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なぜ夫は夫婦最大の危機である産後クライシスに気がつかないのか?ということで、今日は前回からの続きで産後クライシスについてお話をしていこうと思います。
今日は、前回はですね、この産後クライシスのメカニズムについてお話をしたのですが、妻の身体的、精神的、社会的危機、この3つの危機によって産後クライシスが夫婦に訪れる。
そして多くの男性は妻にそのような危機が訪れていることに気がつくことができないという話をしました。
今日は、なぜ夫は妻に訪れる危機に気がつくことができないのかということについてお話をしていこうと思います。
前回はですね、産後の女性とは仕事で3日間徹夜して、失業して、友達が全員いなくなってしまって、そんな生活があと1年以上続くっていうめちゃくちゃひどい状態ですよっていうお話をしました。
こういったように身体的、精神的、社会的に危機というのが訪れますと。
これは前回詳しく話をしたんですが、こういった時の夫が助けない、妻のことを助けない場合、産後クライシスが訪れると。
なぜ夫は妻の危機に気がつくことができないのかと。
多くの夫婦関係が悪くなっているケースの話を聞くと、ほとんどと言っていいぐらいこの産後に夫婦が腑中になってしまった原因というのがあるんですね。
僕も話を聞いていてすごくそこは思うんです。
じゃあなんでそこに、そんな大事なことになんで僕ら夫は気がつかないのかっていうことを深掘っていきたいと思います。
今日も産後クライシスという本をもとにお話をしていこうと思います。
本書ではですね、男性のジェンダー感と働き方、この2つが問題だというふうに書かれてるんですね。
今日はその2つの解説と、あともう一つ僕個人が思うもう一つの原因、経済的理由についても本書の中身の情報と僕個人の思うところをもとにお話をしていこうと思います。
まず本書で書かれているのは、男性の偏ったジェンダー感ということが書かれています。
この本が出版されたのは確か2011年、今から10年以上前なので、現代の考え方と、現代というかこの10年で結構変わっている部分はあるので、
ちょっと時代が古いかなと思うこともいるかもしれないんですけど、だけど一部ではこういった10年前と同じ考え方って多分あると思うので、お話をしていこうと思います。
1970年から1980年代前半生まれの男性というのは、高収入、高学歴、高身長という言葉に代表される学歴社会で、受験戦争とか就職氷河期を戦いに行ってきた男性たちが多いと。
そして1985年に男女雇用機会均等法が制定され、1993年には中学校で家庭科が男女必修になったと。
だけどそれでも働いて家庭を支えるのが男だという価値観を強く受けているというふうに本の書では書かれています。
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これは本当に人それぞれだなとは思うんですけど、僕も80年代前半生まれなんですが、確かにこういった学歴社会で受験戦争とか
就職氷河期、まさにそんな時代を送る個人は生きてきたなと思うんですね。
ちょっと僕の次の世代から就職氷河期が終わってしまったので、何なんだよってちょっと思ったんですけど、確かにそういうふうなことは常に誰かと競い続けてきたみたいな。
勝ち組、負け組みたいなという価値観とかっていうのはすごく強く受けてきました、僕個人も。
そして共働き世帯が専業主婦世帯の割合を抜いたのは1996年なんですね。
現在30代後半から40代の男性の親というのは、僕らの親ってことですね。僕らの親世代、おじいちゃんおばあちゃんたちっていうのは専業主婦世帯だった人の方が多いってことに言われています。
そして本書ではですね、産後クライシスを起こしやすいのは競争を勝ち抜いた勝ち組が多いというふうに書かれています。
勝ち組というのは結婚史上においては人気物件なんですよね。婚活とかでもすごい人気じゃないですか。
高収入、高額役、高身長、収入めっちゃ良くて、学歴めっちゃ良くて、見栄えも良くてって言うともう人気物件になると。
そうなると自分たちが図られてきた尺度、この高収入、高額役、高身長ってこの尺度を疑問に思う機会がないというふうに書かれています。
自分を構成している要素というのが何の疑いもないと、何を間違ってないよねって、俺間違ってないよねって、俺正解だよねっていうふうに思いやすいっていうことなんですよね。
自分が間違っているかもしれないというふうに思う機会が少ないんですよね。常に正解だったから、常に勝ってきたから。
こんな勝ってきた自分が間違っているはずがない。お前の方が間違っているだろうと。他者のことを受け入れるそのキャパがあんまりないというふうな、簡単に言うとそういうような書き方がされています。
