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2023-05-24 22:06

ケイト・ブランシェットの威厳、岸井ゆきのさんの器量

今夜はおすすめのエンタメ特集!ご紹介したのは 映画『TAR/ター』 映画『ケイコ 目を澄ませて』 映画『やがて海へと届く』 ドラマ『日曜の夜ぐらいは…』 勝手に貸出カードは、西ゆり子さんの『ドラマスタイリストという仕事』です。


番組へのご感想、メッセージ、リクエストはInstagram の⁠@batayomu⁠ からお寄せください。一つ一つ大切に読ませていただいております!


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真夜中の読書会〜おしゃべりな図書室〜へようこそ。
こんばんは、KODANSHAのバタやんこと川端です。
真夜中の読書会〜おしゃべりな図書室では、
水曜日の夜にホッとできて、明日が楽しみになる、をテーマに、
おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
第134夜を迎えました。今夜のお便りをご紹介します。
ペンネームハローミキティさんからいただきました。
バタやんさん、いつも楽しく聞いています。
ツイッターもフォローしています。
ツイッターもやっております。
ツイッターアカウントは、batayan__miです。
ツイッターを拝見するに、本以外にも、
映画やドラマをたくさん見られているようで、そちらも参考にしています。
お仕事をしながら、どうやってそんなにたくさんのものを見る時間を確保しているんでしょうか。
また、最近のおすすめの映画やドラマがあれば教えてください。
はい、といただきました。ありがとうございます。
そうですね、映画もドラマも、ドラマは地上波も、
ネットフリックスとか、アマゾンプライム、ユーネクスト、
最近ディズニープラスも入ってしまいまして、結構見てますね。
あとお芝居、舞台を見に行くのも好きでよく見ます。
どうやってそんなにエンタメを見る時間を作っているかっていうと、
どうやってでしょうね。
ちょっと違う方向からのお答えになっちゃうかもしれないんですけどね。
昔、大学受験を目指していた時に大手の予備校に通っていたことがあって、
その時の英語の先生が人気の先生だったんですけど、
5カ国語だか6カ国語だか、たくさんの外国語がしゃべれる先生で、
なんでそんなにたくさんの言語を覚えられるんですかっていうのを聞いたら、
質問したら、2カ国語までが一番大変だと。
3カ国語までしゃべれるようになったら、4、5、6はどんどん楽になる。
勉強時間が短くて済むんだっていうようなことを言った記憶なんですよ。
言ってたんですね。
つまり母国語が日本語だとするならば、英語は2つ目じゃないですか。
英語2つ目までが一番大変で、もう一つどこか別の国の言葉をマスターすると、
あとはパターンの掛け合わせだからって言ってたんですね。
女性名詞がある、男性名詞があるとかないとか、複数形という概念があるとか、
時勢の考え方がどうだとか、敬語があるとかないとかだったかな。
この言語のこことここが似てるみたいな感じで、
どんどん理解が早くなるから飲み込みが早くなるんだっていうような話をしていた記憶があって、
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すごい印象的だったんですよ。
結局別に3カ国もマスターできてないんですけど、
その話と読書をすることと、映画とかドラマとか、
ドラマの中でも海外ドラマと日本のドラマと韓国ドラマとお芝居とかって、
複数のジャンルを摂取すればするほど、これはあのパターンだなっていうのが分かって、
飲み込みが早くなるっていうのは似てるなって思ってます。
小説を読んでいても、これはお芝居みたいに、舞台のセットチェンジが少ないお芝居みたいに、
人が入れ替わり立ち替わり一つの部屋で起こった出来事を、
いろんな人の視点で書くっていうパターンなんだなとか、
設定を理解するのが早くなるという利点がありますね。
あとは、この間、例えば看護師が医療過誤、医療ミスというか、
医療過誤をしてて、他のナースが内部告発するみたいな映画を見たんですけど、
その話がすごい面白かった、好きだと。
似たようなドキュメンタリーを見たりとか、大学病院の医療ミスを遺族が訴えるみたいなジャンルの小説を
探して読んだりとか、そういうふうにジャンルをまたいで、
同じようなものを扱った作品を珠繋ぎに繋がっていくっていうのが結構ありますね。
面白いっていうのは、世の中的に評価が高いかどうかっていうのもありますけど、
自分にとって好みかっていうのが大きいじゃないですか。
