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真夜中の読書会おしゃべりな図書室へようこそ。こんばんは、KODANSHAのバタやんこと河童です。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室では、水曜日の夜にホッとできて明日が楽しみになる
をテーマにおすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
第151屋となりました。今夜のお便りご紹介します。ペンネームYUさんからいただきました。
バタやんさんはじめまして。はじめまして。私も昨年からHRの部門に移動になり、バタやんさんとの共通点に嬉しくなりました。
人事部へ移動してからたくさん本を読んだとありましたが、HR系の本で参考になったもの、おすすめの本があれば教えてくださいといただきました。
ありがとうございます。HRってヒューマンリソースのことで、HRっていうビジネスの一大ジャンルがあるっていうことも最近知りましたね。
私もヒューマンリソースって直訳すると人的資源でしょうか。人事採用、研修とか労務管理、そういうのをひっくるめてHRって言うんですかね。
キャリアパスを考えるとかそういったことも含まれるかと思いますが、この間まで私はウェブサイトを作る仕事をしていたので、HRって聞くとHRタグと水平区切りの
HTMLタグのことをHRタグって言いますけど、それのことかなって思ってました。
移動して読んだ本の中でダメになった本はたくさんありまして、ジャンル別に言うと一つは労務管理、労働法関係の本ですかね。
新書で人事の法律常識というのがあって、それをまず先輩から貸してもらって読みました。
あとは戦略人事って言うんですかね。 旧来型の日本企業の就寝雇用とか年功序列制からの脱却みたいな本は何冊か読みました。
有名なところで言うとエビハラツグオさんという方の人事の企みと人事の組み立てとか、でも読めば読むほど
講談社みたいな出版社っていわゆるThe JTCって言われる、JTCってJapanese Traditional Companyですけど、
The Japanese Traditional Companyですから、そんなに簡単にはいろんなことを変えられないんだなって思ったって感じですかね。
あとはハラスメント関係の本とかジェンダー格差の本は自分自身もすごく興味があって結構読みましたね。
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そんなブックリストは概要欄に貼っておくようにしたいと思います。 さて今日の勝手に貸し出しカードはダニエルカーネマン他のノイズ組織はなぜ判断を誤るのかという本にしました。
ダニエルカーネマンさんという方は行動経済学に関する研究でノーベル経済学賞を受賞した民地心理学者で、前作
ファスト&スローという本もベストセラーになっているんですね。 ファスト&スローでは判断エラーが起こるバイアスについての解説をしているそうで、
私はこのファスト&スローはちょっとまだ読んでない未読なんですけどね、 今回はバイアスじゃなくてノイズを解説している本です。
バイアスとノイズの違いってなんだ。 意思決定におけるノイズって何のことっていうところから話をしていきたいと思います。
まずバイアスとノイズの違いなんですけれども、バイアスは一貫性がある判断の偏り、 ノイズは判断のランダムなばらつきを意味するそうです。
例えば以前にワークデザイン行動経済学でジェンダー格差を克服するという本をご紹介しました。 その本の中にあったある音楽団の演奏者を選抜する話があって、
カーテン越しで演奏させて選んだら女性が選ばれる実が上がったっていう実験結果、そういう実は話がありました。
これはいわゆるジェンダーバイアスっていうやつですよね。 男性の方が優秀そうだって見られがちって一貫性のある判断の偏りですよね。
音だけで、演奏だけで判断したらそんなことはなかったっていうわけです。
ノイズの方は判断のランダムなばらつきっていうふうに説明されているんですけど、どういうことかというと、例えば人事評価とか裁判の判定とか、
医療診断、保険会社の審査とか判断する人によって判断がばらついちゃいけないのに、Aは通ってBは通らなかった。
でも別の人が見たらAもBも通ったみたいなことが起こり得るわけですよね。
割とバイアスのことはみんな気にするし、自覚もある。 だからカーテンを敷いてテストしようみたいな対策もできたりするんですけど、
ノイズのことはあるのはわかってるけど、深く検討されることがあまりないから怖いよっていう話の方かなというふうに思いました。
へーって思ったところはこの本の中でいっぱいあるんですけど、人事部という立場で一番衝撃を受けたのは、
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採用時の評価がAさんとBさんだとAさんの方が高かったとしても、数年後の評価がAさんの方がBさんより高いってなる確率は59%に過ぎないという話が出てきます。
