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2020-04-06 11:56

【第3夜】本は天下の回りもの!? 本の所有にまつわる未来のお話 

図書館利用と本の所蔵について。読みたい本はたくさんあるけれど、たくさん本を家に置いておけない……そんなジレンマをテクノロジーが解決してくれる日が来るかも? 今日はそんな未来のお話と本棚をめぐる快楽についてお話しします。ご紹介する本は、内沼晋太郎さんの『これからの本屋読本』です。
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三森 真夜中の読書会 おしゃべりな図書室へようこそ
こんばんは、KODANSHAウェブマガジン三森編集部のバタやんこと河童です。
おしゃべりな図書室では、水曜日の夜にホッとできて、明日が楽しみになるおテーマに、皆様からのお便りをもとに、おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
第三夜となりました、今日のお便りをご紹介します。
福岡県にお住まいのゆかりんごさんからいただきました。
本は、購入していますか?図書館などで借りていますか?
購入しているのであれば、どのように保管されていますか?
壁一面の棚にしまっているとか、レイアウトのこだわりはありますか?とのご質問をいただきました。
ありがとうございます。
バタやんたくさんの本どうしてるのって、確かにいろんな人に聞かれるので、
今日は本の所有について、おテーマにおしゃべりしたいと思います。
最初のご質問、購入か図書館か。
最近は購入することが多いですけれども、図書館も利用します。
営業職だった頃とか、一人暮らしだった時なんかは、ほんとしょっちゅう図書館でまとめ借りしてました。
図書館にしても、本屋さんにしても、その本棚の間を来たり来たりうろうろするのが好きっていうか、
気になった本があったら、人差し指で背拍子の頭をちょんって斜めにして、
スッと抜いて、またスッて戻すっていう、その行為にすごく快感がある気がしていて、
脳内に幸せ物質が出るみたいなね、そういう時間を過ごしに図書館とか本屋さんに行くのが好きですね。
今は電車席で買ったりとか、急いでる時はAmazonを使ったりももちろんしますけれども。
2つ目のご質問。どのように保管しているか。壁一面の本棚とか。
そうですね、子供の頃から壁一面の本棚、憧れてましたけど、全然ちっちゃい本棚です。
本棚でさえなくて、マルチボックス、カラーボックスっていうんですかね、正方形が2段になったものを6つ並べていまして、
そこに入るだけの本しか持たないって厳密に決めてます。
そこに入りきらなくなったら人にあげるか、昔から好意にしている地方の古本屋さんがあって、そこに送ります。
サイトに棚の写真を載せますね。
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ついこの間その本棚の整理をしたので、今持っている本を全部行ってみてって言われたら、空で言えるくらいの数の本しか持ってないんです。
クローゼットのお洋服みたいな感じで把握できる数しか持たないようにしようって少し前に決めまして。
少し前に本屋の新井商とかで有名な書店員の新井美恵香さんにインタビューさせてもらったんですけど、
その時にたくさんの本どうされてるんですかってまさに同じ質問をしたんですね。
そしたら新井さんが私本の書像コレクションに興味があまりなくて、また読みたい時が来たらまた買えばいいと思っているっておっしゃっていて、
本当にそうだなと思ったんですよ。
私も真似しているというわけじゃないんですけど、
持っていることさえ忘れてしまって家に置きっぱなしになるよりは綺麗なうちに他の人にも読んでもらって、
またその本を必要とする時が来たら必要な形状で買えばいいと今は思っています。
誰かに譲る前提なのですごく綺麗に読みます。
こんな風にいろんなところでご紹介していると知り合いから面白そうだったねって言ってもらうこともあって、
その時は返しても返さなくてもいいですよって貸すことにしてるんですね。
そうすると面白いことに98%返ってこないですね。
だから面白かったと思っている本ほど今家にないっていう悲しい現象が起きてますけれども、
残り2%の方は紅茶とかクッキーとかつけて返してくださったりしますが、
逆の借りた立場の時、本を返すって結構プレッシャーじゃないですか。
読んでなかったりとか好みじゃなかったり、感想を言わなきゃいけないかなとか、
それこそクッキーとかつけないとかなとか。
なので返さなくてもいいですよって貸すんですけど、そうすると本当に返ってこないっていうね。
でも読めに出したと思ってそれもまたいいかなと思っています。
後半は本屋さんにまつわるおすすめの本と、本の所有に関する未来の話をしたいと思います。
図書館も古本屋さんもとてもお世話になっていて、
そうやって人にあげたりもしているんですけど、