好みのものにあたる確率が、珠繋ぎになっていくと高くなって、
結果として時間の無駄とか、チケット代を無駄にしたなってことはなくなって、
時短になるっていうことですかね。
ちょっと逆説的かもしれないですけど、
摂取している量が多くて、ジャンルが広いほど、
ハズレがなくなっていく、ハズレ値が減っていくみたいなイメージです。
例えばお洋服とかもそうかな。
ファッションも少し気持ちが離れちゃうと、
間が空くとまた何買っていいか分からなくなって、
自分が似合うものとか好きなものが分からなくなっちゃうんだけど、
しょっちゅう接しているとしっくりくるものに出会いやすい、
迷わないで見つけられるみたいな感じですかね。
ちょっと話が反れちゃいましたが、
もう一つのご質問。
最近のお勧めの映画やドラマです。
最近見た映画ですごくお勧めのものを、
今日は2つご紹介したいと思います。
一つはケイト・ブランシェット主演のターという映画です。
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日本では5月12日から全国公開になったばかりですね。
もう一つは岸井幸野さん主演の
《稽古、目を澄ませて》という映画です。
こちらは昨年末に公開になっているのかな。
だからもう公開している映画館はかなり少なくなってしまっているかもしれないんですけど、
アマゾンプライムで最近見られるようになりました。
ケイト・ブランシェットさんはこの作品で
ゴールデングローブ賞の主演女優賞を取りになっていて、
岸井さんはこの作品で日本アカデミー主演女優賞を受賞されていますね。
どういう作品かそれぞれご紹介しつつ、
今日も一冊貸し出しカード、本もご紹介したいと思っています。
さてまずはケイト・ブランシェット主演のターです。
こちらはベルリンフィル初の女性マエストロ、
リディア・ターという女性の栄光と転落を描いた作品になっています。
私はあんまり予備知識なく見に行ってしまったので、
実際に女性指揮者の方がいて、
それをケイト・ブランシェットが演じたのかなって思ってたんですけど、
鑑賞した後にパンフレットや記事を読んで、
この監督トッドフィールド監督がケイトに演じてほしいと
当て書きした架空のキャラクターだったということを知りました。
ケイトがやる前提で描かれたのかというふうに思ってみると、
なるほどと思いましたね。
映画の最初の方でリディア・ターがスーツを浸ってるシーンがあるんですよ。
メンズ自立のスーツをね。
それがすっごいかっこいいんですけど、
まさに彼女のためにあつらえたような役だなって思ってみてたら、
その通りだったっていうことでした。
現代のハラスメントの告発、ミート問題とか、
権力者からのパワーハラスメント、ジェンダーと権力とか、
いろんな問題をはらみながら、
称賛される側の地位にいた人が過去の言動をもとに引きずり下ろされる、
いわゆるキャンセルカルチャーというのを描く側面がある映画なんですけど、
それだけじゃないというか、それだけが主軸ではないところがあって、深みがあって面白いですね。
特筆すべきはやっぱりリディア・ターが女性だっていうところかと思いましたね。
権力を持ったら男も女も結局一緒だよね。
こういう危険性はあるよねっていう話でもあるんですけど、
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私がすごく思ったのはケイト・ブランシェットがもし男だったら、
リディア・ターが男だったら、過去の言動でちょっと窮地に陥るみたいなことになったとしても、
もうちょっと味方する人が絶対いたと思うんですよ。
他の音楽業界で権威がある人、オーケストラ業界で権威がある人も、
それを取材するメディア側の人間も、やっぱり前よりは男ばっかりで、
白人のおじさんですよね、男性、恒例の男性ばかりだから、
ちょっとやらかしちゃったけどあいつ実力はあるもんねとか、
めんどくさいのに絡まれちゃってかわいそうに言って、
男同士だったら多分味方してくれたんじゃないかなと想像したりしました。
リディア・ターはね、やっぱりすごい人気もあって、
女性だってことで注目も集めているから、
集客力もあって、そうしたことへの嫉妬もあったのかなと思ったりしましたね。
支えてくれてた周りの男性とかちょっと年配の男性に対して、
リディアもね、若干冷たいあしらえがあったりして、
結局見方を減らしてしまったという部分もある気もしましたけど、
その起こった出来事をいろんな立場から見れるという、
複雑な立体的なすごい映画でしたね。
見てから1週間ぐらい経つんですけど、
しばらくずっとターのことばっかり考えちゃうみたいな、
見た人の多くはそうなる気がしました。
