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アイテム番号 SCP-536-JP
オブジェクトクラス セーフ
特別収容プロトコル
SCP-536-JPは現在サイト8142の小型収容庫に保管されています。
紙質の劣化や日焼けを防止するため、SCP-536-JPは暗所にて保管し、定期的に収容庫内の湿度と温度の点検を行ってください。
説明
SCP-536-JPは無字の厚紙による想定がなされた右閉じの日記帳です。
表紙には黒色の油性マジック印記で「いた」と書かれており、この表紙及び中のページの紙質等には特に異常は見られません。
SCP-536-JPの異常性は、その日記帳における特定のページを指認した場合に発生します。
そこに書かれてある内容を見た場合、読者は限定的な記憶障害を発症し、その内容を長期的に記憶することが不可能になります。
症状としては全構成検某に類似しており、財団の特殊認知心理学研究チームの追加調査により、SCP-536-JPの一部が反ミーム的浸出を発生させる異常性を有している可能性が示唆されています。
この異常性は、内容の転写やページのスキャニングによる副写によっても発生しますが、軽度の記憶補強薬の服用によって一時的な対応が可能です。
そのため、SCP-536-JPの収容及び研究を担当する全ての職員と彼らの許可を受けた財団職員は、必要がある場合にのみその内容を確認することができます。
収容記録536-JP
SCP-536-JPは、1992年6月に宮崎県…これなんだ?
児童の児におゆ…児童群かな?
固有群?へぇ…
SCP-536-JPは、1992年6月に宮崎県固有群で行われた固所位置によって販売に出されていました。
それを買い取った地元の住民が軽度の記憶障害を訴え、宮崎市内の大学病院を受診したことで、そのカウンセリング記録を不審に思った財団エージェントが調査に赴き、SCP-536-JPとその異常性が発見、収容されるに至りました。
現在、その住民や病院の看護師等には適切な隠蔽処理が実行されています。
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以下は、そのカウンセリング記録の抜粋です。
ええ、私は古本の市場なんかに行って、安くでいろんな本を買うのが好きだったとですよ。
特に、個人の型の作りにしちゃったスクラップブックやら日記帳なんかをよう買って読んどりました。
そんな日記帳なんか売られとるんかと思いになるかもしれませんね。
これがね、意外と面白かとですよ。
例えば、私みたいに昔から本を集めるんが好きあった方がおったとするでしょう。
そして、その方がお亡くなりになる。
すると、書斎なんかにいくつも並べられとる本棚やら、そこにあるコレクションやらは、まあ異品ってことになりますわな。
だいたいそういう異品はそのままほっぽられたり、ご遺族が理解のある方やったら地元の図書館にでも寄贈したりするんでしょうが、
たまに本棚ごと古本屋に売り払われることがあるんですわ。
その人の身寄りがなかったり、あんまし本に興味のある方が周りにおらんかったりするときなんかに、
こんだけ大量の本場捨てるのも、ということで、誰か興味のある人に買ってもらおうとするんですわな。
するとですね、その本棚にある大量の古本に混じって、個人的な日記とかそういうのが出てくるんです。
それをわざわざ仕分けるのも面倒だってことで、市場の人もいくらかの値段をつけて売りに出すんですよ。
え、意外とそういうのを集める小図家も一定数おりますよ。
それでこの前も、こ、こ、小図、どこだっけ、固有。
それでこの前も固有の方で古、古書、古書市があったからと見に行ったんですが、その中に掘り出しものがありましてね。
昭和の終わり頃ぐらいに書かれたもんです。
日記って言いましたら何月何日にこんな出来事があったとか、こんな話をしたとか、大体はそんなもんでしょう。
だけどもこれは少し変わっとったですよ。
多分あれは日記を書いてる人の家族やら親戚筋です。
その日記にはですね、自分の家族や親類のその日にあった不幸な話ばっかりがただただずらーっと日記帳に書かれとったんですよ。
いや、もちろん不幸って言っても大体は些細なことですよ。
誰々がスイジバで名を切っとったら包丁で指を切ってしもうたとか、
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子供同士で家の中を走り回って遊んどったら一人が机の角に頭をぶつけて泣いたとか、そんなことです。
でも毎日欠かさずそうやって書いとるんです。毎日ですよ。
いくらなんでもうすら寒く感じますでしょう。
それにどれだけ家族が多いったって、そげな毎日も何か起きますか?
