これですね、まず帯に、なぜスポーツのパワハラ問題が国民的な関心を呼び、テレビの情報番組がパワハラ一色に染められたのかとありますけど、
スポーツ界のパワハラ問題を扱った本ということですよね。 はい、パワハラで世間を騒がせたスポーツ界の指導者たち
まあ鈍や拙程ってこの本では言われるんですけど、そういう人たちが登場するんですけど、 まあ皆さんね、キャラが強烈で濃いんですよね。でしょうね。
今、ネットフリックスで細木家族をモデルにした、地獄に落ちるわよドラマヒットしてますけど、 この測られた鈍と拙程も登場人物のキャラが立ちまくってましてですね、強烈なエピソードも多くて、
まあ言ってみればあのドラマを見る面白さはちょっと似ているところがあるんですよね。 ただですね、この本にはもう一つ大きな特徴というか、まあ一つこれは僕問題点かなとも思うところがあって、
実はですね、パワハラをしたとされる当事者への取材に特化した本なんですよ。 なるほど、だから被害を訴えている方じゃなくて当事者に行ったってことですね。
ちなみにあのこの本の取材をしているときに、著者の頭にあった仮タイトルっていうのがこの本なんか出てくるんですけど、 次のようなものだったらそうです。
会ったらみんな良い人だった。 もう一度お願いします。 会ったらみんな良い人だった。
本当に大丈夫ですか、吉野さん。 炎上とか僕嫌ですからね。
ハラスメントってその行為が問題なのであって、当事者の人柄と一緒にダメっていうのが定説じゃないですか。そうですね、ダメですね。
ハラスメント行為は容認しないっていうのは最初に強調しておきたいところなんですけど、 そこを踏まえた上で言うとですね、そもそも会ってみたら良い人だったってのは取材でよくあることなんですよね。
例えば出言とか暴言が結構しばしば問題になるある大物政治家がいるんですけど、
番記者に聞くとみんな口揃えてあんな魅力的な人はいないって言うんですよね。 確かに正解でそれなりの地位にある政治家ですからね、他人を魅了する力もあって当然だと思うんですけど、
ただだからといってその人にやることがすることを肯定できるかっていうのは別問題ですよね。
ちなみにこの本が取り上げているハラスメントってのはどういうものなんですか?
多分聞くと思い出すと思うんですけど、4つの事案を取り上げているんですが、最初は2018年3月、オリンピックを4連覇して国民栄誉賞も受賞したレスリーの市長香織選手が、
本市の坂井和夫監督からパワフルケタって告発したのがありましてね。
坂井監督ってね金メダルを取った選手に肩車されてるとか、マットに投げられたり、いじられるキャラだろうかなと、思ったんですけどね。
オリンピックで言うと十数個だし、世界選手権でも50個以上金メダルを獲得している。国際的にもず抜けた実績がある監督だったので、この告発は衝撃をもって受け止められました。
続いて、日本ボクシング連盟の山根亜紀良会長による誓約独裁ね、これが告発されましたね。
後にプロに転校して世界チャンピオンにもなった村田亮太選手が、ロンドンオリンピックで金メダルを取った時に、リングの下に敵がいたみたいなことを言うんですけど、この発言が出てくるきっかけを作ったのが山根さんだったんですよね。
サングラスでね、パンチの効いたビジュアルのキャラクターでしたよね。
男やまれ。
次は長く女子の体操の指導に携わってきた塚原知恵子教科本部長か、宮川沙耶選手からパーハルで告発されて、
翌年の2019年にはテコンド日本代表らの代表合宿、ボイコット事件というのがあって、これをきっかけに日本テコンド同齢名の金原昇会長は休団されたんです。
ここら辺の事件って連続で取り上げられたから、2年ほどぐらいですかね、その間に縦付き問題が明るみに出たってことですよね。
改めて当時のことを思い出すと、確か週刊誌とかワイドショーが大騒ぎしていて、名前があった指導者もみんなキャラが多かったですよね。
そうなんですよね。だからさっきも話してた日本ボクシング連盟の当時会長だった山根さんですけど、
絵に描いたようなコッテリーしたキャラで、サングラス姿で男山根なんてセリフをね。ワイドショーの格好の担任になったので、テレビ的にもう美味しすぎるキャラだったってことですよね。
待ってましたぐらいのタイミングであのフィジュアリーをしましたもんね。この著者の方っていうのはその当時から取材をしていた?
