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2023-07-03 19:28

EP06. 音声広告における効果検証の限界について技術面からCTOに聞いてみた

「音声広告実験隊」は、音声広告に関わる様々な実験・検証を行い、音声広告の現在・未来について考えていく番組になります。聞き流しているだけでデジタル音声広告の現状や活用可能性をなんとなく把握できる、そんな番組を目指しています。毎週月曜更新。
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サマリー

CTOにお尋ねして、音声広告の効果検証について詳しくお聞きしました。インターネット広告と非常波ラジオ広告の効果の比較や、音声広告の再生数測定の方法、広告を聞いた人のアクションの測定、そしてブランドリフト調査の紹介がありました。音声広告の特性上、効果の計測にはいくつかの技術的な限界があります。より精度の高い効果計測を行うためには、アナログ的な手段を併用することが有効とされています。

00:02
音声広告実験隊、今回もロボットスタートの中の人2名と、外の人1名でお送りします。
さて早速ですが、今回のテーマについて教えてもらってもいいですか?
はい、今回のテーマは音声広告における効果検証の限界について、CTOに聞いてみたです。
以前の回で音声広告の効果検証には限界があるとお伝えしましたが、
この点についてもっと詳しく知りたいという声を複数いただきました。
その声にお答えして、ややネガティブな面はございますが、このテーマを取り扱いたいと思います。
イメージとして音声広告の効果検証は、ラジオ広告などのマス広告とインターネット広告の中間に位置しますが、
それがなぜなのかを技術面から分かりやすく説明してほしいとCTOに相談しました。
CTOといえば、以前のランキング順位以内に入るための再生数をビシッと当たられた方ですよね。
それでは本日はCTOにお会いできるんですか?
それがですね、極度の緊張症とのことで、今回もダメでした。
残念ですね。
ですが、事前収録なら大丈夫とのことで、事前にいくつか質問をして回答を預かっています。
なるほど、そういう形に落ち着きましたか。
ちなみにCTOはどのようなご経歴の方なんですか?
最初は富士通に入社をして、その後システム開発会社やインターネットのプロバイダーで活動していた頃、
私が一社目に起業したモバイル広告などネットワーク事業を行っていた際に、ハンティングをしました。
その会社をインターネットサービスを総合的に展開する公的企業に売却した際に、
CTOはそのまま広告事業を行うグループ会社の技術部門の部長として、その後7年近く幸せな日々を送っていたようです。
しかし、このロボットスタート創業後に再びハンティングをしたということになります。
もう一度スタートアップで自分を追い込みましょうとお誘いしたわけですね。
ちなみに2度もハンティングしたということですけど、そういう意味ではお二人とも付き合いが長いんですか?
そうなんですよ。15年以上の付き合いとなります。
さてさて早速ですけれども、具体的にどのようなご質問をされたのか教えてもらってもいいですか?
音声広告の効果測定方法の比較
最初に音声広告に関わる効果測定方法について、他の広告処方との比較を含めて
私の方から質問いたしました。
早速聞かせてもらってもいいですか?
音声広告の効果測定について話す前に、インターネット広告と非常波ラジオ広告の効果測定手法について確認したいと思います。
インターネット広告では、ウェブサイトやアプリ上でバナー広告を表示し、
商品ページに誘導して購入させるなどの動線が自然に作れます。
また、広告ごとのインプレッション数、クリック数、購入数などが測定できます。
一方、非常波ラジオ広告では、広告の再生数をリアルタイムに把握することも難しく、主に聴取率という指標を利用しています。
聴取率は、調査会社による定期的な調査により計測されています。
次に、本題の音声広告の効果測定についてです。
音声広告の効果測定手法としては、主に次の方法があります。
一つ目は、広告の再生数の測定です。
当たり前だと思われるかもしれませんが、ラジオ広告に比べると、再生数がリアルタイムに取れるだけでも進化しています。
二つ目は、広告を聴いた人がサイトに訪問したかどうか、またサイト内で商品を購入したかどうかを間接的に測定する方法です。
三つ目は、ブランドリフト調査です。
こちらは他の広告と変わらない手法となります。
確かにラジオ広告とインターネット広告の中間というイメージを持ちましたが、デジタル音声広告では聴取データと行動データが簡単にはひも付けられないということですね。
