅ですね。
ドロノムラトと清流のムンズル。
残るが最後の3つ目ですよね。
そうですね。
ここでガラッと変わって、
もう1本のタイガ、
ティグリス川の方に移るんですね。
高さ70mの絶壁が、
延々と続く大峡谷を、
ひたすら下っていくっていう、
そういう区間ですよね。
その峡谷を下り切った先に待っているのが、
崖に張り付くように築かれた古代都市、
ハサン・ケーフですよね。
そのハサン・ケーフを前にして、
僕1つの問いに当たったんですよね。
首都さん、僕たちって学校で、
4大文明は大きな川のほとりで生まれた、
っていう風に習ったじゃないですか。
習いましたね。
でも、この本を読んでいると、
その常識を逆さまに問い直したくなるんですね。
文明って川から生まれたんじゃなくて、
川を管理したいとか、
支配したいっていう欲望から生まれたんじゃないかな。
なるほどね。
でもそれ、僕もちょっと近いことは考えましたね。
考えして治水して川をコントロールして、
都市を作るっていうのが、
文明の始まりだとしたらそういうことですよね。
そうですね。
今まさに同じような欲望が、
暴走してるんじゃないかと。
トルコは巨大なダムっていうのを、
次々に作っていて、
テクニス川沿いにあった、
1万年以上の歴史を持つとも言われる、
古代都市ハサンケーフ。
これがダム湖の、
そこに沈んじゃったんですよね。
大峡谷と、丸ごと水の下なわけじゃないですか。
だから、宝野さんたちのあの旅って、
もう二度と誰にもできないっていうね。
文字通り世界最後の船旅だった。
貴重ですよね。
1万年以上ですからね。
メソポタミアの文明の5000年から、
さらに倍近く遡る場所ですからね。
それがもう、現代のダム湖に沈んだっていうね。
あの二人はちょっと胸が痛くなるんですよね。
しかも奇跡の西流、ムンズルでさえね、
上流での金鉱脈の採掘計画で、
微妙な状況になってるっていう。
そうそう。
久しぶりに訪れたら、全然変わってたっていうね。
つまり、文明を生んだはずの欲望が、
今その文明の遺産を沈めて、
原流の世界そのものを脅かしてる、
みたいなことになりますよね。
さっきまでゴミ袋で船を膨らませて笑ってたのにね。
急に重たい話になるっていう。
だからこの楽さですよね、泥棒の凄みっていうのがね。
高野さんがこの旅で目撃したのは、
もしかしたら5000年続いてきた一つの世界の
最後の姿かもしれない。
笑える川下りの本だと油断してると、
後半でグッと刺されちゃうんですよね。
「江戸ポタミア」:荒川に見るメソポタミア
でも内田さん、僕この本で一番こう来たかって思ったのは、
実は後半の江戸ポタミアのショーなんですよね。
そこ来ますか。
まあいいですよね、江戸ポタミアね。
そうですよね。
この本でいきなり東京の川まで話が飛ぶんですよね。
江戸とメソポタミアで江戸ポタミア。
この本の中で荒川と多摩川の2本の川が、
ティグリスとユーフラテスの2つの河川の構造に
そっくりだっていう風に語られるんですよね。
特に荒川が凄くて、
サップで荒川を下る場面で、
川幅も水の量も、岸辺の流れも、
眺めもティグリス川そっくりだって。
食性が似てるってね。
本当かよって思いましたけどね。
だから本の中で埼玉のティグリス川って呼んでるんですよね。
埼玉のティグリス川ね、最高ですよね。
で、こっからその見たてをね、
僕らなりに広げた地図遊びをやりたいんですよね。
でも首都さん、埼玉のティグリスって荒川?
荒川の上流って秩父の長トロですよ。
長トロですね。
行けちゃうんじゃないですか、もう。
行けちゃうか?
降るまで2時間くらい。
2時間くらい?
ええ。
え、行きます?
じゃあ行っちゃいます。
行きます?
じゃあ行きましょう。
ないとーさん、本当に来ちゃいましたよ。
埼玉県長トロ町、
しかも荒川上流の我々なぜかほとりにおります。
はい、長トロに着きました!