当時フジテレビで放送された坂上忍さん司会のバイキングに出演していて、番組では告発した側に寄り添うコメントをしたんですけど、
当時は告発された指導者たちと会ったことなかったんですよね。ところがその後、当人たちに会って話を聞くと、事件の全貌が180度変わって見えたっていうわけですよね。
それで実際に会ってみたら、いい人だったと言えることになったんですね。
確かに出てくる人物はみんな面白いんですよね。圧倒的な強烈なキャラクターだったりとか、あと世間でヒールのイメージがあればあるほど、やっぱり楽さのある、めちゃめちゃいい人って言うコメもあったりとか。
実際彼らの話にはすごい僕も読んで引き込まれました。
ジャーナリズムとしては叩かれている側の言い分をちゃんと伝えるってことに見義はあるんですけど、それにしてもこの本は片方に堅入れしすぎじゃないかなっていうのはありますね。
そこが何か注視しなきゃいけないポイントですね。
ただですね、今日は彼らの言い分をこと細かに紹介したりだとか、個別のハラスメントの詳細には立ち入りません。
それぞれ背景が違いますし、中には当事者間の問題というよりも競技団体の権力争いみたいな背景にあるような、当時やっぱり東京オリンピックの前だったりもしたので、いろいろそういうのもあったりしてですね。
その辺りはぜひ本を読んでもらうとして、今回はですね、この本が着せずして炙り出しているスポーツ界の根っこにある問題をですね、今日は取り上げたいと思います。
あら、それ何でしょうか。
この本に出てくる4つのハラスメント事案はですね、それぞれ背景が違うんですけど、1つ共通する点があるんですよ。何だかわかります?
うーん、だから全部アマチュアスポーツですよね。
その通りですね。登場人物の強烈なキャラクターに目を奪われがちなんですけど、本を読んでて一方で目につくのが競技団体のガバナンスの緩さなんですよね。
日本ボクシング連盟を例にとりますと、当時全国大会が開催されると山根会長の起源を損ねないようにですね、おもてなしリストというのが長年共有されていて。
出てきましたね、毎年。
スイートルーム宿泊とかね、豪華な椅子を用意するとか、高級フルーツとかお菓子とかお酒とか、全部銘柄指定までされていて、大会が開催される件は無理をしてでも用意していたってことなんですよね。
だからそんなリストがあること自体がおかしいし、反発の声が上がっても当然ではない。
ところがです。山根卸の大合唱が起きまして、山根さん辞任しますよね。
で、次の会長候補として出てくるのがですね、これまたですね、宮崎でキャバクラ王というのが出てきます。
香ばしい。
しかも、過去に教科書と教養で有罪判決が確定している威惑付きの人物なわけです。
そうなんですか。まあね、その罪を犯してもね、公正した人っているわけですし、その人が会長になってね、結局リーダーシップが発揮できたりとか、組織が生まれ変わったか、そこら辺が大事だと思うんですけど、そこのところはどうだったんですか?
これがね、またね、混迷を極めるんですよ。
えー、そうなんだ。
決して組織が良くなったわけじゃなくてね、挙句の果てには山根会長自体がいるのが良かったとか言うまで出てくるしますっていうね。
身も蓋もないですね。
アマチュアスポーツの競技なんかって確かに緩いところはあるじゃないですか。
ミラノのコルティナオリンピックでも競技団体のプテギアで選手が出場できなかったみたいなケースも記憶に残るし。
ボブスレーですよね。この件をはじめウェブメディアのスローニュースで調査報道グループのフロントラインプレースが、日本ボブスレーリュージュスケルトン連盟って言うんですけど。
そのパワハラ問題なんかも含めて追及してて。先日ようやく問題の言及とされる会長が辞任しましたけどね。
競技に人生かけている選手からすると、たまたまじゃないですよね。
そうですね。どんな場合でも選手ファーストっていう考えはね、やっぱりベースにないといけないと思います。
それとこの本を読んでても感じたんですけど、これ世の中の数勢でもありますけど、組織がオープンであることだったりとか、
手続きの透明性が担保されてるってことがアマチュアスポーツ界に求められてるなと思いました。
やっぱり明るい日の光に晒さないと黒いカビが生えちゃうなと思いますね。
あと本を読みながら反省したのはですね、僕らがいかに忘れっぽいかということですね。
そうですね。絶対怒ってないですね。
当時あれだけワイドショーはね、週刊誌で騒がれるためにすっかり忘れちゃいますね。
そうですね。例えばスポーツと暴力の問題が取り立たされる大きなきっかけってなった事件が2013年にあったんですけど、
内藤さんパッと出てきますか?