バツって終わるから、余計ずっと彼女のことを考えちゃうっていうようなね、
ぜひハローミキティさんも、もしご覧になっていなければ、
見ていただけたらと思います。
もう見たよという方はご感想も伺いたい映画ですね。
誰かと喋りたいっていう映画でもあります。
さて、そしてもう一つは岸井由紀のさん主演の、
稽古、目を澄ませてです。
こちらは耳の聞こえない女性プロボクサーの実話を元にしています。
こっちは実は本人がいる方だったんですね。
岸井さんは視聴、聴覚障害のあるボクサーの役を熱演されています。
私ボクシングがすごく好きで、
明日の城がすごく好きだからっていうのもあるんですけど、
最近ちょっとボクシングのエクササイズとしてのボクシングを習い始めたんですよ。
全然まだまだつけ焼き場なんですけど、
パンチとかステップの名前を覚えたりしたもんだから、
余計岸井さんのシャドーボクシングとかミッド打ちのシーンがすごいなって思って、
すごいのよ。
ジャブ、クロス、フック、スウェイ、アッパーかな。
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多分左右っていうワンツーからのフックとかミックスして、
相手のパンチを回り込むように避けた反動で下からアッパーを打ったりとかっていうのを、
同じ動作をリズミカルにパンパンパンパンってずっと、
ミッドの相手をしてくれる人に向けてやるっていう繰り返すシーンが何度も出てくるんですけど、
ここがめっちゃすごいなっていう、プロやなって思いました。
この映画、BGMが一切なくて、でも生活音っていうんですかね、
お皿がカチャカチャ言うとか電車が走る、雨が降る、救急車が通るみたいな、
そういう生活の雑音が結構大きく聞こえる感じになっていて、
電話が鳴ったりとか、バンってなんか大きい音が鳴ったりしても、
慶子の岸井さんは耳が聞こえないからピクリともしないっていうシーンが出てくるんですよ。
本当に何も聞こえてないんだなっていう、
普通、絶対大きい音が近くで鳴ったら、条件反射的にピクってそっち向いたりしちゃうじゃないですか。
でも本当に何も聞こえてないみたいな演技になっている岸井さんに、
北島真彩を感じましたね。
岸井さんにはですね、実は一度お会いしたことがあるんですよ。
ミモレのインタビューでね、やがて海へと届くという素敵な映画ですけれども、
浜辺美奈美さんとダブル主演の映画でお二人同時にインタビューさせていただいたんですけど、
岸井幸野さん、すごい綺麗な人だったという鮮烈な印象でした。
岸井さんってどちらかというと普通っぽいというか、
宇佐川的なキャラクターを演じていらっしゃるイメージがあるじゃないですか。
浜辺美奈美さんがみんなが、誰もが振り返るような絶世の美少女っていう感じだとすると、
岸井さんの役はちょっと普通っぽい女の子みたいな立ち位置だったのもあるんですけど、
実際お会いするとね、すっごい綺麗なお顔で華奢で小柄なんですけど、
オーラがあるから大きく見えるみたいな感じでしたね。
本間もんの女優さんだって思いました。
最近あんまり女優って言わなくなってますけど、俳優っていうようになってて、ジェンダー的な俳優で。
でもこれはなんていうか、銀幕の女優っていうのかな、
シネマ女優ってやつだわと思ったんですよね、岸井さんにお会いして。
けいこ、目を澄ませてのけいこはボクサーの役なので、顔を殴られてひどい腫れたまぶたになったりとかしてるシーンもあるし、
化粧っけとか全くないんですけど、ふとした瞬間に綺麗な顔だなって思うとこがあって、
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そこが魅力ですね、この方の。
あと私がこれは本間もんのシネマ女優やなって思ったのは、
宮本信子さんかな。宮本信子さんも、岸井幸乃さんも出ている日曜のドラマ。
日曜の夜ぐらいはもうすっごい楽しみに見てますよ。すごいですよね。
幕井絵美さんもすごくいいし、メルルのお母さんが柳木子なのとかも含めてすごいですね。
ちょっと語彙力を失っちゃいましたけど、けいこ、目を澄ませてに戻りますと、
ボクシングジムの会長、もうちょっと潰れそうなボクシングジムの会長を三浦智和さんがやってらして、
三浦さんがまた銀幕のスター感のある人ですけれども、三浦智和さんがけいこのことを、
あいつはいいですよって、人間としての器量がある、素直だし率直でって褒めるシーンがあって、
人間としての器量があるっていい言葉だなと。けいこもそうだけど、けいこを演じている岸井さんご自身もそうな気がするって思いました。
器量っていうのは、あることをするのにふさわしい能力や人徳という意味がありますけれど、
もう一つ用心を指すこともあるじゃないですか、器量良しって言ったり、岸井幸野さんは両方の意味で器量がある、器量がいいよなって思ったのでした。