ちょっと歯切れが悪くなってしまうのは、
たくさんそうやって人に読まれても、
著者の方や作り手の方に金銭的に還元されにくいっていう問題が残ってまして、
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そのあたりを今後テクノロジーが解決してくれるんじゃないかなと願っています。
一つ例をあげますね。
ブロックチェーンってあるじゃないですか。
ビットコインとか仮想通貨って少し前に話題になりましたけれども、
あの仕組みって、私もそんなに詳しく話せるわけじゃないんですけど、
誰かから誰かの手に渡ったっていう記録が永遠に残って解散できないっていう仕組みですよね。
今、例えば私のお財布に入っている千円札は、
誰から誰を経由して私のお財布にいるのかは分かりませんけれども、
ビットコインはそれが分かるっていうすごいですよね。
そのブロックチェーンの仕組みを使って、
漫画やイラストとか電子書籍なんかが二次流通しても、
著者にお金が還元される、あるいは広めた間の人にもお金が入るみたいな仕組みをね、
世界的にも日本でも開発している会社が増えてきています。
それがもっとメジャーになって、紙の本にも使えるようになったりすると、
さらに本を売ったり買ったりする自由度が上がるし、
著者を支援するみたいなことがしやすくなる気がしますね。
なんてことを考えていたら、
つい少し前にルイ・ビットンがバックにブロックチェーンのチップを付けて、
そこには原材料とか製錠工場がどことかが記録されていて、
もちろん本物であるっていう証明であることと、
二次流通、つまり転売とかされても追っかけられるっていう仕組みを発表していました。
ちょっと怖くもありますけども、
ビットンとかティオールのバックに一部適用するって書いてあったので、
LVMHグループの、ルイ・ビットングループの参加の他のブランドにも今後広がっていくんじゃないかなと思います。
まあね、ビットンのバックと文庫本だと値段が全然違うから、
こういうことが安価にできるようになっていくと、
もうちょっと広がるのかもしれないですし、
そうやって二次流通してもアーティストに還元されるっていう風になっていくと、
もっと気軽に自分の好きな本を自分のお店に並べるとか、
ネットで売るとか、電子書籍で貸すとか、
そういうことがどんどんしやすくなるのはいいなと思っています。
というわけで、今日はちょっとあまり本を紹介する時間がなくなってしまったんですけれども、
今日の勝手に貸し出しカードは、
本屋の未来を描いた内沼慎太郎さんのこれからの本屋読本という本にしました。
これはブックコーディネーターの内沼慎太郎さんが、
新しい本屋像や本の仕入れ方について解説した本ですね。
これから本屋をやってみたいっていう人向けではあると思うんですけれども、
そういう夢じゃなかったとしても、
本屋さんが好きな人が読んでもない状が分かって、
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ますます本屋さんの尊さが知れる、いかなか興味深い本です。
見た目もとってもかわいいので、ぜひチェックしてみてください。
ここから最後に一つ紙フレーズをご紹介したいと思います。
江戸時代の日本において、仕事にはお金を稼ぐ稼ぎと、
社会のために勤める勤めの二つがあり、
それぞれだけでは半人前、両方できてこそ一人前と言われたという、
現代においては仕事といえば稼ぎだけを考える人も多いだろうが、
自分を生かしてくれている社会、この世界に対する勤めを果たすことは生きる喜びになる。
これは勤めと遊びという章に書かれている文章なんですが、
稼ぎとしての本業の傍ら、勤めあるいは遊びとして本屋を副業にすることを進めている章なんですね。
でも、この本屋さんという職業に限らず、
そういう視点で改めて今自分がやっていることだったり、
やりたいことを振り返ってみるというのは大切なことだなと思いました。
今こういう状況に世界的になっていて、
稼ぎの部分が切実に切迫しているという状況もある一方で、
私たちのような職業はこういう時の必然性を見失うというか、
緊急を要するものではないので、
不要不急と言われてしまえば、それまでみたいな気持ちになってしまうんですけれども、
こういう時だからこそ、気分転換を提供することもまた務めなのかなと思いました。
はい、赤リンゴさん、今日は良いテーマをありがとうございました。
さて、そろそろお時間になってしまいました。
真夜中の読書会おしゃべりな途中室はこんな感じで、
皆さんからのお便りをもとにしながら、
いろいろなテーマでお話ししたり、本を紹介したりしています。
MIMOREのサイトからお便り募集しているので、ぜひご投稿ください。
また来週水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。
おやすみ。
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