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真夜中の読書会、おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、KODANSHAのバタやんこと川端です。
真夜中の読書会、おしゃべりな図書室では、水曜日の夜に
ホッとできて明日が楽しみになるをテーマに
おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
第178話を迎えました。
今日は新コーナー、来ると思いますからスタートします。
今週の来ると思いますはですね、
ちょうど読み終わったばかりの新書、
押尾敦さんの「性格が悪いとはどういうことか? ダークサイドの心理学」という本を紹介します。
ダークサイドな性格特性について掘り下げた本なんですね。
私自身はあんまり人のことを嫌いになったりはしないというか、
いや、違うな、ちょっとそれはよく言い過ぎたかもしれません。
苦手だなと思って避けることはあるんですけど、
嫌いってあんまり思わないようにしている。
意識的にそうしているっていうのが正しいかな。
なんですけど、こないだ都知事選がありましたよね。
都知事選の時のテレビで候補者の方のやりとりを見ていて、
この人性格悪いなって思っちゃったっていうか、
それでその性格悪いってどういうことなんだろうなと、
どこをどう性格悪いって感じる人は感じるのかなって思って、
ちょうど新書の新刊が出ていたので買ったんですね。
ダークな性格の典型としてこの本の中では、
マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズム、サディズムの4類型が解説されていました。
政治家とか大企業の経営者とかって、ある種そういうところがないと、
ナルシシズムとかサイコパシー、サディズム、マキャベリズムとか、
ないとやっていけない側面もあるのかなとも思いますし、
人の気持ちや自分の感情を無視できる力と言いますか、
お構いなしができる力っていうのがないとやれない側面もあるのかなと思ったりしましたが、
でも性格が悪い、性格が良いって一体何なんでしょうね。
そもそも性格とは何なのか。
MBTI診断も流行ってますけれども、性格診断の一種でしょうか。
性質とか資質と性格っていうのは違うのか、性格は遺伝するのかとか、
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そんなようなことを掘り下げた本になっていました。
まだちょっと解説できるほどには読みこなせていないので、
またの機会に、そのうち来ると思います。
というわけで、今日のお便りもご紹介しましょう。
ペンネームたっかんまりちゃんさんから頂きました。
またやさん、はじめまして。こんにちは。
こんにちは。
私は大学を26年卒の台で、
ドラマや音楽、ライブイベントといったエンタメ業界に興味があり、
出版社もチェックをしていて、またやんさんのポッドキャストにたどり着きました。
韓国ドラマ大好きですが、韓国の小説は読んだことがなかったです。
真夜中の読書会で知って、ハカヤ、ユウ、ウォンなどを読みました。
私はドラマ、サスペンスやゾンビ物など怖いものよりは、
25、21、その年私たちはわかっていても、など青春恋愛ものが好きです。
ようこそ、ふなむどう書店へは、ぜひ買って読んでみようと思いました。
と頂きまして、ありがとうございます。
そうですね、マスコミ、就活イベントとか、
サイトに出ることもありまして、私も人事部の人として、
それで真夜読を知ってくださったのかもしれないですね。嬉しいです。
就活では、まず選ばれることが大事というのを頭ではわかっているのですが、
選ばれるために振る舞ったり、選ばれやすい受け答えをすることが自分を偽っているようで、
そうまでして入っても自分のやりたいことと違うんじゃないかと考えてぐるぐるしてしまいます。
私の周りではインターンなども決まり始めていて、
割り切れる子は羨ましいなぁと思う一方、そうなりたくないと思ってしまう自分もいます。
やりたいことと自分らしさの実現の間で、もやもやしている私におすすめの本があれば教えてください。
またアドバイスがあればお願いします。と頂きました。ありがとうございます。
そうですよね。夏のインターンがもう真っ盛りというか始まっている頃ですもんね。
本を紹介する前に、たっかんまりちゃんさんにぜひ見てほしいドラマを一つご紹介したいと思います。
netflix で配信中のミスナイト&ミスデイっていう韓国ドラマなんですが、ご覧になったでしょうか。
ランキングからはね、ちょっと外れてしまってますし、
ツイッターで見るとそんなに話題になってないのかなと思うんですけど、すごく面白いので、ぜひまだ見てなかったら見てみてほしいです。
