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Beside the Seaside プロデューサー兼 家業アトツギの永野 真代です。

アートディレクター兼デザイナーの 髙橋 美沙紀です。

東京と茨城の海沿いの街との 二拠点生活をしている私たちが、
人生のA面、B面、C面について あれこれと語る言語化雑談番組です。

今日は、「ありがとう」って言えない人、 言わない人っているじゃないですか。
あの、私なんですけど。
告白します。

あ、そう?

うん、あのね。

そう?

いやいや、正確には、かって言えなかった人で、
今は、なんで言えないのって、その、 叱責を過去に他人から受けて、
で、それで気づいて言うようにしてる っていう人なんだけど。

ほぉ。

あの、ただ、それって、やっぱこう、 後天的に身につけたっていうか、
人間関係に摩擦を生まないためにとか、 あとはもう怒られたくないからっていうので。
ね、身につけたテクニックなので。
いわばね、付け焼き刃だから、
もともとがね、感謝とか、そういう人の気持ちを 想像するっていう能力に、
ちょっと乏しい側の人間なので。
やっぱね。
そう。
そう、時々ボロが出ちゃうので。
で、それでやっぱり、 あの、「ありがとうは?」って言われたりするから。
やっぱちょっと言わない側の人間では あるんだろうなっていう認識。

うん。

うん。
でさ、よくさ、あの人って、 ありがとうって言わないよねとか、
言えないよね、あれなんで言わないんだろうね っていう議論は、
たびたび耳にするんだけど、
結構それって、ありがとうを言える人側たちの 会話で語られることが多くって、
なんかそういう言わない側の意見って あんまり聞いたことないなと思って、
あえてここで話してみようと思った次第です。

確認してもいいですか?

はい。

私はありがとうが言える人ですか、 言えない人ですか?

言える人です、大丈夫です。

そうなんですね。これ、 自己認識をわからないもんですね。

あ、そうですか。

ドキドキしちゃいますね、 自分が言えてるのか言えてないのか。

私ね、マヨさんは言えてる人で、 だからこっちも見習って、
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それを返そうとしてます。 勤めております。

なんと!

うん。やっぱそうね、ありがとうって言われたら、 ありがとうって返そうっていう気にはなるし、
そういう意味では、 ありがとうと言えるんだけど。

いや、ありがとう。

いえいえいえ。
なんかね、そう。
だからそういう、 ありがとうって言われたら、 ありがとうって別に私も返せるし、
あとは、全くお礼が言えない、 ありがとうって言えないってわけじゃなくて、
自分がお願いしてやってもらったことに対しては、 やってもらったら、
ありがとうってちゃんと言えるんですけど、 このありがとうって言えないっていうのはね、
例えば、事前に、 私は掃除が得意だから掃除やるねって。
で、あなたは料理得意だって言ったから、 料理担当ねって決めたとするじゃないですか。
それで、きちんと相手が料理を毎日してくれることに対して、 ありがとうって言わないがちっていう。
そういうことです。

あー、それ夫婦でやったら揉めるやつだ。

でしょ。
なんで当たり前だと思ってんだ、 こんちくしょうみたいな。
多分相手側からしてみれば、 そうだと思うんですけど、
私はそうやって言われて初めて、 あ、ありがとうっていうの必要だったの?
っていうちょっとハッとしちゃうっていうことが、 過去にあったんですよ。
その似たようなシチュエーションで。

あー、そうなんだ。

そう、なんかね、これなんでかなって考えてみたんですよ。
で、いくつか思い当たる節があったので、 ちょっと言ってみるんですけど、
あのね、そもそも特に相手が何も言わずに 粛々とやってるんだったら、
やりたいからやってるか、それか契約上、 役割として納得の上でやってるってこっちは思ってるので、
ありがとうっていう感謝の言葉がプラスで 必要なものだっていう認識がまずないんです。

うん。

ここまでついてこれてますか、いただいてますか。

うん。
なんか、ミサキさんの気持ちも分かる気もする。

する?

