00:10

Beside the Seaside、プロデューサー兼家業アトツギの永野真代です。

アートディレクター兼デザイナーの髙橋美沙紀です。

私たちは、40歳というタイミングで、東京と茨城の海沿いの街との二拠点生活をするようになりました。
この番組は、そんな2人が人生のA面、B面、C面について、あれこれと語る言語化雑談番組です。
謙虚さが足りないミサキさん

この前さ、この前じゃないか、ちょっと前の収録でさ、コミュニケーションの謙虚さっていうのにさ、について話したことあったじゃない。

コミュニケーションの品格ね。
全然いいよ。愛しさと切なさと心強さとのやつね。

そう、そうね。そんな感じのタイトルだった。
それのさ、アンサーソングじゃないんだけど、
あの、謙虚と卑屈と男と女っていうのを、あの、私、作詞してきまして。

こう、TK小室に梅沢富美男足した感じ?

違う、だから、あれでしょ、梅沢富美男、♪お〜とことおん〜な〜♪でしょ?

夢芝居。

それ夢芝居だから。私の元になってるのはあれだから、酒と泪と男と女だから。

あ、あ、失礼しました。

そうそうそう。
まあ、どっちにしろ、歌謡、
歌謡曲じゃねえかっていうやつなんだけど。

お願いします。

そのね、コミュニケーションの品格、謙虚さについてなんだけど、
その話をしてたときに、ちょっと人のこと言えないなっていうのがあって。

ほうほう。

っていうのも、結構私自身が人から、もっと謙虚でありなさいって言われることをしばしばで、

へえ。

だから、たぶん謙虚な人間ではないんだろうなっていう、まあ、自覚はあった上で、ちょっとその話なんだけど。

うん。

まあ、私のどういうところが謙虚じゃないかっていうと、結構仕事のことについて、仕事上のことなんだけど、例えばあの作品、あの仕事良かったよって言われたときに、「ですよね〜!」、みたいな。「でしょでしょ?」っていう。

うん。

「私もやってる時から、めちゃめちゃいいと思ってて、ありがとうございます!」みたいなのとか、あとは、「そりゃそうですよ。誰がやってると思ってんですか。私ですよ?」っていうような態度で振る舞っちゃうから、それを横で聞いてる謙虚な人たちは、ちょっと気が気じゃないというか。

なるほど。

そうそうそう。だから、そういう人に、仕事だっていただいてるんだから、

うん。

謙虚でありなさいっていうのを
言われることしばしばなんですよ
私も謙虚さっていうのは
素晴らしい姿勢だと思ってますが、
思ってはいるんだけど
指摘をしたその人が
どういう謙虚さを持っているんだろう
って観察した時に、
その人を見てると
それは謙虚さっていうよりかは
あまりにもへりくだりすぎじゃないか
一歩間違えばちょっと卑屈とか
自虐すぎないかっていうのを感じたので
それを私に求めるんだったら
ちょっとそれはできない相談だなって思ったのと

なるほど

結構人によって謙虚さって
何だろう解釈に差があるなって思ったんだよ

そう思うね
まずその横にいた人っていうのは
どういう立場の人なの

一緒に仕事をやってる人って感じかな
チームメイトって言ったらおかしいのかな、分かる?

プロジェクトチームの人

そうそうそうそう
ちょくちょく一緒に仕事をすることがあって
打ち合わせの場とか
そういう雑談の場にいることが多い人かな

その人の謙虚さたる振る舞いはどんな感じなの

例えば同じように
仕事に対して
その好意的なコメントがあった時に
あの仕事良かったよみたいなことを言われた時に
いやいや私なんてっていうような
そんな
そんな特別なスキルがあるわけじゃないですし
っていう

そこまで言われちゃうとね
褒めた側も困っちゃうね

そうなのよ私はそう思うの
気持ちよくないじゃんって
褒めた側の気持ちを
それはないがしろにしてない?って思うし
だからなんか
そういう謙虚さを求めないでっていう
そういう、謙虚風っていうのかな
なんていうの

