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2024-10-09 16:55

「がっかりさせる勇気」自分のやさしさと誠実さの使い道

「相手に期待しないってどういうこと?」というお便りに呼応して、「自分を大切にするってどういうことだろう」を考えます。

<勝手に貸出カード>

・『「弱いまま」で働く やさしさから始める小さなリーダーシップ論』エミリア・エリサベト・ラハティ(著)、古賀祥子(訳)

<来ると思います!>
・安達祐実さん主演、土曜ドラマ『3000万』(NHK)


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サマリー

今夜のエピソードでは、秋ドラマ『3000万』について語られ、主人公が偶然手に入れた大金と家族の関係が描かれています。また、エミリア・エリサベト・ラハティの著書『弱いままで働く優しさから始める小さなリーダーシップ論』も紹介されます。このエピソードでは、自分に誠実であることがいかに重要かを、他者をがっかりさせることを恐れずに強調しています。相手に期待しすぎず、自分を大切にすることの重要性についても語られています。

秋ドラマ『3000万』の紹介
真夜中の読書会おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、KODANSHAのバタやんこと川端です。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室では、
水曜日の夜にホッとできて明日が楽しみになるをテーマに
おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
第186夜を迎えました。
今夜は来ると思いますのコーナーからスタートします。
今週の来ると思いますは、秋ドラマの話をしようかなと思いました。
まだ出揃ってはいないですけれども、皆さん何か楽しみにしているドラマはありますか?
1話目を見てこれは期待できそうだぞって今私が思っているのが、
足立由美さん主演NHKの土曜ドラマ3000万です。
足立由美さん演じる主人公の佐々木優子はですね、
コールセンターで派遣社員として働いていて家計を切り詰めつつ、
家のローも心配だけど子供の習い事のピアノも買ってあげたいなとかって悩んでるんですね。
夫は青木宗隆さん、りゅうかさんの旦那さんですよね。
いい感じにいい加減と言いますか、元ミュージシャンなんですが、
キリッキリする足立由美奥さんに対して、
まあなんとかなるっしょっていう常にそんな感じの軽い感じの旦那さんなんですよ。
足立由美がヒロインが運転する車で人を引いてしまって、
その引いた相手がどうも強盗だったっぽいってなって、
そしてなんと思いがけず3000万円を手に入れてしまうんですよ。
すぐに警察に届けられればいいのに、なんとなく持ったまま過ごしちゃって、
それでどうなるっていうのはこれからみたいなんですが、
あまり展開が早いドラマというわけではないんですけれども、
説明方でもなく、密度の高いドラマが来たぞって感じでワクワクしています。
コールセンターのパワハラ気味と言いますか、嫌味な感じの上司に立てついた帰りにね、
ロールケーキを買ってエホー巻みたいに無しゃべりつくというか、
丸ごと被りついている足立由美さんを見て、これはいいドラマそうだなって思いました。
3000万円というこう、絶妙な金額設定とロールケーキのリアリティと言いますか、
ドラマ3000万、私も注目してますっていう方がいたら是非リアクションしてください。
人間関係の難しさ
さてさて続いてはお便り紹介に参りましょう。
ペンネームしおさんからいただきました。
バタヤンさんこんばんは。
こんばんは。北海道在住の28歳女性です。
癒しの時間としてポッドキャストいつも楽しみにしています。
ありがとうございます。
私は昨年結婚したのですが、
交際期間には気づかなかった夫への違和感やモヤモヤが日に日に増えています。
どの夫婦もこういうものだろうと思う一方、
なんとか解消したくて夫婦の取説のような本を読み漁ったりしていますが、
腑に落ちる本は見つけられませんでした。
相手に期待しないようにしようと、
夫婦に限らず良好な人間関係を築くにあたって大切だという言葉をたくさん見たのですが、
私はそれらが本質的に理解できていないように思います。
原因はおそらく私自身が期待されるのは良いことだ、
本当に大切な人にしか期待しないのだからと思っているからです。
相手に期待しないというのはどういうことなのか理解できる本があれば教えていただきたいです。
よろしくお願いしますといただきました。
ありがとうございます。
難しいですね。難しいテーマです。
相手に期待しないとはどういうことでしょう。
