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2021-06-02 11:07

向いてないんじゃなくて、練習してないだけかもしれない【第60夜】

「30歳のときに読んでおきたかったと思う本は?」というご質問に答えて、今夜は、鴻上尚史さんの『コミュニケイションのレッスン』をご紹介します。「コミュニケイションは技術」つまり、練習や訓練で上達するもの。だから「コミュニケイションが下手なことは、あなたの人格とはなんの関係もありません」という言葉に何度救われたことでしょう。30代って経験したことのないシチュエーションで経験したことのない役回りがまわって来がち……。シビれるシチュエーションを乗り切るとっておきの技とは。

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みもれ真夜中の読書会 おしゃべりな図書室へようこそ
こんばんは、KODANSHAウェブマガジンみもれ編集部のバタやんこと川端です。 おしゃべりな図書室では、水曜日の夜にホッとできて明日が楽しみになる
をテーマに、皆様からのお便りをもとに、おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。 さて、第60回を迎えました。今夜のお便りをご紹介します。
ペンネームのどあめさんよりいただきました。 自分の誕生日の日に何か特別な1日にしなければいけないと思ってしまい、毎年お腹を壊します。
30歳になるまでまだ1ヶ月先なんですが、節目のようで緊張しています。 今、バタやんさんが30歳の頃に読みたかったなと思う本はありますか?
ちょうどよくポジティブになれる本をお願いしますといただきました。リクエストありがとうございます。 少し前にこちらのリクエストいただいていて、6月がお誕生月なんですよね、きっと。
だから早くご紹介しなくてはと思っていたんですが、もう間もなく30歳になられるでしょうか。 私も実は6月生まれなんです。同じ双子座でしょうかね。
そんなのどあめさんに今日ご紹介する勝手に貸し出しカードは、大神障子さんのコミュニケーションのレッスンにしました。
この本は数年前に高校の同級生に勧められて読んで、その時私は38か39くらいだったんですけど、もっと早く出会っていればと思ったんです。
ちょうどその頃は今の編集部に来て、少し経ったくらいなんですけど、人前に出て喋るとか、イベントも多くて、イベントを司会としてMCとして仕切るとか、そんな役割が増えてきた時期だったんですね。
もともとあまり前に出るタイプではなくて、静かにコツコツと仕事をこなして、早く帰って本でも漫画でも一人で静かに読みたいなというタイプで、多分想像がつくと思うんですけど、
そんな久しぶりに会った同級生に、私高校はバスケ部だったんですけど、
その元ジョバスの友達に、イベントの司会とか本当苦手なんだよねって、イベントの準備、裏方の準備の仕事とか得意なんだけどさっていう話を愚痴っていたというかしてたんですよ。
そしたら私もそうだったんだけど、こんな本があるよって彼女が教えてくれたのが、神神さんのコミュニケーションレッスンという本なんです。
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どんな内容なのか、後半でお話ししていきたいと思います。
このコミュニケーションのレッスンの中で神神さんは繰り返し、コミュニケーションは技術だとおっしゃってるんですね。
つまり練習や訓練で上達するものだから、コミュニケーションが下手なことはあなたの人格とは何の関係もありませんという自分があるんですけれども、
今日はこれがカミフレーズでいいかもって感じですけど、早い段階で言ってしまった。
そう、コミュニケーションが下手なことはあなたの人格とは何の関係もありませんっていう言葉に何度救われていくことかっていう感じなんですよ。
コミュニケーション、つまり人前で話すとかもそうですけど、初対面の人と話を弾ませるとか交渉するとかそういうのも含めて、
技術を習って練習すれば上手くなるということが書いてある本なんですね。上手くなるコツがいろいろと具体的に書いてあります。
神神さんはスポーツに例えて下手だっていうことと、怯えて避けることは違うって書いてらっしゃって、それは面白いなと思ったんですけど、
下手でもセンスがなくても興味を持って練習すれば、ある一定のところまでは技術が向上するわけです。
オリンピック選手を目指すとかいうのはちょっとあれですけれども、でも怯えて避けてしまうとそこで技術もストップしてしまうから、
興味を持って練習するっていうことをすると、いろんなシチュエーションのコミュニケーションも上達していくという話なんですけど、
