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2023-12-16 10:43

”自分疲れ”はどんなときに起こる? 自分に期待しすぎたり、しなすぎたり

今夜の勝手に貸出カードは、頭木弘樹さんの『自分疲れ ココロとカラダのあいだです。

自分に疲れるってどんなときでしょう? 飽きても、がっかりしても、付き合い続けなくてはいけない自分のココロとカラダ。私の場合、週末の自分の能力を高く見積もりすぎてしまい、平日の自分は過小評価してしまいがち……。

いつまで経っても使いこなせない自分のココロとカラダについて考えます。


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真夜中の読書会おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、KODANSHAのバタやんこと川端です。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室では、水曜日の夜に
〝ほっとできて明日が楽しみになる〟をテーマに
おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
第154夜を迎えました今夜のお便りをご紹介します。
ペンネームチエさんからいただきました。
ペンネームチエさん、はじめまして。
いつも真夜中の読書会を子守唄のように
安眠導入にさせていただいています。
私は夫と二人暮らしで、持病のあることから主婦をしています。
年代は中年期に突入していますが、最近になって
自分の安全確保だけを目指す人生を歩んできたことに気づき、
基本的、衣食中も困難なほどエネルギーを失ってしまいました。
やるべきことが山ほどあると頭では理解しながら、
無謀な挑戦を無双することにだけ行動できそうなエネルギーが湧いてくる始末です。
いい歳をして自分でも情けなく思いますが、
そんな取り留めのない心持ちにそっと寄り添ってもらえる本があれば教えていただきたいです。
よろしくお願いします。といただきました。
リクエストありがとうございます。
無謀な挑戦を想像するときだけエネルギーが湧いてくるってそうですよね。
全然いい歳をして情けなくないと思いますけれども。
そんな知恵さんへ、今日の勝手に貸し出しカードは
柏木ひろきさんの自分疲れ心と体の間にしました。
こちらの本はですね、創建者さんの新しいレーベルシリーズなのかな。
10代以上全ての人のための人文書のシリーズ
間で考えるというシリーズの第一作目なんだそうです。
自分疲れっていうタイトルがインパクトがあって、
そして何より想定がすごくかわいいんですよ。
じゃけ買いをしてしまった一冊です。
普通の単行本よりちょっと小さいサイズ感ですかね。
珍しい半径だと思いました。
それでちょっと思い出したんですけど、
日本の本って大体大きさが一緒じゃないですか、揃ってますよね。
単行本なら単行本のサイズって、
大抵四六番とかB6番とか文庫は文庫、
新書は新書で各社サイズが揃ってますよね。
でも韓国ってサイズを揃えるっていう発想がないっぽくて、
韓国の書店に行くとものすごいいろんな形の本が並んでるんですよね。
ほぼ正方形に近いようなものだったり、すごく縦長だったり横長だったり。
だから本屋さんに入った時にガチャガチャしてて、
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ワクワクするっていう感じがしましたね。
色もカラフルな印象ですね。
もちろん半径が揃っていた方が本棚にきれいに入れやすいし、
運んだりストックしたりするのに便利には違いないんですけれども、
なんかちょっとその形の自由さが羨ましいなって思っちゃいました。
そういう意味で自分疲れというこの本は、
アジアの他の国の本みたいだなって表紙のイラストも含めてちょっと思いましたね。
さてちょっと話がそれちゃいましたけれども、
自分疲れ、心と体の間がどんな内容の本なのかご紹介していきます。
著者の柏木裕樹さんという方は文学紹介者という方書でいらっしゃって、
20歳の時に難病にかかり13年間の糖病生活をされてたそうなんです。
その糖病の実体験などをもとにユニークな文学紹介活動をされている方ということでした。
自分疲れというのはどういうことか、この本の冒頭を少し読んでみたいと思います。
自分でいることに疲れを感じたことはないだろうか。
例えば自分の性格が好きではないとか、自分の体に不満があるとか、
どうして自分はこうなのだろうと悩んでしまう。
それなのにその性格や体でずっと生きていかなければならないとあります。
なるほど、そうか、そうだなぁと思って。
著者の柏木さんは大病をされたからっていうのがあるのかなって思ったりもしたんですけど、
そうでなかったとしても確かにそういう感覚って誰でもあるかなと思うんです。
この後にはたとえ自分が好きな場合でもずっと自分でいるっていうのは退屈じゃないかという話が出てきます。