確かに相手に大切な人だからこそ相手に期待してしまうし、
大切な人に期待をされたら嬉しいなと思いますもんね。
先ほど紹介したドラマ3000万の夫婦関係は、
塩さんと比べるともうちょっと長い夫婦関係ではあると思うんですけど、
相手に期待しない期間が長くなった夫婦って感じがしましたね。
でもドラマの結末はこれからなんで、
この後犯罪に巻き込まれていった2人が再び協力関係になっていくのか、
リーダーシップ論の新たな視点
あるいはもっと失望していくのかはちょっとわからないですね。
さてそんな塩さんのお題に今夜の勝手に貸し出しカードは、
弱いままで働く優しさから始める小さなリーダーシップ論という本にしました。
この本はフィンランド出身の応用心理学研究者エミリア・エリサベト・ラハティさんが書いた本です。
ここが幸子さん役で、最近刊行になったばかりの比較的新しい本ですね。
小さなリーダーシップ論とタイトルにあったので、リーダー論とか組織論なのかなと思って、
私も人事部に所属をしているので、
そういう仕事の役に立てばと思ってビジネス書として手に取って買ったんですよね。
でも読んでみると、もうちょっとパーソナルな自分を守る心理学の本のように読めました。
さてどのような本なのか、そしてなぜ塩さんにこの本を選んだのかを解説していきたいと思います。
この本の帯には、有害な力から自分を守る方法とありまして、
先ほどお伝えしたようなリーダーシップ論、組織論というよりは、
そちらに批従があるのかな、自分を守るという方に批従があるのかなと思いました。
達成中毒から逃れて、自分を大事にしながら働くってどういうことだろうというようなことがテーマになっています。
つい先日ですね、ちょっと別の本でテシガワラマイさんの職場で傷つくっていう本を読んだんですよ。
これもすごい面白かったので、どっかで紹介したいな、よかったらぜひ読んでみてください。
ご興味がある方は、職場で働く場面で傷ついたっていうのって、
なんかどっかでタブーみたいな感じが今まであった気がするんですけれども、
職場で傷つくってこと多いよねと、暴力主義って傷つくよねっていう話で、とても共感しました。
それが、今回紹介する弱いままで働く優しさから始める小さなリーダーシップ論の中にある、
達成中毒から逃れよう、距離を取ろうっていう話とつながってるなと思ったんですよね。
変化には痛みを伴うとか、改革に犠牲はつきものとか、どんな困難にも諦めずに乗り切れっていうような、
精神的タフネスを求める仕事論ではないビジネス本が増えたなという印象です。
傷つくっていうのも感情の一種ですけれども、感情的になるって今までビジネスの世界では否定的に語られてきたわけですよね。
でも個人の感情じゃないですか、結局。個人の感想、個人の感情が消費を動かしているわけで、個人的な感情にフォーカスを当てたビジネス書が今注目なのかなと思ってます。
組織の中でも最小の組織が夫婦ですよね。家庭を運営する、家庭を経営するにはお互いにリーダーシップを取らなきゃいけない側面があって、そういう意味では小さなリーダーシップ論はまさに夫婦にこそ必要な話だなと思って読みました。
このエミリアスさんはですね、ちょっとユニークな経歴でフィンランドの心理学者と言いましたけれども応用ポジティブ心理学というのを学ばれているんですね。
この方がメインで研究されているのがフィンランド特有の概念であるシスという発想でして、シスという言葉があるんですね。
この本を全体を理解するにはまずこのシスという考え方についてちょっとだけ解説したいと思います。
シスとはこの本によれば逆境に直面した時に発揮される一種の波外れた精神力。どんな障害があろうと決して諦めないこととあります。
これはですね一見するとタフメンタルな方向性に聞こえますよね。その弱いままで働くとか優しさとかっていうのは真逆な印象を受けますよね。
この下にも書いてあるんです。緩衝水泳とかルートラマラソンとかそんなイメージがあります。逆境に直面される。逆境に直面した時に発揮される一種波外れた精神力ですからね。
でもエミリアさん曰くシスが最高の形で発揮されるとジェントルパワーになる。直訳すると優しい力でしょうか。ジェントルパワーは人への優しさを持って自分の人生に真剣に取り込む真の強さみたいなものかなというふうに私は解釈しました。
エミリアさんはですねちょっとおそらくこれを読む限り結構ストロングスタイルのパーソナリティーなんじゃないかなと思いました。中でいろんな人と身近な人とぶつかったり人間関係がもつれたりしているんですよ。
自分への誠実
でもそんな中で優しくあろうとか優しいってどういうことなんだろうみたいなことをもがいた上で研究と個人の話と照らし合わせているのかなというふうに思ってそのあたりが結構チャーミングと言いますか興味深いなと著者の方自身に興味が湧く本でもありました。