2013年ですか?なんだろう、日大のアメフトとか。
それよりも前ですね。
え、わかんないな。
えーとね、大阪市立桜宮高校、現在大阪不立になってるんですけど、
バスケットボール部のキャプテンが顧問の大罰を苦にして自殺した事件ですよね。
あー、覚えてますね。ノンフィクションの本でも出てきましたもんね。
2013年ですか?
そうですね。
痛ましい事件でしたね。
ちょっとプラスして、おそらくみんな忘れてる細かいディテール付け加えるとですね、
当時の橋本徹大阪市長が記者会見で、この事件を大阪の恥って批判して、
入試前のタイミングだったんですけど、入試を中止させて、教員も総督会して、
逆らうようだったら予算の執行を停止するって言ったんですよね。
これ記者会見だけじゃなくて、友達が自殺してショックを受けている桜宮高校の全校集会の前でも言ったんですよ。
でもバスケ部の事件と、多くの生徒の人生に係る入試って別物っちゃ別物なんですよね。
いや別ですよね。でもね、ポピュリスト政治家ってこうして対象を単純に訴えるんだなと思うんですけど。
ちなみにマスコミもこの時無責任に乗っかって、入試中止か、みたいな感じで煽ったんですけど、
そのせいで桜宮高校の生徒たちが峠校中に知らない人から罵声を浴びせられるとかね、
そういう被害も生じたんですよね。
でもこの時、生徒の保護者とか弁護士の有志なんかが声を上げて橋本市長の介入は阻止されたということだったんですよね。
関係ない生徒にまで被害を生んでいたっていうのは、僕らも完全に記憶から飛んじゃってますね。
2013年に話を戻すと、この他にも女子柔道日本代表監督による暴力事件とね、
15名の女子日本代表候補選手が勇気ある告発をしたりとかね。
それから性暴力事件で退学起訴されて裁判をしていた男子柔道金メダリスト。
連覇した人ですね、金メダリスト。
実刑判決が最高裁で確定したり。
スポーツと暴力の問題に一挙に関心が集まった年でもあったんですね。
あれは2013年か。
そうですね。
一昔前の大学のいわゆる体育会計でいうと、4年生が神様で、3年生で人間になってるみたいな。
1年生は奴隷でみたいな話ってよく聞く話でしたけど、
何かそういう過剰な上下関係っていうのが、暴力を乱す土壌になっていたってことですかね。
もちろん伝統的な体育会計文化の悪兵というかね、
隠衆みたいなものもあると思うんですけど。
日本のスポーツ界は暴力を克服できるかっていう、そのものズバリのタイトルの本があるんですよ。
鎌川出版というとこから2013年に出た古い本なんで、
書店にはもう並んでないと思いますけど、各分野の専門家たちの論考をまとめた本なんですけどね。
この本ではスポーツ界はむしろスポーツ界単独というよりも、
日本社会の歪んだ姿を映す鏡なんだというふうに捉えて、
競争原理に基づく社会のありを肯定したりとか、
弱者や敗者をダメだって見下したりするような風潮が背景にあるみたいなことを言ってますけどね。
確かに日本社会全体の問題だとは思いますね。
これってアマチュアに限らずですけども、スポーツ選手と絡んだ時って特に扱いが大きくなるような印象がありますよね。
そうですね。
それはやっぱりスポーツマンシップということまで象徴されるのは健全さを世間がスポーツに対して期待しているからだと思うんですよね。
でも現実にはスポーツの世界にだって政治はあるし、健全さとは程遠いね。
ドロドロした人気関係っていうのもあるし、当然利権を巡る争いっていうのもあるわけですよね。
そうですね。まさにワイドショーなんか食いつくポイントがそこですね。
ただですね、最近はスポーツマンシップって何だろうって改めて考えさせられるような動きもあるんですよ。
そうなんですか?何でしょう?