中には本当に恐ろしかないようもあってですね。
つまり救急の人が出馬ってきたというふうな、もう見てるだけで悲しくなることもたまに起こっとるわけですよ。
でもその人はかわいそうだとか書くこともなく、ただあったことだけを日記にしとるんです。
私もこんなのは滅多に見ないもんですから、矢島根性といいますか、何度もその日記帳を読み返しとるんですよ。
でもですね、もう読むたんびに背筋が寒くなるページチューンが何個かあるんです。
というのもその内容がですね、さっき言ったような怪我とかにまつわることじゃなくて、なんというか、きっかいなんですよ。
というのもそんなことが現実に起こるんかというような内容なんですね。
それまでの内容とは明らかに違うといいますか、そんなことが起こる原因もよくわからん、とにかく不気味な出来事なんです。
普段やったら私も多分そんなことがあるわけないやろうというと思うんですが、
その人はそれまでずっとさっき言ったような出来事だけを書いてるんで、もしかしたらこれも本当にあったんじゃないかって思えてくるとですよ。
そもそもそれはただの日記なわけですから、わざわざ嘘を書く必要もなかでしょう。
それでその内容を誰かに言おうとするとですね、どうしてもそれを思い出せんとですよ。
抜粋記録536JP
SCP536JPには昭和51年1976年6月15日から同年8月17日までの日記が記録されています。
そのうちで戦術の異常性を有しているページは6月21日、7月19日、8月5日、8月17日のものです。
以下に示すのはSCP536JP内に記述されている文書の抜粋ですが、上記の異常性が確認された日付のページについては記載を省略しています。
6月15日
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6月16日
6月18日
これ何でしょう?唐辛子の唐に芋。
唐の芋。裏の畑にイノシシが出る。唐の芋がいくつか食われる。
6月20日
6月23日
6月29日
玄関にて転び
上がり
奇変にかまち
上がりかまちに頭をぶつける。
7月5日
陽子がだれやみの酒をこぼし、孔子に耳をけられる。
7月12日
ぬかどこにうじがわく。
7月27日
民子が芋がゆの入った器を膝に落とし、やけどする。
8月4日
目があった。
8月7日
先日の夕刻から陽子に犬がかかり、夜ごとにきぐるいのごとくたける。
たけるかな?口変に考える。たけるですね。
8月11日
のぶおがふけじろにあったと泣き出す。
8月14日
あけみがすねふりにあう。
あけみがすねふりにあい、左目をつぶされる。
すねふりは夕刻をひやかしつつ夜道を歩きまわる男のことだそうです。
九州地方の言葉らしいです。
よばいをあらわす民族語彙として固有群では使われているらしいです。
8月16日
うそをつかれる。
以下は、SCP-536-JP担当職員によって付された罰水記録536-JPに対する補足説明です。
7月5日
だれやみ。
宮崎県固有群。
にしこめよい。
なんて読むんだ。
にしめらそん。
宮崎県固有群、にしめらそんなどに伝わる民族語彙。
だりやめの添加であると思われる。
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晩酌や焼酎を意味する言葉として今でも残っており、大分県などにも同じような語彙が見られる。
8月11日
ふけじろ。
ふけじょうろう。
頭と後ろがちょっと。
違うわ、これでふけじょうろうって読むのか。
外、内外の外に精霊でふけじょうろうを指していると推測する。
九州各地において無縁ぼとけを意味する民族語彙として残っているが、特に宮崎県全域では盆にやってくるガキの魂、ガキの霊を指してこのように表現する。
8月14日
すねふり。
九州地方、特に長崎県や福岡県においては誘惑を冷やかしつつ夜道を歩き回る男を指してすねふりと表現したが、
清城大学民族学研究所が出版した産村採集手帳によると、固有群の西メラ村においては夜遅くに村の男性が密かに女性のもとを訪れる、いわゆる呼ばいを表す民族語彙としてこの語が用いられている。
8月16日
このページのみ、文章だけでなく写真が貼り付けられていた。
裏面には鉛筆によるものと思われる筆跡で、
この写真には特に異常性などが発見されなかったため、現在はSCP-536-JPと共に収容庫内で保管されている。
産与観察記録536-JP
SCP-536-JPが売りに出されていた固所位置の記録や名簿から、この日記を記述した人物が宮崎県固有群に住む陰謀家かな?