が、揉めるかもしれないなっていうのも分かる。

分かる?そうなんですよ。

揉めるっていうかね、きっと相手に モヤモヤを生んでしまうんだろうね。

うん。
きっとやっぱりこの考え方って多数派ではない という自覚はあるので、
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まあモヤモヤさせちゃってるかなっていう 反省も踏まえつつ。

そこで言うと、相手が本当に納得済みなのか っていうところだよね。

うん。
それをね、察知する能力が低いと思う。
だから言い出してくれればさすがに気づくよ。
でも、それが察してくださいっていう態度だと ちょっと気づけない可能性は大いにあるよ。

すごく日本全国の旦那様の思いを代弁しているコメントですね。
妻に察してって言われて、
ためにためてブチ切れられても、言ってよみたいな。

そうだね。よく言うよね。
その時言ってよっていうやつね。

妻側としては言ってるつもりだし、態度にも表しているのに 伝わらないのよ、あなたにはみたいなね。
なので感情を込めて言ってみました。
のがこの場ですっていう。

そうだね。私もこんな意見初めて言いましたっていう。

伝わらないんで感情も込めてみましたっていうのと。
なるほど。
それがさ、プライベートなのか仕事なのか?
ありそうでもないなっていう結論だよね。
たとえ契約をしたお仕事や社会契約、いわゆる結婚とか、
そういう関係においても、
ありがとうが必要なんだなっていう気づきがあるってことかな。

そう、ありがとうっていうのが必要なんだねっていうことだし、
例えばそこで不満を表明してくれたとするじゃないですか。
不満というか、ありがとうで済むこともあるっていうのかな。
ちょっと言い方が分からないけど、
ありがとうさえ言ってくれれば、
この気持ち収まるのにっていうのが
多分にあるんだなっていうことかな。

ですですね。

さっきの例で言ったら、
「あ、そんな料理するのつらいんだ、
じゃあちょっと
私が料理をやろうかっていう言葉が、
ありがとうより先に出てきたら、

それはそれでちょっと違うんじゃないかっていうことを今思った。

そうだね。
どっちもだったら最高。

なるほどね。
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どっちもね。

いつもお料理作ってくれてありがとう、たまには、
僕が作るね、はもうパーフェクトだよね。

そっちの、そっかそっか、両方別にあってもいいよね。

そうだね。
ごめんね、なんか僕がお料理得意じゃないばっかりに負担が、
君に行ってしまって悪いなって思ってるからこそ、ほんとにいつもありがとうって思ってるよ。
それもいい気もするね。

うん。

で、なんか辛そうだからやろうかみたいなのは、
いやいや、あなたが得意じゃないとかやりたくなさそうだからやってるのに、
なんかまるで自分は何も悪くないのに、
なんかそっちがすごい不満げ…
だからやりまーすみたいなのはちょっと違うんじゃないかっていう別のモヤモヤを生む可能性はあるね。
全部これ家庭内での様々なママ友から聞く話を総合すると。

うんうん、私も最後のやつそのまんまだもん。

あ、そうなんだ。

だって黙ってやってる、そんなにツラいんだったらじゃあやろうかみたいな。

やろうか、手伝おうかじゃないのよみたいな。
あなたもその本当はやってしかるべき立場の人なのよみたいな。
でもそのスキルだったり意欲がないからやって差し上げているだけですよみたいな。

そうだよね。
だからそうなんだよ、ありがたくやり続けてくれてるじゃん何も言わず。
それが図に乗っちゃうっていうかなんていうか。
そう、その姿を見てるともう何も不満もなくやり続けてるんだろう、OK、OKって
こっちは思っちゃうっていうことなんですよね。
だからそれをね、一旦疑ってみてもいいかもしれないね。
で、二つ目としては、やっぱベースの考え方がそういう感じだから。
自分はありがとうって言われなくてもそもそも平気だったりするんだよね。

なるほどね。

そう、私はやりたいからやってるし、あとはやりたくなくても役割で決まっている場合はやっぱりそういう役割でやってるからそれは納得の上なので、
逆にちょっとありがとうって言われたら逆に戸惑うみたいな。
意味がわからないっていう発想になっちゃったりも。
で、本当に嫌なことをやらされるときっていうのは、
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もうありがとうじゃちょっと追っつかないくらいに
私は怒りが発生してしまうので、
その…ありがとうで済むと思うなよっていう
感情になっちゃうので、
そもそもなんかありがとうっていう言葉に
効力をそんなに感じてない。
っていう…
うん…
で、まぁ、うん…
ちょっとアレだな…
なんか私が
鉄仮面人間みたいになっちゃったけど、
そもそもがそういう発想だったような気がする。
そういう考え方。

