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2021-04-21 14:55

GWに読みたい話題の文庫本、一挙公開します!【第55夜】

今夜は、ゴールデンウィークにおうちでじっくり読みたい話題の文庫本をご紹介します。私がまさにこの連休に読もうと思ってとってあるもの、再読したいと思っているものなどです!各作品の見どころ、注目ポイントを解説します。
<紹介作品>『誰かが見ている』宮西真冬/『夜中に泳ぐチョコレートグラミー』町田そのこ/『騙し絵の牙』塩田武士/『あの日、君は何をした』まさきとしか/『本のエンドロール』安藤祐介



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みもれ真夜中の読書会おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、KODANSHAウェブマガジンみもれ編集部のバタやんこと川畑です。
おしゃべりな図書室では、水曜日の夜にホッとできて明日が楽しみになるおテーマに、皆様からのお便りをもとにおすすめの本や漫画紙フレーズをご紹介します。
さて、第55夜となりました。今夜はゴールデンウィーク直前スペシャルということで、ゴールデンウィークに読みたい最新文庫本を発表していきたいと思います。
電球どうされるんですか?っていうのをね、世間話でもちょっと聞きにくい雰囲気ですよね。
今年はどこかへ行く方も行かれない方も、ゆっくり本でも読みましょうかねということで、
本屋さんに行ったら、今まさに文庫の新刊コーナーとか注目作品の棚に並んでいそうなものの中から、私が読みたいと思っているもの、読みかけて連休にとっておこうと思っているものなどをリアルにご紹介していきたいと思います。
まず1冊目は町田園子さんの夜空に泳ぐチョコレートグラミーです。
町田園子さんといえば、今年の本屋大賞、52Hzのクジラたちで受賞されました。
私の予想は残念ながら外れてしまったんですけれども、納得の本当にすごい作品でしたね。
町田園子さん、なんで今までノーマークだったんだろうと思って買ったのが、こちらの夜空に泳ぐチョコレートグラミーという文庫本です。
こちら伝説のデビュー作と帯にありまして、短編集になっているんですが、
女による女のためのR18文学賞の大賞を受賞されたカメルーンの青い魚が収録されています。
ちょっと話がそれるんですけど、女による女のためのR18文学賞って新聴者さんの賞なんですが、
すごく注目していて、これを取った作家さんを結構好きになってしまうことが多くて、
この人初めて読んだけど面白かったなって思って、著者プロフィールを見返すと、大抵R18文学賞を受賞って書いてあったりするんですね。
これ、作品を選ぶ人たちも、あと下読みって言って、専攻の前の下読みをする編集者さんもみんな女性でやってるっていうことなんですけれども、
これまでで言うと、例えば、としまみほさんとか、よしかわとり子さん、ひるたあさこさん、
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山内まり子さん、久保みすみさん、綾瀬まるさん、森みきさん、先日ご紹介した田中長子さんもそうですね。
そんな町田園子さんのR18受賞作品、カーメルーンの青い魚はどんな話かっていうと、
最初にね、三太羅糸団子にかぶりついたら、前歯の刺し歯が2本取れたっていう話から始まるんですよ。
すごくないですか?虫歯の爪物が外れたとかじゃなくて、前歯が2本取れるって女の子がね、
前歯2本刺し歯って、どんなことしたらそうなったのって思うじゃないですか。
そのあたりの始まりは、本屋大賞を受賞した52ヘルツの鯨たちも、負傷している女性が出てきて、
周りの人たちが、あの人東京でヤクザに刺されたんじゃないかって影で噂してるっていう話が出てくるんですけど、
その辺と似てるなって思ったんですが、ヤクザに殴られでもしないと前歯って2本折れないよねっていうね、
そんな衝撃の始まりから始まるお話で、結構意外な方向に話は進んでいきます。