そしてエリート男子校の生徒は氷河区の男性よりも夫婦赤字育児において支え合うことに対する認識が甘いというふうにも書かれています。
アンケートが何か通ったみたいですね。10年前なので、今はアンケートと違う結果が出るんじゃないかなと思ってはいるんですけど、当時ということです。2011年の段階では。
なんでかというと、専業職員のお母さんがすべてやってくれていると。受験成績を勝ち抜くために、家のことを子供に言わせないという親が多いそうなんですよね。
中学受験というのは親の努力次第というふうに言われているので、家では何もしなくて当然の俺様を作り上げる可能性があるというふうに抱えていまして、そういうこともあるんだなと思っていました。
僕の育った環境とは全然違うんで、僕は中学校まで公立だったので、小学校受験とか中学校受験というのは全然想像つかない世界なんですけど、そういうことがあるんだなというイメージは何となくついたんですね。
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そうやって受験成績を勝ち抜いて、就職成績を勝ち抜いた男たちというのは、家庭に関わるスキルが著しく低いというふうに言われています。
これはすごいなんか分かるんですよ。僕、高校の時に新学校だったんですけど、家庭科の授業でリンゴの皮剥いたりご飯作ったりというのがあったんですね。
僕すごい好きだったんですよ。リンゴの皮剥いたりとか、おにぎり握ったりとかするのが、きれいに三角形に握ったりするのがすごい好きで、できる人ほとんどいなかったんですよ。
ご飯を炊飯器で炊く、炊き方も知らない、炊飯器の扱い方も知らないという男子が多くて、すごいびっくりしたんですよね。
僕がいた高校のコースっていうのは、私立高校だったんですけど、付属の大学に行くんじゃなくて、もっといい高校率とか、私立だったらもっと有名なところに行けよっていうコースだったんですよ。
なので、すごい中学受験とか高校受験とか、中学受験、高校受験とかを頑張ってきた奴らがすごく多かったんですよね。
そういうふうに家庭の環境もそういったような人間が多かったなって印象が強くて、そうなると家庭に関わるスキルがとても低くなるというふうに言われてるんですね。
僕は家から高校が近かったっていうのと、高校率が落ちちゃったんで、そこに仕方なく入ったっていうところがあったんで、家庭の環境とかなんかちょっと違うなって人が結構多かったんですよね。
そんな感じで、両親の影響を受けながら僕ら子供っていうのは育ちますよね。だからこういうふうに家庭に関わるスキルが低いエリートみたいなのが生まれてきやすいと。
そして彼らは産後クライスに気づきにくいというふうに書かれています。なんとなくわかります、それも。
でも家事組じゃなくても同じだと思うんですよね。自分の両親の影響を受けながら育つので、受験生を勝ち抜いてきた、就職生を勝ち抜いてきた男たちにはそういった傾向が強いってことだと思うんですけど、
自分の親がそういった確証性をバリバリ家庭の中で出しているような家庭だったら、同じような育ち方をするので、産後クライス、妻に何が起きているのかというのがわかりにくいような子供になっていくと思うんですよね。
男は仕事をしていればOKという価値観を育みやすいなというふうに思います。
仕事をしっかりしていればそれ以外のことはできなくてもOKという感覚をこの社会というのは今まで許容してきたんだと思うんですよね。
そしてそれが妻の危機に気づかない男たちを生み出してきた。そういった受験生を、就職生を勝ち抜いてきた男たちが今この企業のトップの方にいるわけじゃないですか。
その人たちはそういった家庭の中に起きる家庭に関わるスキルがとても低いので、なかなか気づきにくい。
そしてそういうふうな上司たちに育てられてきた部下たちも同じように影響を受けやすくなるからこそ、家庭に関わるスキルは少なくていいんだぞというふうな文化をこの社会は今まで許容してきた感はすごくあるなというのは個人的に思います。
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そしてもう一つ本社に書かれているのが長時間勤務、つまり低い生産性ですね。これが気がつかない夫を生むというふうに書かれてまして、子供が0歳の時の夫の平均実動時間、働いている時間ですね。
11時間以上が一番多くて39.2%、次が10時間25%ですね。
11時間以上が一番多いという現象は子供が2歳になっても変わらないんですよ。
これは古いデータですけど、2011年のデータで、ベネッセ次世代育成研究所のデータなんですね。