そこまでは良かったんですが、
首都さん、まさかの川の増水により船が出ないと。
そうですよね。
あの、冷静に振り返れば、東京にいる時に調べれば分かったはずですよね。
ちゃんとね、今週はみんな連日運休だったんですね。
台風来たりとかしましたからね、直近でね。
まあ、そんなわけで気を取り直して川のほとりで収録を続けましょう。
うん、なんですけど、まだ僕ちょっと気持ちの整理が続いていない。
あの、このね、椅子借りたさっきは結構あの、
遠くから運んできて我々こう川っぺりギリギリのところで並べてる時に
いやいやいやいや。
何やってんの、ここ。
こういうのもノンフィクションですね。
そうですよね。
ちなみにあの、もしかしてね、背景ご覧になって
なんか船行けそうじゃんって思うかもしれないですけど、
これ割と下流の方に行くとちょっと激しいところが流れがあって、
岩場とかあって危ないっていうんで、運休らしいですね。
まあ、いずれにしてもですね、
もうあの、とにかく荒川の上流付近に来ました。
来ました。
しかも川。
で、あの、3人がね、ゴムボートでメソピョタミンを下るならですよ。
僕らは船に2人で長取ろう。
しかも乗れずに川。
そうですね。
もうめちゃくちゃスケール小さくなりましたよね。
3人が2人、もうメソピョタミン屋が長取ろうね。
でもあの、ないとーさん見てください。
あの正面ね、長取ろう名物岩畳ですね。
8000万年前の海底の隆起によってできたっていう。
これはぶらたまりの受け売りですけど。
そのね、岩畳のようにたくさん人が乗って、皆さんこちらを見下ろしてます。
あの小さな子供に見下ろされてますね。
あのポツンといる2人何だって絶対みんな覚えてます。
さっきスタジオでね、道路は見下ろす、川は見下ろされるって僕ら偉そうに語ってましたけど、
今まさに僕ら見下ろされてるわけですよね。
そうですね。
喋っていた一番低いところに本当に降りてきたと。
丁寧ですね。
めちゃくちゃ実感してますね。
で、この荒川で続きの地図遊びですよね。
荒川がチグリスで、玉川がユーフラです。
日本橋とか江戸城のあたりを古代都市ウルクみたいな都市の中枢に置いてみたいな。
そんな感じでね、重ね合わせていくと面白いんじゃないかなって話なんですよね。
笠井から岬徳、浦安にかけての水辺の定地がイラクの湿地帯アフワールに見えるということですよね。
で、この荒川の源流をたどっていくと奥地地部には三峯神社があって、
これがメソポタミアの北方にある聖なる源流に重なるという見立てですよね。
三峯神社もパワースポットとしてすごい有名ですもんね。
そうですね。
だから、つまり東京も2つの川に挟まれて生まれた歴史とした川の文明ということだと思うんですね。
今日僕らがいるこの長トロは荒川の源流に近い上流部。
だから地図で言えば聖なる源流のあたりを実際近くまで来ているということなんですよ。
そうですね。
結構ね、今僕ひしひしとリアルだでも感じでね、荒川なのに。
まるでトルコのようなって思うのが、さっきまで話したトルコのクルド人。
本の中に彼らの新年の祭り、ネウローズが毎年3月。
この荒川の河川時期の公園で開かれてるってね、出てくるんですよね。
そうなんですよね。
実際、埼玉のワラビとか川口にクルド人のコミュニティとかもあって、
ワラビスタンとかでよく言うじゃないですか。
本に出てくるクルド人の人たちがね、この荒川沿いのすぐそこの街で暮らしていて、
しかも今僕ら荒川の上にいるっていうね。
そうですね。だからなんかね、ちょっとリアルに感じられるっていうか、
メソポタミアって地球の裏側だけの話じゃないんだなっていうね、
遠い冒険記だと思っていたのに、最後足元に着地するっていうかね、
完全に一言じゃないんですよね。
そうですね。
二つのメソポタミア:上流の不条理と下流の理不尽
それでですね、この流れで一冊だけ関連する本をもうだいたい予想ついてますよね。
予想ついてますよ。これはもうね、同じ高野さんですよ。
イラク水口伝ですよ。
名著ですよ。
冒頭3人男がいわゆる下るのがティグリスユーフラステス水系のいわゆる上流の部分。
そうですね。
トルコの話が中心なんですね。
で、イラク水口伝が下るのが同じ水系の下流の方でイラク川というこの2つでですね、
2つのメソポタミアになるということなんですね。
この上流と下流って、ただの場所の違いだけじゃないんですよね。
というと。
今日の本で下っている上流の部分の源流域っていうのは、まだ文明が生まれる前の場所。
人類最古の神殿があったりとか、あとは世界最古級の麦栽培の鉱石があったりということで、
いわば文明の趣旨にあたるところだと思うんですね。
そっかそっかそっか。源流が、文明が生まれた始まりの場所ということですね。
そうですね。ところが下流のイラク側の、例えばアフワールのこの湿地帯は本当に真逆で、
