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真夜中の読書会おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、KODANSHAのバタやんこと川端です。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室では、
水曜日の夜にホッとできて明日が楽しみになる、をテーマに、
おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
第128夜を迎えました、今夜のお便りご紹介します。
ラジオネームMMさんからいただきました。
バタやんさんこんばんは。
1月4日に後輩の対応に悩んでいるご相談に答える会がありました。
私もまさに似たような状況に直面しています。
話し方や見出し並みが社会人としてカジュアルすぎる後輩に、
自分の好みよりもTPOを重視する場面があることを分かってもらいたい。
言われなくてもできるようになってもらえたらと思っています。
そこで、世代や個人の価値観や、こうするのが常識、
というのが全然違う相手とコミュニケーションを取るための考え方や、
冷静に相手に伝えて良い結果へ導くヒントになる本があったら教えてください。
といただきました。
ありがとうございます。
いやー難しいですよね。
伝え方って本当に日々、日々実感しています。
今日はですね、3冊勝手に貸し出しカードを発行しちゃいます。
1冊目は古谷修斗さんのゆるい職場、若者の不安の知られざる理由という新章にしました。
2冊目と3冊目も新章なので、今日は新章3冊ご紹介するんですが、
2冊目は林まり子さんの野心のすすめ、
そして3冊目も林まり子さんの最新刊成熟スイッチにいたしました。
1冊目のゆるい職場という本はですね、若い世代の教育係を任された人だったり、
会社のそういう部署にいる方、あるいは若者って何考えてるんだろうみたいなことで悩んでらっしゃる方に、
若者とか何々世代、Z世代とかっていうふうに一括りにして、
世代の違いとか価値観が違うよね、みたいなのを感覚的にばっくり言うんじゃなくて、
古谷さんって方がリクルートワークス研究所にいらっしゃる方なんですけど、
リクルートワークス研究所の調査結果をもとに、調査結果から分析した本になっています。
なので若い世代をどう理解してどう接したらいいのかっていう話を、
このゆるい職場を題材にして前半にさせていただきまして、
そして後半はMMさんやMMさんのような立場の方が、
その子と接することでストレスを受けたり、がっかりしたり、
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嫌な気持ちにならないためにどういう心持ちでいるといいんだろうかっていう話を、
林まり子大先生の2つの心象を読み比べながら一緒に考えていきたいと思います。
ではまずゆるい職場を解説していきます。
リクルートワークス研究所の古谷さんによるゆるい職場という本はですね、
昨今の新入社員は職場環境が改善しているにもかかわらず、
離職率が増加しているという問題について分析解説した本です。
この本の調査によると、大手企業の新入社員の労働時間はこの10年ぐらいでぐっと減少していて、
残業時間で言うとなんと半減しているらしいんですね。
さらに自分の実感として、新入社員本人の実感としては、
負荷の高さとか、失跡された経験というのも減少しているってことなんですよ。
でも入社3年未満の離職率は20%くらいから26.5%へと上昇していると。
著者がたくさんの若者にインタビューをしたところによると、
余力があるとか、あまり怒られたことはない、不尽なことも言われたことない、
片透かしなどのコメントがあったと。
辞める理由は何かっていうと、会社のことは緩くて好きだが、
キャリアが不安なので退職を考えているっていう人がある一定の割合いるっていうことなんですね。
これを読んで、職場環境も改善していて、理不尽に怒られたりもしなくなっているのに、
緩くて不安って言って辞められちゃうって言うとね、どうすりゃいいのさってなりますよね。
いや本当MMさんにも一緒にどうすりゃいいのさってなってもらえたらっていう感じでこの本紹介したんですけど、
ここに書いてあって私がすごくへーって思ったのは、若者が辞める理由が不満がたから不安がたになっているっていう話なんですね。
この会社が嫌だとか、上司が嫌だとか、安月給でこんな理不尽に働かされてとかっていうのは不満ですよね。
不満を理由に辞めるんじゃなくて不安、漠然とした将来の不安とか、
このまま私ここに何年もいて大丈夫かなとか、成長できてないっていう、このままここにいたら転職できない、身についてる武器がない状態になっちゃうんじゃないかっていう不安から、
