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みもれ真夜中の読書会、おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、KODANSHAウェブマガジンみもれ編集部のバタやんこと川端です。
おしゃべりな図書室では、水曜日の夜にホッとできて明日が楽しみになる、をテーマに、皆様からのお便りをもとに、おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
さて、第25夜となりました大阪府にお住まいの寛天さんからいただきました。
秋の夜長にぴったりな思わず夜更かししてしまうような小説を教えていただきたいです、というリクエストに、今夜お答えしたいと思います。
ねえ、もう秋の夜長ですよ。この間、夏にぴったりの青春恋愛小説をっていうお話をしたばかりなのに、
ポッドキャストを配信しているアプリがあるんですけど、そのアプリから視聴者数、視聴者数って言うんですか、
再生回数とかがわかるんですけど、恋愛小説の話を知ってる回が全然伸びないんですよ。
なんでだろう、恋愛小説はバタヤンには求めてないって感じなのかな、わかんないけど、
むねきゅんは好きなんですけどね、まあめげずにやっていきたいと思います。
思わず夜更かししてしまうような小説ですよね。この秋はおすすめの小説、そしてすでに文庫化されている小説の映画公開が続々と予定されているんですよ。
なので映画公開間近の3作品をご紹介したいと思います。まずは10月9日に映画公開予定のしずくゆうすけさん原作ののぞみです。
この作品は9月のある週末に息子が帰ってこないと、今ぐらいの時ですね、連絡もない、
そうこうしているうちに息子の友達が遺体となって発見されるっていう事件があります。
行方不明になっているのは3人で、そのうちの犯人が2人だっていうふうに報道されたとわかるんですけど、
帰ってこない自分の息子は被害者側なのか、加害者側なのか、逃げてる犯人側なのかっていうところから始まって、
部屋からナイフが出てきたりとか、ちょっと最近の不穏な行動とかもあって、もしかしてっていうふうに胸騒ぎがする家族の物語なんですけど、
息子が例え犯人でもいいから無事に帰ってほしいと願う母親と、無実で会ってほしいと思う父親っていうね、この設定を聞いただけで先が気になるっていう感じで、
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一気に読み切ってしまわないと気持ちが悪いっていうタイプの小説なんですよ。
その犯人でもいいから帰ってきてって願う母親役を映画では石田由里子さんが、世間体とかを機にして無実でいてほしいと願ってしまう父親を
鶴見真一さんがやるわけですね。息子役は中学生日記の岡田健司くんです。これは絶対見ないとでしょ。
監督は鶴見幸彦監督なんですけど、脚本家で奥寺里子さんといって、映画版の八日目の蝉とか、あとドラマの夜行観覧車
Nのためにリバースとかっていう湊カナエさんのね、あのシリーズをやったり、またステージで帰りますとかを手がけている脚本家さんなので、
これは期待しかないって感じです。この作品、夫婦が主人公ではあるんですけれども、一番かわいそうなのはこの息子に妹がいて、妹なんですよね。
急にマスコミに毎日囲まれて、ネットには家族の情報もさらされちゃって、その妹役は映画では清原茅ちゃんが演じるそうなので、これも注目ですね。
そのさ、どう転んでもバッドエンドっていう犯人だったとしても、死んでしまう被害者だったとしても、っていうハッピーエンドになり得ない残酷な設定の中で、タイトルにある望みっていうのがどこにあるのか、家族の希望、救いっていうのは何なのかっていうのが、この小説のテーマになっていて、
望みっていうタイトルの重さに、読み終わってまた涙するという作品です。
そしてもうあと2つ、朝が来ると罪の声も今日はご紹介したいと思ってるんですけど、3つともそのタイトルがすごいっていうか、読み終わってそのタイトルの凄さに、再び震えるっていう共通点があります。
後半は辻村みずきさんの朝が来るをご紹介したいと思います。
はい、辻村みずきさんの朝が来るは10月23日映画公開予定で、主演は永作ひろみさんと井浦ら太さん、そして監督脚本撮影は川瀬直美さんです。
