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#18 『命を選ぶ 遺伝病の運命に抗ったある女性の物語』「我が子を救いたい」は命の選別なのか?
2026-06-05 18:24

#18 『命を選ぶ 遺伝病の運命に抗ったある女性の物語』「我が子を救いたい」は命の選別なのか?

【本日紹介の一冊】
『命を選ぶ 遺伝病の運命に抗ったある女性の物語』(祥伝社、下山進・著)

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【エピソード概要】

我が子に高い確率で遺伝するがんを防ぐ技術「着床前診断」。それを使いたいという母親の愛と、「命の選別である」と反対する障害者団体の尊厳の叫び。悪人が一人もいないからこそ噛み合わない「正義と正義の衝突」を描き出す。机上のマクロな抽象論に対し、今目の前にいる我が子を救いたいという当事者のミクロの事実が突きつける問いとは? 生命倫理のタブーに切り込み、科学の進化と社会のねじれを語り尽くします。


【チャプター】

() がんを防ぐことが、命の選別になる?

() 視力か? 命か? 生後3週間で迫られる選択

() 悪人がいないからこそ地獄

() 未知のテクノロジーに対する倫理的パニック

() 「内なる優生思想」と新たな「正義」の拡大

() ミクロのリアリティがマクロを突き崩す

() 命の尊さを知る医師が開いた扉

() 3つの名著が照らす構造

() 当事者なき倫理、歴史なき自己決定


【出演】

プレゼンター :内藤 順

ナビゲーター :首藤 淳哉


【関連書籍】

ネアンデルタール人は私たちと交配した

科学の発見

サイロ・エフェクト


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【収録場所】

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サマリー

このエピソードでは、遺伝病を持つ子供にがんが遺伝する可能性を防ぐための着床前診断の使用を巡る倫理的なジレンマが掘り下げられています。主人公の野口舞子さんは、自身が幼少期に目の癌を患い、その遺伝的リスクを持つ第二子を出産した経験から、着床前診断を強く望みます。しかし、日本では障害者団体の「命の選別だ」という反対運動や、優生思想につながりかねないという懸念から、この技術の利用が認められていません。 この問題は、子供を救いたいという母親の切実な愛と、障害を持つ人々の尊厳という、どちらも正当な「正義」が衝突する複雑な状況を生み出しています。さらに、社会学者やフェミニストの一部からは、個人の選択が「内なる優生思想」を助長し、女性が社会的な圧力で選択を強いられる可能性が指摘され、議論はさらに複雑化します。著者は、この対立を善悪ではなく「ミクロ(当事者の現実)」と「マクロ(社会全体の抽象論)」という軸で読み解き、当事者の声がマクロな議論を動かす力を持つことを示唆しています。 また、障害のある命の尊さを現場で知る医師の視点も紹介されます。この医師は、当初は着床前診断に葛藤を抱えつつも、親が事前に情報を得て悩み、別の選択をする権利も重要であると確信するようになります。この本は、当事者の生きた事実と、過去の差別や歴史を踏まえた上で、どのように未来に進むべきかを問いかける「地の総力戦」であると結論づけられています。当事者抜きの倫理や、歴史を無視した自己決定は新たな暴力になりかねないという警鐘を鳴らし、分断された社会を解きほぐすための視点を提供しています。