うーん、難しいね。匙加減だったり解釈だったりするね

うん、そう。「でも、私とおなじことできる人は他にもいるし…」みたいな。「全然置き換え可能ですよ」みたいな。

へー、そんなこと言う人いるんだ?なんか笑って照れ照れしながら「ありがとうございます」って言ってくれた方が…。私がもし褒めてたら、そっちの方が、なごむかな?
ただし、でしょ?でしょ?が強すぎても、「お、おう」ってなるかもしれないなぁ。だからその2つしかないんですか?みたいな感じ、いま聞いてて。

なるほどねえ。じゃあその、そうだなぁ、今後第3の道を探ってみてもいいかもしれないね。え、じゃあ例えばそういう同じシチュエーションに
マヨさんが立ったときにどういう振る舞いしているか聞いていい?

その言ってくださった方と自分の関係性にもよるかもしれないけれど、基本的には 褒められ慣れてないから照れちゃう、けど、

へー!可愛いねー

嬉しいわ 可愛いって言われ慣れてないから
基本は
「へー!?はわわ!!?」って、照れるけど、
なんかあの「そんなことないです」って言われちゃうと、もし自分が褒めたときにそう言われちゃうと
「え、そんなことないと思ってるから褒めたのに、そんなことないですって言われちゃったら 悲しい」って、相手に悲しい思いをさせないために、「言ってくださってありがとうございます」
って言うかも

なるほどね〜

照れながらも、「え、ほんとですか!?うれしいです」、まず自分は嬉しいそんな風に言ってもらえて嬉しいです、
「そんな風に言ってくださってありがとうございます」っていうかも

なるほどね
それは嫌な軋轢を生まなくていいかもね
私みたいに、でしょ?でしょ?みたいな感じで言うより

本当に言うの!?ちなみに

人によっては言うよ?本当に

ちょっと試しにさ、あれしてみていいですか
なんて言うんですっけ?こういうの

シミュレーション?

ロールプレイ
じゃあロールプレイしてみます
いやーミサキくん
あの作品すごい良かったよ

ですよね〜
私も作ってる最中からそう思ってて
すげーゾーンに入ったなって思いました
やってる最中に

あ、お、おおぅ…。ゾーンね…?う、うん…。

あ、ありがとうございますー!

なるほどね

うん

う〜ん

そうか
分かりました
ロールプレイングでわかったこと

謙虚であるかどうかはちょっとさておき
それはそれで相手を困らすんだなっていうのが分かりました
相手を困らせない方法として
その謙虚さは、万能な薬ではないけども…
…ちょっと待ってね。私今何言おうとしたんだろう…
うんあの
謙虚さは、100%正しい答えだとは思わないんですけど、
だからと言って私みたいな振る舞いをすると
まあそれはそれで相手を困らせるんだなということが
今分かりました

ちなみにね
前回は
知的謙虚さって言葉を使ったんですよ

うんうんうん

なので
その多分
ミサキさんの
プロジェクトメンバーの人が言ってる謙虚さとはまた違う話だね

ちょっと広いよね
だから本当概念的な話になってくるんだけど

コミュニケーションってお互いに気持ちよくなる
気持ちいい心地よい状態であるっていうのが
なんとなく理想だと思うので
相手も心地よい
自分も心地よいっていうのを探る
のかなって思うので
私はさっきの解答になりましたっていう

私に「謙虚であれ」って言った人は
謙虚さが
本当に万能の薬だと思ってて
前に
品格について話した時さ
品格って
マナーだと思えば
マナーなんだから
みたいな話にもなったじゃん

ただマナーって万能かって言われると
最大公約数の人にとってはそうなんだけど
そうじゃない側面もありません?って思って

その人はマナーとして言ったんじゃなくって
そういう心持ちであれって
ミサキさんに言ったんだよね

そうなのかな?

だってその人は
いやいやもう私なんて
私の代わりなんていくらでもいますから
っていう振る舞いをしてるわけでしょ
それってそういう心持ちじゃなきゃ言えなくない?
そんなことないの?
その人はそういう人
褒めてくれる人がいないと
ミサキさんみたいな態度をとるの?
私ってさ唯一無二だよね〜
っていう唯我独尊系なの?

