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真夜中の読書会おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、KODANSHAのバタやんこと河童です。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室では、
水曜日の夜に、ほっとできて明日が楽しみになる、
をテーマに、おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
第148話を迎えました、今夜のお便りをご紹介します。
けんけんさんからいただきました。
バタやんさん、こんにちは。
こんにちは。
いつも、自分では選ばないような本が紹介され、興味深く聞いています。
僕は、かつては結構本を読む方だったんですが、
最近は時間があれば、もっぱらスマホばかり見てしまい、
旅先に本を持って行っても、結局全く読まずに持って帰ってきてしまうことが多いです。
家族と出かけたり、ご飯を食べたりしていても、
スマホを見てしまうのをよく妻に怒られます。
つい、スマホを見ちゃうのをどうしたらやめられますか?
バタやんさんは、スマホの誘惑に負けずに、どうしてそんなに本を読めるのでしょうか?
いい方法があれば教えてください。
といただきました。
ありがとうございます。
いやー、おっしゃる通りそうですね。
私もそうですよ。
スマホの誘惑には勝てないですね。
時間があると、つい見ちゃいますし、
テレビを見ながら、ドラマを見ながら、いろんな見ながら、
さらにスマホを開けちゃうって感じですね。
今日の勝手に貸し出しカードは、
ラッセル・エーポルドラックさんの
習慣と脳の化学、どうしても変えられないのはどうしてか?
という本にしました。
習慣と脳の化学というこの本はですね、
一度習慣づいてしまったものってやめよう、やめた方がいいかなって思っても、
なかなかやめられないっていうメカニズムを分析した本なんですね。
こういう、そうやめたいのにやめられない習慣っていうと、
スマホ飲みすぎとか、YouTube飲みすぎとか、
あとは過食、アルコール、タバコ、薬物とかって、
何かの依存症というゾーンもあれば、
爪を噛むとか、ニキビを潰すとかね、
やらない方がいいと思いつつ、
無意識にやっちゃう癖みたいなものもありますよね。
習慣化してしまうというのはどういうことで、
脳の中ではどんなことが起こってて、
それを変えるっていうのはどういう方法があるのか、
みたいなことを科学的にメカニズムを解説した本なんです。
ちょっと先に言ってしまうと、これを読んだからといって、
悪い習慣が手放せたり、依存症から抜け出せたりっていう、
具体的なメソッドが書いてある、
セラピー本とか自己啓発本とかではないので、
解決はしないんですね。
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そういうメカニズムなんだとか、
だからやめられないんだねっていうのが、
すっごくよくわかるっていう感じでした。
でもじゃあ、ちょっと習慣というメカニズムを
紐解いていきたいと思います。
習慣と脳の科学という本によりますと、
習慣というのは自動化するってことなんですね。
簡単に言うと、あまり深く考えずにできる行動になっている。
朝起きたらまず水を飲むとか、
トイレに行くっていう人もいるでしょうし、
歯ブラシしながら食パンをコースターに入れるとか、
そういう一連の流れは朝起きて、
習慣としてぼーっとした中でもできることだったりしますよね。
ここではちょっと皆さんにも一つ思い出してみていただきたいんですけど、
家の鍵を閉める。
皆さんの家の鍵は右に回すと閉まるタイプでしょうか?
左に回すと閉まるタイプですかね?
15度回すとかちゃっていうのか、
60度、真下までぐるっと回せば閉まるのか、
それとも一周ぐるっと回して閉めているのか、
今パッと思い出せるでしょうか?
思い出せなかったとしても、毎日ちゃんと鍵は閉められていますよね。
そういう意識しなくてもできるようになることで、
脳の負担を下げる仕組みが自動化なんですって。
そうやって自動化してしまった運動は認知を超えているので、
制御が効かなかったり、変えるのが難しくなるという意味で、
家の鍵でいうと、あれ鍵かけたっけって、
駅まで歩く途中であれって思うけど、
自動化しちゃってるから体が自動的に動いてて、
やっぱりかけてたってなったりするっていうのは、
認知を超えている運動になっているってことなんですね。
人がある選択や行動をとる時っていうのは、
頭の中でたくさんの計算が瞬時に行われていて、
それでこっちを選択しようっていうのを瞬時に判断している。
その家庭をこの本に図解、分解してあって、
それがすごく興味深かったんですけど、
まず環境があると。
その先に長期的な目標と習慣と目下の欲求の3つがあって、
その3つがミックスして行動があるんですね。
ミックスというか、3つの要素の中のどれかを優先するって感じですかね。
環境っていうのは、例えば友達のホームパーティーに来ている、
家族と車で来ているっていうこれが環境で、
お酒を飲みたいけどダメだよねっていう選択を迫られている。
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せっかくのパーティーだし気の受けない友達と会って、
お酒飲みたいなっていうのが目下の欲求。
でも長期的な目標としては、家族を連れて乗せて車で運転して帰らなきゃいけないと。
習慣はどうかっていうと、この友達とはしょっちゅう飲み仲間で、
いつも飲み歩いているとか、美味しいワインを紹介し合っている仲間だっていうのがあるかもしれない。
それでどうするかっていうと、なかなか難しいですよね。
ダメと分かってて飲んじゃう。
そして一口程度ならとか言って飲み始めたらどんどん飲んじゃうとかね。
もちろん一口でもダメですけど、
人はそんな風にして長期的な目標と目下の欲求の狭間で、
たくさんの選択を迫られているわけですね。
痩せなきゃっていう長期的な目標があったとしても、