野木編に急ぐみたいな。陰居の陰。
陰謀。で、坊さんの坊ですね。土編に。
方角の方。陰謀。でも穏やかだな、この字多分。
ちょっと調べたところパッと出てこなかったので。
あ、出てるわ。陰謀。で、読みますね。
宮崎県固有群に住む陰謀家の生員であることが特定されました。
未発見の異常物品等の存在が危惧されたために、この生員に対するインタビュー調査が計画されましたが、
この計画時点で同家に属する人々がすべて何らかの理由で死亡あるいは失踪していることが判明したため、
SCP-536JP研究チームは調査・研究方法をインタビューから周辺の地域コミュニティの参与観察に切り替えました。
以下はその関与観察記録の抜粋です。
今日ちょっと噛み噛みですね。失礼します。
15:03
参与観察記録 調査期間 1992年6月25日から1992年7月16日
調査地 宮崎県固有群西メラ村
今は空き家となっているが、陰謀家が居住していた家屋が存在しているため調査地にしました。
実施方法 SCP-536JP担当職員2名及び財団の文化人類学第4調査班に所属する職員1名が大学から派遣された地理学の調査員と偽って参与観察を実施。
同村の民宿に滞在し、SCP-536JPに関する調査・研究を行う。
以下 職員による記録抜粋
この村にはガキにまつわる信仰が色濃く残っているように思われる。
いつまでも外で遊んで家に帰ろうとしない子供に対して、親はガキの精霊ガキジロが来るぞと脅し畑の作物などが荒らされるとガキさんが入ったと表現する。
かつて寄金や協作が多く発生した地域にはこのような伝承が多く残ることが珍しくないため、そのこと自体は不思議には思わなかった。
しかし、この村の一部地域には他ではあまり見聞きしたことのない風習があったことが判明した。
その地域に住んでいる人々はガキに対して施しをしなければならないのだという。
そもそもガキにも様々な解釈があるのだが、一説にはガキは3種類に対別できるとされる。
残飯などを食べるもの、何も食べられないもの、そして人の海や涙を食べる、というよりもそれしか食べることが許されていないものという分類である。
この村ではガキといえばもっぱら一番最後に書いたもののことを指す。
では、それに対して一部の村民はどのように施しを与えるのか。
ガキがすするための海や涙を様々な方法で調達しなければならないのだそうだ。
もちろん今の時代にも残っている風習ではないとのことであった。
それこそ寄金などが発生しており生活もままならなかった昔にくちべらしも兼ねて行われたものなのだろう。
実際私たちが滞在している時にそのようなことが行われたという話は当然のことだが一切聞いていなかった。
しかし、日記の記述やあの苗字を話しに出した時の彼らの顔を見ていると、
どうしても拭いきれない違和感のようなものを感じざるを得なかった。
18:04
あの家族は一体何を経験したのだろうか。
なぜ私たちはそれを覚えていられないのだろうか。
記録ここまで。
3週間の産与観察の結果、未発見の異常物品等は確認されなかった。
不期、産与観察を行った3名の財団職員が調査期間終了に伴う期間後に軽い精神の不調を訴えました。
職員らには財団所属の精神科医及びカウンセラーによる治療が行われ、1週間の休暇が与えられました。
現在3名の職員の病状はいずれも回復し職務に復帰しています。
異談、文書、記憶影響のタグが付いています。注釈はなし。
次に公開しようと思っているゴキズレというテイルがあるんですが、
これも異談のテイルで、作者さんが同じなしさんという方なんですが、
ゴキズレのディスカッションになしさんのコメントで、
その前にこちらのSCPオブジェクト536JP ガキ二郎を読んだ方が解像度が上がると思います。
より楽しめると思いますというふうに書いていらっしゃったので、
先にこちらもリクエストとして読み上げをいたしました。
とりあえず画像ですね。8月16日の画像なんですが、
昔の日本家屋に1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11人の大家族が写真を集合写真で撮っているんですが、
めっちゃ怖い。これ鳥肌止まらない。
右に襖があるんですが、襖がちょーっと開いて、人がこっちを見てるんですね。
これちょっと見たくないので、送ります。ページ。怖すぎ。
うわー。
で、何でしょうね。異談系というか、なしさんの作品って、
割とテイルが有名なイメージなので、こういうふうに読んだ後、
怖いとか言って話すの久しぶりな感じがして、なんか新鮮ですね。
で、ちょっと途中、本を買った方のインタビューというか、
カウンセリング記録を読み上げていましたが、
方言めちゃくちゃだと思いますが、イントネーションとか勘弁してもらって。
日記の内容自体は、なんか嫌なことがあったらそれを書く。
その辞書だけを書く。感想とか個人の感情は書かない。
で、毎日何かしらが起きている。
その中に特に違和感があるのは、背筋が寒くなるページがあれですね。
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この歯が腐るだのなんだかですね。目があったとかですかね。
で、これらを言おうとするとそれを思い出せなくなる。記憶障害を受ける。
特定のページ、特定のページについて書いてましたね、確か。
6月21日、7月19日、8月1日、8月17日だけ?