なるほど。

うん。

その、
報酬っていろいろあるじゃないですか。
大きく言えば、金銭的報酬と非金銭的報酬。
非金銭的報酬の中にも、
心理的報酬、
承認的な欲求を満たす報酬とかって、どんどんどんどん細かく分類分解できると思うんだけど、
ミサキさんは非金銭的報酬っていうのに価値を置いていないっていうことかな。

報酬を求めてやってるわけじゃないからね。
やりたいからやってる場合は、そのこと自体が、
私には報酬というか、
なんだろうね。
やってるし、
別にありがとうと言ってほしくてやってるわけじゃないから。

報酬って、欲しいからやってるっていう感覚とは、
また別の問題だと思うんですよ。
私は別に全然心理学者でもなんでもないので、
あくまで自分の解釈なんだけど、
特に心理的報酬に関しては、それが欲しいからそこのプロジェクトに
ジョインするとか、その仕事をやるとか、タスクをこなす役割を担うんじゃなくて、
結果的に得られるもの。
最初は別に求めてなかったが、
与えられるとすごく幸せに感じるもの。
そういうものも報酬だと思うんですよ。
だから、求めてるか求めてないかっていうのはあんまり関係がない。
上で、
その非金銭的報酬を相手からもらったときに戸惑うんだね。
それが面白いなと思って。
ありがとうって言われたら戸惑っちゃう逆にっていうのが、へぇーっていう。

そうだね、戸惑っちゃったり。
何に対してのありがとうですかって本当になっちゃったりする。
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自分の役割だからやったことですけどっていう。

うーん。

だから最初の、
最初じゃないや、ちょっと前の話に戻ると、
自分がそんなのなので、
ありがとうって言ってほしい人側の気持ちがわからないっていうのは正直あるんだよね。
だからもう本当に今まで、
訓練に近いかも。
ありがとうって言われたらありがとうって返します。
あとはこういうシチュエーションだったらありがとうって返します。
っていうようなので身につけてきたっていう感じ。

なるほど。
だから反応としてのありがとうはできるが、
自発的なありがとうがまだ難しいですっていうことですね。

そういうことですね。

なるほど、面白いですね。

面白いですよね。
だからよくありがとうってあの人言わないよねっていう人が話題に上がることもあるじゃないですか。
そういう人っていうのはこういう思考回路なんじゃないかなっていう風に予想してみたっていう。

そうだね、思考回路もそうだし、
まあ人間的な特性かもね。
全ての人がそうとは言ってないけれど、
例えばADHDとかASDとか、
総じて人の感情や気持ちを推しはかる、
慮ることが難しいがゆえに
社会的活動において
困難を抱える…
よね。

うん。

うん。
だから悪気があるわけでは全くない。

そう。

そのうえで、
さあお互いどう歩み寄ろうか

っていう
お話なんだろうけど、
そういう、
こう、
ディサビリティ(身体的・精神的な障害がある状態を指す英語表現)
社会でみんなで生きていくための、
心地よさ、
っていうのは、
どうやったら
作り出せるだろうか?
っていうお話
になっていく
んだと思うんだけど、
うーん、
そういう意味でこの話は面白いなって思った。

なるほど。
そうね。
うん、ありがとう。
そこまで何だろうな深まる話でも…話に、持っていけるって思ってなかったから、
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すごく今意外っていうか、
私としては、おそらくは少数派であろう意見をあえて言ってみることで、
でもそういう人たちの気持ちに寄り添ってみてねっていうような話ができればいいかなっていう風な、ふわっとした提案だったので。

うん。
私は前職時代も、それから
そもそも自分の生育環境的にも、
障害とか
難病とか、
生きづらさを抱えている人たちが
周りにいたので
そういう知識とか
経験があるんだと
思うんだけど
ない人もいるもんね