そうなんですよね、だから全然違う体だったらとか、想像することはありますよね。
もっと運動神経が良かったらとか、もっと背が高かったら、もっと美人だったら、もっと英語がペラペラだったら、
もっと頭が良かったら、もっと体力があったら、もっと心がタフだったら、もっと気が強かったらとか。
今の自分自身の体と心の能力だって正確に分かっているかというと、分かっていないところも多いんじゃないかという話も出てきます。
ちょっと筆近なたとえですけど、私の場合週末にあれをやろうこれをやろうって思ってたことが10個ぐらいあったとして、
できるのって3つぐらいかな、家のあそこを片付けようとか、シーツを洗わなくちゃとか、
ジムに、この間youtubeで見た料理を作ってみようとか、いっぱい考えてたのに土日終わってみると一つもできてなかったりするんですよね。
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毎週そうなのになぜ自分の週末の能力を過大評価しちゃうのかっていうね。
自分は自分の体のことを分かっていないという話でいうと、この本にはこんなことが書いてありました。
小指について一番知っているのは、小指を怪我した人だという風に。
小指って普段意識することはあまりないですけれども、怪我をして板底を張ったりなんかしていると、
意外と使っているなと、使えないって不便だなって気づいたりすることがありますね。
支えたり抑えたりするのに使ってたりするのかな。
あとは臓器はもっともっと普段は意識しないけれども、健康な時ほど全く意識をしないですが、
不調になると初めてその臓器の存在を意識するわけですよね。
胃が痛いなとか重いなとか、肝臓が悪くなるとこんなところにも不調が出るんだなとか、
腎臓が悪くなるとこうなるのかとか、
その臓器ってこんな仕事をしてたんだっていうのは、悪くなって初めてわかるっていうところがありますよね。
著者の柴木さんは大腸の難病だったそうなんですけど、大変そうですよね。
そのままならなさとままならないことへの執著心というか、そういうのを想像したりしますけれども、
自分の体なのに思ったようにならないっていうのって辛いですよね。
心もそうですけれども、とはいえこの本はあまり暗い本ではないんですよ。
暗い話ではありません。そこがいいなと思って文学紹介者だけあって、たくさんの小説とか漫画の引用が出てきます。
エッセイとか名画とか神話の話なんかも出てきて、
この話ってそういう哲学的な話だったのかっていろんな発見があって面白かったですね。
つんどくが増えてしまう本でした。
というわけで、今日はこの自分疲れ、心と体の間から紙フレーズをご紹介して終わりたいと思います。
ストレッチやヨガをやってみて驚いたのは、
多くのポーズが自分がこれまで一度もやったことのない姿勢や体の動かし方を必要とすることだ。
逆に言うと、体の作りとしては可能なのに、これまでの人生で一度もそういう動きをしていなかったのだ。
そのことに衝撃を受けた。
自分って自分の可能性を全て使って生きているわけではないんだな、というふうにありました。
確かになぁと思って、私もヨガを10年くらいやってるんです。
太陽礼拝みたいなルーティンっぽい動きはだいぶスムーズにできるようになったんですけど、
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先生が変わると習ったことのない動きが出てきたりして、
このまま片手を離すってどういうこととか無理じゃね?って思うんですけど、
意外と気持ちよかったりピタッとはまるとバランス取れたりするんですよね。
全然無理だわってなることもあるし、
そういう心も決まりきった範囲でしか動かしてない、日常的には稼働してないんだけれども、
本当はもっと稼働域とか動かし方があるのかもしれないなと思いました。
使ってないところ、使ってない使い方があるんじゃないかという話で。
すごく胸に響きましたね。
無謀な挑戦を無双するとかって稼働域を大きくしてくれそうですよね。
普段使ってないところが使えそうな気がしました。
だからいろんなことをあんまり決めつけなくても、範囲を狭めなくても、
まだまだ自分の使い切れてないところがあるんじゃないかなと、
この本を読んで思ったりしました。
知恵さんリクエストありがとうございました。
さて、今夜もお時間になってしまいました。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室は、
リスナーの方からのお便りをもとに、
おすすめの本や漫画を紹介しています。
インスタグラムバタヨムからメッセージをお寄せください。
それではまた来週水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。
おやすみ。
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