00:01
MAYO
Beside the Seaside
はい、プロデューサー兼家業アトツギの永野真代です。
MISAKI
アートディレクター兼デザイナーの髙橋美沙紀です。
MAYO
私たちは40歳というタイミングで、東京と茨城の海沿いの町との
2拠点生活をするようになりました。
この番組は、そんな2人が人生のA面、B面、C面について
あれこれと語る言語化雑談番組です。
MISAKI
はい。いきなり本題言っちゃっていいですか?
MAYO
お願いします。
MISAKI
Mサイズ信仰から降りたら楽になったって何ですか?
メモに2人で共有しているトークテーマ、メモに書いてあったんですけど。
MAYO
またお得意の一行トークテーマね、私が書いた。
MISAKI
そうです。
MAYO
気になった?
MISAKI
気になった。
MAYO
話しましょう。
MISAKI
話しましょう。ぜひ。
MAYO
Mサイズ信仰は、リアルクローズっていう漫画?
MISAKI
あった。
MAYO
覚えてる?
MISAKI
ドラマ化したやつね。
MAYO
そうそう。
MISAKI
ドラマ化もしたやつね。
MAYO
そのリアルクローズに出てきた言葉で、
女性はMサイズが着れないとダメだっていう信仰を持ちがちだ。
ただ、バイヤーとしては、いやいや、そのお洋服LやXLで着た方がむしろその人に似合う。
その人らしいスタイルを作ることができる。
だから、そんなMサイズ信仰なんか捨てちゃいなよみたいな。
そしたらもっと自分のファッション楽しめるよ、みたいな文脈で出てきて、
あーって私は染みたんですね。
MISAKI
はいはい。
MAYO
で、こういう話って子育てにも結構よくあるなーって。
MISAKI
あーなるほどね。
MAYO
うんうん。
MISAKI
あったんだ。
MAYO
うんうん。
例えば、よく言われるのは母乳神話。
MISAKI
あー。
MAYO
聞いたことある?
MISAKI
聞いたことはある。
MAYO
うんうん。
母乳で、お母さんのおっぱいでこそ子供は健やかに育つ。
だからミルクで育てちゃダメだ、みたいな。
母乳出ない出るって体質も多分に影響していて、
すんごく頑張っても出ない人は出ないんだよね。
MISAKI
そう、そうなんだね。
MAYO
でも関わらず、母乳神話の産婦人科で出産すると、
意地でも出させられるんだって。
MISAKI
そうなの?
日本って。
03:00
MISAKI
そういう世界があるの?
MAYO
そう。
MISAKI
あー、それは知らなかった。
MAYO
お母さんたち泣きながらおっぱいを絞るの。
MISAKI
絞り出すの?
MAYO
そう、マッサージさせられるの。
もう出産でヘトヘトの体なのに。
MISAKI
うんうんうん。
MAYO
で、私はおかげさまで2人ともアメリカで産んだので、
そんな神話は一切なく、
バースプランっていう、
どんなふうに出産したいですか、育児したいですかっていうのを
あらかじめ病院とシェアするのね、書いて。
MISAKI
へー。
MAYO
面白いよ。
MISAKI
それどのくらい前なの?期間。
MAYO
あーとね、妊娠30週過ぎたあたりくらいかな。
MISAKI
へー。
MAYO
もういよいよ出産。出産って40週くらいなんだけど、
もしくは38から48週かな、の手前くらいでシェアするんだけど、
例えば、LDRって言われる出産する分娩室では
こんな音楽をかけてほしいとか、
MISAKI
へー。
MAYO
夫は立ち会ってほしいとか、
へその緒切るのは夫でとか、
出産後は母乳で育てたいからミルクは与えないでとかも
そこに入れることができる。
MISAKI
うんうんうん。
へー。
MAYO
なんですよ。
MISAKI
知らないことばっかだ。知らない世界だ。
MAYO
ね、なんでね、私はおかげさまで日本特有の育児神話的なものは
あまりインストールされずに帰国したんだけど、
ただ得る情報としては日本語と英語といずれも情報を得ていたから、
あ、日本ってそういうことなんだみたいな。母乳で育てなきゃダメ。
子供は一緒に寝ないとダメ。
MISAKI
うんうん。
MAYO
ねんねトレーニングって呼ばれる、子供を別にクライトアウト、
ベビーベッドに寝せて、
一人で眠れるトレーニングをしないとダメみたいな。
スリープトレーニングってアメリカにもあって、
MISAKI
へー。
MAYO
めっちゃ泣いてても、ほっといたら泣き止んで、
自分で落ち着かせるトレーニングになるからいいんだっていうのは
アメリカとかイギリスとかで言われてる。
MISAKI
へー面白い。
MAYO
だけど日本は泣いたら愛着障害になってしまうかもしれないから
一緒に寝なさいとか。
MISAKI
うんうんうん。愛着障害ね。
MAYO
文化的なところもあるんだけれども、育児に関わる信仰って。
でも二人育てて思ったのは母乳神話は間違いなく嘘で、
全然ミルクで育てても変わらなかったし、
下の子がたまたま乳糖不耐症、
ラクトースって呼ばれるお乳のお砂糖、
おっぱいにも含まれてて、
普通のミルクにも含まれてるんだけど、
06:02
MAYO
それを摂取すると下痢になっちゃうっていう病気に、
風邪をきっかけになっちゃって、
なんで特別な、乳糖がない、
ラクトースフリーのミルクっていうのがまた売ってて、
粉ミルクが売ってて。
MISAKI
聞いたことある。
MAYO
ある?すごくない?