そう思うよ

なので
自分の生きづらさを言語化できる
もしくは言語化しようとしている
っていうのはすごくいいことだと思うんですけど
あとミサキさんがどうしたいかかな

本当に、
まあそうだよね

別に生きづらさを抱えていてもいいっすみたいな
強い人もいるじゃないですか
それってあなたの感想ですよねみたいなことを
のたまえちゃう人とかはきっと
ありがとうが言えない自分を認識したとしても
別に自分はそういう人間なんで
嫌だと思ったら離れていいんですよみたいな
感じだと思うんですけど
ミサキさんはどうなのかなっていう
ミサキさんがどうありたいかかもしれないね

私はそういう特性が自分にあるっていうのは
認識できた上で
ただやっぱりなんだろうな
ありがとうを言える言えないっていうのの
もっと以前に感情をね
理解できるようになりたいなっていう
そういうふうには思ってるから

なんとかしたいとは思ってるの

なんとかしたいと思って、たぶん、今
今はテクニックでなんとかやってるけど
例えばそういうテクニックでなんとかならない
ボロが出た時に
勝手な思いですけど
見限らないでほしいなっていう
のをお伝えしたい
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もしあなたの周りにそういう人がいたとしても
ちょっと待ってくれっていう
引き止めたい気持ちはすごくある

なるほど
いや面白いね
何が面白いなと思ったかっていうと
冒頭になぜありがとうが言えないのか
それはあくまで私は私の役割
あなたはあなたの役割が明確化されているからだ
つまりこれは私は私の世界でやっているん
ですよみたいな
感覚でもあるわけじゃないですか
そこにあんまり
コミュニティというか相手というか
第三者が介在していない気がしていて。その世界観には。
だから、ありがとう言われると戸惑っちゃうと思うんですよね
いやいや自分の中でもそれ完結している話なんで
特に反応いりませんみたいな

でもそうだね
その感覚そうだと思う

さはさりながら
じゃあって言ってコラボレーションを辞めようと
その人が去ろうとすると
おいちょっと待ってくれって思うっていうのが
面白いなぁと思う
そうかそこはやっぱり
人は欲しいんだ他人
他者が欲しいんだっていうのは面白い

やっぱり関わりたくはあるのよ
確かに何か
面白いっていうか
今ちょっと面白いとしか言いようがないんだけど
不思議だね
なんか不思議な感情の動き方をするよね
面白い

うん
どちらもミサキさんだろうから
二者択一になる必要はないし
どっちも持ってていいんだと思うんだけど
ただし一方で
やっぱり他者とのコラボレーションを望むのであれば
そうだよね
テクニックのその先のありがとう

そう

が言える
ミサキも欲しいなってことですね

そういうことです
今すごく
ほんと学習していきたいなって思ってるんですけど
これ

これやっぱり学習なのかな

そう
そこにも違和感あるよね

違和感というかまだ未知の世界なんで
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あぁ、そう?

あれなんですけど
学習
いわゆる学校で行われる
勉強っていう意味での学習じゃなくて
経験学習ってことだよね
やってみて失敗も成功もしてみて
何でだったか自分で内省して分析して
フィードバックするみたいな
それをもう一度くるくる回していく
経験学習のサイクルモデルなのかなって思うけど
今日のところはこれを言語化できた
そして私との対話で
ここまでたどり着いたってところも
いいんじゃないかなと思いました

なるほど
新しい形だね
そうだね

面白い対話でした

私も今まで多分こういうのって
言っちゃいけないだろうなと思って
言わなかったところもあったので
それが言えたっていうことが結構大きいなと思いました
まず

ミサキさんに告白されて
そうだったのかって思う反面
そうかもって思い当たるところもあったり
しつつ
受け入れられるのは
受け止められるって自分で思っているのは
たぶん周りにそういう人が結構いるので、
ま、そんなタイプの人なんだろうなっていう

そのぐらいの距離感で付き合ってくれると
すごくありがたいよね
こちらとしては

私にもきっと
人に接しづらいなと思うところがあると思うから
それをどんどん言語化していって
お焚き上げしていって
みんなそういう人だ
嫌だって思われてもしょうがないし
そういうところもあるけどこういうところもあって
結果的にお付き合いしていきたいなと思ってもらえたら
うれしいなって思っています

はい

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最後までお付き合いいただきありがとうございました

それではまた次回