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早めに歌詞を変えたいというか、違うところで活躍したいと思って辞めてしまうというわけなんですね。不満がたから不安がたかと思って。
で、この本にはこちら側、教える側と言うとまたちょっとそれも考え方が違うってなるんですけど、
先輩側の会社側のマインドセットと、じゃあどうしたらっていうのが両面から書いてある本になっています。
まずは主語が変わったという話があって、それもすごいなるほどって思ったんですけど、
会社とか先輩、こちら側が主語だった時は、育てなくちゃいけない、こちらが育てなくちゃいけないっていう感覚から本人が主語になっていて、
本人が会社を使って育ちますと、育てなきゃから私が育ちますという会社を使ってね、
本人が会社を使ってやりたいことを実現しますという風に、主語が移り変わっているんだっていう話なんですよ。
って考えると、なんかあんまり育てなきゃとか、あらまほしき姿に整えなくてはと、
こちらが思うよりもその子が実現したいことが何で、それを実現するにはどうしたらいいんだろうっていう、
どうするのが最適解なんだろうっていうのをね、一緒に考えるっていうのがいいのかなってこの本を読みながら思いました。
この本にはこれをスモールステップでって書いてありまして、ちょっとそのスモールステップっていうのをご紹介したいと思うんですけど、
若者のスモールステップ実践の5要素とありまして、
1、自分のやりたいことをアウトプットしてみる。これは自己開示ですね。
背中を押してもらいパワーをもらう。エネルギーを受け取る。目的を持って探ってみる。目的のある探索。
試しにやってみる。思考。体験を自分のものにする。耐性。振り返りと、このスモールステップを実践していくことで、
自分がやりたいことをやるっていう小さいステップをアップしているというのが実感できるっていうことでしょうか。
こんなに手取り足取りと思ったりもしますが、なんていうか、今の若い子っていう言い方をするとまたざっくりしていますが、
すごくわかりやすい野心という意味の、部署でナンバーワンになってやるとか、大きなお金を動かしたいとか、
大口のお客さんから気に入られたいみたいな、この間ご紹介したね、桐野夏夫先生の真珠とダイヤモンドのバブル機の証券会社みたいな、
わかりやすい野心を表に出す子は本当に本当に少ないんですけど、なんかもっと大きな夢がある子は逆に言うと多いというか、
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SDGsとか、男女平等みたいなことだったり、不平等をなくしたいとか、世の中を良くしたいとか、世界の人たちがもっとフラットになんとかみたいな、
夢としては理想、野望は結構大きいなと思っていて、なんかそれってとてもいいことだし、それをいきなり言うとステップがでかすぎるので、
小さくステップを踏む中にこの会社を、あるいはこの部署をどう組み込んでいくかっていうことなのかなと思ったりしました。
スモールステップの中にMMさんも気になるような服装をふさわしいものにするとかもあるかもしれないですし、
関係する人に敬意を持って接するとか、無駄にいざこざ圧力を生まないようにどう振る舞うべきかみたいなこともそのスモールステップの中に含まれるのかもしれないですよね。
この先々の自分の理想像とかやりたいこととか、通したいことを実現するために無駄に損しないみたいなことだと思うんですけど、
私はそれは理解できるんだけど、こうした方がいいよって言ってもそれは彼女、彼には多分伝わってないんだろうなと思ったりもして、
こうした方がいいよっていう私とか、例えばMMさんにはそうしなかった時のデメリットや無駄な圧力とかその先が見えてるわけですよね。
だから今こうしておいた方がいいよっていうのが言えるんだけど、こうしておいた方がいいよのその先にどんなメリットがあって、ステップの中のどういう意味があるのかっていうのは確かにわからないのかもしれないなぁと思ったりしました。
何のために頑張るのか、何のために自分の好みを封印してまでこう振る舞う必要があるのかっていうのは私もうまく説明できないなぁって思ってしまって、この本を読んでもちょっとそこがそのギャップを埋めるって難しいなって思ってたんですよ。
そしたら、林真梨子さんのYouTubeチャンネル知ってますか?ご覧になっている方もいらっしゃるかもしれないんですけど、
マリコ処方っていうねYouTubeチャンネルを林真梨子さんご自身でやっていらっしゃって、あれを私を大変大変楽しみにしているんです。
