こんにちは、アシカガコウジです。
UNOというめちゃくちゃ有名なカードゲームがありますよね。
で、このUNOと同じ会社が出しているBLOCKSというボードゲームと、
この2つのPRのために、生成AIで作った曲を6曲まとめて、それぞれ、
ミュージックビデオとして、YouTubeやSNSで公開するという企画をやっていました。
今回はこのUNOの企画がどういうものか、どういう反響だったのかなどについて話をしたいと思います。
この番組、アシカガCASTは、あなたのクリエイティブの背中をちょっと押すおテーマに、
デジタル活用のヒントを分かりやすくお届けすることを目指しています。
今回取り上げるテーマは、生成AIで作った曲でヒットを狙うUNOの企画は成功するのか?です。
このUNOとBLOCKSの音楽企画を知ったのは、TVERのCMでした。
ドラマの幸せな結婚を見ようとしたら、最初にこのCMが流れたんですね。
で、その時思ったのが、どんな曲なのかを聴いてみたいという、この企画を面白がる気持ちと、
もう一つ、生成AIを使っているということで、どういう反響なんだろう?
叩かれたりしてるんじゃないかなという興味、心配でした。
そこで幸せな結婚を再生しつつ、早速Xで調べてみると、
そこまで大きく話題にはなっていなかったんですが、それなりには話題になっていて、
やっぱり否定的なコメントが目立っていました。
企業が生成AI使うなよと言った内容のコメントがあったんですが、
これが今の多数派の意見なんだろうかなと思いました。
でも曲が良いと褒めるコメントもちょいちょい見かけました。
これ、いろんな前提なしで、いきなりその曲のミュージックビデオがバーンと出てくる、
TikTokとかInstagramのリールなどだと反応も違ってくるんじゃないかと。
まあユーザー層の違いもありますよね。
若い人たちには反応が違うんじゃないかとかも思ったんですが、
TikTokとInstagramでは探しても見つからなかったので、ショート動画としては展開してないんだと思います。
生成AIで作った曲ですと全面的に打ち出しているので、
後から生成AI使ってると分かった時みたいな変な騒動にはなっていないなと思いました。
やっぱり最初に生成AIですよというやり方が今は正しいだと思います。
この企画のコンセプトの立て方みたいなのもよくよく考えて作られたんだろうなと。
キャッチコピー的なものが、今注目のAIにおねだりして、
オリジナル楽曲、オリジナルアルバムを制作しヒットを狙おうという言い方をしてるんですね。
もっと有名になりたいからAIにおねだりして、たりき本願的にワンチャンヒットしたらいいなみたいな。
このコンセプトの立て方がAIを使うという上でかなり狙われているというか考えられているなと感じました。
でもやっぱりAIじゃなくて人に頼んであげてと言ってる人がいました。
やっぱりそういう意見は出てきますよね。
でも予算と時間をそこまでかけずにAIを使うからこそできるという企画もあるわけで、
そこを理解してほしいなと私は思います。
せっかく生成AIを使うことで面白いものが作れる可能性があって、
グレーゾーンな部分もありますが、生成AIを使うこと自体は違法でもないですし、
商用利用がokなAIのサービスを使ってやってるはずなので、
企業が生成AIを使うなよと使っちゃダメという圧力をかけるのは違うと思います。
この企画のUNOとBLOCKSをテーマにした曲の出来はなかなか良いものだったと思いますが、
なんといってもミュージックビデオの出来がすごく良いと思いました。
ミュージックビデオには生成AIは使われてないようです。
ちなみにこの6曲のうちの1曲のイラストを担当したという人をインスタグラムで見かけました。
ミュージックビデオは全部正方形動画なんですね。
で、UNOさんとBLOCKS君というカードとゲームに目玉がついてるキウイのキャラクターの、
キウイブラザーズに似た感じのキャラクターのイラストを使った動画で、
そんなにガンガン動く動画ではなくて、繰り返しのパターンをうまく使ったような、
そこまで手間はかかってないような、でもセンスのある良い感じの動画でした。
クオリティはすごく高いと思います。
ただ曲が生成AIというところが前面に出過ぎて、ミュージックビデオもAIだと思ってる人も多そうですし、
なかなか評価につながってない気がしました。
この企画のニュースリリースを見てみると、ミュージックビデオの方は人間が作っていることをやっぱりアピールしていました。
ニュースリリースの文言によると、楽曲の世界観を視覚的にも楽しめるよう、
映像監督のディレクションの下で撮影・編集されたミュージックビデオも製作。
生成AIの力を借りつつ、人の感性と演出が織り混ざった作品に仕上がっています。と書いていました。
ここの文言もかなり練られていますよね。