ヒロインはですね、公務員試験に落ち続けていて、20代後半になってしまったミジンという女性で、
彼女はある日突然昼間は50代に変身しちゃうっていう、夜はまた20代の体に戻るという不思議な体になっちゃうんですよ。
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50代の体の方の時に、検察庁のインターン、シニアインターンとしてがって、2つの世代の体を生き生きしながら、検察官の厳しい上司の下で働くことになるのですが、というお話です。
このドラマの見どころはですね、中身は20代だけども、ルックスが50代になってしまった昼間パートを演じるイ・ジョンウンさんがすごいんですね。
女優イ・ジョンウンさんの名前を聞いてもちょっとピンとこない方もいらっしゃるかもしれないんですけど、見たらああ、あの人かってなると思います。
有名どころはパラサイトでしょうか。
未成年裁判とか海町チャチャチャにも出てたかな。
ヒットしたドラマとか映画に必ず出てくる家政婦とかナース長みたいな役でね。
主人公の感情を動かす大事な役、大事なシーンで出てくる明媒プレイヤーって感じですね。
ひもった母さん的な役とか貧乏人も、お金持ち上司の役、役もできるんですけど、なんかどっかチャーミングなんですよね。
日本の女優さんだと誰みたいかな。
高畑敦子さんとかだとややちょっとパンチが強いかな。
池谷信恵さんとかそんな感じですかね。
この明媒プレイヤーが今回は主演を演じているんですね。
伊条雲さんは見た目はおばさんだけど仕草は20代っていう演技の技術がすごいんですよ。
仕草に年齢ってあるんだっていうのをこのドラマで初めて気づいたって感じましたね。
ちょっとびっくりした時とか、そういう仕草が若い子ってこういう感じだよねっていうのを伊条雲さんを見て思う。
どんどん重なってきちゃうところがすごいですね。
私は昼間パートの方に年齢が近いので伊条雲さんについつい感情移入してみちゃうんですけど、
タッカンマリちゃんさんはチョンウンジさんが演じる夜の20代パートの方に年が近いですもんね。
ヒロインは長年公務員試験を落ち続けている間バイト歴が長い上にタイピングも爆速だし、
エクセル関数とかプログラミングもできちゃったりして死後的なんですよ。
周りからするとババアには無理だろうって思われるようなこともできちゃうっていう。
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逆に若い女の子には無理だろうって思われそうなことも50代ならできるっていうところが最強だなっていう風に。
特に何か教訓とか得なくてもいいですし、社会への問題提起とかね、難しいことはあまり考えずただただ痛快に楽しめます。
ちょっとミステリー、サスペンスの様子もあるんですけれども、気楽に楽しめるドラマなので、
もし就活で辛くなった時はぜひ見てみてください。
というわけでドラマ談義をしたところで、今夜の勝手に貸し出しカードはですね、
韓国ドラマを深く面白くする22人の脚本家たち、伊天音クラスから私の開放日誌までという本にしました。
人気韓国ドラマの脚本家22人へのロングインタビューをまとめた本になってます。
韓国ドラマ好きでエンタメ業界への就活を、就職を目指している高森ちゃんさんにはきっと楽しんでもらえるんじゃないかなと思ったのはもちろんあるんですけれども、
働く時に生じる、求められるものと自分が良いと思うものとのギャップの歩み寄らせ方みたいなのが、
22人のプロたちのメソッドとして描かれているなと思ったんです。
ここに出てくるのは伊天音クラスとか社会現象になるようなヒットドラマを次々生み出している人気売れっ子脚本家たちですから、
何年も先までオファーが埋まっているような感じなんでしょうけど、
そういう人でもやっぱりそんな葛藤をあって折り合いをつけたりしながら、自分なりのスイートスポットを外さない、ずれていかない術を身につけているんだなぁって思いました。
この本ですね、インタビューの文章がすごくうまいんですよ。それで一気に読んじゃったんですけど、
ハンギョレ21っていう時事ネタを扱う週刊誌ですかね。
島石のシネ21っていう映画専門誌の方がインタビューをして構成している本だからか、
ドラマ一つ一つへの掘り下げと時事ネタとの絡ませ方も深いですし、
リード文と言われるんですけど、インタビューの会話が始まる前の文章がとてもいいんですね。
インタビューのリード文って一般的にこの人は何々で注目されていて、こういう特徴があってこういうところが受けている秘密なのではっていう導入の紹介みたいな文章があるんですけど、
その掴みのバリエーションがすごい良くて、とても勉強になるインタビュー本でした。
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22人登場されているんですけど、私はどのインタビューが印象に残ったかと言いますと、