この中に5編収録されているんですが、3つ目の波間に浮かぶイエローという作品がまたすごいなぁ、天才だなぁって思ったんですけど、
一個一個紹介しているとまた時間がなくなってしまうので、
そして私もあと2つ残して、これはゴールデンウィークに撮っておこうと思って、読まずに我慢しています。
全部読み終わったらまたこちらの本紹介するかもしれません。
さて、2冊目をご紹介していきます。
続いては宮西真冬さんの誰かが見ているという小説です。
このポトキャストにも見漏れの編集部ブログの方にも、どうやったら面白い小説を見分けられますかっていうご質問をよくいただくんですね。
本屋さんに行っても立ち尽くすし、レビューとかを読んで買ってもイマイチだったりして、
どうやって好みの本を見つけてるんですかってよく聞かれるんですけど、
一言で答えるとすると、ジャケ買いです。
表紙が好みだったら大体面白い。
ジャケ買いにハズレなしと思っています。
先日文芸の編集の先輩が、表紙が決まってないものは小説も決まってないっていう話をされていて、
表紙がビシッと決まっている小説は中身も完成度が高いんだと思うって言ってたんですよ。
なるほどと思って、決まってるっていうのはデザイン的にまとまってるっていうことだと思うんですね。
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オシャレかオシャレじゃないかとかっていうこととは別として、
表紙は作家さんだけが決めるわけじゃなくて、いろんな人がその小説とか中身を読んで、
この小説の要はここにあるっていうのを表現するわけなので、
何が言いたかったかというと、宮西真冬さんの誰かが見ているという文庫は、表紙に惹かれてジャケ買いをした文庫の一つです。
表紙が好みだったら大体面白いっていうのは、今の自分の気分に合ってるっていうところも大きいと思ってます。
大好きな作家さんでもカバーがあんまり好みじゃないやつは、読んでもイマイチだったなぁと思ったりするのは、
それがダサくだってことではなくて、今の自分の気分と合ってないっていうこともあるんじゃないかなって。
恋愛小説を読みたい時と、ドロドロしたのを読みたい時と、怖い話が受け付けない時もあれば、
ほっこりした話が受け付けない時もあればってね、どうですか皆さん、表紙との相性は思うところありますでしょうか。
誰かが見ているっていうのはどういう小説かと言いますと、主人公の地下甲は妊活ブログを書いて、勝手に人気があったんですけれども、
やっと生まれた娘の夏希ちゃんが問題児で手を焼いているんですね。
ある日セレブマーマーの友達のタワーマンションに遊びに行って、嘘の育児ブログを、偽物のブログをアップすることを思いつくんです。
理想の暮らしと理想の娘みたいなね。
そしたらある日夏希ちゃんがいなくなってというお話です。
タワーマンママとの育児ブログとかキーワードになった小説はいろいろあるとは思うんですけれど、
妊活ブログで一回人気になっちゃって、みんなから求められる人になった経験をしたことがある人は、
その体験を一回味わっちゃうと、もう一回あの時のようにって思ってしまう気持ちはちょっとわかるなっていう気がしました。
おしゃれなお母さん、女の人がうさぎをかぶってるみたいな表紙なんですよ、これ。
それが暗示することがじわじわ来る。
話の展開は結構怒涛の展開なんですけど、表紙に戻ってじわじわ来るそんな小説でした。
さてどんどん行きましょうか。3冊目ご紹介します。
3冊目は塩田武さんの「だましえの牙」です。
塩田武さんといえば、罪の声が映画化されたばかりですが、
続いて「だましえの牙」も3月末に映画が公開になったばかりなので、
ゴールデンウィークまだやってますかね?ちょっと私も見れてないので見なくちゃと思っているんですけども、
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もともと大泉陽さんをイメージして主人公をあて書きした小説なんですね。
旧館の機器にあるカルチャー雑誌の編集長を大泉陽さんが演じられています。
たぶんすごく取材をして書かれたんだろうなっていう感じがわかるリアルな描写と裏側の事情だったり、