先日、つい先日です。5月21日から24日にかけてアメリカのラスベガスでスポーツ界を揺るがす国際大会が開かれたんですね。
その名もエンハンスドゲームス。
ああ、あれですね。なんかドーピングがOKになったっていう。
ピーター・ティールが賛同してるっていう。
科学とスポーツの融合を掲げて薬物の使用法を認めることで、人間の身体能力の限界を追求するっていうコンセプトの大会でしたね。
賞金もかなり高額で、元メダリストで参加した選手なんかもいてましたね。
この大会が社会に出会いがけたと言って大きいんじゃないかと思うんですよね。
大きいですね。
ドーピングをめぐっては、世界アンチドーピング機構っていうのがあります。
WADAって呼んでるんですけど、そういう組織があって、このWADAは当然大会の開催に猛反発したんですよね。
WADAがドーピングを認めない理由っていうのは主に、一つはパフォーマンスの公平性を損なうってことですよね。
確かに薬の使用によって結果に差が出るのは良くない。
お金を費ぐには成績良くない。
そうですよね。
次に、選手の健康を損なう可能性がある。
これが一番ですよね。
これも分かりますよね。
メジャーリーガーでスペロイドで体がボロボロになったような元選手もいたりしますしね。
そしてもう一つは、スポーツマンシップに反するなんですけど。
これ難しいですね。
このスポーツマンシップの根幹が問われるような事態って今起きてると思うんですよね。
ナイトーさん、富士の手術は知ってますよね?
もちろんもちろん。
簡単に言うと、ピッチャーが投げ過ぎて損傷した肘の腱をね、体の別の箇所から持ってきて再検するっていうね。
そうですね。
大谷選手とかも、ダルビッシュとかも経験者が。
今やだから珍しい手術ではないですよね。
ただしね、これまでは自分の腕の腱を使うんで、そう何度もできないって言われてる。
確かにそうですね。
ところが今は人工の腱、人工腎体っていうのが出てきてて。
大谷選手も2023年に受けた2度目のトミジョンの時はですね、自身の腱に加えてこの人工腎体、インターナルブレスって言うんですけど。
それで補強するハイブリッド手術を行ったって言われてるんですね。
そこはもう彼が明らかにしてるわけじゃないんですけど。
この手法だとより強度が増すのと、復帰までの期間も短くなるって言われてるんですよ。
確かにね、今シーズンの大谷選手、ピッチャーとしてね、以前よりスピードが増してる感じってありますよね。
サイヤング賞取るんじゃないかって言われてますもんね。
この人工の腱にはペットとかシリコーンといった人工素材が使われてるわけですけど。
ではですよ、この人工腎体使ってパフォーマンス上げるのはスポーツマシックに反するのかっていうね。
ちょっとした試行実験めいた話でもあるんですけど。
例えば陸上先生はコーチトレーニングをやるけど心肺機能を高めるとか。
今薬でそういうことできるものあるわけですよ。それ飲んじゃダメなのとか。
ちょっとだからそのスポーツマンシップ何?っていうね、そんな問いが新たに生まれてきてるって思うんですよね。
なるほどね。だから人工の腎体と菌糸薬物を同じ並列で扱うのはちょっと別かなと思うんですけども。
確かにでもスポーツマンシップっていう言葉の中身って、わりとディテールはあまり検討されてこなかったような気もしますね。
そうですね。スポーツマンシップっていうのは最低規が必要だと思うんですよね。
もっと言えばですね、今後マンマシンインターフェイスがさらに進化して人体と機械の境目がよくわかんないみたいになったら、
もしかしたら人間そのものの最低規も必要になるんじゃないかなというふうに思います。
なるほどね。確かにハラスメントもテクノロジーも、スポーツってやっぱり社会の変化を映す鏡みたいなところがありますよね。
そうですね。