めっちゃ働いてるっていうことです。11時間以上働いてる。
家庭に関わることをやる時間が少ないと。
そして家に帰る時間も遅い。21時くらいが日本は最も多いと。
韓国は8時で、北京は18時、台湾は19時ということで日本が一番遅いんですね、アジア圏では。
寝返し付けの邪魔になるから、逆にもっと遅く帰ってきてって言われたりもするわけですよ。
そうなると妻との距離が余計広がっていくという悪循環が起こる。
これは多分僕個人も思い当たることがあるし、男性の方ではそれあるわと思う方もいると思うんですよ。
もうちょっと遅く帰ってきてくれないと逆に、みたいなふうに言われてしまって。
余計夫婦の溝が広がってるよねっていうのってありますよね。
じゃあなぜ、農業時間が長くて家に帰る時間が遅いのか。
これは僕個人が思うことなんですけど、すごい細かいことを気にするじゃないですか、仕事の中でも。
多分最近結構思ってる20代30代の人とか増えてると思うんですけど、
誰も困らないようなミスとか、誰も気にしないようなこだわりとかをすごく気にしますよね、日本企業って。
だから必然的に農業時間がどんどん長くなっていくんですよ。
何年か前にキリンかどっかの飲料メーカーかビールか何かの缶のデザインを間違えちゃったことがあったんですよね。
で、それ回収してやり直すのかどうなのかみたいな話になったんだけど、結局そのまま発売したんですよ。
それも別に誰も困らないじゃないですか、中のビールは腐ってるわけでもなんでもないんで、単なるスペルミスか何かだったと思うんですけど、
それに対してもう何かじゃあ回収するかどうしようかとか、デザインやり直して間に合うのかとかっていう風な受けな仕事がめっちゃ多いのが日本の会社だなってすごく思うんですよね。
あと人の感情をすごい気にする。話さないと分かんないんでとか、オンラインとかリモートとか言われてるのに直接会わないと分かんないんでみたいな、
何か無理やりリアルの対面のミーティングを挟もうとしてくるとか、あと空気を読ませようとするとかって結構ある経験した方いると思うんですよね。
空気を読ませて、自分ははっきり断言はしないんだけど、遠回りに言いながら空気を読ませて、その思い通りに行動させようとするとかっていう周りくどい余計な時間がたくさんかかるっていう仕事がすごく多い。
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あと業務ツールのIT化の遅れっていうのも原因だなと思うんですよ。 オンラインミーティングとか業務のフローチャートとか請求書の電子化とか
いろいろあるんですけど、これって大きい会社でもなかなか進んでなくて、個人で他の人の話を聞いていてもなかなか進まないんだ。こういったことが今の余計な仕事を増やして家に帰るの遅くしているんじゃないかなと思うんですよね。
こういった環状サービスとIT化の遅れっていうのが労働時間を長くさせる原因なんじゃないのかなって個人的にはすごい思っています。
あと勤務場所の生活費が高い、都会の場合ですよね。勤務場所の生活費が高いため郊外に住むことになって通勤時間に時間がかかる。
個人の感覚だと都会って何か一人っ子が多いなって多くても2人ぐらいだなって気がしてて、僕が住んでるような郊外になると3人子供がいるっていう家がめっちゃ多いんですよ。
僕の妻の友達とかでも地元なんでよく話聞くんですけど3人多いんですよね。3人も欲しいっていう人も多くて、
郊外に住んでいる方がお金もかからないっていうのもあるんだろうし、あと勤務場所がこの辺とかだったりすると精神的な猶予が多いので子供が増えていくなっていうのはすごい感じてるんですよね。
それで子供が多いってことは仲もいいってことになるのかなと思うんですけど。
あと低い生産性の話をするとこれが一体誰のせいなのかっていうと、僕はこの国の社会とか文化っていうのが大きな原因なんじゃないのかなと思うんですよね。
さっき言ったみたいな細かいことを気にしたりとか人の感情を気にしたりとか、年老が多いのでIT科学をくれたりとかする。
こういったことって今すぐ変えれないじゃないですか。今すぐ変わることはできないし、そもそもそんな大きく変わんないんじゃないのかなと思うんですよ。
年老が多いっていうのは変わらないんで、この先どんどん増えていくんで、僕も含め年取っていくんで。
じゃあどうしたらいいのかというと、大事なことは社会をこうやって俯瞰して見つめることだと思うんですね。
自分たち何が起こっているかを自分たちは気がつくこと、そしてその上でこういった文化背景に惑わされずに自分たち家族にとって最適な行動や価値観ってことをゼロベースで考えていくことが大事なんだと思うんですね。
そして問題の一つである経済的問題。