半分よりちょっと上ぐらいですよね。 半々よりはちょっとAさんの方が確率が高いかなっていうくらいしか差がないっていうことに衝撃を受けて、
これを妥当性の錯覚っていうらしいですね。 つまり現時点でAさんの方が良さそうに見えるっていう評価と、Aさんの方が将来も良いっていうのは全く別の問題なんだけど、
混同して、どうしても混同して語られちゃいがちだっていう話です。 でもなんでそれがイコールになる確率が6割もいかないかっていうと、
採用された時よりその将来先にどんな機会が与えられるかとか、どんな人間関係の中で仕事をしていくのかとか、
どんな上司の下でどんな重要な仕事に抜擢されるか、あるいはされないかとかがその後の評価に左右する未来の要素がいっぱいあるわけですよね。
でもなんか実際には総合的に判断してとか、過去の経験から言うととか言って、最もらしく理由をつけて、
あいつは耐性すると思ったんだよね、新入社員の頃からとか、転職した時からこういうタイプは難しいって俺は思ってたよとかって言いますよね。
それって何なんだろうなぁって、自戒を込めてですけど私も言っちゃうことがあると思うし、考えてたんですよ。
そしたらこの本に答えが載っていました。 それをね、確信のオーラっていうらしいんですね。
意思決定の権限がある人たち、つまりエグゼクティブたちは自分の直感に耳を澄ますことが大好きで、その声をよく聞き取れた時に満足するように見えるという喜びがあるんですよね。
大きな権限と大きな自信がマッチした人たちは確信のオーラっていう直感が自分の判断の正しさについての合理的な自信につながってしまうっていうんですね。
でも、たちの悪いことに説明できる正当な裏付けはなかったりするんですよ。
要するに自分たちにはわかっている、だがどうしてわかっているのかはわからないっていう、このどうしてかはわからないけれど、とにかく自分にはわかっているというのが、これが確信のオーラだとあって、なるほど、あるなぁ、そういうことって思いました。
今日はこの章から紙フレーズをご紹介して終わりたいと思います。
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何か決定的な情報を知っているわけでもないのに、自分の勘に頼って満足している、そういう姿勢を客観的無知の否定というとあります。
無知の否定ってすごい強い言葉ですよね。
一方で俺の勘だよを発動できる醍醐味、カタルシスもあるよねっていうのも、私は個人的にはすごくよくわかりますね。
裁判の判決とか医療の診断とか、絶対ブレってはいけないというか、ブレがあるべきじゃないものもあれば、映画だったらどの作品とどの作品どっちの方が面白いとか、音楽だったらどっちの方が優れてるとか、小説もそうですけど、AとBという作品どちらの方が優れてるかとかって、
ブレがあることに面白みというか醍醐味があって、ノイズがあるっていうこと自体が楽しさでもあるじゃないですか。
だから、俺の勘は当たってた、これはバケると思ったんだよねとかっていうのがある楽しさも一方であるとは思いました。
だけど、判断があんまりブレちゃいけないものの中で、ある一人の確信オーラだけを発動させすぎないように、意思決定のプロセスを改善すべきだという話なのかなと読みました。
このノイズという本は上下感ありまして、まずは上巻だけ買って読んでみられるのでいいのかなと思います。
お好みかどうか、上巻で判断してもいいかなと思いますし、
メカニズムを知りたいわけじゃなくて、どうすべきかノウハウを知りたいんだっていう場合は、前半を飛ばしてこの上巻の後半から読んでもいいと思いました。
私は割と、皆さんもちょっと置きすぎかもしれないですけど、メカニズム好きなんですよね。
どうしてそうなっちゃいがちなのかっていうのを結構知りたいと言いますか、でもじゃあどうすればいいのっていうのを逆に言うとあんまり興味がないんですね。
それって子育てとかも一緒なのかなって思ったりしますけれども、解決策やハウツーをすぐに知りたいというよりは、
ああそうかやっぱりそうなっちゃうんだ、みんな同じことで悩んでるんだねっていうのを知りたい、知って安心したいみたいな感じでしょうか。
だからこのノイズを読んだからといって、戦略人事の有名な本を読んだからといって、珍しい方策や施策が見つかったとかいうことはなくて、
どの会社も、トラジショナルな会社も、スタートアップ企業も結局似たようなことで悩むんだなーって思ったというか、
YUさんも一緒に頑張りましょうね。悩みは尽きない。いろんなことはなかなか解決していかないと思うけど、
どの会社も同じようなことで悩んでるんだなーって共有できたら嬉しいです。
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リクエストありがとうございました。
さて、今夜もお時間になってしまいました。
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それではまた来週水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。おやすみ。