がんを防ぐことが命の選別になる?
ちょっと聞いてもいいですか?
自分から生まれる子供に、高い確率で重い癌が遺伝すると分かっていたとします。
それを事前に防げる医療技術が、今、目の前にある。
使いますか?
使います。
我が子が苦しむと分かっているなら、親としては当然の選択だと思いますね。
ですよね。その技術、今、日本で使おうとすると止められるんですよ。
それは命の選別だとか、優生思想だから許されないということなんですね。
癌を防ぐことが命の選別になるんですか?
はい。それがなると言われてしまうんですね。
今日はそのねじれの話をしたくて。
ねじれですか?
我が子を救いたい母親の愛と障害者団体の尊厳
はい。正義と正義がレイヤーが違うせいで、かみ合わないまま対話が断絶してしまうと。
読みながら、僕は何度も打ちのめされた本なんですね。
そこまで打ちのめされるというのはどんな本なんでしょう?
はい。今日紹介するのはですね、
命を選ぶ遺伝病の運命に抗ったある女性の物語という本です。
著者は下山すすむさん。商店舎から出ている一冊になります。
改めまして、こんにちは。
ビビルジアム、本日プレゼンターを務めます内藤潤です。
ナビゲーターの司藤潤也です。
日本橋浜町のブックカフェ、浜ハウスからお届けしております。
内藤さん、今回も気になるテーマですね。
はい、そうなんですよ。
この本の主人公、野口舞子さんという方で、もちろん実在の女性なんですけども、
彼女自身がですね、生後4ヶ月の時に目の癌を発症して、
目の癌。
右目を摘出されているんですね。
生後4ヶ月で、右目を。
そしてその野口さんから生まれたですね、第2子の七瀬くん。
彼もですね、生後3週間で遺伝という宿命を背負った同じ癌を発症してしまうんですね。
ああ、3週間ってまだ生まれて間もないですね。
その時期に癌の治療が始まるんですね。
レーザーとか化学療法とか選択肢が限られる中で、彼女は治療に沸き添い続けるんですね。
いやあ、気の毒だなあ。
だからこそ、彼女は第3子を望む時に、ある決断をするんですね。
癌の遺伝子を受け継いでいない受精卵だけを子宮に戻す着症前診断を受けたいと。
着症前診断、技術的にはできるんですよね。
はい、技術はありますし、実施している国もあると。
でも日本では、日本産科婦人化学会に申請したら、却下されてしまうということなんですね。
却下っていうのは何でなんですか?
1970年代から続いていた、障害者団体の運動っていうのが背景にあるんですね。
青い芝の甲斐って呼ばれる、脳性麻痺の当事者の団体などがずっと叫び続けてきたんですね。
どういう叫びですか?
障害があるから生まれる前に排除する。
それは今生きている自分たちの存在を否定することだって言うんですよ。
ああ、まあでもそれは障害を持っている同志者からしたら、そう聞こえてもっていうところがあるかもしれないですね。
そうですね。我が子に辛い思いをさせたくないっていう母親の切実な愛と、
生まれる前に排除するなら、今生きている私たちの存在否定だと訴える障害者団体の方の尊厳と。
これね、読んでて本当に辛いんですよね。
どっちも100%純粋な正義じゃないですか。
なのに絶望的なくらい噛み合わないっていうね。
両方とも間違ってないですもんね。
そう。だから悪人が一人もいないと。
登場人物誰もが自分の最も大切なものを守るために100%全員で動いている。
だからこそ地獄なんです。
悪人がいないからこそ地獄ってすごい言葉ですよ。
そう。もう正義の反対は悪ではなく、また別の誰かの正義であるって言葉あるじゃないですか。
あれを字でいくようなこの本のテーマですね。
未知のテクノロジーに対する倫理的パニックと沈黙
でも内藤さん、新しい技術と社会のぶつかり合いっていうのは今までも何度もありますよね。
そうですね。いわゆる未知のテクノロジーに対する倫理的パニックってやつだと思います。
最近だとCSAIの登場の時もまさにそうでしたよね。
人間の仕事が奪われるとかフェイクニュースで世界が壊れるんじゃないかとか。
大詐欺になってますね。
ただCSAIの時は議論ができたわけですよ。
ルールをどう作るかって賛成派も反対派もメディアとか国会とか企業の場とか
割とオープンにけんけんかくかくやったじゃないですか。
ルール作りの議論なんか今も続いてますしね。
ところが着症前診断は違ったんですよ。
そもそもテーマが妊娠とか出産みたいにセンシティブな領域であるってことに