一方で再生数の取得だけだとちょっと物足りない気もしますし、ブランドリフト調査となると、ちょっと予算の観点も含めると、実行できる企業が限られるんじゃないかなという印象を持ちます。
まさに音声広告が市民権を得るためには、消去法的に間接的な効果測定をどう行えるかがポイントになると考えています。
しかし間接的な効果測定方法と聞いたときに、ちょっと素人だとイメージを持ちきれないんですけれども、その点について補足してもらってもいいですか?
アクションの間接的な測定方法
この点についても質問しましたのでお聞きください。
ぜひお願いします。
先ほど音声広告の効果測定手法として3つを挙げましたが、その中で広告を聞いた人がサイトに訪問したかどうか、またサイト内で商品を購入したかどうかを間接的に測定する方法について少し詳しくお話ししていきたいと思います。
音声広告は長打撃をする方が多いので、PCやスマホの画面は見ていなかったり、見ていたとしても他のサイトを見ていることが多いですよね。
その状況からアクションを起こさせるためには次のような方法があります。
1つ目は音声広告内で詳細は概要欄のリンクをクリックと読み上げることで、あらかじめ概要欄に設定した効果測定可能なリンクをクリックさせるという方法です。
この方法はエピソードに対して広告が固定の場合は有効で、ホストリード広告などで利用されています。
2つ目は購入時にクーポンコード〇〇を入力すると10%割引と読み上げることで、購入時のクーポンコードの入力により報告の効果を測定します。
この方法はエピソードに対して報告を動的に挿入する場合でも有効ですが、報告主側のシステムでクーポンコード入力に対応している必要があります。
3つ目は詳細は〇〇で検索と読み上げることで、検索からのサイト訪問や購入などのアクションを誘導する方法です。
この方法は音声広告を聞いた人とサイトを訪問した人をどうやって結びつけるのかという点で疑問が湧きます。
これに関しては、IPアドレスと端末情報を利用して推定する技術を利用します。
IPアドレスは場所によって変化するので、移動中などには推定ができないといった制限はあります。
しかし、在宅中などIPアドレスが変わらない場合は推定が可能となります。
1つ目と2つ目は利用可能なシーンが限られるかなと思いますので、多くのニーズに対応するという意味では、
3つ目のIPアドレスと端末情報などで追跡する方法がポイントになりそうですね。
弊社としてもそのように捉えていますし、トラッキングするための技術も備えています。
一方で注意しなければいけない点がありまして、このIPアドレスベースで追える情報には制限があるということなんですね。
ちなみに次の3つのうち間接的な測定が可能なケースは何番だと思いますか?
これはクイズということですね。
はい。
分かりました。
1.仕事中に聞き、家でアクセスしたケース。
2.帰りの電車の中で聞き、番組の終了後にアクセスしたケース。
3.帰宅後の自宅のWi-Fi環境でiPhoneで聞き、パソコンからアクセスしたケース。
確か先ほど移動すると終えないと言われてた気がするので、そうなると3の自宅利用のケースですかね。
それでは正解を発表します。
はい。
1と2のケースは移動によるIPアドレスの変化からほぼ追跡できません。
3は半分正解で半分不正解です。
パソコンがMacの場合はIPアドレスが同じで端末が同じApple製なので、多くのケースにおいて同じユーザーと見なされ追跡可能です。
一方でパソコンがWindowsのケースやアクセスした端末がAndroidとOSが異なる場合は、多くのケースにおいて同一と見なされず追跡の難易度が大きく上がってしまいます。
ちょっとずるい問題でしたけど、多くのケースにおいては追跡が難しいということですね。
私も携帯がiPhoneでパソコンがWindows環境なので、今の話で言うと対象外になりそうです。
感覚的に追跡できるのは20%くらいでしょうか。
そうですね。言い換えると実際はOL数値の3倍から5倍程度のユーザーアクションが行われていると推定して費用対効果を大まかに予測するという捉え方もあり、
米国ではその考え方も含め利用が広がっているかなと思います。
ただ、それならばもともと正確に追える既存のインターネット広告の方が安心と考える方もいらっしゃるかと思いますので、この辺りは選択になるのかなと思います。
インターネット広告業界の流れとしては、アメリカではクッキー規制後の世界を見据えて音声広告の活用が広がっていることもあるかと思います。
少なくとも、例えばゲーム系のポッドキャストを聞く人はゲームに興味を持っている可能性も高いでしょうから、コンテクスチュアルターゲティングの手段としては有力な選択肢になるかと思います。
コンテクスチュアルターゲティング、今回も出てきましたね。
前向きにデジタル音声広告を活用するには、もう一押し欲しいところですけれども、技術的にもっと深掘れる可能性はないんでしょうか?