そういうところと、いやーそうでもないよ、そんなことはないでしょうって思う部分と両方あって、
なかなか冷静な気持ちで読めない小説ではありましたが、
ここ最近また日本のドラマに女性の編集者だったり、編集部が舞台になっているものが多い気がしています。
ボス恋とか、リコカツの北川圭子さんも編集者ですが、半径5メートルの長崎博美さんとか、
なんででしょうね、程よく華やかな世界で、程よく地味な作業だからですかね、
あんなにオシャレじゃないですけどね、いやいやいやとか喋りながらテレビに向かって見ています。
この小説の大泉陽さんの編集長像は、ひょうひょうとしながら作詞であり、ドライなところとウェットなところがあってリアルだなぁってすごく思って読んでいます。
4冊目は安藤雄介さんの本のエンドロールという文庫です。
これも出版会の舞台裏のお話なんですけれども、主人公は編集者ではなくて、印刷所の方だったり製本の方だったり、
本は映画のようにエンドロールがないので、奥付と呼ばれる最後のページには印刷所や製本の会社の社名は書かれているんですけど、
人の個人名までは載ってないんですよね。本当はすごくたくさんの人が関わっているよねというお話で、このゴールデンウィークにじっくり読もうと思っています。
5冊目は増木敏香さんのあの日君は何をしたという小説です。
文庫書き下ろしですかねこれは。増木敏香さんは完璧な母親っていう本を以前に読んだんですよ。
フラウ編集部にいた頃にこの本を紹介したことがあって、それを彷彿とさせる小説のように思いました。
完璧な母親だと思っていた主人公の泉さんが、息子が殺人事件の容疑者に間違えられて事故死してしまうんですね。
なんでなんでってなって発狂してるみたいなところまでしかちょっとまだ読んでないんですけど、すごく面白そうなのでゆっくり読もうと思っています。
さて今日はたくさんご紹介してきましたが、最初に紹介した町田園子さんの
夜空に泳ぐチョコレートグラミーに収録されている 波間に浮かぶイエローから紙フレーズをご紹介して終わりたいと思います。
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隠し忘れた手の甲にそっと存在する生活感を想像した たった一枚の小さなシールが愚かな女に現実を知らしめる
このたった一枚の小さなシールっていうのは絆創膏のことなんですけど、どういうシーンかと説明しますと
玉木さんっていう女性が不倫相手の奥さんと対峙するっていうシーンなんですね。奥さんのことをじろじろ見て、こんなダサい女なのかみたいに思ってるわけです。
自分のことかない、かないのとか言っちゃう人なんだなぁみたいなね。
そしたらその奥さんの右手に絆創膏が貼ってあって、端がめくれて黒くなってるっていうのね。それにすごく嫉妬したっていう話をしてるシーンなんですよ。
彼との生活を共にしている、その絆創膏の生活感に嫉妬したっていう話なんですけどね、すごいですよね。
私が今ちょうど右手に絆創膏を貼っていて、これはただうっかり滑って転けて怪我しただけなんですけど、
その右手の絆創膏を見るたびに、料理してる人っぽいなって思ったりして、
いやでも私は右利きだから怪我するとしたら左手かなぁ、まぁそんなことはどっちでもいいんですけど、その生活感を絆創膏に感じる、
君たちは何でもいい、だからそういう絆創膏をつけようと思います。
もう、スキップがある時はね、
ちょっと短い時間で絆創膏を絆創膏によって絆創膏は絆創膏に押し込みます。
絆創膏の絆創膏、千脈絆の絆創膏を絆創少女絆創膏、で絆創膏、絆創膏の絆創膏、絆創膏、絆創膏、絆創膏。
皆さんからのお便りをもとにしながら、いろいろなテーマでお話ししたり、本を紹介したりしています。
MIMOREのサイトからお便り募集しているので、ぜひご登校ください。
また来週水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。おやすみー。
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