古代シュメルに通じるこの藁の家が今も建てたりとか、
あとマンダ京都みたいな古い少数派の基地とかが残ってたりとか、
あとはね、はみ出し者が最後にたどり着くようなアジールみたいな避難所にもなってたりするんですね。
イラク水古伝っていうのはそこを新世紀涼山伯と呼んでいるんで、
言ってしまえばですね、文明の記憶が育児にも沈殿した場所ということなんですね。
文明の趣旨、種と沈殿。
はい。だから源流で生まれた水が一番下流でゆっくり溜まっていくと、
その底に5000年分の記憶が地層みたいに積もっているということで、
今僕らがいるこの荒川だって一番下の河原に石がずっと溜まっていくじゃないですか。
あれと同じような話だと思うんですね。
なるほど。その対比は結構グッときますね。
あとね、冒険って探検の質までね、苦労の質まで反転するというところがあって、
今日の冒頭三人男っていうのは相手が自然なわけですよね。
だから灼熱の太陽とか泥とか嵐とかっていうね、いわゆる理屈抜きの、ただ不条理な苦労。
そうね。自然はどうにもなんないですよ。今日どうにもなんなかったですからね。
僕らも不条理に負けずにね。
ところがイラク水古伝っていうのは相手が人間だから、
種族の顔役だったりとか秘密警察とかね、
人間関係と政治のちょっとねっとりとした理不尽みたいな世界なんですよね。
不条理と理不尽ね。自然に翻弄される上流と人間関係に絡めとられる下流っていう対比ですよね。
その理不尽のど真ん中で湿地帯のね、党領が言うセリフがありますもんね。
将来は暗い、でも今日は楽しもうというセリフがいいんですよね。
だからこの2冊、ぜひセットで上流の不条理と下流の理不尽、両方をそどって、
メソポタミアの水系が丸ごと見えてくるということになります。
スタジオで水着と酒の桃源郷とかってくだらない話で笑ってたら、
最も低い場所から見上げた豊かな世界
気がついたら部屋を飛び出して、こんな川の上流まで来ちゃいました。
何やってんすかね。
最後に一言だけね。ニュースとか地図が語る中東って、
いつも上から見下ろして終わらない紛争地の姿でしかないと思うんですね。
でも一番低いところから、冒頭から見上げる景色っていうのが、
そこには多様な歴史の地層があって、
素敵な音楽があったりとか、あとは奇跡の清流が流れるみたいな、
まるでパラレルワールドみたいな世界が広がってるんですね。
この本っていうのは、そういった景色を存分に見せてくれると。
見下ろすか見上げるかで、同じ場所でも見る高さでまるで違う世界になるっていう。
今ここにいて岩畳の上見ると、ほんと実感しますね。
見下ろされるってこういうことなんだっていうね。
あいつらなんだって絶対思ってますよ。
今日の本の中で下ってきたテギュリスとユーフラテスが、
最後に注ぎ込むのがペルシャ湾で、その出口にホルムズ海峡があるわけですよ。
僕らがこのホルムズ海峡の話とか聞くときって、
大体石油とかユージとか大黒の二雷見とかいろいろあると思うんですけど、
全部地図を上から見下ろしたときの景色になるんですよね。
そうですね。
でもその同じ水なんですけど、一番上流まで遡って低いところから見上げると、
それこそ水着で川遊びする若者がいたりとか、サズの音色が流れてきたりとかね。
それからトトロ島さんね。
妖精たちと船を運んでくると。
大好きですね、トトロ島さん。
チャイを注いでくれる。無口なトトロ島さんがチャイを注いでくれるっていうね。
同じ一つの水景なのに、見る高さでここまで表情が変わると。
だから世界を本当に知りたければ、一度一番低い場所まで降りてみなきゃいけないってことだと思うんですよ。
だから実際に僕らも降りてみようとした。
トライはした。
スタジオ出て荒川の上流のほとりまで。
道路の上から常識の目で見下ろすんじゃなくて、一番低いところに身を委ねて見上げてみると。
それが世界を理解するための究極の探検なんだというふうに思うし、
トルコの川でも今日の荒川でも同じなんじゃないかなと思うんですね。
低いところまで降りてこそ初めて見えてくる世界があるという。
最も低い場所から見上げた最も豊かな世界の話ですよね。
この本が見せてくれるのは結局そこですよね。
まさにその一言につきます。
最も低い場所から見上げた最も豊かな世界。
ぜひこのエソポタミアの坊主三人男を手に取ってみてください。
番組の感想もお待ちしています。
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それではまた次回お会いしましょう。
プレゼンターの内藤潤人。
ナビゲーターの首相淳也でした。
また来週。
37:39

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