加えて優先思想とか障害者の尊厳みたいに
そういうことに直結しかねない状況なんですよね。
だからうかつな発言で誰かを傷つけてしまうみたいなことを恐れて
なんか社会全体が口を閉ざしてしまったみたいなところで
ゆえに議論も停滞しちゃったっていうことなんですね。
パニックになった後に誰も口をつぶんじゃって言いづらくなっちゃった。
だから沈黙のタブーみたいな感じになって時間が止まってしまった間
当事者だけが何十年も取り残されて苦しみ続けちゃったっていう構図だと思うんですね。
新たな「正義」の拡大と「内なる優生思想」
ここからがさらに怖いところでね。
ぶつかっていた正義っていうのが患者と障害者団体の2つだけではなかったって話なんですよ。
また正義があるのに増えるんですか?
増えるんですよ。
最初は1対1のぶつかり合いみたいになったのが
まるでたまつき事故みたいな感じで
社会学者の方面とかフェミニストの一部の方面とか
新しい正義っていうのが飛んでくるんですね。
それが内なる優勢思想っていう言葉なんですよ。
内なる優勢思想。
こういうロジックなんですね。
日本にはかつて優勢保護法があって国が強制不妊手術をしていましたと。
今はその法律はないと。
だから着症前診断は個人の自由な選択でいいはずですよね。
そのはずです。
ところがその人たちが言うのは
国家の介入がなくても社会の中とか
一人一人の心の中に障害者を忌避する内なる優勢思想が残ってるっていうんですよ。
心の中の差別と言われてもなかなか外からも見えない。なかなか大変ですね。
だから技術が使えるようになると
女性は周囲のプレッシャーでその選択肢を取るってことを
余儀なくされるんじゃなかろうかと。
つまり女性自身が優勢思想の道具にされるっていうね。
そういうロジックなんですね。
でもですよ。
それって我が子に苦しみを遺伝させたくないっていう母親の愛情まで
あなたは社会の差別に加担してますよって言ってるっていうことじゃないですか。
そうなんですよ。
だから母親の切実な愛っていうのが
加害者性みたいに書き換えられちゃうっていうね。
さらに医療界からはですね、ここまで認めたらデザイナーベイビーにつながるみたいな
また別の正義っていうのが飛んでくると。
いわゆる滑り坂論法ってあるじゃないですか。
ここを越えると止められないっていう。
歯止めがつらなくなっちゃう。
だから科学の暴走を警戒する保守派とか
保守派の医療者とか学会の声っていうのも上がってきたと。
なるほど。
患者障害団体だけじゃなくてそこに有識者とか
いくつもの陣営が入り乱れるわけですね。
時間軸の違いが引き起こす対話の断絶
そうですね。
なかなかしんどい状況ですね。
そうですね。
これ本当に読んでてね、本当にしんどくなってきます。
ここで決定的なのが、全員が見ている時間軸が違うってことなんですよ。
時間軸。
そう。
患者さんは今目の前の命を救うために必死じゃないですか。
妊娠のタイムリミットもある。
障害者団体の人は過去の郵政保護法からの
差別体験みたいなのが続いていくっていうのを恐れていると。
あと学会や有識者っていうのは
未来の社会構造とか倫理の崩壊っていうのを暗示してるんですよね。
だから同じテーマで対話してるんだけど
見てる時計が違うから言葉が交わらないんですね。
しかも全員が全員に基づいてるから。
しかも見てる時間が違うと。
それは噛み合わないですね。
そうなんですね。
この複雑に絡み合った正義の連立方程式みたいなものなんですけど
これを著者がどう解き明かしたのかって話したんですね。
ミクロのリアリティがマクロな議論を動かす
それがこの本の凄みなんですけども
著者は善悪っていう軸じゃなくて
ミクロとマクロっていう軸で
これを読み解いていったって思うんですね。
善悪じゃなくてミクロとマクロ。
社会のルールとか
イレオロギーっていう安全権からのマクロな抽象論に対して
当事者たちっていうのは逃げ場のない
ミクロの圧倒的な事実
リアリティを叩きつけるってことで
現状動かしたんですよね。
著者はそれをですね
外からタブーを破った人と
内から扉を開けた人っていう
2つの方向から描いていると。
ミクロの中にも外側と内側があるということですね。
はい、そうですね。
命を選ぶという母親の選択
まず外側っていうのは?
はい、外側からのミクロっていうのが
まず患者さんである野口舞子さん自身ですね。
彼女は密室のタブーを破って
自分の実名とか
あとは子供の顔まで出して