なんでこれを30歳になる野戸雨さんにご紹介したかったかというと、野戸雨さんは別にコミュニケーションに悩んでいると書いてはいないのに、
こんな本を勝手に勧めて失礼だわと自分で思いながらご紹介していますが、私は30代って結構自分らしいキャラと自分で思う自分の心地よいキャラクターとね、
外から求められる役割にギャップが生じやすい時期だなぁと思うんですよ。
例えば私は30になりたての頃とかって10年近く仕事をやってきているから、結構できるようになって、回せるようになってきているという自負はあるんだけど、
すごく女の子扱いされたりとか、子供のような扱いをされることもあって、
従順な女の子でいなきゃいけない30くらいって、若い女の子っていう扱いをされたりする部分とギャップがあったりしました。
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逆に性格的にはあまり主張しない、何事も穏便に済ませたいタイプではあるんですけど、大きな企画を担当するってなると、
うちの雑誌っぽくないとやり直しをスタッフに命じたり、チームのために誰かと交渉したり戦ったりしなきゃいけないこともあったりして、
そういうの向いてないなぁと思って、自分らしさとやらなきゃいけないことのギャップに悩んでいたこともありましたね。
30代って今まで経験したことのないシチュエーションが次から次へとやってきて、経験したことのない役割が振られるんですよね。
仕事でも、結婚するとかしないとか、母になるとか、マンションや自治体の理事をやらなきゃいけないとか、そういう地域的なお仕事もあるかもしれないですし、
大上さんは舞台の演出家でいらっしゃるから、お芝居の稽古を応用したコミュニケーションのレッスンのお話を書かれているんですけど、
なんと何でも演劇になぞらえればいいんだなと思ったりしました。
人生はすべて舞台、ステージなのって月陰先生みたいな感じになっちゃいますけど、
マンションの理事も何かの会のファシリテーターも、誰かの定年の会の感じも、誰かの結婚式の二次会の感じも、
ご両親、彼のご両親との食事会も、うまくできなくて、うまく振る舞えなくて当然というか、
だってこんなシーン練習したことないんだもんっていうふうに思えばいいんだなと、この役初めてだからと思ったら、
自分の人格や人間性を否定したりして、心が折れなくて済むかもと思いました。
そんなコミュニケーションのレッスンから、今日は紙フレーズをご紹介して終わりたいと思います。
知り合いの男性がものすごく緊張する面接の時に、心の中でショートコント、面接と叫んでからドアをノックすると言っていました。
実に面白い方法だと思います。心の中でショートコント、面接と叫ぶと、真剣度合いがひとつ緩くなって緊張が減ります。
ショートコントを演じているんだと思えば、対応の必死さも、必死ゆえに周りが見えなくなる感じも少なくなるでしょう。
この本にいろんな技は紹介されているんですけど、この技はすごく好きなんで好きにいっていて、
いろんなシチュエーションを今演じていると思うと乗り切れることっていっぱいあって、乗り切るどころかちょっと楽しくなったりするかもしれないですね。
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神さんは私たちは場面場面で自分自身を演じています。意識的に演じている時もあれば、相手や環境が変わって無意識にしている時もあります。
それが本来、人間の本来の姿です。それは少しも悪いことではありません。それが自然の姿なのです。って書いてらっしゃるんですけど。
のどあめさんも誕生日を誰か何か特別な日にしなくちゃと緊張するって書いてらっしゃって、私もその感覚はすごくわかるなぁと思ったし、
なんかサプライズとかされるのがすごく苦手なんですよ。うまくリアクションが取れるかなぁとか、喜んでる顔ができるだろうかと思ったらお腹が痛くなってきちゃうっていうね。
むしろ誕生日なんて来なくていいのにと思ったりしますけれども、でも何もなきゃないで落ち込んだりもして、
それもこれもサプライズが怖い自分も何もないことに落ち込む自分もショートコント、誕生日と心で唱えて楽しんでみたらどうでしょうかと思ったりしました。
さて、そろそろお時間になってしまいました。
真夜中の読書会おしゃべりなと出出はこんな感じで皆さんからのお便りをもとにしながら、いろいろなテーマでお話ししたり本を紹介したりしています。
みもれのサイトからお便り募集しているのでぜひご投稿ください。
また来週水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。おやすみ。
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