またリディアターに戻るとリディアターという人物はケイト・ブランシェットしかあり得ないと、監督もそうじゃなかったら成立しなかった、
監督を取らなかったっていうくらいですけれども、このアメリカの五大オーケストラの指揮を務め、ベルリンフィルのマエストロに就任する天才指揮者、
個々の天才っていうのをやって、説得力があるっていうのは彼女じゃないとできなかったでしょうね。
彼女も指揮のこととか音楽のこととかめちゃくちゃ勉強したり、ドイツ語とかいろんな言語でバーって幕を立てたりするシーンもあって、もちろんものすごい努力もあったんだと思うんですけど、
本人が持つ威厳というか高豪しさみたいなのがやっぱり大きいよなと思いました。
エリザベス女王とかやっても説得力があるし、この個々の天才指揮者をやっても説得力があるっていう、あることをするのにふさわしい能力と人徳と、そして容姿ですね。
はい、さて今日もせっかくなので一冊だけ貸し出しカードをお出しして終わりたいと思います。
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スタイリストの西百合子さんのドラマスタイリストという仕事という本にしました。
こちらはドラマの衣装さん、スタイリングを手がける日本のドラマスタイリストの先駆者でもある西百合子さんの、
彼女は手がけているのはセカンドバージンとかギフトとか、最近だと家売る女の逆襲とかなんですけど、
その大ヒットドラマのスタイリングの裏話を書いたキャリアヒストリー本になっています。
ドラマ好きとしてはドラマのキャラクターを作るのに大きな役割を占めるという想像がつく衣装をどういうふうに選んでいるのかっていう、
あと女優さんとどんなやりとりしているのかみたいなのが知れるドラマ好きにはたまらない本でした。
今日はこの本から紙フレーズをご紹介して終わりたいと思います。
近頃は何かと厳しい世の中なので、どんな服を着るかということにあまり関心を持てない方もいるでしょう。
この場でこのデザインのスーツは着ないだろうというオシャレの基本的なTPOに関しても、今一つ曖昧になってきている。
でも西さんが出かけたドラマを見ていただいて、こういうセンスかっこいいよねとファッションに興味を持ってもらえたら、
服は自分が意識している以上に多くのことを伝えられるものだのだということを皆さんにもっと知っていただくためにも、これからも西さんと一緒にいい作品を作っていけたらと思っています。
こちらは富士テレビのエグゼクティブディレクターの川家俊作さんがこの本に寄稿していらっしゃる部分なんですね。
こんな時にこんな綺麗な格好してどうかなとか、フリルが邪魔で働きそうじゃないとか、こんな張り切った格好するかねとかね、
ドラマを見ながら思うことはありますけれども、本当に超リアルな仕事服だけで出てこられたらつまらないなというかね、
やっぱりドラマはドラマの、映画は映画の、フィクションとしての華やかさをまとっていてほしいと私も思ったりします。
あんな格好してみたいなとか、編集部って主人公が働く場所として映画にもドラマにも割とよく出てくるお仕事だと思いますけど、
ドラマに出てくるファッション紙の編集部みたいだねって、あんな綺麗な格好して働いてるわけないじゃんって思うところもありますが、
ドラマに出てくる編集者みたいな格好をしておきたいっていう気持ちもなくはないという感じもしますね。大事ですよね、ああいう格好してみたいな、
あんな華やかな職場で働いてみたいなって思ってもらうって大事かなと思ったりしました。
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ケイト・ブランシェットさんの演じるリディアターのファッションも映画の見どころの一つだと思ったので、ぜひ見ていただけたらと思います。
全てのシーンのお洋服はスクラップブックにスクラップしておきたいような素敵な素敵なコーディネートでした。
ぜひチェックしてみてください。最後までお付き合いいただきありがとうございます。
さて今夜もお時間になってしまいました。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室はリスナーの方からのお便りをもとにおすすめの本や漫画をご紹介しています。
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それではまた来週水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。おやすみ。
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