この間、奥田秀夫さんのリバーなんかも取り上げていらっしゃいましたけれども、ご自身でその林さんの新書野心のすすめを解説している回がありまして、ぜひ皆さんにも見てほしいんですけど、
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ご自身の解説で野心のすすめとはどういう本だったのかっていうのを説明していらっしゃったんですね。これが素晴らしいなぁと思って思わずメモ、ノートにメモを書いてしまったんですけど、野心のすすめとはちょっと努力をして新しい風景を見ることの素晴らしさと爽やかさを書いた本なんです。
すごいなぁと思って、フラットなままならいつもと同じ、でも頑張ったなりの清々しさがあるってことを伝えたかったっていうお話をされていて、私は9年前かな、この野心のすすめが出た当時に読んだ時はそれを感じ取れてなかったんです。正直。
んーへーって感じで読んだんですけど、今すごく響いたし、読み返してやっとこうわかるところがいっぱいあったっていう。だからこの林さんがおっしゃってたちょっと努力して新しい風景を見ることの素晴らしさっていうのを自分で読んでみたんです。
私が伝えたいことはそういうことだったのかもしれないと、やっとしっくりきたっていう感じで。
今私は野心のすすめがやっと響く世代になったんだなぁと思いました。それで今日はもう一つの最新巻。
成熟スイッチをご紹介したかったんですけれども、先に言ってしまうと成熟スイッチは私の実感としては、もう一つのスイッチだと思うんですけれども、
まだその成熟スイッチを押すゾーンにはまだ到達してないなって思ったというか、やっと野心のすすめゾーンにそれがわかる、
理解できるようになったところに手が届き始めたって感じで、その先に成熟スイッチがあるんだなっていうのを今は思っています。
多分この本が本当の意味で響くのはもう少し時間がかかる先なんだなって思いました。
MMさんはどちらかちょっとわからないですけれども、
でも今日は成熟スイッチから紙フレーズをご紹介して終わりたいと思います。
ちょっとしたことでいいから何か新しいことをして、昨日とは少し違った自分を思い出したいなと思います。
さて、これは成熟スイッチの後書きです。
ちょっとしたことでいいから何か新しいことをして、昨日とは少し違った自分になってみる。
成熟にはきれいがありません。毎日新しいスイッチを入れながら自分の変化を楽しむことができたら、なんて素敵な人生でしょう。
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さて、これは成熟スイッチの後書きの最後の最後に出てくるところで、
後書きの最後を読んじゃうっていうのはちょっと禁じてたなって思ったんですけど、どうしてもご紹介したかった。
この本の中で林真里子さんは、若い人と交流するのは大事だと若い人に教えてもらうことが多いって話を何度かされていて、
そのためにちゃんと自分から誘ったり、誘った上であまり長いせずにさっと帰れみたいな話もされているんですね。
それですごくハッとしたんですけど、私は今人事部にいて採用とか研修とか若い子と接することが増えたんですが、
そこが一番楽しい、今の仕事の中で一番楽しい瞬間でもあり、
それは自分がこうあらなくてはとか、仕事に至るものこうあるべし、こうすべしって思っていたことを簡単に壊してくれるからなんですよ。
最初いちいちえっと思うし、そりゃダメでしょって思うこともいっぱいあるんですけど、
なんでダメなんだっけって思わせてくれる部分もあって、確かにそういう感覚もあるのかねとか、
この方が正しいって思ってたけど、そうじゃない、そこにこだわる必要あるみたいな感覚もあるのかねって思ったりする部分もあって、
それが林さんの言うところの新しいスイッチを入れてくれるものの一つではあるんですよね。間違いなく。
自分がステイしてしまわないためにその世代が違う人と接して、なんでダメなんだっけってちょっと思い直したりする。
結果やっぱりこの方がいいよねって思うこともあるんですけど、
そうやってちょっと自問自答したことで、やっぱり昨日と今日は少しだけ考え方が違くなっているっていうのは結構いいことだなと思って、
それが人生にとっての幸せだというふうに林さんは書かれているというのに、なるほどと感動したのでした。
MMさんを心から応援しているとともに、こんなしがないポッドキャストにまで相談してくれるほど、
その後輩さんのことを思ってるんだぞっていうことをお伝えしたいくらいですね、代わりに。
よかったらゆるい職場、そして野心のすすめ成熟スイッチ、気になったものを手に取っていただけたらと思います。
リクエストありがとうございました。
さて今夜もお時間になってしまいました。
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おやすみなさい。おやすみ。