社会に問いかけるっていう
大変なことだと思うんですよね。
それはすごい覚悟だと思いますよ。
後着状態で行われた
いわゆる公開で行われた
連日審議委員会にも参加するんですね。
そこである社会学者さんが
野口さんの前でこう言うんですね。
海外ではこの件は10年も議論したんだと。
日本でもじっくり時間をかけて議論すべきだ。
それはちょっとないんじゃないですかね。
さっき内藤さん言ってたけど
野口さんって第三子を望まれている状況で
だから妊娠的歴とかいろいろあるはずで
今この瞬間に子供を望んでいる野口さんの前で
そういうことを言ったってことですね。
そうなんですよ。
眼球を摘出される我が子を見ている母親の目の前で
10年待てと言い放つ。
正義ってタコツボ化すると
ここまで残酷になれるんだなっていう印象ですね。
そうですね。
ちょっと人ごとに感じちゃうような発言だなと思いますが
それはもうやっぱり安全な場所にいる人の
マクロな理屈だなという感じがしますね。
そうですね。野口さんこの10年議論すべきだっていうね。
そのマクロの苦労に対して
今まさに苦しんでいる私のこの子をどうするんだっていう
この圧倒的なミクロの事実っていうのを
叩きつけることで
社会の硬着っていうのを突き崩していったと。
あともう一つ重要なのが
彼女がそこまでして求めたのが
決して命を選別する許可ではないってことだと思うんですね。
選別じゃないと。
選別って死体が誰かって話で
今その社会とか第三者が
この命は良くてこの命はダメだみたいに
基準を決めて弾くってことじゃないですか。
それだと選ばれなかった命の存在そのものが否定されてしまうんですね。
それは確かに暴力的ですよね。
そう。でも彼女が求めたのはそういうことじゃなくて
目の前の我が子のために
親が最善の道を探せるオプションを増やすっていうことだったと思うんですね。
だからこの本のタイトルも
命の選別じゃなくて命を選ぶになってるんですよ。
なるほど。私が選ぶんだということですね。
それが外側からのミクロで
じゃあ内側っていうのは何ですか?
医師が開いた扉:障害のある命の尊さと親の選択権
はい。こちらはですね
医療者の方たちの動きなんですね。
さっきの野口さんとは別の家庭で
男子を持って生まれて
重い合併症を抱えながらね
周囲に深く愛されて
20年を輝かしく生き抜いた
和美ちゃんっていう女の子がいるんですけども
和美ちゃんに寄り添った3階で
山中先生っていう先生がいるんですね。
20年も寄り添い続けたんですね。
山中先生は障害のある命の尊さっていうのを
現場で誰よりも知ってるから
最初は命を選別に繋がりかねない
着症前診断に強く葛藤してたんですよ。
でもご家族の過酷な現実にも
長年伴走し続ける中で
確信持つようになるんですね。
確信。どんな確信ですか?
親が何も知らされないまま
この現実を突きつけられているのは
あまりにも残酷じゃないかと。
事前に知って悩み抜いて
別の選択する権利っていうのを
親から奪っていいはずがないじゃないかっていう。
ああそうか。
障害のある命の尊さを知り尽くした
お医者さんだからこそ
親が選択する権利も不可欠だということに
気づいたわけですね。
和美ちゃんの人生そのものが
障害のある命の尊さってことと
親が選択できる権利や必要性っていう
一見真逆に見える二つの正義を
一人の生き様の中に同居されてたってことなんですね。
真逆の正義が一人の人生の中にあるってのが
これもすごいですね。
だから社会の議論ではこの二つが
真っ向から対立正義として
反目し合ってきたわけですよね。
でも和美ちゃんって生身の命の事実っていうのが
現場の意思に両立できるんじゃないかっていう
そういう答えを導き出させるってことに
繋がったんですね。
だからこの3回の山中先生って
自ら厳しい倫理委員会の内部から
固く閉ざされた扉っていうのを
こじ開けることができたということなんですね。
ところで著者は下山進さんですけど
関連書籍が照らす構造:DNA、科学、サイロ化
どういう方なんですか?
元文芸春秋の編集されてた方で
僕は本図時代に編集者別に分けると
一番多く書評を書かせていただいた方かなと
確かに我々の中で編集者ブランドってありますよね。
下山ブランド。
本書の内容とも関連するような
3冊を紹介したいなと思います。
ぜひお願いします。
1冊目がノーベル賞を受賞した
ペーボ博士の1冊で
ニャンデルタール人は私たちと交配した
良い本ですね。