今アイスを食べたいっていう目下の欲求に負けたり、
あるいはお風呂上がりにアイスを食べながらドラマを見るっていうのは、
毎日習慣になっているってこともあるかもしれないですね。
そう考えると習慣って結構強いカードな気がしてきました。
今すぐ食べなきゃいけないほどお腹が空いているとかっていうよりかは、
なんとなく習慣になっているから、
お風呂から上がったら冷蔵庫開けちゃうみたいなね。
そういう習慣をやめたり変えたりするには、
自精神が強くなきゃいけないとか、
強い意志が大切だって思うじゃないですか。
私は自精神が弱いなとか、意志が弱いからって。
でもそういうことでもないんですよっていうのを書いてあるのが、
この本年なんでした。
今日はこの本から紙フレーズをご紹介したいと思います。
自精神が強いと思われる人は、衝動を抑えるのが得意なのではなく、
そもそも自精神を働かせる必要性を回避することが得意であるようだ。
というふうにあります。
自精神を働かせる必要性を回避することが得意であるって、
ちょっとまどろっこしい言い方になるんですが、
ある実験をしていまして、その結果として、
つまり、自精神が高い人ほど、
欲求を感じたけど、それを却下する、制御するっていうことをやってそうな気がするじゃないですか。
そうするとすごい葛藤がありそうですよね。
やりたいことを、すごい自分の強い力で抑えつけてるみたいなイメージがありますけど、
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そうじゃなくて、自精神が強い人は、そもそもあまり強い欲求とか、
いろんな、やましい気持ちというか、小さな欲求が少ないっていう実験結果になったという興味深い結果ですね。
別の研究では、自精神が高い人ほど運動量が多く、健康的な感触をとっていたと。
自精神の高い人は、運動や健康的な食事をより習慣的に行っているというふうに自分で自覚して報告していた。
つまり自動化ですよね。
習慣になってるから、自動的に行っているから、運動とか健康とか、健康的な食事を強い意志で運動しなくちゃとか、
健康的なものをより食べなくちゃっていう強い意志でやっているというよりも、
わりと習慣的に運動したり、健康的な食事生活を送っていたってことなんですよ。
当たり前じゃないかという気もしますけれども、自精神を働かせることを回避することが重要なわけで、
制御を迫られる回数をそもそも少なくすればいいんじゃないかっていう意味ですよね。
それって面白いなと思って、当たり前っちゃ当たり前なんですけど、
だからケンケンさんのおっしゃるスマートフォンのことで言えば、
家族とご飯食べるとか、何かこの本は集中して読みたいなとか、この仕事片付けちゃいたいなって思うときは、
スマホをどっか遠くに置くとかですね、わかんないですけど、
カバンの中にしまっちゃうとか、そもそも見るのをやめよう。
パッと開きたいなとかいう、判断を迫られないぐらい遠くに置いてしまえばいいんじゃないかなっていう、物理的にです。
アイスとかもそもそも冷蔵庫に入ってないっていう状態にしてしまう。
毎日ある状態に買い足さないとかっていうことが大事で、
冷蔵庫の前まで行っちゃって、決断を迫られたら、それは絶対食べちゃうっていうことなんじゃないかなと思いました。
そこが難しいからできないんだよっていうのもあるけど、
自精神が強い人はそもそも選択を迫られる回数を少なくしているっていうのは結構面白い実験だなって思いました。
さらに他のところでは、幼少期に自精神が高かった子どもは、すべての人生の側面においてポジティブな成果を得ていたのである。
経済的に成功しやすく、健康状態も良好で、薬物やアルコールの問題を抱えにくく、法律違反も起こしにくいなど、その効果は様々な側面に及んでいた。
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おそらく何より重要なのは、自精神が高いとモフィット・カピスが罠と呼ぶもの、別の実験結果で罠と呼ばれているもの、
すなわち幼い頃からタバコを吸い始めたり学校を中退するような望ましくない結果に至る人生の選択を回避しやすくなることだというふうにあります。
それはそうだという気もしますよね。
薬物とかに使う使わないという選択に迫られる機会が、そもそも健康状態が良好で経済的に成功していたら、
接する機会が少ないでしょうし、確率的にですけれども、そういう人生の選択、望ましくない結果に陥る人生の選択を迫られる確率が下がるということですかね。
そう言ってしまうと元も子もないんですけれども、そんな感じで、なるべく見ないようにしよう、見ないようにしようってすごい強く思うというよりは、
手元にないという状態を作る、物理的に作るという方が早いのかなと思ったのでした。
この本にスマートフォン依存の話もちらっと出てくるんですけど、ただスマートフォンとかSNSの依存に関してはまだちょっとサンプル数が足りなくて、
決定的な差があるというか、有意なそれが一番影響していると言えるほどではないというふうにこの本には書いてありましたね。
スマートフォンとかSNSの見過ぎが自殺とかメンタルヘルスを脅かす、すごく影響力が大きいかというと、他の状況の影響力の方が大きくて、
必ずしもスマートフォンの見過ぎがすごく影響しているかというのを比べられるほどの人数の比率の研究ができていないので、
ちょっとそれを決めつけてスマホ依存によるメンタルヘルス不調者の増加みたいに言うのは煽りすぎなんじゃないかというような継承も書かれていました。
なのでケンケンさんもそんなに深刻に気にされてないかもしれないんですけど、見過ぎているってあんまり気にされずに、
読みたい本があるときはちょっとスマートフォンを遠くに充電をオフにして遠くに置くとかしてみる感じでいかがでしょうか。
リクエストありがとうございました。
さて今夜もお時間になってしまいました。
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それではまた来週水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。おやすみ。