そんなことはないよ。誰に対しても多分そういう気持ちではいるんだけど
多分それを、そういう姿勢を、私にも求めてるのかなって

ってことでしょ
だからそれってマナーじゃなくて
もはや「心持ちがそうであれ」っていうのに
違和感があるんじゃない?って思った
卑屈さと謙虚さの違い

そうかも
うんそうだね
私の違和感があるってことだよね
プロジェクトメンバーにとっては、
私が違和感あるし
私にとっては彼女の振る舞いが違和感あるって
お互いそう思ってるってことだよね

そうそう、だから、マナーの話じゃないってこと

そうね。マナーの話じゃないんだけど、
彼女の、その若干

うん

彼女の姿勢の押し付けに感じてしまったっていうのがあるのかな 。うん、そう思うね。うんそうです。
でも、結構そういう人 あの、彼女だけじゃなくて、まあ
結構そういう人多いなーって、まぁ他に一人二人知ってるので、そういう人多いなーっていう
認識はある
ちょっと 自虐というか卑屈になりがちというか
それをちょっと謙虚だと思ってるっていう、謙虚な姿勢だと思ってるっていう 人は
なんか多そうな気がするな っていう。

どっちについてしゃべりたい?
心持ちの押し付けについてしゃべりたいか、
そういう人、謙虚とへりくだりを 同一視していることについて、いかがなものかっていうことを、私はしゃべりたい? なんか混ざってる気がする

どっちかっていうと後者かな?
難しいなっていう。そういう
正直謙虚な姿勢っていうのは、正直そう、あの、いまいちわかってないというか
その謙虚さと卑屈のバランスがわからんっていう、だからまあ彼女がちょっと卑屈な態度で
謙虚と卑屈のバランスって難しい

卑屈な態度をとっちゃいがち、っていうのも わからないではない
難しいよねっていう そのへりくだりのさ、バランスが

ほんとだね

うん
でもそうね。へりくだっといた方が
相手にとっては
まあ なんていうのかな
反応しやすい…う〜ん、なんだろう?
こう…変な感じにならずに済むのかしら?
謙遜じゃないけど、その、
いやいやいやって言ってくれた方が、向こうが次の反応とかリアクションとかを
しやすいのかなっていうふうには、ちょっと今話してて思った。
さっきのロールプレイングの話の、体験から言っても

じゃあ、へりくだってみて、ミサキさん今
次へりくだりバージョンやってみようよ
マヨおじさんどう思うかちょっとやってみたい

わかった

いやいやミサキくん こないだの作品すごく良かったよ

いやいやもうそんな
そんなそんな皆さんの力あってのことで 私の力なんてもうほんのちょっとで
もう皆さんにちょっと生かされてます

いやいやそんなことない ミサキくんの力だって

いやいや
うん いやいやいやいやそんなそんな
もう私なんてほんとゴミみたいなもんで

そんなそんな自分でそんなこと言うな
僕が君のことをすごくいいって言ってるんだから

難しいね…!
やっぱ素養がないんだと思いましたっ!
なんかもうどっかで、ありがとうございます!って言っちゃいそう

今すごい言いたそうな顔してたね
私それでいいと思うな〜、ありがとうございますって言ってくれた方が

うん

今どっちも体験して思ったのは
へりくだられたら、そんなそんなって、ミサキくんに熱中しちゃった
ミサキくんの良さを熱弁したくなった

だから褒めた側としてはやっぱそういう心持ちですよね
でもまあ程度はありそうだけどね

そうだね
じゃあその人って褒めてほしいのかなへりくだる人って

いやいや褒めてほしいわけじゃない
だからこの多分、私の行き過ぎた、その「でしょでしょ」が、
相手の反応も困らせるし、
見てるこっちもヒヤヒヤするから
やめなさいっていうことだったんだと思う
なんか

ヒヤヒヤするんだね

大丈夫?って思うんじゃない?