この点についてもCTOに質問したので聞いてみましょう。
お願いします。
効果計測の技術的な限界
これまでお話ししてきた通り、音声広告の特性上、効果計測には技術的な限界があります。
個人的には音声広告の効果計測において、技術的にできることは今後もあまり変わらないと予測しています。
そんな中で、より精度の高い効果計測を行うためには、技術的な手段に頼るだけではなく、アナログ的な手段を併用することが有効です。
クーポンコードの利用や概要欄への包括測定可能なリンクの設置もアナログ的な手段の一つといえます。
また、音声広告を出している期間に外部のアクセスを解析するなどで、新規ユーザー数やアクセス数の伸びなどを継続する方法も踏み合わせることが有効です。
単独の技術だけでの解決は難しく、アナログな手段を絡めるか、大まかな係数の伸びから推測する必要があるか、そんな感じですかね。
そうですね。アドテックの歴史、またアメリカの音声広告市場における技術を日々調査しての結論なので、少なくとも簡単ではないということかと思います。
私は将来的な技術の可能性は信じたいと思いますし、弊社でも追求していきたいと思いますが、少なくとも現時点ではアナログな手法を組み合わせた方が効率が良いということは確かかと思います。
なるほど。現時点ではという条件付きですけれども、そういう結論になりますか。
はい。一方で音声広告の優れた要素として、クリエイティブの制作単価が低いという点もありますので、一定以上の成果が見えれば正確なデータを追うよりもABテストを行うことに注力をして、
終える係数の範囲でどうしたらより効果が上がるのかのノウハウを蓄積する方が長い目で見ると有用かもしれません。
そういう考え方もあるわけですね。確かに音声クリエイティブ自体は簡単に作れる印象がありますけれども、一方でプロの声優さんとかに依頼するですとか、収録環境を準備するとそれなりの負担がありますよね。
そうですね。プロの声優さんを活用されるケースはその通りだと思います。音声広告はまだ黎明期ということもありますので、そもそも費用対効果が合うのか、まずは試してみたいという方が多いと認識をしています。
そのお試しをするのに最初から声のプロを使ってクリエイティブに数十万かけてというのはさすがにハードルが高く、せっかく興味を持ってくれた方が音声広告から離れてしまうかもしれません。
確かに試す段階で数十万というのは利用できる方が限られそうですよね。
はい。音声広告市場が成長するために、今は多くの方に簡易に試してもらえる環境整備も重要だと考えています。
例えば初期段階においては音声合成技術を活用したクリエイティブを製作し、ABテストを重ね、ある程度確証を持った上で声のプロを使ったクリエイティブに挑戦されるやり方も一案だと考えています。
確かにそれができれば、もっと活用が広がりそうな印象もありますね。
はい。音声広告の良い部分は、完全聴取率が高いことで、音声合成でも情報を伝え切ることができると思っています。
伝え切ってダメならば、クリエイティブの内容を調整すべくですし、音声合成でも費用対効果の十分なクリエイティブを見つけられた際は、その後に声のプロに置き換えれば、より高い効果が期待できると思います。費用対効果も合わせやすくなりますよね。
なるほど。全体像はイメージできますけれども、音声合成のクリエイティブがどの程度のレベルかによって許容度が変わってくると思います。
確かに。
今お聞きできる事例とかってあったりしますか?
はい。今手元ですぐ再生できそうなものを流してみますね。
お願いします。
ポッドキャストをお聞きの皆様、アメリカで今一番伸びている広告をご存知ですか?答えは、ポッドキャストをはじめとするデジタル音声広告。アメリカではすでに8000億円を超える市場になっています。日本におけるデジタル音声広告が今後どうなっていくのか、一緒に勉強しませんか?オッカイのポッドキャストから音声広告実験体で検索。
確かに情報を伝えるという意味では十分そうですね。正直素人の私が喋るよりも伝わる気がします。
これはコミュニケーションロボットを喋らせていったという、当社の過去の経験が生きたという形かなと思っています。少し長くなってしまったので、クリエイティブについては改めて取り上げられればなというふうに思います。
ぜひまたお聞かせください。ということで今日はこのあたりにしましょうか。本日もお聞きいただきありがとうございました。ありがとうございました。
音声広告に興味のある方、音声広告についてもっと知りたい方、こんな検証をお願いしたいという方がいれば、概要欄にあるリンクよりお気軽にご連絡ください。
それではまた。
19:28

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