それ知ってるのすごいと思う。
MISAKI
海外、それはちょっと本筋からずれちゃうんだけど、
海外の人が日本に観光とかに来た時に
言ってたんだよね。
観光案内所みたいなところで、
そういう牛乳が買えるお店がないかっていうのを聞いてたんだよね。
それでちょっと覚えてるかもしれない。
MAYO
その場にミサキさんがいたんだ。
MISAKI
ごめん、テレビで見たんだけど。
MAYO
はい、カット。
とにかく、下の子は強制的に
粉ミルクで育てなきゃいけないことになったのね。
最初はそもそもおっぱいからしか飲むことを知らなかったから、
哺乳瓶で飲むことは嫌がったんだけど、
慣れたら全然ゴクゴク飲んでくれて、
乳糖不耐症からくる下痢も収まって、
今二人の育ち方を見ている限り、
別に差は全くないので、
まず、哺乳神話は嘘。
それから、
ねんトレは、いわゆるスリープトレーニング。
ねんねトレーニングはどっちとも言えなくて、
私は一緒に寝ちゃった方が楽だったから、
にゃーにゃーにゃーって泣かれてても、
こっちも寝れないし、心配でドキドキしちゃうから、
泣かさずに一緒に寝ちゃえって。
で、よく分からず。
ただし、一汁三菜?
子供に限らず、これはもしかしたら
主婦にまつわる呪いというか、
神話というか信仰かもしれないけど、
母親は一汁三菜揃えるべきであるっていうのも、
これも嘘で、全然栄養さえ、
栄養バランスさえ整っていれば、一汁一菜。
土井善晴先生がおっしゃっている、あれでよし。
MISAKI
あれは結構救われた人多いんじゃないですか。
MAYO
多いと思います。朝ごはんはご飯と、
山盛りの味噌汁とか、コンソメスープとか、
よしっていう。
MISAKI
だってあれはさ、子育て世代じゃなくても、
私にですら刺さったから、
やっぱ、強迫観念のように思ってた人はいるんじゃないかな、
っていうのは思ってた。その当時から。
MAYO
そうだね。そのごとく子育てには、
こういう神話っていろいろあって、
そういう神話や信仰、呪いから降りると楽になるよ、
っていうお話でした。
09:01
MISAKI
その話を聞いてて思ったのが、
日本ってそういう行動を、
とにかく愛情というか、
愛に結びつけがちじゃない。
その話を聞いてさらに思い出したのが、
私、何回か話してるかもしれないけど、
シングルマザーの子供で、
だからお母さんは、
もう外に働きに行く人っていう感じだったんだけど、
そうなってくると必然的に子供と触れ合う時間って少ないし、
あとはもうご飯とかもさ、
結構出来合いのもので済まされたりとかっていうのをするんだけど、
じゃあそれが愛情がないかと言われると、
え?っていう、ちょっと、
それは、なんていうのかな、
乱暴に結びつけすぎじゃないって思った時があって、
とも思ったし、
でも確かにそういうところもあるのかなっていう、
なんかどっちとも取れない複雑な感情を抱いている時があって、
それが、愛されてないのか?
でもいや違うだろうっていう、
バランス?
どっちも持ってるっていう感じだったんだけど、
MAYO
それはいつ頃?
MISAKI
でももう本当それはね、
小学校卒業したらもう終わったかなっていう感じ。
MAYO
ああ、そのジレンマに悩んでいたのが。
MISAKI
そうそう。私はそれよりもやっぱり、
教育の機会を奪ってほしくなかったっていうのが何よりもあったから、
だからそれを奪わないでいれるような経済環境、
家の経済環境を母親が守ってくれるっていうことに、
そこに愛情を感じれたから、
考え方を変えることができたっていう感じかな。
MAYO
それは、お母さんが明かしてくれたの?
今私が一生懸命働いているのは、
あなたたちの将来の職業選択の自由、
教育を受ける権利みたいなものを保障するためよ、みたいな。
MISAKI
そんな言語化が得意な母親ではないから。
だから体良く、私がそのようにまとめましたっていう感じなんだけど。
MAYO
滲み出てはいた?
MISAKI
滲み出ちゃうよね。
毎日外に働きに行って帰ってくるっていうのを見てるから、
それに勝手にこっちが意味付けしてたっていうのはあるし。
MAYO
意味付けも別文脈で何か声掛けがあったからなのかなと思って。
12:00
MAYO
例えばうちだと、父親は高卒、母親は中卒みたいな感じで、
自分たちはもうちょっと学びたかったが学べなかった、
みたいな話がある日の食卓の話で出てきて、
一方でめちゃめちゃ朝から晩まで働いている、
めっちゃ教育のための資金を貯めてます、みたいな。
この二つを自分で意味付けると、私たちのために、
私たちが将来どうしてもこの道に進みたいという時のために
稼いでくれてるんだ、みたいな意味付けをした。
MISAKI
なるほどね。その意味で言うと確かに母親は経済環境っていうのか、
MAYO
経済的困窮?