ドラママインを書いたペク・ミギョンさんという脚本家の方の話です。
ペクさんのお話から先に紙フレーズをご紹介したいと思います。
先ほど脚本家の仕事を再開する前に、塾経営で成功していたとお話しましたが、この経歴がなぜ重要な意味を成したかというと、
作家というのはお金がないとやりたくもないものを書いたり、おもねったりせざるを得なくなるからなんです。
交渉のテーブルの前で卑屈になったりもします。
とあります。
このペクさんという方はですね、若い頃に脚本のコンクールで賞を取った後すぐに脚本家として活躍できたわけじゃなくて、
塾の経営をしているんですね。塾講師をやっていて、それがある程度成功していまして、才覚があったんでしょうね。
このインタビューはこの後このように続きます。
その点、テレビ局からしてみれば、私はベンツに乗って打ち合わせにやってくる新人脚本家、気持ちにも余裕があったわけです。
当時はまだテレビ局の人間が新人脚本家をバカにするような悪しき習慣がありました。
一種のパワハラですよね。
ですが私はそんなものにもびくともしない。
おかげで自分がやりたいことや自分の得意なことに集中できました。
というふうにあります。
ベンツに乗れるレベルに塾が成功していたということが、余裕を生んでいたという話なんですけど、
なるほど、それが真理だなと思いました。
やりたいこととか自分の意思を貫くには、自分が余裕がないといけないというか、
余裕がある振りができるようになっていることが有利であるということですかね。
「悲意のある彼女」というドラマも彼女が書いているんですけれども、
これは実はなかなか放映が決まらず、
中年女2人が主人公なんてヒットしないとか、もっと恋愛パートがないとかいろいろ言われて、
それでも妥協しないでいられるのは、お金に余裕があったからっていうのは、それはそうなんだろうなって思いました。
ここには書かれてないんですけど、私が思ったのはもう一つは、
自分は塾の先生は向いているっていう、子どもたちに教えるのが自分が上手だなとか、
教育ママたちとのやりとりは向いているって思えた自信があったっていうのは結構大きいんじゃないかなと思いました。
働くっていうのはやっぱりお金をもらう以上、どんな仕事でも選ばれる側、選ばれてなんぼっていう側面はあると思うんですよ。
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自分が本当にやりたいこととは別として、自分がこれなら向いている、誰かに選んでもらえるだろうって思える何かを作っておく、
得ておくっていうのは先々非常に大事だと思いますね。
いつか本当にやりたいことに携われたり、どうしても通したい企画があった時に、
卑屈にならずに済む、引かずに済むっていうために、
ペクさんの言葉に、本質さえ損なわなければいいんですっていうのがあって、
これが彼女が繰り返し述べている本質なのかなと思ったんですけど、
本質さえ損なわなければ、枝葉は譲っていいっていう、彼女の強さはそこなんだろうなって思いました。
また別の方で、知ってるワイフとかイルタスキャンダルを書いた、
ヤン・ヒスンさんっていう脚本家の言葉にも紙フレーズがあったんですが、
それを最後に紹介したいと思います。
ドラマ脚本家として踏み出したばかりの人をアシスタントにつけて、
ある程度経験してきた人に共同執筆の機会を提供しています。
しかしこの作業は絶対に効率的でなくてはなりません。
その人が書いてきたものを私が全部手直しするようなことになると、お互いつらくなってしまいます。
序盤に作業をしてみて、相手側が20%以上の役割を果たすことができると判断したら、
共同執筆として名前を載せ、見合った対価を差し上げるという形にしています。
とあります。
私が衝撃を受けたのは20%という数字です。
20%ですよ。
韓国ドラマの脚本って、この本を読んでとてもよくわかったんですけど、
共同執筆とか複数人が執筆するケースが結構多いんですね。
一話が長いし、話数が多いし、登場人物も多いから、
チームでやったり複数人で分担するメリットは多いんだろうと想像しますけれども、
自分よりキャリアの浅い人、新人に近い人と組んだ時に、
すごい書き直したくなっちゃいそうだけど、あまりそういうことはしない。
事前に擦り合わせて20%やれるって思ったら任せる勇気ってすごいなって思いました。
先ほどのペクさんの本質さえ損なわなければいいんですと通じるものがあると思いました。
私も本質的なところで20%重なってたらよしと思えるようになろうって思いました。
リクエストありがとうございました。
頑張ってください。
さて今夜もお時間になってしまいました。
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