難しいね

うん

愚痴の処し方と自家中毒の時にちょっと話したと思うんだけど
謙虚さを強要する姿勢はもはや謙虚じゃない

私も、へりくだると、もしくはごめんなさいを多用すると、
それが自家中毒のように自分の中で回ってしまって
すごく自分で自分を卑下する気持ちになっちゃうし
相手を図に乗せてしまうこともあるからやめようと思ったみたいな話を
したと思うんだけど、
よくその人は自家中毒にならないね

いや、なってるんだと思うよ?
だから
自信はなさそうだもの
なんか
終始
だから
仕事に関しても
私と同じくらいのキャリアはあるからさ
20年くらい業界でやってるのに
そんなの、もう続けてるってだけでさ
すごいじゃん

すごい

だから全然自信持っていいんだよって思うんだけど
続けてるだけだから、みたいな
そういう発想になっちゃうから。
自家中毒ってのはまさにそうで、
謙虚でいるうちに
自分が謙虚だって思ってる姿勢でいるうちに
そうなっちゃってんじゃないかなっていうのは思うね

なるほど

うん

もう一個
話したいなっていうことがあって
百歩譲って自分でその態度をチョイスして
その人だったら謙虚という名のへりくだりっていう
態度をチョイスしている
それは別にその人のチョイスなので
他人がとやかく言うことじゃないなとも思うんですけど
一方でそれをどうしてミサキさんに押し付けるのかなと思って
で
私だったら自分はそういうチョイスをする
もしくはどうしてもしたくないけどしてしまうっていう
ところがあっても
そうしなさいと他人には思わないかも

まさにだね
だから多分私がモヤっとしてるところはまさにそこだと思うんだよ
そのあなたの言う謙虚さを私に押し付けないでっていう
とこなんだと思うね
うん
うん
ただ
それってやっぱ、
謙虚さが正しいっていうふうに
やっぱ彼女が思ってるから
その正しさを武器に戦って
こっちに意見してくるのかなっていうのを、ちょっと思ってて
あるいは、彼女も自信がある振る舞い
そういう振る舞いをしたいっていう
思いはあるんだけど
それを彼女はしてないと
したいけどしてないっていうので
なんていうのかな

私だったらね
したいけどできないときに、できてる人がいたら
すごいねって言っちゃう
なんか私もあなたのようになりたいなーとか
素敵だねとか言っちゃうかも

きっとだからそうじゃないんだろうね
だから、「私ができないことをなんであなたがしてるのよ」っていうことじゃない?

それはだいぶ上から目線だね

謙虚が正しいと思ってるから
そういう発言ができちゃうのかなってちょっと思ったんだよ

しかしながらそれはもはや謙虚じゃないね

そういう意味では確かにそうだね
謙虚さを武器にすごい押し

マウンティングしてきてない?

してきてるかも

すごい謙虚じゃないよね

うん

謙虚な人がめっちゃ謙虚じゃないんだけどどうしたらいい?

わかりました
だから多分そこに私は言葉にならない矛盾を感じてモヤモヤして、
多分このトークテーマにしたんだと思う

言語化できた?

できたできた

私すごい?

バチッときた

私がすごいわけじゃないけど

謙虚であるっていうその姿勢がっていうことだね

なるほど面白い
すごい面白いトークテーマだったんで
そういう人もまあ、いそうだね
自分の中にもあるかもな

あるある

別のテーマでね
「これこそが美しい」「美学だ」とかさ
あ、なんか、大きなくくりで言っちゃったな…。えーと…。
この振る舞いこそ美しいって思っていながら
でそれが結構その
3歩下がってとか
いう美学でありながらめっちゃ前にいる!みたいな

そうね。やっぱ矛盾したね、その、
やっぱ内包してるよね。矛盾を内包してるなとは思うんだけど

なんか矛盾をこうやって味わえればいいんだけどね

そうだね。面白がれればいいよね。

押し付けちゃうとちょっとね
って思いました

思いました。すっきりしました、ありがとうございました!

よかったです。
はい、番組では皆様からもお悩みやエピソードトークテーマを募集しています。
メールアドレス bcside2@gmail.com
bcside2@gmail.com です

最後までお付き合いいただきありがとうございました
それではまた次回