8月16日、さっき言った写真は該当じゃない。
6月21日。あ、ん?7月19日。書いてないですね。
上記の異常性が確認された日付のページについては記載を省略しています。
これは報告書に書くと、それも異常性として発言するからっていうことだったっけ。
社本もどうのって書いてましたね、確か。
この異常性は内容の転写やページのスキャニングによる模写によっても発生しますが、
程度の記憶補強薬の服用によって一時的な対応が可能です。
だから報告書には書かないよってことですね。
異常性がない項目だったんですね、これ。
何かいろいろ怖いのがあるな。
犬ってこれ、こっくりさんの子のとこですね。
ガキですね、だからガキ二郎が来たんですね。
酒、お酒をこぼして怒られる。
で、スネ振り。
ヨバイですね。
誰が書いたやつだ、これ。
これを書いたのが犬がかかったヨーコさんなのか。
いやでもキグルイのごとくタケルだから多分まともに文字を書いたりはできない。
合わせてガキ二郎がこの家族の中の誰かに取り付いたのか、
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ガキ二郎そのものが実体を持っていてこの家族に合わせてというふうに言ったのかですね。
で、あとは宮崎県小湯郷に住む、なんだっけ、恩房?恩房もなんかいっぱい出てきてるんですよね。
ちょっと調べてみますね。
だから下船の民ってやつですね。
そして扱われていたのが恩房という職業。
が、小里編の方の恩房なんですよね。隠れる。
で、今回の報告書の方の恩房、穏やかな坊さんは、
これなんだ、花柳病、下流病、下流界で感染することが多い、性病、下流病専門、だから性病専門の医者のことを恩房。
治療手術をするときに腐食するのを、海が腐食するのを薬品にて焼くゆえに屍を焼く恩房の意味に、
あ、なるほど、もともとさっき言った下民の扱いを受けていた恩房、隠れる坊さん、人の死体を焼く仕事の人と書けてるんですね。
その、幹部を焼いて治療するお医者さんだからっていうことですね。
ということはだ、これ関係ありそうですね。
あの、民子が芋がゆの入った器を膝に落とし火傷する。発熱しおうと。
この人たちは恩房家の人たち。
で、この名前を出すと、彼らの顔を見ると、あの苗字を名前、話に出したときの彼らの顔を見ていると、どうしても拭いきれない違和感のようなものを感じざるを得なかった。
あの家族は一体何を体験したのだろうか。
ガキ二郎。ガキさんが入った。畑の作物などが荒らされるとガキさんが入ったと表現する。
これガキさん入ってるな。裏の畑にイノシシが出る。
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多分入ってますね。
で、フケ二郎にあった。
寄金や協作が多く発生した地域にはこのような伝承が残る。ただ今はあんまり見聞きしない。
そもそもガキにも様々な解釈があるのだが、産パンを食べるもの、何も食べないもの、人のウミや涙などの…
ウミや涙?
ウミを食べる点についてはまあ、音防、性病を焼いて治すという役割につかしいものはありそうですが、涙はなんだ?
特にここは関係ないのかな。
で、一部の村民はどのように施しを与えるのか。ガキがすするためのウミや涙を様々な方法で調達しなければならない。
調達していたのか、これは。
ここの家族が全員一丸となって調達していたのか。
だから毎日毎日ガキ二郎に誰がどうやって何を捧げていたかを記録している。
育成日記じゃないけど、だから絵付け記録のようにも見えてきますね。
これを…うーん…そうだな。
でも病院に行ってはいるんだよな、家族だけ。
家族が違和感を持っているか持っていないかによってもまたちょっとあれですね。
これを書いた人だけが全てを知っていて、家族はみんななんか呪いに巻き込まれているのか、
家族総出で恩亡家としての役割を果たそうとそれが普通だというふうに振る舞っているのか。
なのでただの記録として機能しているのかどうかっていうところですかね。
ちょっとこの辺は民族学的なところで考察をしていかないといけないんですが、
私は民族学の方にはあまり明るくないので、よろしければちょっと気になる方はね、
ガキ二郎考察とかで調べていただければと思います。
次回テイルの方はゴキズレを読んでいこうと思います。
30:00
こちらはテイルなので私の方の雑談考察等々は特には入れる予定はありませんので、
こちらも含めて今一度2つ連続で聞いたりして考察していただければと思います。
ではまた次回、ゴキズレでお会いしましょう。お疲れ様です。