生成AIの力を借りつつも、やっぱり人の力によって作品が仕上がってるよとアピールしてるんですね。
で、これ作詞も人間がしてると思うんですけども、
作詞は人間、作曲・編曲・歌を歌うのはAI、ミュージックビデオは人間という、この組み合わせが今は最適だと思います。
ボーカロイドの曲、ボーカロ曲ってミュージックビデオで必ず歌詞がフィーチャリングされているというか、
歌詞を見せるような動画になっていることが多いんですが、
これは予算とか手間とかの都合で、そこまでアニメーションとか動画そのものの動きに手間がかけられないという面もあるんでしょうが、
人間の歌に比べてやっぱり歌詞が聞き取りにくいから、そこを補完するためにミュージックビデオで歌詞を出しているというのがあると思うんですね。
で、これと同じことがAIで作った楽曲にもあるので、やっぱり歌詞が聞き取りにくいという部分があるので、
ミュージックビデオにして歌詞が表示されるように、歌詞がわかるようにしてこそ、
AIで作った楽曲は生きるんじゃないかなと聞いてもらえるんじゃないかと思っています。
そういう面ではやっぱりある程度しっかりしたミュージックビデオを作っているという点でも、この企画はよくできているなと思いました。
ある人が生成AIを使っていると言われた時点で、人はそのコンテンツ、創作物への興味を失うと書いていました。
確かにそれもあると思うんですが、生成AIを使っていると言われた時点で、人はそのコンテンツに対して原点法で見てしまうんじゃないかと。
あらを探す味方になるという傾向があると思います。
一方で、生成AIで何かを作っている側の人間は、できたものに対して、AIでここまでできるようになったんだと。
良い点を見つけようとするんじゃないかと。
今はこの段階だけども、将来性を感じるよねみたいなところで、原点法じゃなくて加点法で考えるんじゃないかと。
たぶんこのUNO&BLOCKSの曲を作った制作チームもここまでできるんだと。すごいと。面白いと。面白がって作ったんじゃないかなと予想します。
ただ、生成AIが作った曲ですよと出すことによって、世間からは原点法で見られちゃうと。
ここの作っている側の加点法と見る側の原点法の見方の違いにヒントがあるのかもなぁと考えてみました。
以前このポッドキャストで話したAIイラストが非難されるかどうかは、文脈、コンテキストにもよるという話にも通じると思います。
なので、制作段階からSNSに過程をアップしていって、失敗した例とかうまくいかなかった例も見せつつ、このプロジェクトを進めていったら、
その過程を見せることでファンを作ることができたら、もっと良い展開、もっと良いPRになった可能性もあるんじゃないかなと思います。
応援してくれる人を作る。共犯者を作るみたいな言い方をよくしますよね。
まあその過程の段階で批判が殺到してリリースまでこぎつけられなかったかもしれないので、あんまり安易なことは言えませんが。
変に炎上とかはしなかったですし、公開を取り消せますみたいな、そういうことにもなってないので、今の日本での生成AIに対する反発の大きさとかを考えると、
この企画は成功だったと言えるかもなと。将来的に振り返った時に成功例として残るのかもと思いました。また将来的ではなくて、生成AIを使った企画の成功例として業界史とかに取り上げられるんじゃないかなとも思っています。
例えば映像系だったらビデオサロンとか、CGアニメーションだったらCGワールドみたいな業界史的なものがありますよね。で、そういった雑誌では生成AIをどう生かしていくかみたいな情報が企業向けとして紹介されたりしています。
なのでそういう企業向けな情報を見ていると、生成AI絶対ダメみたいなそういう雰囲気はあまりないんですよね。なのでこの企画も音楽生成AIを使った企画の成功例として企業向けな情報として紹介されてもおかしくないんじゃないかなと考えています。
企業が生成AIによる楽曲を使ったPRをするというのはありかなしか。皆さんはどう思うでしょうか。
今回のUNOとBLOCKSの曲で言えば、UNOのあるある的なものを歌にするとか、BLOCKSのゲームの内容、紹介的なものを歌にするとか、そういう感じでPRしたい商品の特徴とか良さとかあるあるとかを歌にするという企画はいろいろ考えました。
考えられそうですよね。面白いものが作れそうですよね。ただそういうものがあまり増えすぎると新鮮味がなくなって飽きられるということもありそうです。
なので今の段階では早い者勝ちだけど、早いとAIを使っているということで批判も受けるという難しいところかなと思います。
ご意見ご感想などあれば、ハッシュタグあしかがキャストをつけてXに投稿していただくかお便りのフォームとメールアドレスも概要欄にありますので、そこからメッセージを送っていただけると嬉しいです。
それではまた次回お会いしましょう。あしかが康二でした。