これはわずかな古代DNAから
全技能を解読するという
壮大な苦闘を描いたフィクションですね。
今回の着想前進団というのも
その延長戦中にあるんじゃないかなと思っていて
DNAテクノロジーが人間の運命をどう揺さぶるのかみたいな
そういうところで少しテーマとして
接続しているんじゃないかなと思いますね。
目の前の命を選ぶというのと
古代DNA解読の技術が繋がっているんですね。
2冊目がワインバーグの科学の発見
これは人類が宗教的、哲学的な思い込みから脱却して
近代科学を確立するまでの
血みどろの戦いを描いた本なんですね。
この本が突きつけるのも
新しい科学の扉が開いたとき
社会はどう対峙するのか
そういうテーマで直結しているんじゃないかなと思いますね。
まさにこの本と一緒ってことですね。
最後3冊目がジリアンテッドのサイロエフェクト
専門性が高まるほど組織がタコツボ化して
外が見えなくなるという恐ろしさを描いた名著なんですけど
本章もまさに正義のサイロ化みたいな構造で描かれている
というところが近いなと思いました。
命のテクノロジーと科学と社会衝突と
そして正義のタコツボ化
一見バラバラに見える
三つとも大きなテーマですけどね。
その中でも命を選ぶの中で一緒になっているという
だから真っ黒な視点とミクロのドラマというのが
一冊の中でリンクしているという
今回の命を選ぶのの読みごたえに
つながっているんじゃないかなと思いますね。
当事者なき倫理、歴史なき自己決定の危険性
そんなわけで今日は下山進さんの
命を選ぶを紹介していただきましたけど
イデオエロギーじゃなくて目の前の命という
ミクロから出発したからこそ
たどり着けた結論なんですかね。
はい。だからですねこの本は
いわゆる当病気とか
ルポルタージュとかじゃなくて
人間としてどうアップデートしていくべきか
というのを問いかける
地の総力戦みたいな本だなというふうに思っています。
地の総力戦。
はい。要は当事者抜きの倫理は人生を奪うし
歴史抜きの自己決定は
差別構造を見落とすことだと思うんですね。
社会学者が言い放った
10年議論すべきだみたいな話が
なんであんな残酷だったかって
やっぱり目の前の当事者というのを抜きにして
倫理だけを語っていたからだと思うんですね。
そういう当事者抜きの倫理って
その人の人生を丸ごと奪っちゃうじゃないですか。
発言はまさにそうですよね。
で、たとえば
もう一方の話っていうのはもう
決して的外れじゃないんですよ。
もう一方というのは障害者団体とか
ヨーチナル郵政と唱えていた人たちなんですか。
そう。だから
郵政保護法っていうね
過去のこの歴史っていうのを背負ったまま
これはもう個人の自由な選択ですよ
みたいに言い切っちゃうと
その選択を押し切るような
差別構造っていうのを
見落としてしまうんじゃないかと。
歴史を抜きにした自己決定っていうことですね。
そう。これはこれでね
新しい暴力になりかねないだろうな
って思うんですね。
どちらか一方じゃダメなんだと。
だから本書は当事者のこの生きた事実
ってことと長い差別の歴史
っていうのを両方同じテーブルの上に
並べてようやく
前に進めたっていう
アップデートの記録なんだと思うんですね。
両方同じ句に載せないとダメなんですね。
はい。正義が
衝突して誰も動けなくなった時に
やっぱり現状を突破できるのは
一個人の切実な実存
あとは歴史への誠実さ
この両方が揃った時だと思うんですね。
そういう風に社会の
分断っていうのが
起きがちの中でそれを解きほぐるための
武器っていうのを
僕たち読者に届けてくれる必要じゃないかな
という風に思います。
分断を解きほぐす武器としての「命を選ぶ」
読み終わった時にはきっと
命の選別っていう冷たい
感じるような言葉が命の選択っていう
ちょっと温度を感じるような
言葉に書き換わってるんでしょうね。
それは読んで確かめたいです。
はい。ぜひ手に取ってみてください。
さて、ビブリオジャムいかがだったでしょうか。
ノートにビブリオジャムのマガジンがありますので
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チェックしてください。
本日はプレゼンターの内藤淳と
ナビゲーターは志藤淳也でお届けしました。
それではまた次回。
18:24

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