これも絶対見なくてはというラインナップですね。
朝が来るは特別養子縁組の話なんですが、長い不妊治療を経て養子をもらうことにした夫婦、これを永作さんと井浦さんが演じられるわけですが、
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この映画を試写とかで私も見たわけじゃないのでまだ見れてないんですけど、原作の小説でいうと、この2人の夫婦が主人公としながらも子供を手放さなくてはならなくなった若き産みの親、少女の方に最後スポットライトがヒューって当たるんですよ。
そこがもう鳥肌の号泣というか、あんまり映画や小説を紹介するのに号泣必至みたいな陳腐な言い方はしたくはないんですけど、これは本当にやられますっていう感じです。
そしてもう一作品、罪の声もご紹介します。
罪の声は10月30日公開で、小栗旬さんと星野源さんのダブル主演。
10月まじ忙しいですね。毎週末。
脚本は逃げ恥、アンナチュラル、ミュー404とも今やノリに乗っている乃木明子さんですよ。
星野源さん主演って言ったらね、もう期待しかないでしょう。ズルいってくらいですね。
罪の声はグリコ・森永事件をモデルとしたフィクションで、グリ森事件は脅迫の声が子供の声なんですよね。
その声の主が主人公で、これは俺の声なんじゃないかって気づいてしまうところから物語が始まるわけなんですが、それを星野源さんが演じます。
もう一人の主人公は、31年前に起こったこの事件を掘り返すように命じられた若手の新聞記者。
この新聞記者の役を小栗旬さんが演じるわけですね。
グリコ・森永事件って1984年、85年に起こった事件で、私ももう生まれているし、子供ながらにおぼろげに記憶もあるんですけど、
電話は固定電話だけだし、当然ね、みのしろ金受け取り場所に行くとかって捜査をする警察の人たちも紙の地図を持ち歩いてるんですよ。
なんかちょっとかわいいというか、ちょっとほっこりするというね、すごい昔じゃないのに全然世界は変わってしまったんだなぁということを思ったりしました。
ミステリーの要素が重厚なんですけど、先にご紹介した望みと朝が来るのも家族をテーマにした黙々しさに比べると割と気持ちも軽くストーリーを終える物語かなと思います。
3つとも映画を見る前に原作を堪能して、このシーンがどう描かれるのかを楽しんでいただけたらと思います。
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今日は最初にご紹介した望みから紙フレーズをご紹介して終わりたいと思います。
社会的な価値観がなくなった男など家庭的な存在価値もないに等しくなる。
考えれば考えるほどゾッとする話だった。余計に眠れなくなった。
これは望みの中の、そのさっき言った世間体を気にする父親。
ひどいと言えばひどいんですけど、わからんではないっていうぐらい建築のデザイナーとして花々しく仕事をしていた人なので、事件が発覚してからクライアントが離れていき仕事がなくなり、
母親である清江は高越高生の仕事をしているんですけど、仕事を失っていく夫と私は仕事があるみたいなことを冷静に考えて計算している。
そんな計算している自分に気づいてゾッとするっていうシーンなんですね。
女の人って母親ってそういうところがあるのかもしれないなぁと思いました。
家族の有事、事件が起こった時に表面的には動揺して泣き喚いて悩んでっていう奥さんの方で、
落ち着けよっていうのがお父さん男の人なんだけど、静かにこの後のことを実は計算しているのは女の人で、そんな怖さと強さを感じましたね。
そのあたりを石田由里子さんがどういうふうに演じられるのかとっても楽しみです。
岩田さん、今日はリクエストありがとうございました。
皆様からのリクエストもお待ちしております。ぜひ見漏れから応募してください。
今日もありがとうございました。
さて、そろそろお時間になってしまいました。
また、真夜中の読書会おしゃべりな途中室はこんな感じで、皆さんからのお便りをもとにしながら、いろいろなテーマでお話ししたり、本を紹介したりしています。
見漏れのサイトからお便り募集しているので、ぜひご投稿ください。
また来週水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。おやすみ。