MISAKI
そう、経済的困窮か。経済的困窮を理由に母親は、
やっぱり進学の機会を奪われた人ではあったっていう話は聞いたので、
お兄ちゃんは高校行かせてもらったけど、私は行かせてもらえなかったっていうのが
やっぱり悔しかったからっていう話を聞いたことがあったから、
それと母親が働いてるっていうことを結びつけて、
それを愛情として受け取ったっていうことかな。
確かにそういう因子はあったけど、それを結びつけて勝手に解釈しました。
MAYO
Mサイズ信仰から降りたら楽になったっていう話と結びつけると、
ステレオタイプの社会的な意味付けから脱却したっていうことかな。
MISAKI
そうそう。
MAYO
シングルマザーって子育て大変、シングルマザーに育てられてる子供は不幸だみたいな。
勝手につけられたタグ付けだったり、ステレオタイプの声がけみたいな。
MISAKI
あといわゆるそういう一般の、母親の愛情の示し方とはこうであるみたいな。
さっきの話じゃないけど、いっぱいおかずつくったりとか、
四六時中一緒にいてあげるとか、そういうのが愛情の示し方であるっていうイメージから脱却できたっていうのもあるね。
MAYO
母親の愛情の示し方で言うと、私ミートソースの手作りって食べたことなくて。
缶の出来合いのミートソースの味しか知らなかったんですよ。
そしたらどうやら小学校とかに上がったら、あれ?ミートソースの手作りしてるご家庭があるみたいな。
MISAKI
あと調理実習でやったりしなかった?
MAYO
したかもね。あれって作れるんだみたいな。
MISAKI
わかる。
15:01
MAYO
それくらいめっちゃ忙しい母親と父親に私も育てられたから、
その点でいくと結構出来合い率高かったと思うんだけど、
それよりも確かに愛情のとらまえ方は他のシーンであったから、帳消し感あったよね。
MISAKI
だよね。
結構そこに捕らわれて他者を攻撃してる人を見たりとか。
MAYO
マウンティングしてきたりね。
MISAKI
そう。あと自分を攻めてる人を見ると、後ろから抱きしめてあげたいと思ったけど、
そんなに背負わなくていいよっていう風に、かつて子供だった私は言いたいなっていう時があった。
MAYO
だからケア責任を負っている側も、ケア責任を受けている側も、
それぞれ呪いとか信仰とかを様々な作品や人からの声がけによって受けがちだが、
それを脱却するにはどうしたらいいんだろうか。
MISAKI
確かに。どうしたらいいんだろうね。
MAYO
どうしたらいいかっていうか、私の場合はとにかく情報を集めること。
様々な情報に接すること。
子育てで言えば日米、いずれも情報を得る。
こういう子育てはこの国ではしていて、あの国ではこういう子育てをしているみたいな。
つまりどっちか答え出てないんじゃんみたいな。
っていう風に引きで見れるから、情報収集って大切だなっていうのが一つかな。
MISAKI
なるほどね。情報からそういう結論になる時もあるし。
MAYO
シングルマザーだって生き生きとしている人いるじゃん。
シングルマザーに育てられた子供だって全然不幸そうじゃないじゃん。
みたいなのをどこかで見聞きできるとね。
MISAKI
あるんだよ。それはあるし、自分の家庭がそうだったし、明るく楽しく過ごしていたので。
それはあるね。あとは、これはその個人の特性かもしれないけど、
結構そういう一般論みたいなものを疑ってかかるっていうのかな、そもそもね。
そういう疑い深い性格だったから、一旦疑ってかかるっていうのもいいかもしれないなっていう風には思った。
MAYO
その疑いはポジティブな風に捉えると、クリティカルシンキングってことだよね。
18:06
MAYO
クリティカルシンキングっていうのは、言説、こう言われているけど果たして本当にそうだろうかって思うこと。
一旦そう思ってみる。鵜呑みにしないっていうことだよね。
MISAKI
鵜呑みにしないっていうのは、そうそうそう。それはあるね。
MAYO
じゃあ処方箋としては、情報収集をし、鵜呑みにしない。
MISAKI
そうだね。
MAYO
そして目の前の家族をよくよく見てみる。
MISAKI
うん。
MAYO
そんなところですかね。
MISAKI
そうするといいですね。Mサイズ信仰から外れていけるんじゃないですか。
MAYO
卒業できそうですよね。
MISAKI
そうそう。
MAYO
今回このあたりで締めてもいいでしょうか。
MISAKI
よろしくお願いします。
MAYO
番組では皆様からもお悩みやエピソード、トークテーマを募集しています。
メールアドレス、bcside2@gmail.com です。
MISAKI
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
それではまた次回。