子供が生まれるとめっちゃお金かかるんですよね。だからもっと働かなきゃってなんですよ、子供が生まれると。
子供が妊娠したとか生まれたとかってなると、じゃあ仕事を少なくして家にいて子供の面倒を見ようとかっていう思考になるよりかは、
めっちゃお金かかる、これからめっちゃお金かかる、どうしようっていう。どうしようっていう気持ちが多分男は強いと思うんですよ。僕もそうだったし、
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一応双子だったので余計困ったんですけど、もうこれから先めっちゃお金かかるじゃんって、どうやってこう、とりあえず頑張るしかないよねって、今の仕事は
クビにならないように頑張るしかないよねってさ、ステップアップできていったらいいけど、それもじゃあ頑張って勉強とかしなきゃいけないし、
労働時間も増やしてもっとお金稼がなきゃっていうふうに思考になりやすいんですよ。
子育て罰っていうほど子育てにこの国お金かかるじゃないですか。これはソーシャルデンズラジオってポッドキャストがあるんですけど、それがすごいわかりやすいのでぜひ聞いていただければと思うんですが、めっちゃ金かかるんですよね。
だから出産直後は男にとっては、もう稼がなきゃっていう意識が強く働く時期だと僕は思うんですね。
女性にはちょっとわかんないと思うんですけど、女性は生まれた子供を守んなきゃ、育てなきゃっていう意識が多分強く働くと思うんですけど、男性は稼がなきゃって意識がとても強く働きやすい。
本当は妻を支えなきゃって風になった方が夫婦関係を改善するんだけど、その時その時のその当事者としては稼がなきゃって意識が多分強いはず。
僕は第一史の時はそういう感じだったので、すごい働いてたんですね。
第三史の時には流石に夫婦関係もヤバくなっているとも気づいてたので、育休を長めに取って、育児給付金をもらって生活してました。
なんとかなったんですよね、それでも。
だけど育休復帰した後っていうのは、やっぱり評価が下がるんですよね。その時いなかったからっていう理由で。
だから男にとってはすごい困った問題なんですよ、経済的に問題からのしかかってくるんで。
だから一括に早く帰れとか、早く長時間勤務やめて早く家帰れよって言われても、いやいや、金どうすんだよっていう風な問題もなるんで、そこがね、多分議論がすっぽり抜けてるなと思うんですよ。
で、その辺に関しては育児給付金をもらってなんとか生活できる部分もあったりするし、その期間は育児給付金と貯金を使って乗り切って、
育休が明けたら、そこから収入を増やすために動いていくとか、っていう風に計画的にやると、僕はそうだったんですけど、そうなると夫婦関係も破綻せずに経済的な問題についてもクリアしやすくなるなっていう風に僕は思ってます。
で、この問題をね、もうちょっと言うと、1997年の30代の収入っていうのは500万円台が最も多かったんですね。
でもそこから、30年後か、30年後の2022年っていうのは300万円が最も多いんですよ。200万円ぐらい減ってるんですよね、その収入が。
だからね、僕ら男性も困ってるんですよね。どん詰まってるわけですよ。どうしたらいいんだろう。金がなくて、金がかかる子供を産まれてて、でも金を稼ぐために仕事をすると家に帰れない。
家に帰れないと妻と嫌悪になるっていう、このグルグルした悪循環をどうしたらいいんだろうっていう。
で、答えのない状態に僕ら置かれてて、誰もなんとかしてくれないんですよね。こんな時代だった。こんな時代は自分たちで、自分たち家族にとっての最適解っていうのを探し続けないといけないなって思うんですね。
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もしかしたら家庭にとって条件の良い転職をすることかもしれない。職場の近くに引っ越すことかもしれない。
夫婦ともに時短勤勉になることかもしれない。独立起業することかもしれない。
もしくは子供に優しい国に移住することかもしれない。いろんな選択肢があると思うんです。
その中で自分たち家族にとって最適解を探し続けて行動し続けることが、夫婦関係を良好に保つ、もしくは改善させるためのヒントになっていくんじゃないのかなって思っています。
はい、ということで次回は、なぜ今産後クライシスといったことが問題視されるのか。
これは2011年の話なんで、今そんなにこの産後クライシスって言葉を言われてないと思いますけど、
なんでこの産後クライシスという言葉がこの時代に問題視されるのか。
なぜそれが1990年代とか80年代とかじゃなくて、この2000年代の日本で問題視されるのかということについてお話をしていこうと思います。