シスの解釈とかポジティブ心理学応用ポジティブ心理学とかそのあたりですねすごく真面目に理解しようとしなくてもいいんじゃないかなと思いますね。
私の思ってたことが原画化されているって刺さるフレーズが2つ3つ見つかればそれで十分と言いますか頭からお尻まで読了しなくてもそれはそれでとても必要な読書であり自分にとって必要な読書なんじゃないかと思ったりします。
こういう種類の本の読書の仕方として私はこの本で刺さった言い回しとして相手をがっかりさせてもいいがっかりさせる勇気というフレーズが印象に残りましたね。
これはカナダのオーリアマウンテンドリーマーの詩の中から取られていてちょっとそこをせっかくなので読みたいと思います。
私が知りたいのはあなたが人を落胆させてでも自分に誠実でいられるかどうか。人から裏切り者と責められても自分の魂を裏切らずにいられるか。
誠実になれるが故に信頼できる人であるかどうかだ。
というふうにあります。
新鮮な考え方だなぁと思いました。
人を落胆させてでも自分に誠実でいられるかどうか。人から裏切り者と責められても自分の魂を裏切らずにいられるか。という問いかけはね。
さて今日はこの流れからですね、ちょっと神フレーズをご紹介したいと思っております。
そして自分がすべてを、特に人については障悪できていなくても構わないということを受け入れる限り、正直で率直であれば自分と他者を尊重することができる。
というふうにあります。
この今読んだ歌詞がですね、しおさんのお便りにあった期待しない、他人に期待しないというのはどういうことかという話かなぁと思ったんですよね。
自分がすべて障悪できていなくても構わないと思った上で、自分に誠実でいられるかどうか。
自分の魂を裏切らないでいられるなら、他人も自分も尊重しながらやっていけるよってことなんじゃないかなぁと。
誰かに期待をする、期待通りにならないっていうのは相手にフォーカスが当たってますよね。
でもエミリアさんが言っているのは多分自分にフォーカスが当たっている。
すべてが障悪できても構わないと思えている自分。
そして自分にとって大事なことは何かを考えるって自分本位なんですよね、どっちも。
この方は、エミリアさんは人に優しくするより自分に優しくする方が難しいっていうことを何回か書いてまして。
人から期待されていることじゃなくて、自分のやりたいことを真剣に考えるのって難しいよね、という話なんですよ。
具体的に言うとどういうことかな、例えばどういうことだろう。
分かった。
例えば夫から、今日はお客さんとの会食で遅くなるっていうラインが来たら、
もっと早く行ってよ、ご飯作っちゃったじゃんってなるじゃないですか。
なるね、なるよね。
私がこんな手を考えたり、買い物に行ったりする時間を考えたら、もっと早く連絡してほしかったなって。
これが期待ですよね。
なんで連絡できないの、そんな大事な会食もっと前から分かってたでしょとか。
なんで、なんでっていう風に理由を考えたりね、期待したことに対して。
でも相手のすべては掌握できないもんだということを、掌握できなくても構わないっていう風に思いつつ、
自分にとってどうだったら自分に優しいかっていう風に視点を変えてこない。
帰りが遅いってことは時間がある。
自分には時間ができたと考えるならば、私だったらコンビニにビールとアイスを買いに行こうかなとか。
これは自分への最大限の甘やかしですね。
ロールケーキを絵本巻きのようにして食べたりはしないけど、フルーツとか買って帰ってきて、なかったものとして自分で食べきっちゃうとかね。
あとはこの間見たライブ配信のアーカイブ配信をリビングの大きいテレビで流してみようとか。
そうやって怒りに意識を向けたり、相手のできない理由に意識を向けたりするよりは、
自分にとって優しい時間の使い方を真剣に考えるっていうことですかね。
自分の人生に真剣に取り組むと、大きな言い方をするとそういう意味なのかなと思ったり、違うかな。
はい、塩さん、リクエストありがとうございました。
弱いままで働くのがあったら、ぜひチェックしてみてください。
リクエストありがとうございました。
さて、今夜もお時間になってしまいました。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室では、リスナーの皆さんからのお便りをもとに、おすすめの本や漫画を紹介しています。
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それではまた来週、水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。
おやすみ。
16:55

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